ウィーン条約(国際物品売買契約に関する国際連合条約)について

今年の8月1日に、国際物品売買契約に関する国際連合条約、
通称、ウィーン売買条約が日本でも発効します。

発効前になっても、ニュースや新聞でも取り上げられることがあまりないこの条約ですが、
国際企業間売買取引に適用される商法や民法に代わるルールとして、
今後はその理解と対応が非常に重要となります。

この条約の内容で一番気になるのが、商品の品質保証に関する規定です。
日本法を準拠法とした場合には、商法第526条1項に規定の通り、商人間の売買では
瑕疵担保期間が引渡し後6ヶ月間とされている所、ウィーン売買条約 第39条では、
当該期間が2年間と規定されており、売主にとっては不利な内容になっています。
これまで以上に売主(輸出者)が偶発債務リスクを負う期間が長くなりますので、
貿易黒字国の日本としてはなかなか厳しいルールだと思います。

ウィーン売買条約は契約で適用を排除することが出来ますが、基本契約書に排除条項を
規定すればそれで済むのか、それとも、個別契約毎に規定する必要があるのかについては
個人的にまだ把握していないので、関係書籍に記載が無いかあたってみたいと思います。
しかし、前者の場合は雛形契約を改訂する必要がありますし、全ての取引先と基本契約を
締結しているわけではないので、規定の注文書の書式を改訂したりする必要もあったり、
営業担当者に周知したりと、やるべき事は色々ありそうです・・

なお、ウィーン売買条約 第44条によると、買主が、必要とされる通知を行わなかったことについて
合理的な理由を有する場合には、上記2年間に関わらず損害賠償等をすることが出来ると
規定されています。
「合理的な理由を有する場合」とは何なのか明確にされていませんが、書籍『国際取引法』にも
記載のあった通り、第44条のこの曖昧な規定は、ウィーン条約を策定する際の
「開発途上国と工業先進国の妥協の産物」なのでしょう。
ウィーン売買条約に関する瑕疵の通知に関する判例は多いようですので、調べてみたいです。

なお、ウィーン売買条約の和訳と非常に簡単な解説が下記の外務省ホームページに
掲載されていますので、ご参照ください。

外務省ホームページ:ウィーン売買条約

ウィーン売買条約 第39条
(1)買主は、物品の不適合を発見し、又は発見すべきであった時から合理的な
  期間内に売主に対して不適合の性質を特定した通知を行わない場合には、
  物品の不適合を援用する権利を失う。
(2)買主は、いかなる場合にも、自己に物品が現実に交付された日から2年以内
  売主に対して(1)に規定する通知を行わないときは、この期間制限と契約上の
  保証期間とが一致しない場合を除くほか、物品の不適合を援用する権利を失う。

ウィーン売買条約 第44条
第39条(1)及び前条(1)の規定にかかわらず、買主は、必要とされる通知を
行わなかったことについて合理的な理由を有する場合には、第50条の規定に基づき
代金を減額し、又は損害賠償(得るはずであった利益の喪失の賠償を除く。)の
請求をすることができる。

国際取引法国際取引法
(2005/04)
北川 俊光 柏木 昇

商品詳細を見る


関連記事
スポンサーサイト

テーマ : ビジネス
ジャンル : ビジネス

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

hitorihoumu

Author:hitorihoumu
35歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: