中国の企業結合届出規制の域外適用について(BLJ 1月号より)

遅ればせながら、積読されていた「Business Law Jornal1月号」を読んでみました。

今月発売号では、三井物産 法務部法務第二室長の桑田氏をファシリテーターとして、
外国企業への出資に関する3つのお題目を設けて、みんなでディスカッションをしよう
というコーナーがありました。

その中で、「企業結合届出規制の域外適用」に関する発言が参考になりましたので、
以下に書き留めておこうと思います。

^^(以下、本誌一部抜粋)^^^^^^^^^

例えば当社の場合、ペルーである資源権益を買収したときに、当社の連結決算中に
中国での連結売上高が含まれているということで(「取引先当事者要件」の充足)、
買収対象会社が直接その資源を中国向けに輸出しているわけでもないのに、
中国でも届出が必要だと言われました。(企業結合届出規制の域外適用事例)

(中略)

中国では具体的に①合併する場合と②株式取得や資産取得による支配権の獲得の場合、
③支配権の移転を伴うような合弁事業の場合に届出対象となります。
域外適用があるので、第三国での企業結合の場合でも「取引当事者要件」を充足して、
中国内での売上高があれば、届出しなければなりません。

^^^^^^^^^^^^^

なお、本誌には、「中国内での売上高があれば」と記載されているだけで、
一体どれくらいの売上高があれば域外適用の対象になるのか記載されておりません。

その為、私のように
「ということは、中国向けに1元でも取引があれば、域外適用されるのかなぁ」
という早とちりする方がいるかもしれませんので、以前このブログでご紹介した
「中国ビジネス法務の基本がよ~くわかる本」という本に記載されていた
中国での域外適用の要件に関する箇所を以下に抜粋しておこうと思います。

^^^(以下、「中国ビジネス法務の基本が~」の一部抜粋)^^^^

2008年8月3日に国務院により公布・施行された「事業集中の申告基準に関する規定」
3条1項によると、事業者の集中が、①集中に参与するすべての事業者の前会計年度の
全世界における売上高の合計が100億人民元を超え、かつそのうち少なくとも
2つの事業者の前会計年度の中国国内における売上高がいずれも4億人民元を超えること。
または②集中に参与するすべての事業者の前会計年度の中国国内における売上高の合計が
20億人民元を超え、かつそのうち少なくとも2つの事業者の前会計年度の中国国内に
おける売上高がいずれも4億人民元を超えること、のいずれかに達した場合は、
事業者は、事前に国務院商務主管部門に申告しなければならず、申告していない場合は、
集中を実施してはならないとされています。

^^^^^^^^^^^^^^^^^

ということで、三井物産のようにある程度大規模の会社同士の再編が適用対象となるようです。

ちなみに、私が所属している会社は、子会社を含めて中国での取引額が多いので、
「会社所在地が中国国外にあるが、中国向けに多額の売上のある会社」と将来再編する場合は、
域外適用に十分気を付けたいと思います。

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