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契約書上の当事者の定義では極力、「丙、丁、戊・・」は使わない 他2本

1.契約書上の当事者の定義では極力、「丙、丁、戊・・」は使わない

契約書上、当事者を契約書の文中で定義する略称として、「十干」の「甲、乙・・」使用することが一般的です。

例えば、

AAA株式会社(以下「甲」という)

という具合です。

なお、三者間以上の契約となった場合には、「甲、乙」に加えて、「丙、丁、戊・・・」も使用されるケースもあります。

なお、契約書は、当然のことながら、法務担当だけが見る書面ではなく、営業担当等の実務担当も見る書類でもあり、実務担当が理解出来る文面でなければダメだと思いますので、私が、当事者が三者以上の契約書をドラフトする場合は、極力、「丙、丁、戊・・・」は使わないようにしています。

以前、「甲、乙、丙、丁、戊・・・」を使ってドラフトしていたこともありますが、「乙」とすべきところを間違って「丙」と書いてしまったり、「丁って誰を指してたっけな~」といちいち考えてしまい、ドラフトに時間が掛かることもある、という実務上の問題点もありますので、上記の通り対応しています。

ただ、さすがに、相手方から提示された三者間以上の契約書に「丙、丁、戊・・・」が使われていた場合に、後述のように、ばっさり、一括置換して他の定義文言を修正依頼する、というような無作法はしないようにしています(笑)



2.では、どのように定義するか

「甲、乙、丙、丁、戊・・・」の「十干」を使わないでどう定義するのかですが、例えば、私が所属している業界の取引先名で例を挙げれば、


 株式会社東芝(以下「東芝」という)

 ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下「SOMC」という)

 日本電産株式会社(以下「NIDEC」という)



というように、相手方から「うちの社名として勝手に変な略称を使うんじゃねえ」と後々、言われないよう、相手方自身が自社のHP等で使用している略称を見つけて、定義する文字(東芝、SOMC、NIDEC 等)として使用するようにしています。

ただ、色々とググっても、特に小規模な会社の場合、公式な略称が見つからない場合もありますが、極力、実務担当である営業担当の頭にすっと契約書が入ってくるように、定義する文言にも気を使うようにしています。



3.「売主」、「買主」と定義した場合の懸念事項

売買契約書の場合、


AAA株式会社(以下「買主」という)

BBB株式会社(以下「売主」という)



というように、各当事者を「買主、売主」と定義したり、英文契約書では「BUYER、SELLER」と定義する場合も一般的かと思います。

なお、「売買契約」と「請負契約」の両方の性質を有する「製作物供給契約」という契約類型があります。

ちなみに、当社の取引基本契約書も上記契約類型に該当する内容となっておりまして、契約当事者の略称の定義は、二者間契約ということで「甲、乙」を使用していますが、仮に、「甲、乙」ではなく「買主、売主」を使用した場合、どうなるのか、今、ふと頭をよぎりました。

民法上、「売買契約」と「請負契約」は当事者間に適用される権利・義務が異なりますが、「製作物供給契約」に、当事者を定義する略称として分かり易い「買主、売主」を使用した場合で、上記契約書に関する取引について裁判となった場合、個人的な素人考えとしては、裁判官は、上記契約を「売買」契約として解釈する可能性もありそうですね。たぶん。。。

英文の契約書では、「Heading条項として」、


第○条(表題)
各条項の表題(タイトル)は、参照目的で使用しているだけであり、本契約の意味や解釈には影響を与えない。



というような条項が定められているケースがあります。そこで、上記条項に習い、私の少ない経験上、これまで見たことはないですが、「買主、売主」といった、契約書の解釈に何か影響を与えそうな文言を定義文言として使用する場合には、


「契約書上で用いる定義文言は、参照目的で使用しているだけであり、本契約の意味や解釈には影響を与えない。」



というような条項や条文を、定義条項あたりに書いておいたほうがいいかもしれませんね。
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