メールやPDFファイル等で締結後、プリントアウトした文書は印紙税法上の課税文書なのか?(ビジネス法務 2017年2月号)

1.メールやPDFファイル等で締結後、プリントアウトした文書は課税文書なのか?

遅ればせながら、「ビジネス法務」2017年2月号の特集記事「ここが重要! 法務部の『税務』 税務の基本と法務の関り方 TMI総合法律事務書 弁護士・税理士 岩品信明氏著」の内容について、個人的な意見を書いてみたいと思います。

上記特集では、法務担当が押さえておきべき、各種税制に関する考え方について解説されており、参考になりました。

ただ、一点、個人的に疑問に思ったのが、印紙税に関する解説箇所です。該当箇所を抜粋させて頂きます。


【印紙税の主要なポイント】

(中略)

・メールなどで合意している場合や契約書がデータでのみ存在している場合には、印紙税法上の文書の作成に該当しないため非課税であるが、プリントアウトする場合には課税されることになる。



私の素人考えでは、前段の電子データで契約を締結した場合は非課税というのは正しいかと思いますが、そのメールや契約書データをプリントアウトした場合には課税される(→印紙税を貼付・消印)する必要がある、というのは、僭越ながら間違いではないか、と考えておりますが、いかがでしょうか?

2.契約書の写しは課税文書ではないのでは?

印紙税法基本通達の第19条第2項によると、


第19条(同一の内容の文書を2通以上作成した場合)
2項 写、副本、謄本等と表示された文書で次に掲げるものは、
   課税文書に該当するものとする。

(1) 契約当事者の双方又は一方の署名又は押印があるもの
   (ただし、文書の所持者のみが署名又は押印しているものを除く。)
(2) 正本等と相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることの
   契約当事者の証明(正本等との割印を含む。)のあるもの
   (ただし、文書の所持者のみが証明しているものを除く。)



と定められており、上記ルールの反対解釈から、仮に、課税文書であったとしても、当該契約書の写し(コピー)は、上記条件(1)か(2)に該当しなければ、課税対象外となります。

その為、「メールなどで合意している場合や契約書がデータでのみ存在している場合」、それをプリントアウトして写し(コピー)を作成したものは、印紙税の課税対象外かと思うのですが、どうなのでしょうか?

3.国税庁の照会結果によると・・

なお、国税庁HPには、各種税金の照会結果が掲載されておりますが、その中に、「請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について」の照会結果が下記URLに掲載されております。
https://www.nta.go.jp/fukuoka/shiraberu/bunshokaito/inshi_sonota/081024/02.htm#a03

上記照会結果の一部を抜粋させて頂きます。


~しかしながら、注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。

 ただし、電子メールで送信した後に本注文請書の現物を別途持参するなどの方法により相手方に交付した場合には、課税文書の作成に該当し、現物の注文請書に印紙税が課されるものと考える。

※下線は私が追記



上記回答からしても、「メールなどで合意している場合や契約書がデータでのみ存在している場合」、それをプリントアウトして写し(コピー)を作成したものは、課税文書には該当しないのではないでしょうか?

もしかしたら、著者が書いた上記文章には、(印紙税法基本通達の第19条第2項の要件を満たす場合で、)「プリントアウトする場合には課税されることになる」、という隠れた前提条件があるのかもしれませんが・・。

そもそも、感覚的に言っても、課税文書には該当しないものを単純にプリントアウトしただけなのに、課税文書に該当してしまう、ということは、間違いではないかと思うのですが、どうなのでしょうか?

疑問を払拭する為、もう少し調査を進めてみたいと思いますが、取り急ぎ、現在の考えをまとめてみました。
私の考え方が間違っているようであれば、ご指摘下さい・・。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
中国の法律(朱勇氏編)
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英米法でいう「危険負担」の定義とは?(最終章)

これまで、英文契約書に関する書籍は多数読んできたので、この手の本は満腹気味でしたが、(専門)商社(なんちゃって)法務マンの私としては、「元商社ベテラン法務マンが書いた 英文契約書ハンドブック(宮田 正樹氏著作)」を書店で見つけて、ジャケ買いしてみました。その結果、以下の通り、非常に良い買い物となりました。

本書の内容は下記目次をご覧頂きたいのですが、早速ですが、本書で非常に勉強になった箇所を以下の通り抜粋させて頂きます。


④危険(RISK)(危険の移転)
日本でいうところの「危険負担」は、船が沈没するなど債権者・債務者いずれの責めにも帰し得ない事由で引渡債務等が履行不能となった場合、反対債務である代金債権も消滅するのかどうかの問題であり、引渡債務が完了したかどうかという問題とは(密接にかかわるものの)別の話です。(民法534条から536条に規定されています。)

