書籍:ビジネス契約書 起案・検討のしかた(2)

前回の記事の続き・・

前回、「ビジネス契約書 起案・検討のしかた」について記事を書いていたら、
長文になってきたので、3部構成としてみました。

以下、表題の本を読んで参考になった内容

教訓2.契約書の内容が実際の運用内容と合致しているか
著者は、
「本契約の修正変更は両当事者が署名した書面によるものでなければ
効力を有しないものとする。」
という文例を用いて、本条項の存在を知らない営業担当者が、FAXやメールで
基本契約書の瑕疵担保条項等の変更を済ませた場合、後々、相手方がその変更を
認めたくない事態が発生して、上記条項を盾に変更の無効を主張してくる場合があるとして、
「自分の会社の営業現場の人たちが大事な問題についてさえ必ず契約書に
立ち帰ろうとしない傾向がある会社だと思えるのであれば、このような契約書の変更・修正
についてのガチガチの方式主義は導入しない方が無難かもしれません。」とコメントされています。

私も同感で、契約書は法務担当者の自己満足の為に締結するのではなく、
あくまで実際の現場に即して予防法務・事後救済のし易さの観点から作成されなければなりません。
ただ、著者も指摘するように、せっかく契約書を締結したのに、引継ぎの際に、
契約書を参照する文化が営業担当者の中で無いと、後々紛争が起こったときに
「えっ、こんな条文あったんだ」という事態となります。

これは今の私の課題でもありますが、例えば、仕入先メーカーによっては、損害賠償条項に、
「賠償金額は製品価格を上限とする」という文言があり、他の条文も含めて、
会社の統一書式の為に、別途覚書という形でも条文の修正は出来ない、と主張してくる場合があります。
その場合は、取引製品の不具合の発生率等を考慮して、リスクを承知の上で、
相手方の担当者(出来るだけ偉い人)から、「そうは言っても、基本契約書の内容に関わらず、
不具合などが発生した場合は誠意を持って協議の上対応します。」というようなコメントを
メール等で必ず取得してから契約を締結する様にしています。

このコメントにどれ程の法的拘束力があるのかは未知数ですが、問題は、上記の事実を知らずに
同じ取引先と他の営業担当者が取引をする場合です。
気休め程度でも先方から譲歩の回答が無ければ、後は、契約書の内容通りに対処するしかありません。

これまで、営業担当者に契約書を随時、参照させるにはどうすればよいか色々考えました。
しかし、契約書をPDF化して共有フォルダに入れて、必ず見るように指導したところで、
契約書で痛い目にあったことの無い、忙しい営業はそんなもの見ませんし、
いくら契約書の研修をしたところで、3日もすれば契約書の重要性に対する意識は低下します。
また、受発注を行うシステムの画面に、契約書の留意事項を備考欄に記載するのはどうかを
検討したこともありましたが、おそらく気に留める者は少ないでしょう。

契約書を読んでいれば防げた紛争が起きる前に、早急に、営業担当者に契約書の重要条項を
周知させる方法を考えたいと思います。

<目次>
1 契約書の意義と役割
2 契約書の文言の客観性の必要性
3 契約条項の「要件」と「効果」
4 契約書の起案・検討におけるトラブル・リスクのマネージメント
5 裁判所を通じての強制
6 弁護士に相談すべきこと
7 契約準拠法の指定とその限界

ビジネス契約書の起案・検討のしかた―リスク・マネージメントの道具としてのビジネス契約書の起案・検討のしかた―リスク・マネージメントの道具としての
(2002/12)
原 秋彦

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