書籍:実践!債権保全・回収の実務対応

先日、債権回収に関するある外部研修に参加してきました。
その研修でレジュメと一緒に提供されたのが、表題の『実践!債権保全・回収の実務対応』
でした。その講師は、「動産売買先取特権に基づく物上代位」が結構使える債権回収手段だと
解説していましたが、そこには大きなハードルがあります。その一つは、自社の販売先が、
その商品を第三者に転売した事実を書面で自ら立証しなければならないことです。

^^^^(以下、上記テキストの抜粋)^^^^^^
最も重要なのは、X→Y→Zと転々と譲渡された商品の同一性の立証です。
商品を特定するために、品名、品番、数量、サイズ、色、形状などが用いられます。
品番は、会社ごとで異なるケースが多いのですが、品名、品番、数量が一致すれば、
かなりの確度で商品の同一性を主張することができます。
そして、売買の事実、商品の受渡しの事実、売掛債権の存在を証するために必要なのは、
売買取引基本契約、注文品・注文請書、貨物受領書、請求書です。
これらの書類に、問題の商品が明瞭に記載されていればよいのです。

(中略)

YからXに対する発注の際に、ZからYに対する発注書を添付させるように、あらかじめ
取り決めておけばよいのです。それを受けて、XからYに注文請書を発行するわけです。
この工夫だけで、特定の商品についての売買注文の事実の立証を容易に行うことが
できます。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

先日の講義では、転売の事実を立証する為の書面の取得方法を上記の様に
解説していましたが、そもそも一般的に強い立場にある買主である「お客様」に、
上記のような義務を依頼すること事態が難しく、実際は「顧客の顧客」に商品を
直送するケース以外は使えないのではないでしょうか。

また、少し話は変わりますが、以前、ある海外の取引先に対する債権回収の一環として、
まずは資産保全の為に仮差押を実施しましたが、その取引先の売掛金債権に
仮差押を実施するには、やはり取引先の有する売掛金債権の存在を自社が
立証しなければならず、有事の際にそのような資料をその取引先から入手するのは
当然困難である為、結局、預金債権と銀行の多額の抵当権が設定された不動産の
仮差押だけで満足せざるを得ないケースがありました。

なお、動産売買先取特権に基づいて商品を引き揚げ、民事執行法により、
動産に対する差押(競売)を実施して債権を回収する方法もありますが、この方法も
非常に手間がかかりますので、実務で容易に用いることが出来る方法とは思えません。

少なくとも当社ではこれまで、「動産売買先取特権」を用いて債権回収したケースは
これまでありませんが、他社の活用状況が気になるところです。

実践! 債権保全・回収の実務対応―担保の取得と実行のポイント実践! 債権保全・回収の実務対応―担保の取得と実行のポイント
(2008/11)
堂島法律事務所

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