 ところが、英米法でいうところの「危険(risk)」は、「履行危険」(いつの時点で売主は引渡債務を完了したのかの問題、言い方を変えれば、いつ引渡債務は消滅するのかの問題)なのです(インコタームズやウィーン売買条約で用いられている「risk」という用語の場合も同じです)。



約4年前に、「日本でいう危険負担」と「英米法、インコタームズ、ウィーン売買条約でいう危険負担」の概念は同じなのか、という記事2つを書き、その際には、結局、どうやら違うらしいということは分かったものの、曖昧な理解で終わっておりました。しかし、上記問題意識を頭の片隅に持ち続けていたところ、法務歴10年にしてようやく、上記書籍により問題が解決しました。遅すぎですね・・。

日本の場合には、過失責任の原則があることから、双方の責に帰すことの出来無い事由により、一方の債務(例えば売主の引渡し義務)の履行が出来なくなった場合、その債務は消滅し、もう一方の債務がどうなるのか、という問題が生じて、危険負担の定めでその問題を解決します。

一方、英米法上等では、厳格責任の原則があることから、危険が移転するまでに、双方の責に帰すことの出来無い事由により、一方の債務(例えば売主の引渡し義務)の履行が出来無い場合でも、売主は履行不履行による損害賠償責任を負担し、もし、不可抗力条項を契約書で定めていた場合には、不可抗力条項の適用の有無やその内容、フラストレーションの法理について検討する、ということになるようです。

非常にすっきりしました。

※なお、不可抗力条項があれば、日本法が適用されても、英米法が適用されても、結局、同じ結論になると考えてしまいそうになります。しかし、一般的な不可抗力条項では、不可抗力による履行遅滞は免責されるとは定められているものの、履行義務が消滅するとまでは定められてはおらず、全く同じ結論になるというわけでは無い、と言う点には留意が必要ですね。

ちなみに、毎年、新入社員研修で「契約」に関する講師をする機会があり、その場で、「危険負担」とは何たるかを解説しておりますが、その際には、日本法で言うところの「危険負担」の定義をこれまで教えておりました。

しかし、同じ日程で行われる貿易管理の授業では、貿易管理部門の担当者が、インコタームズ等に関する貿易の知識について新入社員に対して講義を実施しております。

その為、「契約」に関する講義中、基本契約書上の「危険負担」とインコタームズ上の「危険負担」は同じなのかと、新入社員から質問を受けないか、これまでヒヤヒヤしながら講義をしておりましたが、来月実施する上記研修では、自信を持って研修に臨めそうです。

ただ、この数年は、講師は後輩の法務担当が行い、私はオブザーバーとして参加するだけなのですが、基本契約書上の「危険負担」とインコタームズ上の「危険負担」は同じなのか、後輩に突然、質問してみて、どのようなリアクションを取るのか見てみるのも面白いかもしれませんね (゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

英米法でいう「危険負担」の定義とは?
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-358.html

英米法でいう「危険負担」の定義とは?(その2)
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-414.html

<本書目次>
1 英文契約書の基本知識(国際契約と英文契約書;一般条項)
2 具体的な契約書に基づく解説(秘密保持契約書と予備的合意書
  (レター・オブ・インテント)
  売買契約書
  販売特約店契約書
  ライセンス契約書
  商標ライセンス契約書
  特許ライセンス契約書
  業務委託契約書)
3 補足関連知識(インコタームズの解説;ウィーン売買条約;貿易実務)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・格付けはなぜ下がるのか(松田 千恵氏著作)
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・中国・外貨管理マニュアルQ&A 2016改訂版(水野真澄氏著作)
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・会社法(田中 亘氏著作)
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書籍:「会社謄本 分析事始」を読みました。

ビジネスロー・ジャーナル「2017年3月号」の「辛口法律書レビュー」にて「企業法務パーソンが私費であっても買うべき本」の一位に紹介されていた、中村勝彦氏著作の「会社謄本 分析事始」を読んでみました。

本書は、大きく分けて「分析編」と「推測編」の2部構成となっておりました。

1.本書概要

従来、会社謄本は、現在事項全部証明書から、現時点の資本金や役員構成を知るための資料と認識しておりましたが、「分析編」のように、閉鎖謄本に記載の変更登記にまで遡って調査することで、会社の素性が分かる場合がある、と言う考え方は斬新でした。

