書籍:ビジネス契約書 起案・検討のしかた(1)

体裁上、一見して立派な契約書というのは、何冊かの契約書書式集の条項を寄せ集めれば
誰でも作ることが出来ると思います。しかし、取引先等と実際に紛争が発生した時に、
役に立つ、有効性の高い契約書である為には、個々の取引の実情に合った内容でなければ
なりません。せっかく相手方とハードネゴを通して契約書を締結しても、よく読みこんでみたら逆に
自分の首を絞める内容になっていた、というのでは最悪ですし、法務担当の信用は丸つぶれと
なりますので、契約書作成・検討の基本的な考え方を抑えておく必要があります。

表題の本は、弁護士が契約書を検討する際にどのような考え方で取り組んでいるのか、
というのを、具体的な条文を事例として教えてくれる、これだけ契約書関係の本が溢れている中で、
なかなか無い良書ですので、まだ未読の方には是非読んで頂きたいです。

久々にラインマーカーを引いてある場所を読み返してみましたが、再び目が留まった箇所を
いくつか紹介します。

教訓1.依頼者の立場に立って物を考えているか。
著者は駆け出しの頃に、先輩弁護士から、
「今の発言はお客さんにとって何か意味があるのかね。アカデミックなのかもしれないが、
お客さんにとって検討する意味の無いような発言は控えるように。」
と苦言を呈され、実務家としては気の利いた知識を披露することが仕事ではなく、
依頼者の立場に立った発言をするべきであると思い知らされたようです。

私も依頼者(営業担当者)から相談を受けた時に、法律知識を使って説明する事はありますが、
たまに、今の説明は自分にとっては「気持ちの良い」発言だったけど、依頼者に取っては
分かりづらい説明だったな、と反省することがあります。
また、依頼者は法務担当に対して「自分はどのように対処すればよいのか」という
アドバイスを求めてくると思いますが、「法律的には違法です。」とだけ応えて
代替案を示すことの出来ない法務担当では、次からその営業担当者は相談に来てくれなくなって
しまいます。依頼者の立場に立った、実用的なアドバイスが出来る様、常に気をつけたいものです。

次の記事に続く・・・

<目次>
1 契約書の意義と役割
2 契約書の文言の客観性の必要性
3 契約条項の「要件」と「効果」
4 契約書の起案・検討におけるトラブル・リスクのマネージメント
5 裁判所を通じての強制
6 弁護士に相談すべきこと
7 契約準拠法の指定とその限界

ビジネス契約書の起案・検討のしかた―リスク・マネージメントの道具としてのビジネス契約書の起案・検討のしかた―リスク・マネージメントの道具としての
(2002/12)
原 秋彦

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