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総務&法務担当の部屋     

現在、ある企業で法務担当として仕事に従事している者です。このブログは、特に法務に関する書籍や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
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(下請法)有償支給材を用いた加工品の発注時の注意点

ご承知の方はご承知かと思いますが、下請法上、親事業者は、下請事業者に発注する場合、発注書面に下記事項を必ず記載する必要があります。


[発注書面に必ず記載すべき事項]
(1)親事業者及び下請事業者の名称(番号、記号等による記載も可)

(2)製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日

(3)下請事業者の給付の内容

(4)下請事業者の給付を受領する期日
  (役務提供委託の場合は、役務が提供される期日又は期間)

(5)下請事業者の給付を受領する場所(役務提供委託の場合は、役務が提供される場所)

(6)下請事業者の給付の内容について検査をする場合は、検査を完了する期日

(7)下請代金の額(算定方法による記載も可)

(8)下請代金の支払期日

(9)手形を交付する場合は、手形の金額(支払比率でも可)及び手形の満期

(10)一括決済方式で支払う場合は、金融機関名、貸付け又は支払可能額、
   親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日

(11)電子記録債権で支払う場合は、電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日

(12)原材料等を有償支給する場合は、品名、数量、対価、引渡しの期日、
   決済期日及び決済方法



上記(12)の通り、下請事業者に有償支給材を販売した上で、当該支給材を用いた加工品の製造を委託する場合、当該有償支給材の「品名」、「数量」、「対価」、「引渡しの期日」、「決済期日及び決済方法」を、加工品の発注書面に明記する必要があります。

なお、「加工品の製造委託取引」と「有償支給材の販売取引」がスポット的に1回で完結するのであれば、加工品の発注書面に、有償支給材に係る上記項目を全て記載することは出来るかもしれません。

しかし、量産取引にて、毎月のように「加工品の製造委託」と「有償支給材の販売」が定期的に繰り返される場合、業界によるかもしれませんが、「加工品の発注数量」と「有償支給材の販売数量」が明確に紐付けされているケースは稀であり、また、親事業者が下請事業者の保有している有償支給材の在庫を把握していないことから、加工品の発注をして初めて、下請事業者から有償支給材の発注を受けて、下請事業者が必要としている有償支給材の品名、数量を親事業者が把握する、というケースが大半かと思います。

このような場合、親事業者が加工品の発注書面に、有償支給材の「品名」、「数量」、「対価」、「引渡しの期日」、「決済期日及び決済方法」を全て明記して発注することは難しいことになります。

上記のような場合、どうすれば良いか、以前、下請法の相談窓口に確認してみたところ、加工品の発注書面か別の書面に、有償支給する旨、及び、当該発注時点で把握している上記必須記載項目(例えば、「品名」、「決済期日及び決済方法」のみ)を記載して下請事業者に提示し、後日、下請事業者から有償支給材の発注を受けて、残りの必須記載項目を把握した後、直ちに、当該項目を記載した書面を改めて下請事業者に提示する必要があるとの回答がありました。

上記の通り対応した場合、下請事業者からしたら、自分が発注した書面に記載した事項が、親事業者から書面で提示されだけで、何の有益性もありません。しかし、下請法を遵守する為には、形式的でも、親事業者として上記対応をする必要があるようです。

親事業者の加工品の発注時には、有償支給材の各項目は決まっているものだ(紐付いているものだ)、という前提にたったルールであり、取引慣行に合致していない法令になっていますが、ルールはルールですので、上記の通り対応するしかないですね・・。

上記が遵守出来ていない会社もあるかと思い、誰かの参考の為に、書き留めておきました。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
金融法務がマンガでラクラクわかる本―楽しく読めて知識が身につく
(池井戸 潤氏、五十嵐 晃氏著作)

<備考>
上記書籍は、アマゾンで見つけた本で、著者が、「下町ロケット」等の多数著書で
有名な小説家の池井戸 潤氏だったことから、どんな内容なのか期待してポチリして読んでみましたが、
普通の金融法務に関する書籍(挿絵マンガあり)であり、池井戸 潤氏らしさ?はありませんでした・・。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
経理に配属されたら読む本(村井 直志氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
トコトンやさしい金型の本(吉田 弘美氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
金型設計者1年目の教科書(落合 孝明氏著作)

