他社書式の契約書を加筆・修正してドラフトする場合には、ワードファイルのプロパティ情報に注意

写真をSNS等に掲載する際には、写真のJPGファイルのプロパティに位置情報(GPSの経度・緯度情報)が記載されていて、掲載者の住所等が特定されてしまう可能性があるので、プロパティ情報は削除してから掲載するよう注意しましょう、ということは良く言われているので、ご存知の方も多いかと思います。

なお、これはワードファイルにも言えます。ワードファイルのプロパティには(私の知る限り)位置情報の記載はありませんが、以下の通り、作成者等の情報がプロパティ情報として残っている場合がありますので、注意しましょう。

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例えば、以前、他社(A社)から提示された秘密保持契約書の契約書式をベースにして、全くの別案件で、当社にて、他社(B社)と締結する秘密契約書をドラフトする場合があるかと思います。

この際に、B社が上記ワードファイルのプロパティを見た結果、A社の社名が掲載されていた場合で、仮に、A社がB社の競合先だった場合、当社とA社が秘密保持契約を締結しているか、もしくは、締結を検討していたことがB社に分かってしまい、B社から、「競合先のA社と情報交換する仲にあるようですね」とチクリ指摘を受けてしまう可能性があります。

その為、特に他社から入手した契約書式を加筆・修正する形で、他の他社向け契約書をドラフトする際には、プロパティ情報を削除するか、もしくは、他社から入手した契約書式の文面全てをコピーして、新規ワードファイルに貼り付けてからドラフトするよう気をつけたいものですね。
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(1)与信業務にも従事することになりました、(2)一筆書面には署名欄も設けるべし

最近、私の所属会社で管理部門の組織再編がありまして、私は今後とも引き続き、法務業務に従事することになりましたが、これまで従事していた「総務業務」に代えて「与信・在庫・債権管理業務」にも従事することになりました。

現在、チェックすべき契約案件の山と、複数の特殊案件対応に囲まれてクソ忙しい中、上からは、早く与信業務にも取り組んで欲しいと言われており、キャパオーバーを感じておりますが、前々から、もっと仕事の幅を広げたいと思っていましたので、新しい業務に関与することが出来ることになった今の気持ちとしては

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というところです。

契約審査担当歴も10年も経過し、そろそろ(あくまで当社内で求められている)契約審査スキルの伸びしろが少なくなってきた(ちょっと飽きてきた)ので、最近入社した契約審査担当の新人君(中途)を早く育てて、早く、「与信・在庫・債権管理業務」に重点をシフトしていきたいと思います。

なお、OJTにも限界があるかと思いますので、早速、与信について自己学習するべく、「与信管理論〔第2版〕(リスクモンスター株式会社 (編集))」を読んでみました。今後、与信関連の本を幅広く読み進めていきたいと思います。

早速ですが、本書で参考になった箇所を以下の通り抜粋してみたいと思います。


リスクが高いと判断したものについては、上記の調整方法を組み合わせ、営業部門と調整を図らなければならない。この調整をうまくできるかどうかで管理部門の担当者の真価が問われるのである。「NO」と言う担当者が優秀なのではなく、収益機会とリスクのバランスをうまく見い出せる担当者が「優秀な審査担当者」なのである。

営業部門と管理部門の協議による調整がつかない場合は、決裁者が間に入って調整を行う。それでも不調の場合は、より高次の決裁者または役員会などの合議体に判断を仰ぐことが必要となる。



1.与信管理で求められるバランス感覚とスピード感

「NO」というだけであれば誰でも出来ますが、ノーリスク・ノーリターンですから、与信管理担当にもバランス感覚が求められますね。

また、営業部門は、取引開始間近になって、新規取引先申請や、与信の増額申請をしてくるのが世の常ですから、与信管理業務にはスピードが求められます。

そんな中で、当社内で以前から良く聞こえてくる営業担当の不満としては、最近、与信管理が非常に厳格になってきて、与信が取れなくてやむなく、ビジネスが進められなかった案件が増加しているということもあります。

さらに、上記状況の下、与信管理担当が、与信管理の責任者を忖度して、営業担当に対する細かいヒアリングや、取引先に対する厳しい担保の徴求依頼をする結果、新規取引先申請書や、与信の増額申請書がなかなか、与信管理担当の手元を離れない、という状態に対して不満が寄せられています。

