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総務&法務担当の部屋     

現在、ある企業で法務担当として仕事に従事している者です。このブログは、特に法務に関する書籍や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
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訴訟告知を活用した訴訟対応と専門商社のジレンマ

1.こっちが訴訟告知しはずが相手方の見方になる場合も・・

今般は、「企業法務のための訴訟マネジメント(笹川豪介氏編集)」を読んでみました。

早速ですが、本書で個人的に心に留まった箇所を以下の通り抜粋させて頂こうと思います。


訴訟告知は、告知を受けた者に、訴訟参加の機会を与えるものであり、訴訟に参加して自己の法的地位または法的利益を防御することができるメリットがあります。

告知を受けた者は、当然に参加しなければならないわけではなく、参加するか否かは自由に判断できます。また、立場によっては、告知人の側に参加することが必ずしも有益とは言えない場合もあり、告知人の相手方の側に参加することも可能です。



訴訟告知制度は知っておりましたが、こっちが訴訟告知して補助参加を促したはずが、相手方の見方として補助参加することも可能なんですね ((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル

訴訟告知を検討する場合は、上記(寝返り)リスクも考慮した上で判断したいものですね。

2.訴訟告知を活用した訴訟対応

私の所属会社のような専門商社が、サプライヤーから購入した製品を顧客に転売後、当該製品に不具合が発見されたとして、顧客から賠償請求に関する訴訟提起を受けた場合、製品に関する技術的な知見・資料・データを有していない商社が、サプライヤーの担当者に対して証人尋問を申し立てるを検討するケースがあります。

ただ、サプライヤーが証人となることについて非協力的な場合には、次善の策として、サプライヤーに対して訴訟告知をして、(半強制的に)訴訟の場に引っ張り出す選択肢も検討する必要がありますね。

サプライヤーとしては、当然、商社からの訴訟告知に応じない自由もあるわけですが、サプライヤーが補助参加を拒否後、商社と顧客間の訴訟で、サプライヤー起因の製品の不具合が認定された場合、その後、商社とサプライヤー間の訴訟となった際、サプライヤーは不具合の事実認定を否定することが出来なくなる為、商社から訴訟告知を受けたら、やむを得ず、参加せざるを得ない立場にあります。

3.商社のジレンマ

上記ケースにおいて、仮にサプライヤーが重要取引先の場合、商社としては、サプライヤーに訴訟告知をすることは、自身の訴訟に無理やり巻き込むことにもなりますので、その後の取引関係への影響を考えると、訴訟告知をするかどうか、なかなか厳しい判断を迫られます。

そこで、

(1)訴訟告知をすることで、サプライヤーとの他の取引に大きな悪影響が出るリスク
   (=機嫌を損ねたサプライヤーから、以後の製品供給を停止されることで、
      他の顧客に対する供給責任を果たせず、顧客からラインストップ等の
      補償請求を受けるリスク)

(2)サプライヤーに遠慮して、訴訟告知の選択肢を選ばなかった結果、
  顧客との訴訟に敗訴し、その後、サプライヤーに求償する訴訟をするも、
  証拠不十分で商社側が敗訴した結果、商社が単独で損害を負担することになった場合、
  株主代表訴訟を提訴されるリスク

等を総合的に考慮して、訴訟告知の要否を検討する必要がありますね。

不勉強な為、専門商社がサプライヤーに対して訴訟告知をするケースがどれほどあるのか
分かりませんので、今後、顧問弁護士にでも聞いてみようと思います。

[その他 本書で個人的に参考となった事項]
(1)2013年の弁護士照会申出件数は約14万件で、その内、照会に対する許否件数は
  約7千件と、約5%の拒否割合。
  ※拒否割合は、思ってたんと違い、結構低い。

(2)(忙しい)裁判官は、証拠説明書を非常に重要視している一方、弁護士は証拠の
   おまけ程度に捉えており、裁判官と弁護士の認識にギャップがある。

(3)ディスカバリー上、事実の存否を証明する情報でなくても、主たる証言・証拠の
   信頼性を低める為だけの弾劾証拠についても開示義務がある。l

(4)米国では、社内弁護士だけでなく、法務担当と役職員間のコミュニケーションも
   秘匿特権の対象となる。

(5)訴訟ホールドの指示を適切な時期に行わなかった場合、訴訟手続上、
  制裁(不利な事実の存在の推定等)を課せられることがある。
  
  ※定期的な訴訟ホールドの予行練習が必要ですね・・。
   日系企業で、予行練習している会社はどれだけいるのか気になるところです。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・ベトナム法務ハンドブック(第2版)
 曾我法律事務所


[本書で参考となった事項]
ベトナム法上、契約言語については、消費者契約等の一部例外を除いて
自由であり、外国語のみの契約も禁止されていない。

但し、企業法上、会社名を記載する場合は、外国語の契約書にも
ベトナム語表記の社名を記載する必要があるが、実務上、
遵守されていないことが多い。

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・キャリアデザイン入門[II]専門力編 第2版
 大久保 幸夫氏著作


どこでも通用するようなプロフェッショナルになりなさい、というようなことが書かれていました。

問題は、今の会社では、社歴も長くて仕事が出来ているのでどこでもやっていけると考えて
転職してみたら通用せず、結局は、前職独自のルール・世界に特化したスキルだけを
会得していただけで、他社でも通用するスキルでは無かった、という場合があり、上記を見極めるのはなかなか難しいということですね。

OJTだけでは井の中の蛙になってしまうので、外部の勉強会に参加したり、
他の法務担当と情報交換した上で、どこでも通用する汎用的なスキルUPも目指す努力が必要ですね。

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・若手法律家のための和解のコツ
 廣田 尚久氏著作


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