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何かを勉強する際は、関係する資格のテキストで勉強することをオススメします

私はこれまで10年近く主に総務・法務業務に従事してきましたが、もっと仕事の幅を広げたいんだと上に主張し続けてきた成果もあり、今年に入ったあたりから、係争案件対応には引き続き関与していますが、徐々に契約実務からは離れて、与信、債権管理、関係会社支援、特殊案件対応が業務の中心となってきております。

また、まだどうなるか分りませんが、管理部門全体の人の出入りの関係もあり、構想段階ではありますが、年内には経理部門に異動するような話も出ています。

なので、「総務&法務担当の部屋」という本ブログのタイトルをそろそろ変更することになるかもしれません。

上記状況もあり、ここらで会計をちゃんと勉強しておこうと、とりあえず、「大原で合格る日商簿記2級 商業簿記(資格の大原)」を読んでみました。

会計は、総務・法務業務を実施していたときも、経理や他部署とコミュニケーションする上で必要であったことと、個人的に興味のある分野の為、当社に入社した10年前位に簿記3級を取得し、その後も独自に関係書籍を読む勉強を継続していましたが、今、こうして簿記2級のテキストを読んでいますと、これまでの知識が体系化され、さらに、足りなかったピースが埋まっていく感じがしていいですね。

何かを勉強しようとする際には、資格の取得はしないにしても、学ぶべきポイントがまとめられている、関係する資格のテキストで勉強するのもいいかもしれません。

なお、簿記2級には、「商業簿記」と「工業簿記」のパートがあり、「工業簿記」は、今の私の業務には直結しない分野となります。

資格の取得自体は目的ではない中、直接、役に立たないことに少なくない時間を掛けることに抵抗があり、モチベーションが上がらないこともあり、簿記2級の受験はどうしようか悩んでいるところですが、もしかしたら経理に異動するかもしれないこともあり、折角勉強するのであれば、合格を目指してみようかな。

以上、チラ裏でした。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
法律事務職員実務講座応用編 2(民事執行)
(法律事務職員全国研修センター)

[本書で参考になった内容等]
1.換価手続の内、「転付命令」を申し立てて執行裁判所に認められた場合、
  第三債務者に送達された時点で、他の債権者を排除して優先的に
  弁済を受けられることになる。

  しかし、一旦、転付命令が確定すると、当該債権が転付命令を申し立てた者に
  移転した(弁済された)ことになる為、第三債務者が無資力で実際に回収が
  出来なかったとしても、執行債権は復活することは無く、回収不能のリスクは
  上記申し立て者が負うことになる。

  その為、第三債務者が公的機関や金融機関等、十分な支払能力を
  有する者であるかどうかがポイントとなる。

  もし、回収が不能・困難となる可能性がある場合は、転付命令の申立てを
  控えたり、第三債務者の陳述書から被差押債権を確認した上で、
  転付命令の申立ての有無を検討すべし。

2.転付命令の対象となる債権は、債権金額が確定している必要があるので、
  将来債権等は対象とはならない。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
言ってはいけない中国の真実
(橘 玲氏著作)

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「ポッキー」は、「オープン&クローズ戦略」の事例として妥当なのか・・。

今般は、「レシピ公開『伊右衛門』と絶対秘密『コカ・コーラ』、どっちが賢い?:特許・知財の最新常識(新井 信昭氏著作)」を読んでみました。

早速ですが、本書で心に留まったといいますか、引っ掛かった箇所を以下の通り抜粋させて頂きます。


経済産業省が発行した『ものづくり白書2013』では、この「オープン・クローズ戦略」が推奨されました。
アイデアを他社に使わせることを「オープン」といい、使わせないことを「クローズ」といいます。
「オープン」は、アイデアを公表して自由に使わせること、自分の特許をライセンスして他者に使わせること、などを意味します。
一方、「クローズ」は、アイデアを秘密にしておくこと、自分の特許を他社に使わせないことなど、「オープン」とは真反対となります。



ポッキーが半世紀も勝ち続けている理由

(中略)

ポッキーの作り自体は一見すれば分りますから、模造品を作ることは簡単に思えます。でも、模造者がその製造設備を独自に、一から開発するのは至難の業です。不可能とはいいませんが、長い時間と多額の費用が必要となるでしょう。

