セミナー(海外での訴訟を念頭に置いた日本企業の文書管理の留意点)に参加してきました。

2017年2月6日(月)は、eディスカバリ、フォレンジック対応の支援サービスを提供している、クロール・オントラック社が主催した、下記のセミナーに参加してきました。



テーマ:海外での訴訟を念頭に置いた日本企業の文書管理の留意点  
     ~紙媒体での規定・保存・管理のみならず、日々増大する電子文書の対策も含めて~

講 師:木目田 裕氏 パートナー 西村あさひ法律事務所
     平尾 覚氏 パートナー 西村あさひ法律事務所
     トーマス・バース氏 ディレクター クロール・オントラック

セミナー内容(主なポイント):
・海外では、文書管理規定、保存、文書管理の実践に関してどのように
 取り組んでいるか(電子媒体を含む)

・諸外国では文書管理をどのように運用しているのか?トレンドは?
 実際の運用方法の事例など

・日本にある本社と海外にある子会社では文書管理規定を統一すべきものなのか?

・日本の本社ではどのような対策を整えておくべきなのか?



[上記セミナー後の感想]

(1)米国の文書開示制度(ディスカバリ、Subpoena(罰則付召喚状)等)
  対応の社内フローの作成・周知・教育の重要性を再認識させられた。

 
例えば、米国に子会社があり、米国内でビジネスを進めているものの、現時点では米国市場を主戦場とはしていない会社の場合(当社を含む)、文書管理規程を設けて、各種文書の保存期限を設けて廃棄等の運用を進めることはしてても、米国の文書開示制度対応については、法務担当だけが、BLJの購読を通じて、その重要性を毎月感じているものの、社内体制の整備までは手付かずになっている会社は多いかと思います。
 
ただ、突如、米国での訴訟・司法手続きに巻き込まれ、準備不足から意図せず、罰則が厳しい司法妨害罪(Obstruction of Justice)を問われること無い様に、社内フローの作成と、IT部門との事前のすり合わせ位は対応しておきたいものですね。
 
(2)メールの保存期間をどうするか。

米国のルール上、電子メールの保存期限は法定されておらず、各社の運用に任されているようです。

メールをサーバーで保存するのもコストが掛かるので、メールは原則、90日間保存されて、その後は自動削除されるよう設定されているものの、重要なメールは、各人が、別途個人用の保存フォルダに保存するようルールを設けている会社が多いとの話がありました。

ただ、今思えば、セミナーの時に講師の方に質問すれば良かったのですが、「重要なメール」の基準を明確にしておかないと、自社に不利な証拠を破棄したと認定されるリスクがある中、一方で、上記基準を設けるのはなかなか難しいかと思いますので、各社が上記をどのように運用しているのか、どのように対応すべきなのか、気になるところです。
 
<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>

・企業法務のための 民事訴訟の実務解説(圓道 至剛氏著作)

[本書を読んで参考となった内容の概要と個人的メモ]
(1)弁護士にセカンドオピニオンを求める場合

弁護士から回答を得た内容について、他の弁護士にセカンドオピニオンを求める場合には、その弁護士に代理人を依頼する
意図は無い旨、伝えた上で質問をしないと、代理人を変更して貰えると考えて、甘い見通しの回答を受ける可能性があるので
注意が必要。

セカンドオピニオンを求めている件を目の前の弁護士に伝えるのは遠慮してしまいますが、正確な意見を貰うには、上記注意事項に留意したいものです。

(2)民事訴訟法第220条1号に注意

準備書面に、自社に有利な記載と不利な記載の混在する社内文書について言及してしまったことで、当該文書については、民事訴訟法第220条1号の引用文書に該当するとして、文書提出義務を負うハメになるケースがあるので注意が必要。

そういえば、上記とは関係の無い話ですが、あくまで聞いた話ですが、裁判の際に、相手方にあるはずのない社内文書(稟議書)が相手方から当社に不利な証拠として提出され、自社の営業担当を問い詰めたところ、トラブルに発展するだいぶ前の平常時に、取引をスムーズに進める為に、社内文書(稟議書)を相手方に提示していたの回答を受けたようです。

上記のように、身内から足元をすくわれないよう、日頃の機密情報管理の啓蒙・教育を徹底したいものですね。以上、あくまで、聞いた話でした。。

(3)下手な反対尋問は、相手方代理人の行った主尋問を固めるだけであり、無益どころか有害。

(4)主尋問の練習時に尋問メモを暗記させるな

主尋問の練習時に尋問メモを暗記させた場合、本番時には覚えていることをただ吐き出すだけの形となり、回答が質問に対応したものとならない為、裁判官に対する心証が悪く、また、証人が緊張して覚えたことを思い出せなくなる場合もあるので、丸暗記はさせない。

そういえば、かなり前の話ですが、当社が提示した証人に関する相手方の反対尋問の際に、相手方代理弁護士が、「証人は、弁護士が作った陳述書のストーリー通りに回答しているだけであり、証人の回答は信頼性に欠ける」というイメージを出したい為、証人に対して、尋問に際してどの程度の「練習」をしたのか、反対尋問で質問が出るかもしれない為、証人尋問の事前準備の際、相手方代理人から上記のような質問を受けた際には、「練習」とは言わずに「記憶の喚起」と呼びましょうと、当方の代理人弁護士が証人に対してレクチャーしていたことを、今、ふと思い出しました。

しかし、よく考えてみると、「記憶の喚起」という言葉を一般の人が知っているとは思えず、上記回答をするよう、練習で教えられたとの心証を与える可能性もありそうですね。。

証人が、自分の言葉で証人尋問の対応が出来るよう、レクチャーしたいものですね。

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・国際弁護士が教える海外進出やっていいこと、ダメなこと(絹川 恭久氏著作)

[本書を読んで参考となった内容の概要と個人的メモ]

取引の相手方が、別会社を通じて契約したり、代金決済をしたいと提案してきた場合は注意が必要。

節税目的で、注文書と製品代金の支払いは、タックスヘイブンにある別法人が行いたいとの説明を受けて、取引がスタートするケースもあるかと思います。

この場合、通常の連絡業務は、中国にオフィスを構える別のグループ会社が行うので、何の支障も無いものの、いざ、支払いが遅延して訴訟を提起する場合、注文書のやり取りをしていた会社は、オフショアにあるペーパーカンパニーであり、訴訟に勝訴したとしても執行対象となる資産が無くて泣き寝入りするしかない、なんて事態も想定されます。

ただ、タックスヘイブンにある会社の場合、調査会社での調査レポートを入手出来ず、取引開始時に調査をしても、会社の実態が分からないことが一般的です。

その為、どうしても、別法人を介して取引をしなければならないものの、前払いでの支払条件には応じて貰えない場合には、実際に連絡業務を行う社員が所属している、財務状況等の実態を把握出来ている法人から連帯保証を取る等して、取りっぱぐれの無い様にしたいものですね。

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・会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング(本間 浩輔氏、中原 淳氏著作)

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