書籍:英文契約書-作成実務と法理-

今般は、「法律英語〔夏期〕研修セミナー」の中村先生のレジュメに
記載されていた参考図書を全部読んでみようシリーズ第3弾として、
岩崎一生氏著作の「英文契約書-作成実務と法理-」を読んでみました。

本書は、契約交渉時の留意点から始まり、英文契約書に特有の事項や
法律問題点、一般条項の詳説等まで網羅されておりますので、
「はしがき」にて、本書は英文契約書に関する書籍分野の標準書を
目指したと記載されている通りの内容となっております。

特に「紛争処理条項の法律問題」に多くページが割かれておりますので、
「紛争解決条項で揉めたら、相手方の所在国がニューヨーク条約加盟国なら、
紛争解決方法は仲裁で、仲裁地は被告地主義を採用しとけば良いんじゃね?」
と安易に考えていた(私のような)方は、「紛争処理条項の法律問題」のページを
熟読してその姿勢を改めてはいかがでしょうか。
紛争解決条項は、勉強しだすと奥が深くて頭痛がしてきますが、
一度はしっかりと勉強しておきたい分野ですね。

さて、本書では参考になった個所はいくつかありますが、
ここでは、契約条項の組み立て方に関する箇所を備忘の為に書き留めて
おきたいと思います。

本書では、「Piesse & Smith著作のThe Elements of Drafting」を参照し、
契約条項は次の順序で組み立てることが望ましいと述べています。
(1)法律要件の大きな前提となる法律事実(case)
(2)法律要件の小さな前提となる法律事実(condition)
(3)法律効果の主体(Legal subject)
(4)法律効果(Legal action)
(5)必要となる場合は但書(provisos)

なお、「法律英語〔夏期〕研修セミナー」でも、中村先生が、法律文書を
作成するには、上記順序で文章を組み立てた方が分かりやすい、と
解説されていました。たしか「クールの四原則」と言っていたような
気がしますが、上記書籍の著者と同じ方でしょうか。

ここで、上記原則について、「法律英語〔夏期〕研修セミナー」の演習で
私が作成した下記契約条文で考えてみましょう。

(1)Seller shall repair the Product or reduce the price, at Seller’s
  discretion, in case the Product does not meet the specifications.

(2)In case the Product does not meet the specifications, Seller shall,
  at Seller’s discretion, repair the Product or reduce the price,.

上記(1)が原文で、上記(2)が上記の原則通りに語順を変更した文章です。
個人的には、上記(1)の方が、結論を先に述べる英語っぽい表現かとは
思いますが、読みやすさで言えば上記(2)の方に軍配が上がりますね。
上記(1)の場合は、in case~に辿り着くまでに、どんな場合に
売主は修理や代金の減額をするのかモヤモヤして読まないといけませんし。

まぁ、上記のような短文であれば上記(1)でも(2)でもどちらでも
良いかとは思いますが、長文になってくると、人間の短期記憶・集中力にも
限界があるので、極力、上記法則に基づいてドラフティングしたいものですね。

英文契約書―作成実務と法理英文契約書―作成実務と法理
(1998/01)
岩崎 一生

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<目次>
序説 英文契約書の特徴と果たすべき機能
英文契約書の作成過程
英文契約書の作成技法
英文契約書の実務関連事項
英米契約法との関係
英文契約書に共通する法律問題
契約一般条項の法律問題
紛争処理条項の法律問題
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