下請法上、年末の下請代金の支払いに注意を!

今年も残すところ、後1ヶ月となりましたが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
もう年末ということで、地味ながら年末に関する話題を。

下請法上、物品等の受領後、60日以内に下請代金を支払わなければならないものの、下請代金を毎月の特定日(例えば月末)に振込で支払うこととしている場合で、当該支払日が金融機関の休業日に当たる場合、親事業者と下請事業者との間で支払日を金融機関の翌営業日に順延することについて予め書面で合意している場合は、結果的に、物品等の受領から60 日を超えて下請代金を支払うことになっても、翌営業日に下請代金を支払ってもOK、というのは、皆さん、良くご存知のルールかと思います。

ただ、順延が許されるのは、あくまで「2日以内」というのはご存知でしょうか。

下請法そのものには定めは無いものの、下請法について調べる者のバイブル的な存在である、公取委・中小企業庁発行の「下請取引適正化推進講習会 テキスト」には、上記順延は「2日以内」と定められております。

その為、下請法対応として、下請事業者との支払条件を「月末締翌月末振込払い」としている会社は、場合によっては、11月受領分の代金を12月内に完済しておかないと、下請法上、アウトになりますのでご注意下さい。

ちなみに、これまで、年末だけは例外と考えてOKかどうかについて、公取委が設置している相談窓口に相談したことはありませんが、別件で何度か同窓口に相談した際には、例外は認めない杓子定規な回答しか返ってきませんでしたので、おとなしく上記ルールに従っておいた方が無難かと思います。。

下請取引適正化推進講習会 テキスト
http://www.jftc.go.jp/houdou/panfu.html

「下請代金支払遅延等防止法第3条の書面の記載事項等に関する規則
(平成21年6月改正)」、「書面の参考例」

http://www.jftc.go.jp/shitauke/legislation/index.html
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某法務系勉強会に初めて参加してきました。

先般、このブログがきっかけで、某法務系勉強会+懇親会に初めて参加してきました。

現在、私は、二人法務状態(私とロー卒非弁の後輩+法務に明るくない、総務・法務を両方見ている上司)で、顧問弁護士に相談することは出来るものの、基本的には手探り状態の中、ともすると「井の中の蛙」状態となりがちです。その為、こうした場で他社の状況をお聞きすることが出来るのは非常に貴重な機会となりますので、今後とも機会があれば是非とも参加させて頂ければと思います。

なお、今回の勉強会ではお話をお聞きする側でしたが、一応、約9年間、法務(主に契約書と訴訟対応がメインですが、最近では、コンプラ啓蒙活動や株式法務系の仕事も増えてきました)に携わってきた法務担当の端くれとして、私にも皆様のお役に立てる引き出しが何かあるかもしれませんので、今後、もし機会があれば、お話をする側に立つことが出来ればと思いました。

ただ、この勉強会+懇親会には、このブログを見て頂いている方も何人かいらっしゃいまして、非常にうれしく、今後の励みになりましたが、何かネタがあればこのブログに書いている中、そのような方や、諸先輩の方々にも楽しんで頂けるネタを探すのがなかなか大変そうですが(笑)

なお、懇親会では、色々な会社の法務、総務、弁護士等の方々から面白く・役立つお話をたくさん聞くことが出来ましたが、印象深かった、ある参加者(私の所属会社と同様、商社に勤務の法務の方)との話をまとめておきたいと思います。

それは、日本以外の法律を準拠法とする契約書(もしくは、日本以外の法域に所在する会社と締結する契約書)を検討する場合に、どうやって対応するか、というテーマについてです。

準拠法が日本法、相手方が日本法人の場合であれば、契約書について色々と交渉した結果、例えば、基本契約書の瑕疵担保期間の箇所について妥結しない場合、「基本契約書を締結しないと注文書の授受に進めない」と相手から強行に言われない限りは、「目の前の契約書を締結するより、法律(=民法第637条)の規定に則って解決した方がまだマシだから、目の前の契約書は締結しない」という選択肢を取ることも出来るわけです。