与信管理担当が一人で案件を抱えないで、早めに、与信管理責任者と担当営業部門のトップを巻き込んで、案件を進めるべく動けばスピードは早いのですが、一方で、まだ取引条件が生煮えの状態でトップを交えて打ち合わせをしても、トップとしては有効な判断出来ず、与信管理担当の存在意義は、ただの会議の設定係り・電車鳩になってしまいます。その為、どこの段階でトップを巻き込めばいいのか、それ時期を見極める眼力と調整能力を早く培っていきたいと思います。その前に、早く溜まっている契約書を捌かないといけないのですが・・。

2.書面の捺印欄について

与信管理以外にも、本書で参考になった箇所を以下の通り抜粋しておきたいと思います。下記は、債権譲渡通知の作成方法について解説された箇所の本書一部抜粋です。


債権譲渡通知書には、あらかじめ譲渡会社の代表取締役の氏名まで譲渡会社で記載することは望ましくない。なぜなら、単に債権譲渡通知書に譲渡会社の印鑑を押印してもらうだけでは、後日、押印した代表取締役等が「この印は代表印と違う」などと主張して債権譲渡の無効を主張することも考えられるからである。自筆の署名をもらっておけば、後日債権譲渡の無効を主張される可能性が少なくなる。



これは、債権譲渡通知書に限らず、取引先から契約書に対する捺印を受領する際にも当てはまる内容ですね。

契約交渉の過程で、

「この契約書には○○○と書いてあるけど、実際には△△△と対応・解釈します」

というような一筆を取引先から受領するケースがあるかと思います。

このようなケースの場合、代表取締役の印ではなく、先方の営業担当役員や部長クラスの人からサインや印鑑を受領せざるを得ないケースもありますが、その書面に対して予め相手方の捺印者の氏名を印字してしまうと、「営業担当役員の印」や「○○部長の印」が無いと言う理由で、個人の三文判を捺印してきたり、シャチハタを捺印されてしまった結果、後々、一筆書面の有効性に疑義が出る素地を残してしまいます。

その為、上記のような一筆書面を受領する際、後々、「この印鑑は私の印鑑ではない。御社がダイソーで買ってきて勝手に捺印したものにちがいない。無効だ!」という主張を封じるよう、さりげなく、署名も求める書式を作成・提示したいものですね。

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中国の公的機関にサインした書面を提出する際には「水性ペン」を使うべし

中国の公的機関にサインした書面を提出する場合、筆記用具は「油性ペン」ではなく「水性ペン」ではないと受付してくれないケースがあるのをご存知でしょうか?

中国に子会社がある等の理由で、中国の公的機関(例えば、工商局:日本でいうところの法務局に相当)に書面を提出する機会が多い場合には、ご存知の方も多いかと思います。

ただ、中国も広いもので、地域によって厳しさには温度差があり、油性ペンでサインした書面でも問題無く受理されるケースもあります。

私の所属している会社には中国子会社が多数ありますが、中国子会社のスタッフに、「水性ペン」ではないと「原則」ダメな理由を聞いてみたところ、以下の2つの説が有力なようですが、一番多かった回答は、「そういうものだから」というものでした。。。

 [水性ペンではダメな説(有力説)]
 1.「油性ペン」で書いた場合、表面を上手く削れば消せてしまうが、
   「水性ペン」で書いた場合、紙にインクが染み込むので容易に訂正出来無いことから、
   「水性ペン」に限定しているとの説

 2.中国では昔から、水性の万年筆を使う文化があり、ペンといえば「水性ペン」という
   意識があるという説

なお、「水性ペン」というと、以下のぺんてる社の「サインペン」を思い浮かべる方もいるようですが(目撃者は語る)、サインペンではなくても、「水性」と書かれたペンであれば大丈夫です。

中国子会社の定款を変更する株主決議書に、社長からサインを受領したり、役員変更に関する董事会決議書等に、役員からサインを受領する場合には、二度手間にならないよう、水性ペン持参でサインを依頼したいものですね。

[水性ペンはサインペンだけにあらず]
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「特集:9社の事例から学ぶ契約書の管理」(BLJ 2017年5月号)

