特許法改正に伴う通常実施権の第三者対抗要件の変更

既にご承知の方も多いと思いますが、今月発売の雑誌:ビジネス法務(2011年9月号)でも
関連記事がありましたが、「特許法等の一部を改正する法律案」が2011年5月31日に
可決・成立し、同年6月8日に公布されました。
施行日は未定ですが、公布日から1年以内に施行されるようです。

上記改正の対象は、特許法だけでなく、実用新案法、意匠法、商標法、国際出願法、
産活法、産業技術力強化法、TLO法、中小ものづくり高度法の計9法となっています。

特許法に限っても、色々な改正が行われましたが、個人的に気になるのは、
通常実施権の対抗要件の変更です。

これまで、通常実施権を第三者に対抗する場合は、原則、特許庁に登録する必要が
ありましたが、改正法では、登録要件はなくなり、通常実施権が発生していれば
(発生していることを証明するには当然、契約書があった方が良いのはいうまでもありませんが)、
第三者対抗要件を具備出来るようなります。

 <現行>
 特許法第99条1項
 通常実施権は、その登録をしたときは、その特許権若しくは専用実施権又は
 その特許権についての専用実施権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。

 <改正後>
 特許法第99条
 通常実施権は、その発生後にその特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての
 専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有する。

ということで、もし特許権の譲渡を受ける者にとって、譲渡人が当該特許権に関する
通常実施権を第三者に設定しているか否かについて、客観的に確認する手段が
無くなることになりますが、これは、譲渡人とのライセンス契約書にて、
通常実施権の有無について譲渡人に表明保証させることでリスクをカバーするしかないですね。
譲渡人に賠償能力がなければカバーできませんが・・・。

なお、特許庁が公開している数字によりますと、現在、通常実施権の設定(ライセンス契約の
締結とか)をしていて、通常実施権の登録をしている会社は全体の10%程度のようですので、
今回の改正で法律と実務が合致して良かったです。

ちなみに、私が所属している会社はライセンス契約書を締結することはまずありませんので、
実務への影響はほとんどありませんが、上記改正については、記憶の片隅に置いておこうと思います。

P.S.
最近、知財検定2級の勉強をしたことによって、知的財産権関連ニュースに
対するアンテナが多少は効くようになってきたという良い傾向が出てきました。
今度は何の勉強に取り組もうかなぁ。
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