当然のことながら、この場合、「基本契約書は無しで取引しましょう」とストレートに相手に言うといらぬ反発を食らいますので、事実上のペンディング状態に持ち込むわけですが。

しかし、一部の国の法律(米国法や昨今では中国法)については、多くの書籍や法務系雑誌、ブログ、弁護士事務所のニュースレター等を介して多くの情報を得ることが出来ますが、その他の特に後進国の法令情報・判例については、情報のリソースが限られている中、このような国の法律を準拠法とする契約書(もしくは、当該法域に所在する会社と締結する契約書)を検討する場合に、どうやって対応するか、という問題があるわけです。

基本契約書であれば、目の前の契約書の相手方が自社の買主(委託先)であれば、当該契約書と全く同じ内容で、自社の売主(再委託先)とも契約を締結することがセオリーなわけですが、全てのケースで、back to backで契約を締結出来るわけではありません。

特に私のような商社の場合、「当初、自社の買主(委託先)が、自社の売主(再委託先)となる会社と直接取引するべく、交渉をしていたものの、受入可能な内容で契約が出来なかったので、仕方なく、商社である当社を間にかますことで、リスクを当社に押し付けて、モノを買ったり製造委託をするケース」もあるわけで、このような場合には、自社でやむなく、粗利を対価にしていくらかのリスクを引き受けざるを得ないケースも出てきます。特に、外資系の会社の場合、一切交渉の余地が無い、というスタンスの会社も多く、なかなかセオリー通りにはいきません。

また、不利な基本契約書について社内承認を得る際、「基本契約書では当社に不利な内容になっていますが、個別契約や仕様書にて、自社が不当なリスクを抱えないように適宜対応します。」と社内申請書に一言添えて、社内の了解を得るケースもあります。

後は、「運用でカバーします」ということになるわけですが、基本契約書を締結した後にヒアリングした結果、営業側が基本契約書の懸念事項についてすっかり忘れていて、上記の通り対応出来ていなかった、という残念なケースもあります。その為、営業担当の「運用でカバーしますので、早く基本契約書の締結に進みたい。」という言葉に頼り過ぎるのもの禁物です。

ということで、長々と書いてしまいましたが、最終的には、その海外法に詳しい信頼出来る弁護士から正しい知識・情報を得て正しくリスクテイクするしかないことになりますが、今後、こうした勉強会等に参加することで、使える弁護士事務所の情報も交換出来ればと思います。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック(塩野 誠氏、宮下 和昌氏著作)
キャリアアップのための経理・財務のセオリー ―プロの技術とロジックを学ぶ(小泉 禎久氏著作)
会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから(大西 康之氏著作)
スーパー経理部長が実践する50の習慣(前田 康二郎氏著作)

「コーポレートガバナンス・コード」への対応について(当社の状況)

3月決算の上場企業の場合、「コーポレートガバナンス・コード」を反映した「コーポレート・ガバナンス報告書」の提出期限が2015年12月に迫っていますが、対応状況はいかがでしょうか。

私の所属企業は上記に該当しますので、11月下旬に開催される取締役会で開示内容について承認を得るべく、鋭意、準備を進めております。

私の所属企業では(どの企業も同様かと思いますが)、まず、「コーポレートガバナンス・コード」の全73原則について、当社の取り組み状況・方針等を詳細に書面に落とし込みました。

その後、(当社は、みずほ銀行等の金融機関とは異なり、コードについて「全開示」は実施しませんが)、将来、株主からコードの対応状況について説明を求められた場合を想定し、「コーポレート・ガバナンス報告書」に開示が必要な項目(エクスプレイ項目を含む)だけでなく、コンプライしている項目についても、「仮に全開示するとしたらこう記載する」という内容について、簡潔明瞭な記載素案を手元資料として完成させました。

