裁判管轄と準拠法について

最近、私が普段拝読している下記の法務ブログでは、英文契約書について
記事を書くことが流行っているようで、「英文契約書祭り」の様相を呈しています(笑)

私も法務ブロガーの端くれとして、この波に乗り遅れて発言する事がなくなる前に
普段、英文契約書の審査をしていて気付いたことを記載してみたいと思います。

 kataxさんが運営している「企業法務について」
 http://blog.livedoor.jp/kigyouhoumu/archives/52411239.html

 dtkさんが運営してい「dtk’s blog」
 http://dtk2.blog24.fc2.com/blog-entry-1619.html

 tacさんが運営している「企業法務マンサバイバル」
 http://blog.livedoor.jp/businesslaw/archives/52104633.html

 hiroさんが運営してい「風にころがる企業ホーマー」
 http://ooooooooooooooohyeah.blog95.fc2.com/blog-entry-394.html

なお、hiroさんは最近の記事で「準拠法と裁判管轄」について書かれていましたので、
私も便乗してこのテーマについて書いてみたいと思います。

「裁判管轄と準拠法」については、自国の裁判所を合意管轄裁判所に(もしくは自国を仲裁地に)、
自国の法律を準拠法としたい、という要求がぶつかり合い、交渉が平行線となるケースがあります。
そこで、妥協案として被告地主義を採用し、裁判管轄と準拠法は、被告となる契約当事者の
本店所在地を管轄する地方裁判所、国の法律を採用する、という提案を受けることがあります。

この提案に同意した場合で、裁判管轄は別として、それぞれが相手の国の法律に
準拠すれば自分が勝訴すると考えた場合、それぞれが相手国で裁判を起こして、
双方で矛盾した判決が出るという事態が想定されます。
そうしますと、どちらの判決を優先させるべきなのか、
「判決に基づいて先に執行した者勝ちなのか」という別の問題が発生します。

この逆で、自国の法律に準拠すれば自分が勝訴する可能性が高く、相手国の法に
準拠すると自社が敗訴する可能性が高いと考えた場合、自社から積極的に起訴したくても出来ず、
「相手からの起訴待ち」という良く分からない状況に陥ります。
また、実際に裁判を起こしてみないと準拠法が定まらないことになり、起訴前は
何を法的根拠に契約を履行すればいいのか分からないという事態となります。

その為、「裁判管轄と準拠法」について平行線となってしまった場合は、個人的には、
「準拠法は相手国の法として譲歩し、紛争の解決地は自社に有利な場所を選択する」事が
出来れば及第点かなと思います。

この場合はもちろん、紛争の相手国と自国との間に、外国判決の相互承認に関する条約があるのか、
相手国はニューヨーク条約に加盟しているのか等、最終的な執行可能性を考慮して
紛争解決方法(裁判なのか仲裁なのか)を合意したいところです。

また、契約を早く成立させる為に、準拠法をあえて定めないという最終手段もありますが、
後々、余計な争点を増やすことになりますので、原則、相手国の法でも合意した方がまだましでしょう。
相手国の法だからといって、相手国に存する会社に有利な判決を出すとは限らないからです。

この意味で言えば、準拠法は自国でもなく、相手国でもなく、「ICCの仲裁規則に従い、
仲裁廷が準拠法を定める」という条文の提案を受けることがありますが、上記の理由から
このもっともらしい妥協案も問題を含んでいますので安易に同意するべきではありません。

ということで、今回は、英文契約書について記事を書くことが目的となっていたこともあり、
(いつも通り?)まとまらない記事となりましたが、ご意見・ご批判・補足をお待ちしております。
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