また、「分析編」の手法は、変更登記があまりない会社には使えないテクニックではありますが、「推測編」では、会社謄本と政府統計資料等を組み合わせて「数字を造り」、経営実態を暴くテクニックが紹介されていました。

例えば、取引先候補となる会社に対してヒアリングする際に、「どうですか?」、「どれくらいですか?」といった漠然・曖昧とした質問を投げかけるよりも、会社謄本と政府統計資料等を組み合わせて無理矢理でも数字を作って、相手の会社を推測し、その数字をベースにして質問して、質問を提示した時の相手のリアクションはどうか、腹に落ちる回答があるかを確認することで、会社の実態をより探ることが出来る、ということで、「推測編」では主に「数字を作る」テクニックが紹介されていました。

2.現物出資に注意

本書によると、500万円以下の金銭以外の財産の現物出資については、出資金の変更登記にあたり、財産の価格に関する税理士・公認会計士等の専門家の証明書は不要のようです。

また、会社謄本には「資本金の額」が記載されているだけで、「出資した財産の種類」は登記されていないので、資本金の変更登記があった場合、現物出資による増資の可能性も考えるべきとのことでした。

取引先の会社HPの「沿革」を見ていますと、たまに、複数回にわたり中途半端な金額の増資をしている会社に遭遇しますが、特に、500万円以下の資本金変更登記が頻繁に実施されている場合には、見かけを良くする為に、実際の会社規模を反映していない過大な資本金の金額になっているかもしれませんので、注意したいと思います。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>

・最強の法律学習ノート術(木山 泰嗣氏著作)

[本書を読んで参考となった内容の概要]

法律の勉強をしていて、その場では解決出来ない疑問を生じた場合、
疑問は疑問として記録に残しておきべき。
法律の科目や範囲はリンクしているので、いつか、疑問が解消する場合がある。
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・法務担当者のための民事訴訟対応マニュアル〔第2版〕(田路至弘氏)

[本書を読んで参考となった内容の概要と個人的メモ]
(1)民事保全の場合の担保方法の例外

   民事保全の場合に担保として提供するのは、
   現金が一般的かと思いますが、本書によると、
   民事保全の担保方法として、裁判所の許可を得たうえで、
   一定の金融機関等との間で支払保証方法
  (通常、ボンドと呼ばれる)をする方法でも代用可能なようです。

  担保と違って、勝訴しても返ってこない、金融機関等に支払う
  保証委託料がいくらなのか気になるところですが、
  今度、保全申請をする際には上記方法を選択肢に入れたいと思います。

(2)訴訟上の和解のデメリットの一つ

   「税務署、法務局、労働基準署等、裁判所以外の公的機関の見解が、
   和解によって確認された権利関係を認めるとは限らず、また、
   和解によって当事者が前提としていた結果となるとも限らないことには
   注意する必要がある。」

   特に痛み分けとなるような和解をする場合は、負担する損失が
   損金算入可能なのか、後々、税務調査で否認される可能性は無いのかについては、
   十分注意したいと思います。
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・ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則
(ローレンス・サスキンド氏、ローレンス・E.サスカインド氏著作)
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・経理のプロが現場で教える楽勝!会計入門-山本ラーメン店の開業ストーリーで学ぶ会社の数字-
 (伊藤洋氏著作)
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セミナー(海外での訴訟を念頭に置いた日本企業の文書管理の留意点)に参加してきました。

2017年2月6日(月)は、eディスカバリ、フォレンジック対応の支援サービスを提供している、クロール・オントラック社が主催した、下記のセミナーに参加してきました。



テーマ:海外での訴訟を念頭に置いた日本企業の文書管理の留意点  
     ~紙媒体での規定・保存・管理のみならず、日々増大する電子文書の対策も含めて~

講 師:木目田 裕氏 パートナー 西村あさひ法律事務所
     平尾 覚氏 パートナー 西村あさひ法律事務所
     トーマス・バース氏 ディレクター クロール・オントラック

セミナー内容(主なポイント):
・海外では、文書管理規定、保存、文書管理の実践に関してどのように
 取り組んでいるか(電子媒体を含む)

・諸外国では文書管理をどのように運用しているのか?トレンドは?
 実際の運用方法の事例など

・日本にある本社と海外にある子会社では文書管理規定を統一すべきものなのか?

・日本の本社ではどのような対策を整えておくべきなのか?



