書籍:強制執行の仕方と活用法

最近、債権回収に関する本をメインに読み進めていますが、今回は
債権回収の最後の手段を取り上げた『強制執行の仕方と活用法』という本を読んでみました。

この本は、「本人で出来るシリーズ」というだけあって、不動産・動産・債権に対する
強制執行等について書式付きで、読者一人だけでも申し立てが出来るように詳しく解説されています。
しかし、全部自分で強制執行手続きをやっちゃう一般の方はどれほどいるのでしょうか・・

なお、本書でも記載されていましたが、裁判所のHPにも民事執行手続を解説したページがあり、
「裁判手続についてのQ&A」というコーナーもありますので、本を買うほどではないけど、
手続きの概要位は抑えておきたいな、という方は一度HPをチェックしてみることをオススメします。

裁判所HP 「裁判手続きの案内」
http://www.courts.go.jp/saiban/

さて、個人的に参考になった個所を以下に記載しておこうと思います。

^^^^^^(以下、本書抜粋)^^^^^^

さらに、私債権に優先する国税債権については強制執行があった場合に、
配当加入してくるのが常ですので、ほとんどの場合、仮に国税債権が残っていれば、
抵当権、根抵当権に基づく競売でない限り、すべてそれに優先されてしまうことになります。
したがって、すでに抵当権、根抵当権の設定されている不動産については多くの場合、
強制執行を申し立てても、無余剰として強制執行の決定が取り消されてしまう例が多くなっています。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ということで、強制執行を申し立てても、無余剰として取り消されてしまうケースもある、
というのは初めて知りました。

「無余剰」については本書には上記の記載しかなかったので、自分でも色々調べてみたところ、
「無剰余による取消し」は民事執行法第63条第1項、第2項に定められており、
執行費用と(もしある場合は)国税債権や抵当権等の優先債権の合計額が、
不動産の最低売却価額を下回る場合は、強制執行の申し立てが取り消されてしまうようです。

その為、不動産の強制執行手続きは

1.申し立て → 2.現況調査と評価・債権届出 → 3.売却手続き → 4.配当

という流れでいくことを考えますと、単純な抵当権が設定されている場合は、
申し立て者が事前に「無剰余による取消し」になるか否かがある程度判断できるものの、
執行対象となる不動産にもし根抵当権が設定されている場合、極度額の枠内で
債務者が実際どれくらいお金を借りているのか、については、強制執行を申し立てた後、
上記2の債権届出の段階で明確になることになります。

したがって、前々回の記事『書籍:中国赴任者のための法律相談事例集』で記載したように、
とりあえずなかなか金銭債務を履行しない債務者の事業の要となる不動産(もしある場合)に
仮差押を実施して、
「不動産を競売するぞ!そうしたら事業が継続出来なくなるぞ!」と言ってこちらに
有利な和解を引き出す戦法は、根抵当権の設定義務者である債務者の場合、
「どうせ無余剰で強制執行が取り消されますのでどうぞお好きにどうぞ」と開き直られた際に、
何も返す言葉がない、と言う課題が残ることになります。

時間とお金を掛けて債務名義を取得し、強制執行したけど全くお金を回収できない、
というのでは最悪ですので、回収をより確実にする方法を、他の類書を読んで、
模索していきたいと思います。

強制執行の仕方と活用法強制執行の仕方と活用法
(2009/03/25)
石井 正夫

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