書籍:こんぷらくんのインサイダー取引規制Q&A

前回と同様、私の所属している部門内で来月初旬に開催される、インサイダー取引規制に
関する社内研修資料の作成の為、今回は規制当局の考え方を直接確認するべく、
東京証券取引所(以下、東証)が発行しているインサイダー取引規制に関する書籍
『こんぷらくんのインサイダー取引規制Q&A』を読んでみました。

本書は、前回取り上げた書籍『Q&Aインサイダー取引―自分を守るための必須知識』と同様、
インサイダー取引規制に関する知識が全く無い人にも分かり易く解説されています。
なお、全186ページ中142ページがインサイダー取引規制の関連法令の掲載ですので、
本書が家に届いて、初めてペラペラめくって見た時の「上げ底感」は正直、否めませんでしたが、
350円という値段を考えますと妥当な値段設定なのかなという気もします・・・

さて、本書で参考になったのは、重要事実はいつ発生するのか、というテーマに関する記載です。
金融商品取引法第166条第2項では、インサイダー取引規制上の重要事実を、
「決定事実」「発生事実」「決算情報」「その他(※バスケット条項)」に分類しています。
この内、「決定事実」とは、上場会社等(又はその子会社)の業務執行を決定する機関が、
株式の募集、自己株式の取得、合併、業務締結等を行うことにつき決定したこと。
また、当該機関が公表した当該決定に係る事項を行わないことを決定した事実、と定めています。

しかし、株式の募集や合併等は長期の検討期間を経て、取締役会や株主総会で機関決定されて
いきますので、正式に機関決定される前の段階では、果たして重要事実に該当するのか、
そんな時期に株式の売買をするとインサイダー取引規制にひっかかるのか、という疑問が生じます。

本書によりますと、

^^^(以下、本書抜粋)^^^^^^

インサイダー取引規制における「業務執行を決定する機関」と「行うことについての決定」の
意義については、平成11年6月10日の最高裁の判決でも明らかにされており、前者については
取締役会などの会社法上の機関のみならず、代表取締役や常務会といったものなど実質的に
会社の意思決定を行うことのできる機関であり、後者については事前の準備・作業等を
会社の業務として行うことを決定したことが含まれると判断されています。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ということで、ワンマン社長の決裁権は絶対で、取締役会等の開催は形式上だけの物である場合、
機関決定前の検討段階でも十分重要事実に該当する可能性があることになります。
法令の条文を文言通り解釈して、まだ機関決定されていないから問題ないと自分で勝手に判断し、
「うっかりインサイダー」に該当しないように注意しましょう。

また、ご存知の様に、役職員等の会社関係者・元会社関係者から重要事実の伝達を受けた者
(家族や友人等)も当該規制の対象となります。
その為、今後、重要事実に該当してきそうな仕事場の情報については、重要事実が形成されていく
初期の段階から、株式取引等には疎いと思われる身内であっても情報開示しないように気をつけたい所です。

最後に、本書は一般の本屋では販売しておりませんで、東証の売店で直接購入するか、
下記の東証のHP上からご注文下さい。個人で1部からでも注文出来ますので。

こんぷらくんのインサイダー取引規制Q&A 購入ページ:東証HP


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