[上記セミナー後の感想]

(1)米国の文書開示制度(ディスカバリ、Subpoena(罰則付召喚状)等)
  対応の社内フローの作成・周知・教育の重要性を再認識させられた。

 
例えば、米国に子会社があり、米国内でビジネスを進めているものの、現時点では米国市場を主戦場とはしていない会社の場合(当社を含む)、文書管理規程を設けて、各種文書の保存期限を設けて廃棄等の運用を進めることはしてても、米国の文書開示制度対応については、法務担当だけが、BLJの購読を通じて、その重要性を毎月感じているものの、社内体制の整備までは手付かずになっている会社は多いかと思います。
 
ただ、突如、米国での訴訟・司法手続きに巻き込まれ、準備不足から意図せず、罰則が厳しい司法妨害罪(Obstruction of Justice)を問われること無い様に、社内フローの作成と、IT部門との事前のすり合わせ位は対応しておきたいものですね。
 
(2)メールの保存期間をどうするか。

米国のルール上、電子メールの保存期限は法定されておらず、各社の運用に任されているようです。

メールをサーバーで保存するのもコストが掛かるので、メールは原則、90日間保存されて、その後は自動削除されるよう設定されているものの、重要なメールは、各人が、別途個人用の保存フォルダに保存するようルールを設けている会社が多いとの話がありました。

ただ、今思えば、セミナーの時に講師の方に質問すれば良かったのですが、「重要なメール」の基準を明確にしておかないと、自社に不利な証拠を破棄したと認定されるリスクがある中、一方で、上記基準を設けるのはなかなか難しいかと思いますので、各社が上記をどのように運用しているのか、どのように対応すべきなのか、気になるところです。
 
<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>

・企業法務のための 民事訴訟の実務解説(圓道 至剛氏著作)

[本書を読んで参考となった内容の概要と個人的メモ]
(1)弁護士にセカンドオピニオンを求める場合

弁護士から回答を得た内容について、他の弁護士にセカンドオピニオンを求める場合には、その弁護士に代理人を依頼する
意図は無い旨、伝えた上で質問をしないと、代理人を変更して貰えると考えて、甘い見通しの回答を受ける可能性があるので
注意が必要。

セカンドオピニオンを求めている件を目の前の弁護士に伝えるのは遠慮してしまいますが、正確な意見を貰うには、上記注意事項に留意したいものです。

(2)民事訴訟法第220条1号に注意

準備書面に、自社に有利な記載と不利な記載の混在する社内文書について言及してしまったことで、当該文書については、民事訴訟法第220条1号の引用文書に該当するとして、文書提出義務を負うハメになるケースがあるので注意が必要。

そういえば、上記とは関係の無い話ですが、あくまで聞いた話ですが、裁判の際に、相手方にあるはずのない社内文書(稟議書)が相手方から当社に不利な証拠として提出され、自社の営業担当を問い詰めたところ、トラブルに発展するだいぶ前の平常時に、取引をスムーズに進める為に、社内文書(稟議書)を相手方に提示していたの回答を受けたようです。

上記のように、身内から足元をすくわれないよう、日頃の機密情報管理の啓蒙・教育を徹底したいものですね。以上、あくまで、聞いた話でした。。

(3)下手な反対尋問は、相手方代理人の行った主尋問を固めるだけであり、無益どころか有害。

(4)主尋問の練習時に尋問メモを暗記させるな

主尋問の練習時に尋問メモを暗記させた場合、本番時には覚えていることをただ吐き出すだけの形となり、回答が質問に対応したものとならない為、裁判官に対する心証が悪く、また、証人が緊張して覚えたことを思い出せなくなる場合もあるので、丸暗記はさせない。

そういえば、かなり前の話ですが、当社が提示した証人に関する相手方の反対尋問の際に、相手方代理弁護士が、「証人は、弁護士が作った陳述書のストーリー通りに回答しているだけであり、証人の回答は信頼性に欠ける」というイメージを出したい為、証人に対して、尋問に際してどの程度の「練習」をしたのか、反対尋問で質問が出るかもしれない為、証人尋問の事前準備の際、相手方代理人から上記のような質問を受けた際には、「練習」とは言わずに「記憶の喚起」と呼びましょうと、当方の代理人弁護士が証人に対してレクチャーしていたことを、今、ふと思い出しました。

しかし、よく考えてみると、「記憶の喚起」という言葉を一般の人が知っているとは思えず、上記回答をするよう、練習で教えられたとの心証を与える可能性もありそうですね。。

証人が、自分の言葉で証人尋問の対応が出来るよう、レクチャーしたいものですね。

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・国際弁護士が教える海外進出やっていいこと、ダメなこと(絹川 恭久氏著作)

[本書を読んで参考となった内容の概要と個人的メモ]