遅ればせながら、ビジネスロー・ジャーナル(2017年5月号)を読み終わりました。

本号では「9社の事例から学ぶ契約書の管理」という特集が組まれておりましたが、他社の管理方法を知ることが出来て非常に参考になりました。BLJならではの特集ですね。

なお、本ブログで、2016年12月に、

近々、各種契約書の全社公開に向けて文書管理システム(クラウド版)を導入します
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-539.html

という記事を書きましたが、実際に、今年の3月から上記システムの導入を開始しました。

上記システムの導入目的は、一定のセキュリティを確保しながら、

(1)営業担当が法務部門にいちいち問い合わせなくても、契約書を容易に
  確認出来るようにすること

(2)上記システムを活用した上で、営業担当自身が、基本契約書の締結の有無と、
  基本契約書に定めている「販売先との契約条件」、「仕入先との契約条件」に
  相違が無いかを積極的に確認するルールを設け、基本契約書の締結推進と、
  当社が単独で、販売先に対して品質保証等の隠れたリスクを負担していないか、
  確認出来る体制を作ること

にあります。

なお、「特集:9社の事例から学ぶ契約書の管理」で登場した会社の中には、契約の決裁手続もシステム化している会社がありました。一方、当社で導入しているシステムでは、あくまで、「締結済の契約書」・「契約書の審査書類」のデータ、PDFファイルの閲覧・ダウンロード機能を設けているだけで、決裁手続とは紐付いていません。当社は、まだまだ紙文化から抜け出せていない会社なので、あえて電子決裁手続の無いシステムを入れました。

上記システムを使わなくても、営業担当の日々の業務には大きな支障が無いことと、上記システムを導入したばかりということもあり、まだまだ、システムの存在・使い方、上記確認ルールを十分に社内浸透出来ていない為、eラーニング等を通じて社内周知していく予定です。

また、「特集:9社の事例から学ぶ契約書の管理」の会社の中には、日本の親会社だけでなく、海外子会社にも同様の契約管理システムを導入している会社がありました。

一方、当社では、上記文書管理システム(クラウド版)に保存されているデータは、日本の親会社の契約データ・PDFファイルだけで、海外子会社の契約書は、個々の子会社で保管されており、データベースには入れていません。

なお、当社では、海外のグループ会社を商流に介在させて、海外の取引先と取引する場合があるので、当社のグループ会社と海外の取引先との間で締結されている基本契約書等を、他のグループ会社が確認する需要があります。そんなこともあり、今後の当社の課題としては、海外子会社の担当にいちいち問い合わせしなくても、海外子会社の契約締結状況を、他のグループ会社の担当が容易に確認・把握出来るようにすることにあります。

その為には、現在、海外子会社では紙ベースでのみ保管している契約書を電子化しなければならないことや、管理スタッフがゼロの海外子会社で契約管理をどうするか等、色々とハードルがありますが、グループ会社と運用可能な方法を協議しながら、順次、対応を進めていきたいと思います。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
特許調査入門 改訂版 サーチャーが教えるJ-PlatPat (酒井 美里氏著作)

[本書を読んで参考となった箇所の概要と個人的メモ]
(1)J-Platpatには、米国、欧州、イギリス、ドイツ、フランス、スイス、WIPO、カナダ、韓国(英文)、中国(英文)の外国公報のデータベースが掲載されている。
Espacenetの方がより多くの外国公報が掲載されているものの、J-Platpatでは、「和文抄録」というおまけがついている場合がある。機械翻訳ではなく人手抄録なので重宝する。和文抄録の作成対象は、日本出願と重複関係のない特許明細。その為、対応日本出願があれば、和文抄録は無い。和文抄録の収録には1年程度のライムラグがある。

(2)法人が出願後に社名変更し、名義変更届を出したとしても、出願人検索では、公報発行時点での社名で検索しないとヒットしないので注意が必要。但し、「経過情報・番号照会」の結果ページで、名義変更後の社名が分かる。

(3)J-PlatPatには、2003年7月以降の審査書類が確認出来、2003年6月以前の審査書類の閲覧は出来無い。

(4)経過情報で、拒絶査定されたと登録されていても、その後の不服申し立ての有無についての情報登録は無いので、拒絶査定確定の見極めには注意が必要。

(5)J-PlatPatの使い方で困ったときは、21時までヘルプデスクが優しく教えてくれる。

(6)「出願人/権利者」検索は、常に「部分一致検索される」。

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35歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

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