ご承知の通り、「コーポレートガバナンス・コード」は「プリンシプルベース・アプローチ」(原則主義)が採用されておりますので、解釈の裁量の幅が広く、正解が一つではないことから、記載素案の作成段階(特に初期段階)では、社内で色々な意見が出ました。

特に偉い役員から「(素人考えかもしれないけど)このコードはこう解釈するんじゃないか」と言われるケースもあり、「それは違いますね」と言える根拠、十分な他社事例、気概も無いことから(笑)、第三者的な観点からチェックを受けようということで、上記コード対応において、当社はコンサル会社を使いました。

なお、上記コンサル会社と提携している某法律事務所(四大法律事務所の内の一つ)にも、開示素案だけでなく、上述の全73原則に関する記載素案についてチェックを受けました。

あまりこういう使い方は個人的には好みませんが、今回の一連の対応で、「商事法務に寄稿されている○○先生もこう言っています」というのが、上層部からの素朴な疑問を事前に封じる上でかなり有効に機能しました(笑)

上記コンサルや法律事務所とやりとりする中で、コードの解釈の仕方について参考となった事項を数点、誰かの参考の為に以下にまとめておきたいと思います。

上記コンサルや法律事務所の具体的な名前はあえて伏せておりますので、記載の内容の信憑性に欠けるかと思いますが、下記解釈の採用の有無については、各社の裁量にお任せします。

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1. 「補充原則1-2④」について
上記コードでは、「上場会社は、自社の株主における機関投資家や海外投資家の比率等も踏まえ、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳を進めるべきである。」とされています。

上記コンサル・法律事務所によりますと、必ずしも、全ての上場企業が、「議決権電子行使プラットフォームの利用等や招集通知の英訳を進める」必要は無く、「自社の株主における機関投資家や海外投資家の比率等も踏まえ」、上記対応が不要であると判断している会社は、上記コードについてはコンプライと整理して良いようで、「上記対応をしていないこと」、「上記対応が不要であると判断している理由」をエクスプレインする必要は無いようです。

なお、当然のことながら、後日、株主から、「議決権電子行使プラットフォームの利用等や招集通知の英訳を進める」必要が無いと判断した理由について説明を求められる場合に備え、手元資料として上記内容を書面に落としておいた方が良いとのことでした。

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2. 「補充原則2-5①」について
上記コードでは、「上場会社は、内部通報に係る体制整備の一環として、経営陣から独立した窓口の設置(例えば、社外取締役と監査役による合議体を窓口とする等)を行うべきであり、また、情報提供者の秘匿と不利益取扱の禁止に関する規律を整備すべきである。」とされています。

なお、上記コンサル・法律事務所によりますと、仮に、外形的に見て、通報窓口を外部の弁護士(顧問弁護士等)に設置していた場合でも、当該通報窓口から通報内容を受ける自社側の窓口が、経営陣から独立した者ではなく、例えばコーポレート部門となっている場合、「経営陣から独立した窓口」を設置しているとはいえないようです。

当然のことながら、どこかの段階で、会社は通報内容を把握する必要がありますが、その第一窓口として、経営陣から独立した窓口(外部の弁護士や、通報窓口サービスを提供している会社等の全くの外部機関ではなく、社外取締役や監査役等、会社に対して通報内容を報告する義務はあるものの、仮に会社が通報内容を握りつぶしたとしても、通報内容について自分でも取締役会等で問題提起出来る者)を設置する必要があるようです。

なお、「社外取締役や監査役(常勤監査役を含む)」は、単独でも、経営陣から独立した者に該当するようですので、現在、コーポレート部門を通報窓口に設定している会社は、2015年12月までに提出する「コーポレート・ガバナンス報告書」には間に合わないにしても、今後、例えば監査役を通報窓口に変更する等して、来年の報告書提出時にコンプライする選択肢もありますね。

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主に、週末にブログを更新する予定です。

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