冠詞(the)の使い所について(書籍:英日日英 プロが教える基礎からの翻訳スキル)

前回の記事で書きましたが、最近、翻訳作業をしたこともありまして、今般は、光藤 京子氏、田辺 希久子氏著作の「英日日英 プロが教える基礎からの翻訳スキル」という本を読んでみました。

本書では、英日翻訳、日英翻訳について「入門編」「基礎編」「実践編」と、レベル別に翻訳のテクニックが解説されています。また、各テーマ毎に練習問題がついています。

練習問題では、色々な分野の題材が出てきますが、私は契約書の翻訳・要約しか作成する機会はありませんので、練習問題は読み飛ばしてしまいましたが、解説部分を読んだだけでもなかなか参考になりました。

心に留まったのは2点ありまして、1点目は、時候の挨拶等、「日本特有の文化的な表現などは無理に訳さなくても良い」という点です。

もう1点目は、冠詞(the)の使い所の解説部分で、その箇所を以下に抜粋しておきます。

<以下、抜粋>
関係詞節で修飾されていても、形容詞で修飾されていても、基本は対象となる名詞が文脈的に強く限定され、話者と聞き手の共通の知識として提示されているかどうかが判断の鍵となります。
<抜粋終了>

これまで、関係詞節で修飾された名詞には、ついつい「the」を使っておりましたが、あくまで、その名詞の示す対象について、話者(書き手)と聞き手(読み手)の間で同一認識がある(=一つに特定されている)ことが判断基準、というのは参考になりましたね。

これを機に、文法書でも買って、冠詞の使い方についてしっかり勉強をしてみようかな。

<目次>
入門編:翻訳をはじめる前に
     (翻訳の世界へようこそ―翻訳者の役割は広がっている;
     英語から日本語への翻訳(英日翻訳)、日本語から英語への翻訳(日英翻訳)、
     翻訳に役立つツールと方法)
基礎編:翻訳のコツをマスターしよう(英日翻訳;日英翻訳)
実践編:基礎編で学んだテクニックを応用してみよう(英日翻訳;日英翻訳)

英日日英 プロが教える基礎からの翻訳スキル英日日英 プロが教える基礎からの翻訳スキル
(2008/09/22)
光藤 京子、田辺 希久子 他

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社内コストを軽視するのは止めて欲しい。

先日、社内の某営業系役員から、取引先から提示された英文版の某契約書(某役員に私が特定されてしまうかもしれませんので、具体的な契約書の題名は書きません・・。杞憂でしょうが。)を日本語に翻訳して欲しいとの要望を受けました。

翻訳する目的は、「英語版ではなく日本語版で締結したいので、取引先から提示された英文版を元資料にして、取引先に提示する日本語版(案)を作成して欲しい。」ということではなく、単に、その営業系役員は英語が苦手なので、内容を理解する為の手元資料として、日本語訳を作成して欲しいとのことでした。

「正確な翻訳が必要であれば翻訳会社に依頼する方法もある」と回答したものの、「翻訳会社に依頼するとコストが掛かるからイヤだ。」ということでした。

そこで、私は翻訳のプロではないので、あくまで私が作成するのは要約であり、参考程度に考えて欲しいとお伝えした上で、翻訳作業を引き受けました。

前置きが非常に長くなりましたが、外注先への委託料はコストと認識するものの、社内コストを軽視する人が結構いるのですが、何なのでしょうかね。翻訳に限らず、「社内で対応出来ればコストを節約出来る」的な考えの人がたまにいますが、社員の人件費を考慮して発言して貰いたいものですね。

と、某役員にも言いたかったものの、なかなか言い出せなかったので、ここに記載しておきました(笑)

書籍:体系アメリカ契約法-英文契約の理論と法務

前々から読もうと考えていたものの、600ページを超える分厚さに手に取るのを躊躇していた平野 晋氏著作「体系アメリカ契約法」を、2014年8月6日~8日の海外出張の移動中に何とか読み終えました。

本書では、アメリカの法律実務や法学教育で用いられることの多い略語(原告をπ、被告を⊿と表記する等)が使用されており、脚注が非常に多く、また、「ブルーブック」(=アメリカの主要ロースクールのロー・ジャーナル、ロー・レビューにおける引用形式の基準書)に基づく引用ルールに「固執」した書きぶりとなっています。

