書籍:米国人弁護士が教える 英文契約書作成の作法

今般は、チャールズ・M・フォックス氏著(道垣内正人氏監訳、日立製作所法務本部
英米法研究会訳)の「米国人弁護士が教える 英文契約書作成の作法」という本を
読んでみました。

本書の構成は下記目次の通りで、著者が金融業界を専門とするからか、
参考として出てくる例文は、シンジケート・ローン契約や売掛債権買取契約等が
中心となっており、私(=某専門商社の法務担当)にはピンとこない箇所もありました。

ただ、本書で解説されている基本的な考え方は、読者の所属業界に限らず、
参考になる内容となっておりますので、興味のある方は、書店で詳細目次を
確認してから本書を手にされてはいかがでしょうか。

さて、著者は、本書にてドラフティングの原則である「正確さ」の重要性を度々
強調しながらも、絶対的な内容とすべき契約条件を、どうしても緩和(グレーに)する
必要がある場合に使用する複数の文言(「重大な悪影響」「合理的な」「最善の」等)を
解説されています。

その中で、下記の2つの例文を挙げて、「To the best of its knowledge(=当事者の
知る限りにおいて」という文言の曖昧性、主観性を指摘します。

1.Seller is not in violation of any Environmental law.
2.To the best of its knowledge, Seller is not in violation of any
 Environmental law.
※上記数字(1と2)は私が追記しました。

上記のような文言は、私も当社のサプライヤーから提示された取引基本契約書の
知的財産権に関する表明・保証条項で遭遇したことがあります。

確か、「サプライヤーは、サプライヤーの知る限り、商品が第三者の知的財産権を
侵害していないことを表明する。」という条文だったかと思います。
当然、「貴社の知的財産権の認識なんて興味はないんです!貴社が第三者の
知的財産権について調査を怠ったことは貴社の責任です!こちらは、購入した商品が
第三者の知的財産権を侵害しないことさえ保証してくれればいいんです!」
ということをオブラートに包んで、当該条文は単純な表明・保証条項に修正依頼を
した記憶があります。

上記に限らず、表明・保証の範囲を不当に狭くする文言や、立証責任をこちらに
負担させようとする文言は、午後2時頃、ちょうど睡魔に襲われている時間帯に
契約書を流し読みしていますと、ついついスルーしてしまう危険がありますので、
十分注意したいものですね。

<目次>
1 イントロダクション
2 契約の基盤条項:基礎
3 弁護士の役割
4 効果的なドラフティングの原則
5 ドラフティングのテクニック
6 契約書のレビューと解釈
7 修正、放棄および同意
8 形式および方式
9 契約の基盤条項:詳論
10 雑則、さまざまな考え方

米国人弁護士が教える 英文契約書作成の作法米国人弁護士が教える 英文契約書作成の作法
(2012/07/31)
チャールズ・M・フォックス

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