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元総務&法務担当の部屋     

これまで、ある企業で約十数年間、法務担当(+α)として仕事に従事していた者です。最近、財務・経理部門に移動しました。このブログは、仕事に関する書籍を読んだ感想や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
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為替予約の掛け方、タイミング等のパターン(「受注・発注時」、「売上・仕入計上時」等)

1.為替予約の掛け方、タイミング等(「受注・発注時」、「売上・仕入計上時」等)

取引先と外貨建で取引を実施している場合、為替予約でリスクヘッジしている会社も多いかと思います。

為替予約を締結するタイミングとしては、


(1)受注・発注時

(2)売上・仕入計上時

(3)月末などの毎月特定の時期
  (債権債務との差額である為替ポジションを埋める為に、月末付近等、
   毎月特定の時期に為替ポジションの算出し、ポジション金額と同額の
   為替予約を締結する 等)

(4)その他



等、複数のパターンが考えられます。

それぞれの締結時の効果を考えてみましょう。


「(1)受注・発注時」の場合
「受注・発注時」に代金決済日を受渡日とした為替予約を締結すれば、受注・発注後から決済するまでの為替変動リスクを無くすことが出来ますので、締結コストを含め、予約締結時により採算を確定することが出来ます。




「(2)売上・仕入計上時」の場合
「売上・仕入計上時」に代金決済日を受渡日とした為替予約を締結すれば、売上・仕入を計上してから決済するまでの為替変動リスクを無くすことが出来ます。

しかし、受注・発注時から売上・仕入計上時までの為替変動リスクを負担することになります。

受注・発注時から売上・仕入計上までに長いタイムラグがあり、当初、想定していた受渡日がズレるケースが頻出する場合、この(2)の方法で締結している会社も多いかと思います。




「(3)月末などの毎月特定の時期」の場合
「月末などの毎月特定の時期」に為替ポジションを埋める為の為替予約を締結する場合、ポジションがスクエアになった後の為替変動リスクは無くなりますが、当然のことながら、為替予約を埋めるまでの間と新規にポジションが発生した際の為替変動リスクは回避出来ません。



どのタイミングで為替予約を掛けるのかは会社によって異なりますが、当社のケースで言えば、あまり詳しいことは言えませんが、上記(2)と(3)を組み合わせて為替リスクをヘッジしています。

当社の場合、例えば、販売先から注文書を受領して注文書を受領したものの、販売先の都合で注文書に記載された納期(売上計上時期)がズレる(販売先に反故にされる)ことが多々あります。また、モノを出荷して売上を計上したものの、月末出荷の場合や、検収に対してルーズな販売先との取引の場合、当社の売上計上時期と販売先の検収時期にズレが生じて代金の回収時期が想定よりもズレることは多々あります。

そうなりますと、受注・発注時にせっかく為替予約を締結しても、当初の受渡日を「前倒し」or 「延長」する必要が頻繁に発生してしまいます。

大きなプロジェクトものの取引がメインであれば良いですが、当社のように少量多品種の製品に関する受発注を多数実施している場合、個々の取引に対して為替予約を都度、締結し、さらに、受渡日を適宜調整することは非常に困難(面倒)となります。

その為、上記(1)の方法が一番、変動リスクを軽減出来ますが(その分、為替予約コストも掛かりますが)、上記ズレの発生が少ないグループ会社との取引では主に上記(2)でリスクヘッジし、その他の取引は上記(3)を活用する等して、為替リスクをヘッジしています。



2.他社の状況

上場会社が発行する有価証券報告書には、「事業等のリスク」や「重要なヘッジ会計の方法」等の箇所に、為替の変動リスクに対する対応方法が記載されている場合があります。

そこで、他社ではどのような方法でヘッジしているのか調べるべく、「”有価証券報告書" "為替予約" "発注時"」というキーワードでググったところ、東証一部上場企業で電子部品商社のダイトロン株式会社という、私の所属会社と同業他社の会社が発行している有価証券報告書の「事業等のリスク」に下記記載を見つけました。

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上記会社は「為替リスクを回避するため受発注時の先物為替予約等によって為替のリスクヘッジに努めて」いるようですね。

あくまで推測ですが、当初、想定していた代金の決済日が取引先の都合によりズレるリスクを回避するべく、上記ズレが起きにくいグループ会社との取引に限定して受注・発注時に予約を締結し、グループ会社以外の会社とはその他の方法で締結しているのかと思います。ただ、有価証券報告書の内容だけでは詳しくは分からないので、機会があればどんな方法・タイミング・管理方法で締結しているのか、聞いてみたいものですね。

といっても、同一業界内の経理財務部門同士の集まりなんて(私の知る限り)無い中、情報交換出来る機会は無いかと思いますが・・。

当社の為替ヘッジ方法にはまだまだ改善の余地があるかもしれないので、他にどんな方法があるのかを調べるべく、書籍をあたるかググるなりして色々と調査してみようと思います。調査結果はこちらで適宜、紹介させて貰います。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
なぜ専門家の為替予想は外れるのか(富田公彦氏)

[本書で参考になった内容等]
・為替相場の予想を難しくしているのは、ある通貨を買った場合、必ずある通貨を売らなければならない点。この点に関しては、株式相場の予想(人気が上がる株か、人気が下がる株を当てるゲーム)より難しい。

・為替相場の予想をする際に必要なのは「相関関係」ではなく「因果関係」。

・相関性は期間の取り方で変わってくる為、自分の考える相関見通しを意図的に作れてしまう。その為、「相関性があります」というアナリストのコメントは参考にならない。

・為替相場は株式相場と異なり、特定の市場参加者の動きが相場を左右するという考え方は使えない。

・ストラテジストが相場の予想をするのはあくまで会社の宣伝の為。

・外国為替市場ではテクニカル分析は役に立たない。テクニカル分析は過去の推移を確認するためのツールにすぎない。

・ヘッジファンドに関する情報(ヘッジファンドが〇〇したので為替に影響が出た等という情報)の99・9%は嘘。金融機関は厳格な情報管理を実施している為、自社の顧客であるヘッジファンドの動向に関する情報をメディアにリークすることはあり得ない。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
企業価値の神秘(宮川壽夫氏)

[本書で参考になった内容等]
・コーポレートファイナンス理論の3つの原則

(1)利潤=キャッシュフロー
(2)価値=割引現在価値
(3)株式市場は正しい答えを知っているという前提

・ROEは高ければ良いという指標ではない。各企業が負っているリスクはそれぞれ異なる為、全企業のROE平均値と個別企業のROEを比較しても意味はない。あくまで自社の資本コストと比較しないと意味ない。

・企業価値の算定公式をただ丸暗記しても意味がない。公式を忘れたら本を開くかググれば良いだけ。公式を丸暗記することに時間を費やす位であれば、公式をじっくり鑑賞し、それぞれの算定モデルが意味するところの理解を深めた方が良い。

・コーポレートファイナンス理論上、「リスク」とは「危険」という意味ではなく「得られる結果のバラツキの大きさ」を意味している。

・PBR = ROE×PER

・EVは

「株式時価総額+ネット有利子負債(有利子負債-現金等価物)」

 という計算式となる。

 これは、この会社を手に入れる為には一体いくらの現金を用意すれば良いかを表した数字の為、上記計算式となっている。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
増補改訂版 国際業務サポートのための 外為取引トレーニング
(大村 博氏)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
グロービスMBAアカウンティング(改訂3版)
(グロービス経営大学院)

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