書籍:入門 リーガルライティング-法科大学院テキスト

今般は、主に法科大学院の学生向けに書かれた「入門 リーガルライティング
-法科大学院テキスト」という本を読んでみました。

下記目次の通り、事業会社の法務担当である私には直接関係ない章もありますが、
委任した弁護士がどのような考えで法律文書(意見書等)を作成しているのか、
その一端が垣間見ることが出来たのは有益でした。

さて、早速ですが、参考になった個所を以下に書き留めておこうと思います。

「法律文書を作成する弁護士の立場からは、最終的な権利確認の公のプロセスとして、
 裁判に持ち込まれた場合を、常に、視野に入れることが必要である。
 これは、依頼者との関係について言えば、ほとんど義務であると言ってもよい。
 資格のある法律家とそうではない「専門家」との劇的な相違は、訴訟手続への習熟にある。
 訴訟になったらどうなるかを考えることは、弁護士として常に意識すべきことであり~」

弁護士に限らず、私のような事業会社の法務担当も、法律文書や契約書の
作成・チェックをする際は、常に裁判を意識して対応する必要があります。

個人的には、契約書のチェック時において、裁判にて立証責任をどちらが負担することに
なるのかについて注意してチェックするようにしています。

<条文例>
1.乙が甲に納入した製品に隠れた瑕疵が発見され、当該瑕疵により甲に損害が生じた場合、
  乙は当該損害を賠償する。但し、甲の過失により当該損害が生じた場合、乙は免責される。

2.乙が甲に納入した製品に、乙の過失により生じた隠れた瑕疵が発見され、当該瑕疵により
  甲に損害が生じた場合、乙は当該損害を賠償する。

例えば、上記1、2は、一見、どちらも同じ内容のように思われますが、1では、乙が甲の過失を
立証しなければ、乙は自己の免責を主張出来ず、2では、甲が乙の過失を立証しなければ、
乙に責任追及することが出来ません。

そういえば最近、「乙(=私の所属会社)は、乙が甲に納入した部材を組み込んだ甲製品に
起因して甲の顧客に損害が発生した場合、乙は当該損害を賠償する。但し、当該損害が、
甲の過失により生じたことを乙が証明した場合、乙は免責される。」みたいな条文の提示を
甲から受けました。

その為、「貴社(=甲)の過失の有無なんて、弊社に証明出来るわけないだろー、バカヤロー!!」
というようなことをオブラートに包んで伝え、妥当な内容に修正して貰いましたが、
思いがけず、こちら側が困難な立証責任を負うことの無いように気を付けましょう。

最後に、本書の「はじめに」は、「本テキストには、類書にはないことがチョーたくさん
書いてある~」という軽いタッチで始まるので、「おっ、これは法科大学院のテキストの
割には読みやすいじゃないか(=私向き)」と錯覚させられましたが、本文に進みますと、
さすが教科書だけあって終始、固い内容・小難しい表現が続き、(私が本書を読むレベルに
達していないだけかと思いますが)しっかり集中して読まないと、気づいたら全く頭に
何も入っていなかった、という事態になりますので、立証責任同様、気を付けましょう(笑)

<目次>
補論 新司法試験の合格とリーガルライティングの関係について
第1章 リーガルライティング(法律文書作成)とは何か
第2章 法律メモと意見書の作成
第3章 判例と学説の使い方
第4章 通知書の作成
第5章 契約書の作成
第6章 裁判文書の作成

入門リーガルライティング―法科大学院テキスト入門リーガルライティング―法科大学院テキスト
(2005/05)
坂本 正光

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