中国で抵当権を行使するには、その前に、原則、訴訟で勝訴判決を得る必要がある。

最近、中国の律師(弁護士)から聞いた話を、参考までに書き留めておきたいと思います。

中国の法律では、抵当権を行使する場合、原則、裁判を提起して勝訴判決を得た後ではないと、抵当権を行使することが出来無いようです。

その理由としては、訴訟を経て、債権者が回収することが出来る請求金額が裁判で確定した段階で、その金額について抵当権を実施することが出来る、という建付けとなっているようです。

ただ、2013年の「民事訴訟法」の改正により、上記例外となる特別手続が新設され、訴訟前であっても、民事訴訟法第196条に基づき抵当権の行使を申し立て、裁判所が許可すれば、抵当権が行使出来ることになったようです。

但し、裁判所は、抵当権設定者(通常、債務者)が、抵当権の対象となる債権の金額等に異議を申し立てた場合、裁判所が抵当権の実行を却下する場合があり、そうなりますと、訴訟を経た上で、債権を回収する必要があります。

抵当権設定者(通常、債務者)が、時間稼ぎの為、上記の通り異議を申し立て、抵当権を行使させないよう対応することが想定される場合、初めから訴訟を提起した方が、時間と弁護士費用を節約できて良さそうです。

訴訟前の抵当権行使に対して、裁判所が消極的であることを是正する為、2015年1月30日に「『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する最高人民法院の解釈」が公布(2015年2月4日に施行)され、訴訟前でも、抵当権を行使し易いような運用方法となったようです。

しかし、訴訟前の抵当権行使が認められるかどうかは、裁判所の裁量により決まりますが、まだまだ、抵当権の事前行使を認めない裁判所も多いようです。

聞いた話では、抵当権行使の前に、裁判所が抵当権者、抵当権設定者を呼び出して、双方の言い分を聞く「聴証」という手続があるのですが、その場に、抵当権設定者が出席しなかった為、抵当権設定者の言い分を聞けなかったとして、抵当権の事前行使が認められなかった事例があるようです。逃げ得ですね。

こうなりますと、抵当権設定の効果は、抵当権設定者(通常、債務者)が倒産した場合に、別除権で保護されるだけで、抵当権の対象となっている債務者が債務不履行をした場合に、「直ぐに」抵当権を行使して債権を回収出来る、ということについては、大きな期待を持たず、最悪、裁判をしないと債権の回収が出来無い場合もあると考えておいたほうがいいですね。

以上、個人的な備忘の為に書き留めておきました。

2015年1月30日公布 2015年2月4日施行
「『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する最高人民法院の解釈」

http://www.court.gov.cn/fabu-xiangqing-13241.html

<中国 民事訴訟法>
第七節 担保物権実行事件

第196条
担保物権実行の申立ては、担保物権者その他担保物権実行を請求する権利者が
物権法等の法律に基づき、担保財産の所在地又は担保物権登記地の基層人民法院に提出する。

第197条
人民法院は申立てを受理した後に審査を行い、法律規定に適合している場合には、
担保財産の競売、換価を裁定する。当事者はその裁定に基づいて人民法院に執行を
申し立てることができる。法律規定に適合しない場合には、申立ての却下を裁定し、
当事者は人民法院に訴えを提起することができる。」とする。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
経理部は見ている。(楠木 新氏著作)
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カリンと学ぶ法学入門(林 誠司氏著作)
karin_convert_20170317170146.jpg

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち(田中 圭一氏著作)
utunuke_convert_20170317170217.jpg

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