(中略)

ポッキーという形状は見せるけれども(オープン)、製造設備、製造方法を門外不出、「見せない、出さない、話さない」にした(クローズ)。ポッキーの勝利はいわば「オープン・クリーズ戦略の勝利」といえるのです。



下記URLに記載されている特許庁が作成した「オープン&クローズ戦略」の解説資料によると、「オープン&クローズ戦略」では、「技術などを秘匿または特許権などの独占的排他権を実施するクローズ・モデルの知財戦略に加え、他社に公開またはライセンスを行うオープン・モデルの知財戦略を取り入れ、自社利益拡大のための戦略的な選択を行うことが重要。」と解説されています。

独立行政法人工業所有権情報・研修館HP 掲載資料
http://www.inpit.go.jp/content/100578260.pdf

上記の通り、「オープン&クローズ戦略」における「オープン」は、「クローズしない」ということではなくて、戦略上、積極的にオープン(自社技術の使用を許可)することで、自社技術の標準化、無償実施によるデファクトスタンダード化、特許権に基づくライセンス等を狙うことであり、クローズした技術と相まって、自社の利益の最大化を図ることが、「オープン&クローズ戦略」かと思います。

上記定義でいうと、本書で取り上げられているポッキーのケースは、「クローズ戦略」であり、「オープン&クローズ戦略」ではないような気がしますが、どうなのでしょうか?

私の理解・認識不足でしたら申し訳ありません orz

なお、上記解説箇所を除けば(なんか偉そうですみません・・・)、本書では特許・知財に関して分り易く解説されていて、さらっと読めますので、知財周りについて理解を深めたいという方には、入門編としてオススメします。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった雑誌)>
ビジネスロージャーナル 2018年10月号
Q&A 法務相談の現場から 今月の相談>>取下げ依頼のあった内部通報はどう扱うべきか
中島経営法律事務所 弁護士 寺田寛氏著作

※ビジネスロージャーナルは定期購読して、いつも読んでいますが、
 今般は、下記記事が参考になったので抜粋させて頂きます。

[上記記事で心に留まったフレーズ]
内部通報制度は通報者のための制度ではない



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった雑誌)>
ビジネス法務 2018年9月号
「特集1  新規ビジネスを成功に導く 法的リスク突破力
具体的影響、代替案を経営層・事業部門への法的リスクの伝え方」 
株式会社メルカリ 弁護士・ニューヨーク州弁護士 岡本 杏莉氏著作

※ビジネス法務は定期購読して、いつも読んでいますが、
 今般は、下記記事が参考になったので抜粋させて頂きます。


[上記記事で心に留まった箇所]
「インハウスロイヤー・法務部にとっては、「案件を受任する」すなわち事業部門から相談が来るのを受身で待っているだけでなはなく、自主的に案件を探しに行くこと、および、法務部に相談がくるような体制を作ることが重要であると考えている」
(中略)

新規事業の開始や契約等の場合には、必ず法務部に相談するようにという社内フローを整え、事業部門に対する周知・徹底を行うことも重要である。」



[hitorihoumuメモ]
以前、他社の法務の方(一人法務)と話をしていた際、その方の会社では、社内(営業担当等)における法務の重要性に関する意識が薄く、また、社内に契約審査のフローは整備されていない為、日々、法務に早めに相談してくれるよう自分を売り込んでいく社内営業をしているものの、なかなか浸透しないので大変だと話されている方がいました。

法務の重要性を社内に啓蒙していく活動も法務として大切なことですが、もし、これから法務職として転職しようとしている方は、面接等で、契約審査や法務相談の社内フロー・運用方法を質問して、入社してからどんな感じで仕事をすることになるのか、確認した方が良いですね。

入社候補先の会社が、トップダウンで法務体制の強化に動いてくれる会社であれば法務として動き易いですが、一から自分で上記体制を構築していかなければならないのは、一部の気概の高い方を除いて、人によってはなかなかしんどく、入社後のミスマッチに繋がりますからね。

と、今、私は転職を検討しているわけではありませんが、上記記事の趣旨とは異なるものの、個人的に感じたことを書いておきました。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
世にもおもしろい英語(小泉 牧夫氏著作)

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