『当然対抗制度』導入による契約上のポイント(ビジネス法務2012年2月号)

今般は、雑誌:ビジネス法務 2012年2月号に、「平成23年特許法改正
『当然対抗制度』導入による契約上のポイント」という特集が組まれていて
参考になりましたので、その内容を書きとめておきたいと思います。

ご承知の通り、現行法では、特許権の通常実施権を、当該特許権を譲り受けた者等の
第三者に対抗する場合、通常実施権の登録をする必要があるところ、改正法では、
契約書等で通常実施権の許諾を受けたことを証明出来れば、登録が無くでも
対抗出来る「当然対抗制度」が導入されます。

上記雑誌で参考になったのは、改正後、ライセンシー(A)は、通常実施権を
登録しなくても、その効力を、従前のライセンサー(B)から特許権の譲渡を
受けた者(C)に主張出来るものの、ABの間で締結したライセンス契約が、
AB間からAC間に承継されるか否かについて議論があるようで、現在、
当該議論に決着がついていない、ということです。

上記議論は、
(イ)AB間のライセンス契約がAC間に承継される承継説
(ロ)AB間のライセンス契約がAC間に承継されない非承継説
(ハ)AB間のライセンス契約の一部のみが、AC間に承継される折衷説
の3つに大別されるようで、上記雑誌では、A、B、Cのそれぞれの
立場にとって、最も不利益が生じる可能性のある考え方が採用された場合を
想定した条文作成について解説されていました。

当該解説内容は、上記雑誌をご参照頂きたいのですが、個人的に留意したいのは、
例えば、ライセンス契約に、Bの技術情報、技術支援の提供義務を
定めていて、当該提供がBでしか実施しえない事項である場合で、
ライセンス契約がAC間に完全に承継されると判断された場合、
AはCに対して、通常実施権を対抗出来たとしても、技術情報等の
提供を受けられないことにより、Aの事業に大きなマイナスが生じる
可能性がありますので、特許権が譲渡された場合のライセンス契約義務の
承継の有無については、事前にライセンス契約書に明確にしておきたいところです。

P.S.
個人的な素人考えでは、特許権のAからCへの移転について、
Bが同意をしている場合は別として、特許権の移転と共に、ライセンス契約が
ABからACに同時に承継されるという上記(イ)承継説に違和感があるのですが、
みなさんいかがでしょうか。

上記(イ)承継説の立場の方は、どのような根拠で「承継される」と考えるのかについて、
上記雑誌で触れられていませんでしたので、今後の個人的な課題として、
調べを進めてみたいと思います。

ビジネス法務 2012年 02月号 [雑誌]ビジネス法務 2012年 02月号 [雑誌]
(2011/12/21)
不明

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