IFRS(国際会計基準)適用に向けての法務対応

最近、本屋に行きますとIFRS(国際会計基準)関連の本がたくさん平積みされています。

金融庁企業会計審議会が2009年6月30日に公表した「我が国における国際会計基準の取扱いについて
(中間報告)」によりますと、2012年までに日本でIFRSを強制適用をするか否かを判断し、
強制適用される場合は、2015年か2016年から適用が開始されることになります。
J-SOX特需に続けとばかりに、監査法人、税理士法人、コンサル会社はIFRS関連本の出版や
セミナー開催を通して、クライアントの獲得に躍起になっているようです。

IFRSと日本の会計基準には色々と相違点がありますが、今後の契約法務に大きな影響が出る
相違点の一つは、収益認識要件が異なる所です。

現在、日本では実務慣行として出荷基準が広く採用されていますが、IAS第18条14項では、
以下のすべてを満たした場合に収益を認識出来ると定められています。

(a)物品の所有を伴う重要なリスクおよび経済価値が買主に移転したこと
(b)売主が、販売した物品に対して「通常所有とみなされる程度の継続的な管理上の関与」
   および「有効な支配」のいずれも保持しないこと
(c)収益の額を、信頼性をもって測定できること
(d)当該取引に関する経済的便益が売主に流入する可能性が高いこと
(e)当該取引に関連して発生したまたは発生する原価を、信頼性をもって測定できること

つまり、IFRSが適用されますと、これまでの様に出荷基準の適用が難しくなり、
原則、商品の引渡時か検収時等、「物に対する支配が移転した時期」に収益を認識することになります。

IFRSは絶え間なく改正が繰り返されていますので、日本が適用を開始した時には現行の基準内容も大きく
変更されている可能性もあります。しかし、国際会計基準審議会(IASB)や米国財務会計基準審議会
(FASB)が2008年12月に発表しているディスカッションペーパー(顧客との契約における収益認識
についての予備的見解)の内容等からも、収益認識時期については、「物に対する支配が移転した時期に
収益認識する」という流れには今の所、変更はなさそうです。

今後、日本にIFRSが適用された場合には、契約書上に所有権や危険負担の移転時期を明記することが
より重要になってきます。
さらに、私が所属している会社(専門商社)は、何千社とある取引先と過去に取引基本契約書を
締結しておりますので、その一つ一つを再確認して、所有権や危険負担の移転時期を調べなければ
ならない事態になるかもしれないと思うと今からぞっとしますが(笑)、今のうちから、
IFRSが適用された場合の実務上の課題と問題点位は抽出しておくべく、関連書籍を読んで
ポイントを抑えておこうと思います。
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