書籍:国際契約交渉のキーポイント

本書は、以前このブログで取り上げさせて頂いた中村秀雄氏著の「英文契約書作成のキーポイント」
姉妹本で、著者は商社の丸紅で25年間国際法務を経験していることから、本書では理論一辺倒ではなく、
実務に沿った契約交渉の心得を解説してくれます。

本書の題名が地味なせいか、アマゾンには一切レビューがなく、表紙の画像すら登録されていない
注目の無さぶりですが、発行が約10年前と少し前であることを差し引いても、隠れた良書だと思います。
そんな本書には参考になる箇所が多数ありますが、その一つで、交渉が行き詰ってしまった時の
心得について書かれた箇所を読んで考えさせられましたので、以下に書き留めておこうと思います。


^^^(以下、本書抜粋)^^^^^^^^^^

行き詰まりに陥ったときに頭においておかねばならないことは、いくら終結を急ぎたいからといって、
相手が強情であるという理由だけで譲歩したり、相手の担当者の信頼におぼれて ―― つまり
署名してからでも追加修正契約の締結などの形で何らかの誠意ある対応をしてくれるに
違いないなどとたかをくくって ―― 中途半端に妥協してはならないということである。
契約書はいったん署名されてしまえば、落下し始めた物体と同じで、絶対にもとに戻せない。
特に、相手が自分に有利に締結した契約をいかなる事情があろうとも、少しでも不利になるように
書き換えたり、読み直してくれると期待するのは、落下する物体に元へ戻れと願うようなものである。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

上記の事項は、国内外を問わず、契約交渉をする上では当たり前の事項ではありますが、
なかなか難しい問題でもあります。

特に、契約交渉相手が自社よりも立場が強く、一切契約書の修正には応じないというスタンスの上に、
原文通り締結出来ないのであれば取引出来ない、と強行に主張してくる場合。
交渉の最前線の営業担当者からは、製品の単価や支払条件を除き、瑕疵担保条項や契約解除条項等、
契約締結後、直ぐに問題が発生してこないような一般条項に不利な内容があっても、
「実際は双方で協議して解決するから原文通りで問題ないのではないか!」「一旦原文通り契約して、
条文修正については後で交渉を進めれば良いではないか!」と相談されるケースは結構あります。

ガツガツ交渉した結果、相手が条文の修正に渋々応じてくれればもちろん良いですが、
条文の修正については全く取り付く島がないけど取引は是非ともしたい、という場合は、
後から条文の修正に応じてくれるのではないか、という淡い期待は持たずに、

①少しでも自社に有利な方に条文を解釈出来ないか相手方に確認して議事録に残しておくか、
②○○条を除いた契約条件については承諾する旨の書面を契約書に添付し、当該書面と契約書に
 割印をして提出する(←添付することに相手方が承諾すればの話ですが)

等の対応が必要であると思います。
(個人的に思いつく対応策を記載してみましたが、他に何か有効なものがあれば、教えてください・・)

いずれにしても、相手方が強硬だから取引を優先して安易に締結しちゃおう、ということは
無い様に心がけたい所です。

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