また、これが一番の理由ではありますが、私がアメリカ契約法に疎いという背景も重なって、本書はしっかり理解しながら読み進めないと、「あれ今、字面を追っているだけで、ぜんぜん頭に入ってなかったな。危ない危ない。」という場面が何度かありました・・(笑)

人にもよるかと思いますが、本書は、電車通勤中ではなく、しっかり腰を落ち着けて読める場所・時間に読むことをお勧めします。

本書で参考になった箇所は多数ありますが、主には2点ありまして、1点目は、UCC上、確定的合意書を取り交わしていた場合であっても、確定的合意書と相反する解釈をする為ではなく、説明や補足の為であれば、「取引慣行」や「取引の経過」に関する外部証拠は、「口頭証拠排除の準則」の例外となりうる点です。確定的合意書に明記されていなくても、「取引慣行」や「取引の経過」が前提となって確定的合意書が取り交わされたはずと捉えて、上記の通り解釈される、ということは、今度の契約書審査・ドラフティングの参考になりました。

また、もう1点は、弁護士報酬の負担についてです。参考になぅた箇所を以下に抜粋させて頂きたいと思います。


<以下、本書抜粋>
c. 「弁護士報酬」(attorney’s fee): 幾つかの例外を除き、原則として勝訴したπであっても弁護士費用を賠償として認定されることが無い。但し契約書内で別段の約定・方針が明記されてあれば、過半数の法域では賠償として認められる。
(中略)
なお契約法に限らず、そもそも裁判に於いて勝訴当事者であっても相手方から弁護士報酬支出の補償を得られないのがアメリカの原則であり、「American rule」と呼ばれる。その理由は、資力の無いπが価値ある請求の追行を思い止らせない為である。逆に勝訴者が敗訴者から弁護士報酬費用の支出の償還を得られる「敗訴者負担主義」のルールは「English rule」と呼ばれる。
<抜粋終了>


日本では、弁護士費用は原則として、原告・被告が各自で負担しなければならないというルールがある中、特に違和感を感じることもなく、これまで弁護士報酬も賠償対象となる旨、定めている英文契約書の補償条項をたくさん見てきましたが、本書を読んで、その根底となる考え方を知ることが出来て良かったです。

なお、上記箇所を一読した際には、「資力の無いπが価値ある請求の追行を思い止らせない為」に、なぜ、弁護士費用は原告・被告が各自で負担しなければならないという「American rule」が原則となっているのか理解出来ませんでした。

むしろ、「資力の無いπが価値ある請求の追行を思い止らせない為」であれば、自己の弁護士報酬も相手方に請求出来る「敗訴者負担主義」を採用すべきではないかと疑問が生じ、しばらく腑に落ちませんでした。

しかし、よ~く考えたところ、資力の無いπが自身の勝訴に対して絶対的な自信がある場合は別として、通常は、判決がどちらに転ぶかわからない裁判において、自身が負けるのではないかという心配がある場合、または、例えば自身はしがない一消費者で、相手方が大企業の場合で、大企業から「当方が勝訴したら、高額な弁護士費用をあなたに請求させて頂きますからね。」と暗に起訴しないように脅された場合、価値ある請求の追行を思い止ることもあるでしょうね。

「American rule」と「English Rule」についてはこれまで良く考えずに契約書審査に当たっておりましたが、米国以外の国の原則についても調査を進めていきたいと思います。

また、本書は、一回読んだだけでは、本書の内容について理解するには足りませんので、なかなか読むのに体力を使う本ではありますが、体に染み込むように繰り返し読んでいきたいと思います。

最後に、本書の著者である平野 晋氏が書いた「国際契約の〈起案学〉-法律英語の地球標準」についても、近い内に読んでみたいと思います。


<目次>

総論
第1章 契約の成立(「契約(K)」とは何か?
     契約の「成立」(formation of K) ほか)
第2章 救済(契約に係わる様々な「救済」(remedies))
第3章 法的拘束力(「強制可能性」(enforceability)に係わる諸法理
     契約能力に関する規制 ほか)
第4章 第三者と権利義務の移転(複数当事者関係(third party beneficiary:
     第三受益者)・債権譲渡と履行義務委任(assignment of right
     and delegation of duty))
第5章 保証(担保)責任(保証(担保)責任(warranty))

