BLJの第15回読者交流会に参加してきますた。

昨日(5/21)は、三軒茶屋で開催されたBLJの第15回 読者交流会に参加してきました。

色々な業種の会社の法務担当からお話を聞くことが出来、他社の状況を知ることが出来て有益だったとともに、世の中にはデキる法務担当が沢山いるんだな、ということを再確認することが出来、もっと頑張らないといけないなと、考えさせられましたね。

私も含めて、法務担当が一人または少数しかいない会社に所属している法務担当の方は、定期的にこうした場に参加して、自分の「井の中の蛙」ぶりを再確認する必要がありますね。

また、参加者の方から、読者交流会の外でも情報交換しましょう、という有難いお話も頂き、法務担当の輪が出来たことも大きな収穫でした。

せっかくこうした場に参加出来たのであれば、その場限りの情報交換で終わりにすることなく、その後も関係が継続するよう、自分から情報提供する姿勢(=この人と繋がっておくと何か面白いかもと相手に思って頂けるような姿勢)が必要ですね。

と、今回も結局、情報をテイクするばかりで、有益な情報を何らギブすることが出来なかった者が偉そうに言ってみました。。
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基本契約書の「Cumulative 条項」について

取引先から提示された英文契約書を読んでいますと、以下のような「Cumulative 条項」に遭遇することがあります。

「第○条 本契約書に定める権利、救済措置は累積的なものであり、排他的なものではない。」

上記条項の末尾に、「本契約は、契約当事者のコモンロー上もしくはエクイティ上の救済を妨げるものではない。」という文言が続いたり、時には、「本契約は、契約当事者の法律上の救済を妨げるものではない。」という漠然とした文言が続いたり、はたまた、日本法を準拠法とした日本語の契約書でも、「本契約は、契約当事者の民法、商法、製造物責任法その他法令に定める救済を妨げるものではない。」というような文言が続く等、色々なパターンもあります。

契約書の作成側が上記の条項を定めた目的や条項の書き振りが、例えば、「準拠法が英米法で、コモンローに基づいた損害賠償という救済方法に加えて、エクイティに基づいた特定履行や差止命令という救済方法も選択可能であることを明確にしたい」というところにあるのであれば、まあ原文通りでも良いのかと思います。

しかし、例えば、契約書で具体的な品質保証期間を明記するものの、「法律上、その保証期間よりも長い期間、権利行使することが出来るのであれば、法律に基づいて権利行使出来る余地を残しておきたい」というところにあるとすると、提示された側としては注意が必要ですね。

準拠法が日本法や英米法であればまだ、法律上の定めについて確認は容易に可能ですが、マイナーな法律を準拠法としている場合、その国の法律上の定めについて確認可能としても、時間と費用が掛かって実質確認が出来ない場合もあります。また、取引に関連する全ての法律上の定めを確認することは無理でしょう。

上記のような場合、そのマイナーな国の法律上の定めについて理解が乏しい状態ですと、いくら交渉の末に契約書で具体的な条項を定めたとしても、将来、不意打ち的にその国の法律に基づいて相手方から権利行使される可能性もあるので問題がありますね。

これまで、「Cumulative Clause」は特に修正することなくスルーしてきましたが、準拠法と条項の内容(書きぶり)によっては、修正も検討したいと思います。とふと、最近、思いましたので、備忘の為に書き留めておきました。

なお、上記のような条項の修正方法としては、単純に削除するだけでは、準拠法によっては、契約書に具体的な定めのある条項があったとしても、法律上の定めに基づいて、権利行使することが可能となる場合もあるかもしれませんので、明確に、本契約書の定めは排他的である、というような文言に変更する方法が考えられます。

なお、「Cumulative Clause」という一つの条項にまとめられているのであれば、上記の通り対応して終いにすることが出来ますが、各補償関係の条項の冒頭もしくは末尾に、「法律上、甲に認められている権利行使を制限されることなく、甲は、乙に対して本条に基づいて○○の権利を行使することが出来る。 ※甲=顧客、乙=当社」という文言が記載されているパターンもあります。

このパターンへの対応は、「法律上、甲に認められている権利行使を制限されることなく」という文言をいちいち削除したり修正することになり、修正履歴付の文面が汚くなりますので、そのような修正案を相手方に提示することに気が引けますが、余計なリスクを残すよりはマシですので、検討したいと思います。

P.S.
明日はビジネスロー・ジャーナルの第15回交流会が開催されますね。
前回は抽選に漏れてしまったものの、今回、私は抽選に当たったのか、参加出来ることになりました。

過去に一度だけ、第2回か3回目の交流会に参加したことがありますが、その際は、参加者の皆さんから情報をテイクするばかりで、ギブすることがあまり出来なかった反省を活かして、今回は積極的に情報交換をしていきたいと思います。

よろしくお願いします!

