印紙税について誤解し易いあれこれ(変更契約書の所属 他)

今般は、久しぶりに印紙税についておさらいしようと思い、「Q&A印紙税の実務―平成26年7月改訂(灘野 正規氏著作)を読んでみました。

本書を読んで思いを個人的に巡らせた事項について、以下の通り書き留めておきたいと思います。

1.原契約の内容を変更する場合

ご承知の通り、原契約の内容を変更する契約書(変更契約書)についても印紙税の課税対象となる場合があります。

本書でも事例を取り上げて解説されていましたが、変更契約書の所属の決定は、印紙税法基本通達 第4節 契約書の取扱い 第17条(契約の内容の変更の意義等)に定められています。

ややこしいところとしては、印紙税法基本通達 第17条第2項第3号の下記内容でしょう。


2 契約の内容の変更を証するための文書(以下「変更契約書」という。)の課税物件表における所属の決定は、次の区分に応じ、それぞれ次に掲げるところによる。(平元間消3-15改正)

 (中略)

(3) 原契約の内容のうちの課税事項に該当しない事項を変更する契約書で、その変更 に係る事項が原契約書の該当する課税物件表の号以外の号の重要な事項に該当するものは、当該原契約書の該当する号以外の号に所属を決定する。

(例)
消費貸借に関する契約書(第1号文書)の連帯保証人を変更する契約書 第13号文書



私の業界(専門商社)で上記に該当する文書は、例えば、「第2号文書(請負に関する契約書)」と「第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)」の両方に該当しそうだけど、第7号文書の「令第26条第1号に該当する文書の要件」の一つである「取引条件のうち目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうちの1以上の事項を定める契約であること」には該当しない為、「第2号文書(請負に関する契約書)」のみに該当し、上記契約書を以下の通り変更する契約書でしょうか。

上記変更契約書の内容が「売買の目的物の種類を具体的に定める契約書」である場合、印紙税法基本通達 第17条第2項第3号により、「当該原契約書の該当する号以外の号」である第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)として、4,000円の収入印紙を貼付する必要があります。

原契約書が第2号文書(請負に関する契約書)だから、その変更契約書も第2号文書(請負に関する契約書)なんだと勘違いしそうになりますが、注意したいところですね。

2.第7号文書の「令第26条第1号に該当する文書の要件」について

令第26条第1号には、以下の通り記載されています。


印紙税法施行令

第26条(継続的取引の基本となる契約書の範囲)
法別表第1第7号の定義の欄に規定する政令で定める契約書は、次に掲げる契約書とする。
一  特約店契約書その他名称のいかんを問わず、営業者(法別表第1第17号の非課税物件の欄に規定する営業を行う者をいう。)の間において、売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負に関する2以上の取引を継続して行うため作成される契約書で、当該2以上の取引に共通して適用される取引条件のうち目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格を定めるもの(電気又はガスの供給に関するものを除く。)



上記を文字通り?読みますと、「2以上の取引を継続して行うため作成される契約書」ということは、「売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負」の内、例えば、「売買」と「請負」というように2種類以上の取引に関する契約書である必要があり、「売買」のみに関する契約書は上記要件には該当しないとも解釈出来そうです。

しかし、国税庁HPの「質疑応答」のコーナーに掲載されている「2以上の取引を継続して行うための契約であることの要件」のQAのAには以下の通り記載されています。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/15/05.htm


【回答要旨】
 「2以上の取引」とは、契約の目的となる取引が2回以上継続して行われることをいいます(基通別表第一第7号文書の4)。

 例えば、120個の物品について一定の日に120個の売買契約をし、1月ごとに10個ずつ納品するとした場合は、1取引に該当し、毎月10個ずつを1年間にわたって売買するとした場合は、2以上の取引に該当することになります。

 なお、一般的に契約期間が設けられていて始期又は終期があるものについては、その取引は2以上の取引になります。
 具体的には、エレベーター保守契約、ビル清掃請負契約書等、通常、月等の期間を単位として役務の提供等の債務の履行が行われる契約については、料金等の計算の基礎となる期間1単位(1か月、1年等)ごと又は支払いの都度ごとに1取引として取り扱われます(基通第7号文書の6)。



ということで、「2以上の取引」とは「2種類の取引」ということではなく、「複数回にわたる取引」と解釈する必要がありますので、注意したいところですね。

国税庁のHPのQAコーナーはなかなか参考になることが多いので、見たことがない方は、一度、ご覧になってはいかがでしょうか。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
1.税務署は見ている。(飯田 真弓氏著作)
2.経理・財務』(物語&基本バイブル)―経済産業省『経理・財務サービス スキルスタンダード』を
  活用した初勉強の人のための必読書(金児 昭氏、長岡 和範氏著作)
3.与信管理奮闘日記「会社の嘘」を見破る凄ワザ女子登場!
4.与信管理奮闘日記2「会社の嘘」を見破る凄ワザ女子、敗れる! ?
  藤本 太一氏、川本 聖人氏著作、リスクモンスター社監修
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