体系アメリカ契約法体系アメリカ契約法
(2009/04)
平野 晋

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書籍:平気で冤罪をつくる人たち 誤審は必然的に生まれた

今般は、井上薫氏著作「平気で冤罪をつくる人たち 誤審は必然的に生まれた」という本を読んでみました。

本書の前半部分では、冤罪事件で有名な、菅家利和さんの無実が判明した「足利事件」の解説を、後半部分では、痴漢冤罪を取り上げて、冤罪の原因について分析されています。

足利事件について、著者は、「DNA鑑定技術が進歩した結果、当時の判決の決め手であったDNA鑑定の誤りが判明し、誤判が明らかになった。当時の低いDNA鑑定技術では誤判は避けようがなかった。」という理解は間違いであると言います。

そして、裁判当時において、血液型とDNAが一致する確率は、当時の技術では「1000分の1」程度であることを認識していながら(裁判記録にも記載されているようです。)、それまで無かった画期的なDNA鑑定の精度の高さを盲信し、菅谷さんが自白していることを重要視して裁判官が有罪判決を出したのは、明らかに裁判官の判断ミスであったと主張します。また、菅谷さんが犯人であると決めつけて捜査にあたった警察・検察についても批判しています。

なお、著者は本書の総括部分で、

<以下、本書抜粋>
「司法統計上99%の有罪率からして、はじめから有罪であろうと思い込んで法廷に臨むというような裁判官の手抜きがみられること、また、控訴されるときに自分のした判決が覆されると立身出世の妨げになると危惧するばかりで、法律に基づいて公正な裁判をしようという心がない裁判官も少なくない」
<抜粋終了>

と主張しています。

以前、著者は裁判官を経験したことがあると言っても、上記の他、随所で著者の主観に基づいて裁判官の怠慢を痛烈に批判するのはいかがなものかと思いましたが、裁判官も聖人君主ではないので、程度のこそあれ、上記のような裁判官もいるんでしょう。

いずれにしても、以前、「書籍:自白の心理学」を読んだときにも感じましたが、未だに、自白が捏造される余地を大きくはらんでいる現行の取調べ制度と、自白を重要視した裁判慣習は早急に改善して貰いたいものですね。

<目次>
第1章 有罪率九九%の疑問
第2章 足利事件に見る誤判の原因
     (足利事件の概要;DNA鑑定の光と影 ほか)
第3章 痴漢冤罪の場合
     (典型事例で考える;水掛け論でも有罪 ほか)
第4章 冤罪は必然的に起こる
     (告告人無罪推定の原則;裁判実務上の原則逆転 ほか)
第5章 冤罪蔓延がもたらすもの
     (裁判所の暴走;国民の基本的人権が有名無実化 ほか)
第6章 冤罪根絶のために
     (裁判腐敗の現実を知ってほしい;裁判所信仰を断ち切る ほか)

平気で冤罪をつくる人たち (PHP新書)平気で冤罪をつくる人たち (PHP新書)
(2010/01/16)
井上 薫

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海外空港での待ち合わせでは合言葉を決めておくべし

今日(8月6日)から2014年8月8日まで、某案件の為にフィリピンに出張する為、先ほど、成田空港に到着してイミグレを通過し、現在、搭乗待ちの状態ですが、空港は夏休みで学生が溢れていまして、両替するだけでも一苦労でしたね。。夏休み中に海外に行かれる方は、お早めに空港に到着することをお勧めします。

さて、これからフィリピンのマニラ空港に到着後、現地法人が手配した運転手(英語力は不明)が迎えに来てくれるようですが、私の所属している会社の社名が記載されている紙を広げて、出口で待っているとのこと。

しかし、犯罪都市マニアのことですので、ひょっとすると、私の所属している会社の社名が記載されている紙を広げている運転手を見て、同じ紙をその場で作成して掲示し、私を誘導して誘拐しようとする輩がいるのではないか、と今から心配しております。

こんなことなら、「山」と言ったら「川」、みたいな合言葉を決めておけば良かったなと反省しております・・。果たして無事に日本に帰国出来るのか。

以上、杞憂でした。
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主に、週末にブログを更新する予定です。

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