著作者人格権者が亡き後の「公表権」について

前回、前々回の記事に引き続き、知財ネタで。

ご承知の通り、著作権は「狭義の著作権」と「著作者人格権」に分類出来ます。
そして、「著作者人格権」は、一身専属性を有する権利として第三者に譲渡することは出来ず、
また「公表権」、「氏名表示権」、「同一性保持権」の三つの権利に細分類されます。

基本契約書のチェックをしていますと、たまに「狭義の著作権」と「著作者人格権」を
譲渡する、というような条項に出くわしますが、著作者人格権は譲渡出来ませんので、
当該条項が全て無効となり、「著作権」の譲渡についても無効となってしまう可能性もあります。
そこで、「著作者人格権の譲渡」ではなく、「著作者人格権者の同権利の不行使」という様に
変更する必要があります。

さて、亡くなったアーティストの未公表曲が発見されたので、CD化して発売される、
というようなニュースがたまに話題になります。
「著作者人格権」は同権利者の死亡と共に消滅し、日本法では相続の対象となりませんので、
著作権法第116条に基づいて遺族が反対する場合は別として、著作者人格権者が亡き後に
未公表の著作物を公表しても法律上は問題ありません。

しかし、著作者人格権者は、色々な思いがあってあえて未公表としていた可能性もあります。
それなのに、「死後に公表してくれ」という遺言がある場合は別として、
死人に口なし(嫌な言葉ですが)ということで勝手に公表してしまうのは、
いかがなものでしょうか。

公表して発売すれば遺族にも幾ばくかのお金が入ってくると思いますので、
ほとんどの遺族は、未公表作品の公表に賛成するでしょうから、遺族の方に、
著作者人格権者の意思を考慮して公表の可否を判断することを期待するのは無理でしょう。

ということで、死後も著作物の創作者の意思を尊重する為にも、未公表の著作物は、
原則公表することは出来ない、というような法律にした方がいいのではないでしょうか。

しかし、こんな戯言を書いている暇があれば、知的財産管理技能検定(略して、
チテケンとでもいうのでしょか・・。)の勉強をしろ、という声が聞こえてきそうですので、
ここで筆を置こうと思います。
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