書籍:銀行の法律知識

毎日拝読しているtacさんの「企業法務マンサバイバル」で取り上げられていた
表題の「銀行の法律知識」という本が面白そうだったので早速読んでみました。

私は銀行マンではないので、「為替業務、」、「利益相反管理」や「銀行代理業」に関する
章については、直接仕事に役に立つ内容ではありませんでしたが、行員の方はもちろん、
私のような総務の仕事で銀行員と接する機会のある方は、本書で色々な銀行業務に
係る法令について全般的な知識を身に付けることで、銀行マンと話がしやすくなり、
仕事が進めやすくなる効果もあると思いますので、オススメです。

また、本書は一般の銀行員と法務部長との問答形式で記載されていて、
法律に詳しくない方が思う素朴な疑問にも法務部長が丁寧に答えてくれるので、
読み物としても楽しく読むことが出来ました。

なお、「債権保全回収業務」の章で、難波支店の灰原君(マンガの「ナニワ金融道」の主人公と
同じ名前です 笑)が、時効の中断事由のうち、「請求」を「催告」と混合していましたが、
一般的にも間違いやすい事項ですので、備忘の為にも簡単にまとめておこうと思います。

法律上の「請求」とは、裁判上の請求、支払督促の申立て、仮差押えや仮処分といった
法的な手続のことで、裁判外で「お金を払ってください」と相手に伝えるのは「請求」ではなく
「催告」にあたります。
たとえ、配達記録付内容証明郵便で「お金を払ってください」と「催告」した記録を残しても
民法153条に基づき、6ヶ月間、時効の完成が延期されるだけで、しかも「催告」は
その債権に一度しか効果がありませんので、その間に上記の法的な「請求」手続きを
しておかないで相手方に「時効の援用」をされた場合には、時効が成立してしまいます。

なお、売掛金の消滅時効は2年間、飲食代の消滅時効については1年間と非常に短いので、
例えば小さな飲食店業をされていて、お客さんがなかなか代金を支払ってくれない場合、
とりあえず請求書を送り続けておけば時効を中断させられるから大丈夫だと安易に考えていると、
いつの間にか時効が完成していた、ということになってしまいます。

その為、代金の一部でも支払って貰うか、「今度支払います」とコースターの裏にでも
書面にサインさせて時効の中断事由の一つである「承認」をさせるか、費用対効果を考えて
「少額訴訟」でも起こして法律上の「請求」をする等の対応をとらなければならないので、
留意が必要です。

銀行の法律知識<第2版>(日経文庫)銀行の法律知識<第2版>(日経文庫)
(2009/07/15)
階 猛渡邉 雅之

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民法第147条 (時効の中断事由)
時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一  請求
二  差押え、仮差押え又は仮処分
三  承認

民法第153条(催告)
催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、
民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、
再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、
時効の中断の効力を生じない。
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