親会社が派遣してくる社外取締役の独立性について

今月は株主総会シーズンですね。
株主総会運営の担当の方はいかがお過ごしでしょうか。

ちなみに、私の株主総会の対応業務は、株主からの法務的な質問に対する
想定問答の作成に携わる位なので気楽なもんですが、当社は、
(詳しいことは言えませんが)例年には無い質問を沢山受けそうな
状況ですので、果たしてどうなることやら・・。

気になるところでは、昨年末に出た会社法改正に関する中間試案で、
社外取締役の要件の厳格化が取り上げられており、また、
「社外取締役」の会社法上の定義と、東京証券取引所に届け出る
「独立役員」の独立性を担保する為の要件に相違があることから、
親会社から派遣される社外取締役の独立性について、株主から
指摘を受けることが想定されますが、その際にどのように回答するか。

そこで、参考までに、別冊商事法務「株主総会想定問答集(H24年度版)」を
参照したところ、以下の様な記述がありました。


「親会社からの社外取締役は独立性に問題があるのではないか
[質問11-62]
 わが社の社外取締役は親会社から来ているが、独立性の観点からは
 社外取締役とはいえないのではないか。退任してもらい、新たな
 社外取締役を選任すべきではないか。(H19)

 [回答例]
 社外取締役は親会社の執行役員の地位におられる関係上、グループ全体の
 中で当社が果たす役割や内部統制システムなどについて広い視野から
 貴重なご意見を頂戴いたしており、社外取締役として適任と存じております。

(注)親会社出身者は画一的に独立性がないといい切れないと思われるため
   このような回答例としたが、一般的には親会社出身者の独立性については
   否定的であり、平成23年7月29日時点の東京証券取引所上場内国会社が
   届け出た独立役員には、親会社出身者はいないとのことである。
   (同取引所「独立役員届出書の主計結果(平成23年8月)」
   (平成23年8月16日))


うーん、なかなか厳しい回答例ですね。
独立性に対する疑義について、この玉虫色の回答では納得しない株主も
いるかもしれません。

といっても、良い代替案が思いつかないのですが、まあ、
社外取締役といっても、会社に対して善管注意義務、忠実義務を
負担する者であり、また、利益相反を回避するべく取締役会を運営することを
付け加える位でしょうか。

利益相反の回避については、親会社の利益となるような取締役会の議案について、
特別利害関係を有する親会社から派遣されてきた取締役は、当該決議には
参加出来ないというアレを持ち出すわけですが、「親会社から派遣されていない
取締役」についても、議決権の過半数を保有する大株主・親会社が
生殺与奪権を持っているので、本当の意味で全く利害関係が無い人とは
言えないわけで・・。

上場子会社とは何なのかを考えさせられますね。
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