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「このように解釈・主張可能」という思考でファーストドラフトを作成してはダメ

1.「あえて何も定めない」という選択肢は次善の策

遅ればせながら、ビジネスロージャーナル2018年2月号を読んでみました。

2018年2月号では、「英文契約書 応用講座 新・梁山泊としてのゼミナール 海外企業へのマネージング・ディレクターの派遣(4)」という記事にて、オーロラ社が、技術の供与先である新興国企業ローレル・フォース社向けに社員を派遣する際に締結する「出向契約」のファーストドラフトを作成する上で、オーロラ社の法務担当等が議論している一コマが取り上げられていました。

その内、秘密保持条項についての議論部分が個人的に心に留まりましたので、その内容を少し長いですが抜粋させて頂きます。


「飛鳥、いつもは秘密保持条項に、秘密保持期間を定める規定があったけれど、今回はなしでいいのかな?」

飛鳥が苦笑いしながら答える。

「須和さん、今日は冴えてますね。秘密保持期間をあえて規定しないでおいたのは、今回はなくてもいい気がしたからです。例えば、『契約終了後3年間』と規定しても、本当にそれで十分かどうか分かりません。ひょっとしたら重要な技術情報や経営情報についてはもっと長く、例えば『契約終了後10年間』のほうがいいケースがあるかもしれません。特に期間を具体的に規定していなければ、『一般ルールで標準的な期間』という合意をしたと解釈される可能性が高いと思いますし・・・」

瀬里奈が発言する。

「相手方だけに秘密保持義務を負わせて、秘密保護期間の規定を置かなかったときに、相手方から『契約終了と同時に秘密保持義務が消滅する』という主張をされたケースがありました。公平に、双方が秘密保持義務を負担すると規定しておいたほうが、このような不当に「短い期間を主張されることを抑えられるかもしれません」



上記会話の後、出向契約終了後も存続する秘密保持期間を定めた方がやっぱりいいよね、ということで議論が終わっています。

「英文契約書 応用講座 新・梁山泊としてのゼミナール」は、教育効果も狙ったフィクションとはいえ、「おいおい、飛鳥、大丈夫か?」と思わず突っ込みしてしまいましたね。

色々と交渉した結果、議論が平行線となり、妥協の産物としてやむなく、「あえて何も定めない」という選択肢を取る場合もあるかもしれません。

ただ、契約書は、後々、双方間で解釈の相違が無いよう、合意事項を予め明確に定めておく為のものであることを考えますと、ファーストドラフトを自社で作成する段階で、「この問題については、このように解釈可能・主張可能」ということで、何も定めないことを選択するのはどうかと思いましたね。



2.OJTで思考方法を教えていくのはなかなか難しい

ちなみに、私には後輩の法務担当がいますが、彼らは私のアシスタントではなく、それぞれが自分の契約案件を持ち、営業担当からの相談時から締結までを原則、一人でフォローする体制としています。

英文契約書の審査時には、(英文契約書に不慣れな)後輩法務担当のチェック結果や、顧客に提示する提案書等の成果物は、全て私がチェックしますが(私も英文契約審査のエキスパートではないものの、相対的には私が一番、経験値が高いので・・)、時間の都合上、日文契約書の審査時には、「質問があれば私に相談して欲しい」というスタンスで、基本的には後輩法務担当にお任せするスタンスとしています。オーロラ社のようなチーム制は採用しておりません。

上記体制の中、もしかしたら、私の知らないところで、後輩法務担当が、上記の飛鳥のような思考を持って対応している時もあるかもしれないと思うと、なんだかぞっとしてきました・・orz

思考の仕方については、マニュアルではカバー出来ず、OJTで教えていく必要がありますが、後輩担当の成果物の全てをチェックしつつ、気付いた箇所をアドバイスしていく余裕はありません。

一方、「均質化の為にプレイングマネージャーが後輩のアウトプットをチェックすることの難しさ」という記事でも書いた通り、私が担当している案件にも関与させて、私の背中を見て学べというのも無理があります。

そこで、私自身が契約審査対応をしている際に、これは後輩君が引っかかりそうなポイントだなと考えた事項があれば、後輩君が「そんなの分かっているよ」と心の中で思う可能性があるとしても、都度、後輩君に伝えていこうと思います。

ただ、上記だけでは、今回の飛鳥のようなパターンは捕捉出来無いので、今回の飛鳥のように、いつもとは違う対応をする場合には、都度、私に相談することまでは求めないにしても、上司・先輩も納得させられて、自分の中でも腹落ちする明確な理由を持って対応して欲しい旨、周知したいものです。

以上、チラ裏でした・・



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>

損害保険を見直すならこの1冊 (はじめの一歩)
(金融デザイン株式会社・株式会社さくら事務所 著作)


[本書で参考・再確認させられた事項]
・「補償」と「保障」の違い

・対物・対人に関する保険は、被害者保護の観点から、
 被保険者の過失の有無にかかわらず、保険金が出る。

・自賠責保険は対人賠償に限定されている

・交通事故でも健康保険は使える

・自動車保険では、「駐車して降りるときにドアをとなりの車にぶつけてしまったなど、
 停車中の事故は補償されないケース」もある。

 [備考]
 以前、スーパーの駐車場に停車した後、車外に出る際に強風にあおられて、
 車のドアを隣の車にぶつけてしまったことがありました。

 上記ケースでは、任意の自動車保険でカバーされましたが、保険会社によると、
 あくまで運転中の事故を対象とした保険なので、車から出る時に発生した事故は
 保険でカバーされるものの、車に乗る前に強風にあおられて、ドアを隣の車に
 ぶつけてしまったような場合は、保険の対象外となるとのことでした。

 上記のようなケースもあるので、特にトラブルを起こす可能性のある
 小さい子供がいる家庭は、個人賠償責任保険には加入しておいた方がいいですね。

 ちなみに、クレジットカードや、家屋の火災保険に特約として付保されている場合も
 ありますので、新規加入を検討する場合は、他の保険の特約を確認してみたいと思います。

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