書籍:「英文ビジネス契約書大辞典」

先日とうとう、個人的にこの夏の課題図書にしていた「英文ビジネス契約書大辞典」を読み終えました。

本書は、550の基本例文を用いて英文契約書の基礎知識、各種契約書で良く使用される表現を学べる「読む辞典」です。英文契約書の読解力は、たくさんの生きた英文契約書を読むことで鍛えられるかと思いますので、本書は753ページでB5版となかなか読み応えのある本ですが、解説部分だけをさっと読んで終いにすることなく、しっかりと例文を読んで、自分の解釈と和訳が合致しているかを確認していけば、読み終わる頃には読解力が一段とアップしていることでしょう。

なお、本書を読んでいて再確認させられたのは、合弁契約書に関する事項です。
これは英文契約書に限りませんが、合弁会社が設立される前に出資者間にて締結する合弁契約書、もしくは株主間協定書等をドラフティングしている際に、ふと思うのは、この契約書で目的が達成できるのか、ということです。

例えば、一出資者である当社が、合弁会社が製造する製品について独占的販売代理店になる、というような条文を合弁契約書に記載して締結した場合、当該条文は拘束力を発揮するのか。

当社がマイノリティの株主で、合弁会社の設立後、合弁会社がマジョリティの株主であるA社の意向を考慮して、当社を介さずに、自らもしくは第三者を介して製品を第三者に販売した場合、当社は合弁契約書に基づいてどのような形で救済を求めることが出来るのか。

合弁会社そのものは合弁契約書の当事者ではありませんので、合弁会社に損害賠償することは出来そうにありませんし、また、A社が直接契約違反をしたわけではないので、A社に損害賠償請求をすることが認められるのか不明瞭です。もし、A社が合弁会社に過半数の取締役を派遣している場合であれば、合弁会社の業務執行は実質、A社によって行われているとして、A社に賠償請求出来る余地がありそうですが、正直、この問題に関して素人の私にはどうなるのか分かりません。

なお、仮に、A社に対する損害賠償が可能であっても、合弁会社のパートナーと出来れば争いたくありませんし、また、合弁会社は会社法上、適法に、当社を介さずに製品の販売を出来ることで、合弁会社を設立した当初の当社の目的が達成出来ないことが想定されます。

そこで、「合弁会社にどうしてもコレをさせたい、アレをさせたくない。」という場合には、合弁契約書や株主協定書ではなく、定款にその旨を明記するように対応したいものですね。

<目次>
国際ビジネスと契約書
ドラフティングの基本
一般条項
売買契約
ライセンス契約
サービス提供契約、販売・代理店契約
合弁事業基本契約
各種契約
契約書英語の基本用語
契約書英語の頻出表現

英文ビジネス契約書大辞典英文ビジネス契約書大辞典
(2000/12)
山本 孝夫

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