書籍:同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング

今般は、「同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング」という
本を読んでみました。

本書では、

^^^(以下、本書抜粋)^^^^

価値観や思考パターンが違う二つの言語文化を一瞬で行き来する同時通訳者は、
どうしているのでしょうか。
まず聞いた日本語そのものではなく、相手の発言の真意を突き止め、その後でそれを
一番自然な英語で表現する作業を行っています。

(中略)

STEP① 発言の真意を確認し、それに沿った日本語に置き換えます。
STEP② STEP②で置き換えた日本語を、英訳可能な日本語にします。
      日本語で省略されることの多い主語や目的語を明確にします。
STEP③ STEP②の日本語を英語に訳します。

通常1秒前後で行っている作業を、ここではゆっくりとページを割いて説明します。

^^^^^^^^^^^^^^^^

ということで、リプロセシングの方法を、100の英訳問題を通して非常に丁寧に解説してくれます。

その問題も、例えば
「う~ん、難しい問題ですね。」
「そこを何とか。」
「ちょっとごあいさつにと思いまして」
「本日は皆さん無礼講ということで」
といった、そのまま直訳したのでは相手に通じない日本語独特の婉曲表現を
リプロセシングする方法を教えてくれます。

本書を通じて、同時通訳に求められるのは、高度な英語能力だけではなく、
高度な日本語能力と、相手の発言の意図を正確にキャッチするコミュニケーション能力も
非常に重要なんだなぁと再認識しました。

なお、本書は通訳を目指している様な英語上級者の方には役に立つとは思いますが、
私の様な通訳家を目指している訳では無い中級者の方で、さらに、本書の(特に後半の)
設問に出てくるような、日本語でもめったに発言しないような婉曲表現を日常、
英語で発言する機会が無い方には、本書は読み物としては面白いものの、
参考にするには時期尚早と思われますので、立ち読みしてから購入を判断された方が
良いかと思います・・。

さて、話はやや変わりますが、特に契約書の翻訳をする場合、翻訳家の主観は翻訳文に
反映させてはいけず、もし不明瞭な箇所があれば、翻訳家がなんとか推測して訳を
付けるのではなく、「不明瞭で分かりません」と注記する勇気も翻訳家には必要であると、
何かの本で読んだ事があります。

一方、通訳の方は、その場で「不明瞭で分かりません」という訳にもいかず、また、
瞬時のリプロセシングにより、通訳家の主観が通訳の内容に入ってしまう可能性が
翻訳家以上に高まると思います。

なお、最近巷では、「中田英寿をサッカー日本代表のザッケローニ監督の通訳に!!」という
声が一部であるようです。また、チョイ悪オヤジ代表のパンチェッタ・ジローラモさんを
推す声もあるようです(笑)

しかし、個人的には、中田が通訳をすることで、聞く立場の選手としては、
今言った言葉が果たしてザッケローニ監督の真の言葉なのか、中田の主観たっぷりの
言葉なのかをわからず、素直に聞けない選手が出てくるのではないかと思います。

ましてや興奮している試合中であれば、
①中田も自分の主観を通訳の内容に反映させ過ぎる
②どっちが監督か分からなくなる
③ザッケローニ監督と中田が不仲になり、中田解雇
という流れが今から見えてきます。

中田は頭がいいからその辺は上手くやれるのではないか、という気もしますが、
最終的に、日本サッカー協会は「サッカーに詳しいプロの通訳家」を選択するでしょう。

同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング
(2010/03/27)
田村 智子

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