文書を作成・提出する場合には裁判の証拠として利用される可能性を考えるべし(BLJ 2016年9月号・10月号)

BLJ2016年10月号では、「文書作成の法的リスクマネジメント」という特集が組まれており、その中で、弁護士 町田悠生子氏が書かれた「労働トラブル発生への備え」という記事が心に留まりましたので、その箇所を抜粋させて頂きます。

下記は、「能力不足や協調性の欠如を理由とした普通解雇」をする際に取り交す書面について、書面案を用いながら解説された最後の部分です。


紙幅の都合上、多くの例を紹介することができなかったが、どのような場面であっても、裁判を意識し、最終的にその文書は裁判官に見せるということを常に念頭に置いて、「生の事実」を具体的かつ分かりやすく盛り込むという視点が大切である。



さらに、BLJ2016年9月号では、「紛争リスクの高い労務トラブルへの対応」という特集が組まれており、その中で、「法務部門としてどのように関るか 5社の視点から」として、ある「メーカー 法務部長」の方が「訴訟の経験から学んだこと」を記載された記事が心に留まりましたので、その箇所を抜粋させて頂きます。


従業員側弁護士から人事記録の提出を要求された場合、提出時に添付するカバーレターには注意が必要です。どうしても、「上司に非はない」とか「この従業員は非常識な人だ」といった趣旨のことを、間接的にでもカバーレターに書きたくなってしまうのが人情だろうと思います。しかし、事実に基づかない主張をあたかも事実であるかのように記載すると、裁判になったときに、これ以外の資料もひっくるめて信用性が低いと裁判所に判断されてしまうリスクがあります。労働訴訟も原則は一般的な法的紛争と同様であり、裁判のプロセスの中でも主張を行うことになる点を忘れてはなりません。



上記抜粋の通り、

文書を作成する場合には、

1.裁判官に読まれることを意識しつつ、
2.事実と意見を明確に分け、第三者が見ても複数の解釈が出来無い
  明確な内容となる文書となるよう

心がけて作成したいと改めて再認識させられました。

なお、やや話は異なりますが、以前、ある案件で法廷の場で争っていた際に、相手側にあるはずの無い当社の某内部文書が、相手方から証拠として提出されたことがありました。

上記内部文書を相手方に提出した当社担当者に経緯・理由を確認したところ、本案件が紛争化するだいぶ前に、取引を円滑に進ませる為にあえて内部文書を提出した、とのことでした。

上記法廷の結果や、上記証拠が法廷の場でどの程度の影響を与えたのか等の具体的な話は、さすがに書けないので、何のことなのかイメージが出来なくてすみませんが、相手に提出することを前提に対外文書を作成する際には、当然、上記ポイントを意識して作成することとして、そもそも内部文書を社外に提出すること自体は厳に慎むよう社内に徹底すべきですが、取引先に提出する全ての文書は、提出の意図に関らず、紛争化した際には裁判・仲裁の場で当社に不利に働く可能性がある、という点は、社内研修等の場で、社内に徹底していきたいと思います。
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