書籍:思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

今回、『思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本』という本を読んでみました。
本書で著者は、昨今の日本社会では、「法令遵守」することが自己目的化され、法律やルールを
守っていれば大丈夫だという短絡的な発想に陥り、本質的な問題はそもそも何なのか、
という所まで考えが及ばない思考停止社会になっていている、と主張します。
また、この思考停止社会の大きな要因をマスメディアに求めています。

著者の言葉を引用します。

^^^^^^(以下、本書抜粋)^^^^^^

歪むマスメディア報道
前章までで述べた様々な問題について、「印籠」によって人々を思考停止に陥らせる構図に
重要な役割を果たしているのがマスメディア(これまで「マスコミ」という表現を用いてきましたが、
それをめぐる問題を正面から取り上げる本章では「マスメディア」と呼ぶことにします)です。
マスメディア報道で「法令違反」「偽装」「隠蔽」「改ざん」などの事実が指摘されると、
当事者は一切の反論ができず、まさにその場にひれ伏すような状態になってしまいます。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

確かに、マスメディア、特にテレビが一般社会に与える力は甚大です。
「不二家」の例で言えば、嘘のデータに基づいた誤報が行われているにも関わらず、
テレビでみのもんた氏が「あの会社はけしからん」とセンセーショナルに取り上げることで、
その会社が壊滅的なダメージを受けてしまうケースもあるわけです。

少し話がそれますが、私見では、みのもんた氏や「コメンテーター」と呼ばれる、
大衆受けする当たり障りの無いコメントしか出来ない「視聴者の意見を代弁してくれる」だけの存在は、
報道番組に必要無いのではないかと思います。
そのニュースに詳しい解説者の方や専門家の意見には聞く価値があると思いますが、
その他の方達は、報道番組作成上の時間つなぎには役に経つかもしれませんが、後は
一般視聴者の思考を均一化する役割しかないように思います。
また、バラエティー的な報道番組は、暇つぶしになる以外の存在価値はないのではないでしょうか。

さて、「マスメディアから提供される報道内容を盲目的に信用する視聴者もダメ」という
教科書的な意見を、新聞やものの本で散見します。
しかし、「情報公開制度」等を利用して報道の内容がほんとうに正しいのか、
その真偽を確かめている時間は一般視聴者にはありません。

また、マスメディアの質の向上は当然望むにしても、マスメディアも営利団体ですので、
「あくまで真実をありのままを伝える公器」を期待するのも無理があるかもしれません。
その為、マスメディアから提供される情報に頼らざるを得ない状況の中でも、
一つのメディア(特にテレビ)から得られる情報が全てと考えるのではなく、
色々なメディアから得られる情報を元に、今起きている問題を複眼的に捕らえていく
必要があるなと感じました。

<目次>
第1章 食の「偽装」「隠蔽」に見る思考停止
第2章 「強度偽装」「データ捏造」をめぐる思考停止
第3章 市場経済の混乱を招く経済司法の思考停止
第4章 司法への市民参加をめぐる思考停止
第5章 厚生年金記録の「改ざん」問題をめぐる思考停止
第6章 思考停止するマスメディア
第7章 「遵守」はなぜ思考停止につながるのか
終章  思考停止から脱却して真の法治社会

思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)
(2009/02/19)
郷原 信郎

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