M&Aによる権利・義務関係の承継の弊害

私が所属している会社(=専門商社)は、以前、当社を存続会社として、
同業者である某会社(=A社)を吸収合併しました。

当然、合併日にて当社はA社の契約関係を全て承継したのですが、今になって、
(細かいテーマで恐縮ですが)合併の弊害を感じつつありますので、
何か解決策を提示するわけではありませんが、
記録としてここに記しておきたいと思います。

契約審査担当の私は、特に基本契約書の締結交渉において、双方の主張が折り合わず、
交渉が並行線となる事態に度々直面します。

そんな時、取引先から
「こちらの提案が受け入れられないのであれば、御社とは取引出来ない。
 御社のような商社は他にも多数あるのだから、別ルートから購入させて頂く」
という強硬な主張を受け、リスクを認識した上で、しぶしぶ相手方の要望を
受け入れることもあります。

一方、不利な条文を締結するくらいなら、何も締結せず、いざとなったら
法律に基づいて解決した方がまだまし、という判断の基で、基本契約書の交渉は
ペンディングにしたまま、取引を進めることは多々あります。

しかし、最近、あえて基本契約書を締結せずに取引を実施していた取引先から、
以下のような要望がありました。

「貴社とは基本契約書の締結が未済となっております。
 しかし、貴社が合併したA社とは過去に基本契約書を締結しています。
 そこで、貴社がA社と締結した基本契約書を承継していて、弊社と貴社間の取引にも
 同様に当該基本契約書が適用される旨を定めた覚書を作成しましたので、
 締結頂けないでしょうか。」

上記のような書面を交わさずとも、A社が過去に締結した基本契約書の内容に
当社も拘束されますので、上記取引先の提案通り、当社は契約承継の確認に関する覚書を
締結することにしましたが、当該覚書のドラフトを作成している時の相手方の
法務担当者のほくそ笑んでいる顔が想像出来るようで、後味が悪かったですね。

同業者同士で、さらに、契約審査体制が異なる会社同士が合併すると上記のような
事態が起きるわけです。

なお、消滅会社が原文通り締結した契約書が、サブマリン地雷のようにジワジワと
効いてくる上記のようなケースはまだ、その後の関係が分かりやすいからましな方で、
存続会社では条文を修正して締結した契約書を、消滅会社は、同一の契約書を
原文通り締結している場合も多々あり、この場合、さらにやっかいなことになります。

以前、弁護士に確認したところ、同じ取引先に対して存続会社と消滅会社で
同様の契約を締結している場合は、合併日から、締結日が新しい方の契約書が
優先されて適用されるのではなく、同じ取引先に対して二つの契約書が並列して
存在しているという良く分からない事態となるようで、こうなるともう
収拾がつきませんね。

どちらかの契約書を無効にする旨を定めた契約書を取り交わすのがベストなのでしょうが、
当社は取引先数は数千社もあり、非常に手間なので、今のところ放置しております・・。

複数の合併を繰り返している会社は、上記の問題をどのように対応しているのか、
気になるところです。

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主に、週末にブログを更新する予定です。

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