取引の相手方が、別会社を通じて契約したり、代金決済をしたいと提案してきた場合は注意が必要。

節税目的で、注文書と製品代金の支払いは、タックスヘイブンにある別法人が行いたいとの説明を受けて、取引がスタートするケースもあるかと思います。

この場合、通常の連絡業務は、中国にオフィスを構える別のグループ会社が行うので、何の支障も無いものの、いざ、支払いが遅延して訴訟を提起する場合、注文書のやり取りをしていた会社は、オフショアにあるペーパーカンパニーであり、訴訟に勝訴したとしても執行対象となる資産が無くて泣き寝入りするしかない、なんて事態も想定されます。

ただ、タックスヘイブンにある会社の場合、調査会社での調査レポートを入手出来ず、取引開始時に調査をしても、会社の実態が分からないことが一般的です。

その為、どうしても、別法人を介して取引をしなければならないものの、前払いでの支払条件には応じて貰えない場合には、実際に連絡業務を行う社員が所属している、財務状況等の実態を把握出来ている法人から連帯保証を取る等して、取りっぱぐれの無い様にしたいものですね。

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・会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング(本間 浩輔氏、中原 淳氏著作)

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中国で抵当権を行使するには、その前に、原則、訴訟で勝訴判決を得る必要がある。

最近、中国の律師(弁護士)から聞いた話を、参考までに書き留めておきたいと思います。

中国の法律では、抵当権を行使する場合、原則、裁判を提起して勝訴判決を得た後ではないと、抵当権を行使することが出来無いようです。

その理由としては、訴訟を経て、債権者が回収することが出来る請求金額が裁判で確定した段階で、その金額について抵当権を実施することが出来る、という建付けとなっているようです。

ただ、2013年の「民事訴訟法」の改正により、上記例外となる特別手続が新設され、訴訟前であっても、民事訴訟法第196条に基づき抵当権の行使を申し立て、裁判所が許可すれば、抵当権が行使出来ることになったようです。

但し、裁判所は、抵当権設定者(通常、債務者)が、抵当権の対象となる債権の金額等に異議を申し立てた場合、裁判所が抵当権の実行を却下する場合があり、そうなりますと、訴訟を経た上で、債権を回収する必要があります。

抵当権設定者(通常、債務者)が、時間稼ぎの為、上記の通り異議を申し立て、抵当権を行使させないよう対応することが想定される場合、初めから訴訟を提起した方が、時間と弁護士費用を節約できて良さそうです。

訴訟前の抵当権行使に対して、裁判所が消極的であることを是正する為、2015年1月30日に「『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する最高人民法院の解釈」が公布(2015年2月4日に施行)され、訴訟前でも、抵当権を行使し易いような運用方法となったようです。

しかし、訴訟前の抵当権行使が認められるかどうかは、裁判所の裁量により決まりますが、まだまだ、抵当権の事前行使を認めない裁判所も多いようです。

聞いた話では、抵当権行使の前に、裁判所が抵当権者、抵当権設定者を呼び出して、双方の言い分を聞く「聴証」という手続があるのですが、その場に、抵当権設定者が出席しなかった為、抵当権設定者の言い分を聞けなかったとして、抵当権の事前行使が認められなかった事例があるようです。逃げ得ですね。

こうなりますと、抵当権設定の効果は、抵当権設定者(通常、債務者)が倒産した場合に、別除権で保護されるだけで、抵当権の対象となっている債務者が債務不履行をした場合に、「直ぐに」抵当権を行使して債権を回収出来る、ということについては、大きな期待を持たず、最悪、裁判をしないと債権の回収が出来無い場合もあると考えておいたほうがいいですね。

以上、個人的な備忘の為に書き留めておきました。

2015年1月30日公布 2015年2月4日施行
「『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する最高人民法院の解釈」

http://www.court.gov.cn/fabu-xiangqing-13241.html

<中国 民事訴訟法>
第七節 担保物権実行事件

第196条
担保物権実行の申立ては、担保物権者その他担保物権実行を請求する権利者が
物権法等の法律に基づき、担保財産の所在地又は担保物権登記地の基層人民法院に提出する。

第197条
人民法院は申立てを受理した後に審査を行い、法律規定に適合している場合には、
担保財産の競売、換価を裁定する。当事者はその裁定に基づいて人民法院に執行を
申し立てることができる。法律規定に適合しない場合には、申立ての却下を裁定し、
当事者は人民法院に訴えを提起することができる。」とする。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
経理部は見ている。(楠木 新氏著作)
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カリンと学ぶ法学入門(林 誠司氏著作)
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うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち(田中 圭一氏著作)
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主に、週末にブログを更新する予定です。

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