書籍:海外進出企業の贈賄リスク対応の実務―米国FCPAからアジア諸国の関連法まで

近々、私が所属している会社内に、贈収賄リスクに対応した規程を設けようと考えており、私が旗振り役をやることになりましたので、その参考にと、今般は、ベーカー&マッケンジー法律事務所とデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーフォレンジックサービスが出している「海外進出企業の贈賄リスク対応の実務―米国FCPAからアジア諸国の関連法まで」を読んでみました。

関連セミナーに参加したり、法務系雑誌の該当箇所を読んだ限りでは、贈収賄法規について、主に米国FCPA、英国Bribery Act、日本と中国の法規制が解説されるケースが多い印象がありますが、本書では、上記の国の他、インド、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、ミャンマー、台湾、マレーシア、シンガポールの法制度等が解説されており、参考になりました。

私の所属している会社は、米国、英国、中国以外にも多くの国に現地法人を有しており、その全ての国の法規制について調査することはなかなか難しいですが、なるべく、多くの情報を収集した上で、規程のドラフト作成に取り掛かりたいと思います。

以前参加した贈収賄に関する外部セミナー、法務系雑誌の内容に加えて、本書を読んで考えさせられた、贈収賄に関する規程を作成する上での個人的な留意点は以下の通りです。

<留意点(個人的なメモ)>
贈収賄は禁止するものの、
(1)社会的儀礼行為の範囲内の接待や贈答についてはどう定めるか。
   仮に許容すると規程に明文化する場合、「社会的儀礼行為」の定義をどうするか。
   規程に定義を設けないにしても、「社会的儀礼行為ってどこまでが含まれるんですか?」と
   質問を受けた場合に、どのように回答するか。
(2)禁止の金額基準を設けるのか。
   金額基準を設ける場合、金額基準はどうするのか。
   全世界統一基準とするのか、もしくは、各国の事情を考慮した個々の基準を設けるのか。
   基準金額を設ける場合、「○○円相当以上は禁止」とするのか、もしくは、
   「○○円相当以上は本社法務部門の許可を要する」と定めるのか。
   後者の場合、○○円相当以上の接待や贈答について、本社法務部門に
   申請が来た場合、果たして本社法務部門でその妥当性が適切に判断出来るのか。
   ビジネスのスピードを遅らせる副作用を発生させることなく、贈収賄に関する
   ルールを設けるにはどうすればよいのか。
(3)米国FCPAでは処罰の対象外となっている「合理的かつ善意に行われる支出
   (Reasonable and Bona Fide Expenditures)」、例えば、本書で
   挙げられていた例で言えば、「企業の営業活動において、外国政府に製品・設備を
   購入してもらう為に、外国公務員を日本の工場、設備の見学に招聘する際の合理的な
   範囲内での旅費の負担」等を許容するのか。
(4)ファシリテーション・ペイメントは許容すると明文化するか。
(5)私の所属会社には、日本本社(単体)の役職員が利用可能な内部通報制度を
   設けているが、全世界に適用する贈収賄規制規程を設ける以上、海外現地法人の
   役職員も利用可能な内部通報制度を設ける必要があるが、どうするか。
   通報先は日本本社か兄弟会社か、外部に設けるのかどうか。
(6)本書によると、英国、中国の他、マレーシア、シンガポールも民間人への
   贈賄を規制しているようであるが、民間人への贈収賄を規程にどう盛り込むのか。

とか何とか色々考えていると、関連規程を定めるのはなかなか考慮、社内調整すべきことが多くて大変そうなので、単純に、既に自社内に定めている、法令遵守を謳ったコンプライアンス規程に、「贈収賄は止めましょうね」というような文言を追記して終いにしたくなってきましたが、妥当な規程になるよう最後まで諦めずに頑張りたいと思います。。

最後に、本書の、米国FCPAの「米国内で行為の一部を行った者(Foreign Person Acting within the United States)」の定義に関する解説部分が参考になりましたので、以下に抜粋させて頂きたいと思います。


<本書抜粋 p6~p7>
問題は、DOJにより、その範囲が広く解される可能性があることである。実際に、米国内で贈賄の授受を行う必要はなく、米国内でなされる行為を生じさせた場合には、この要件に該当すると解されている。具体的には、米ドルで贈賄や贈賄資金を送金しただけでもこの適用を受ける可能性がある。特に、発展途上国の公務員が贈賄を要求する場合、現地通貨よりも信用の高い米ドルが用いられることも多い。発覚を恐れて、外国公務員が海外口座(たとえば、香港、シンガポール、スイス、ケイマン諸島)に米国で支払って欲しいと求めてきた場合、かなりの確率で適用される可能性がある。
<抜粋終了>

本書に記載が無かったものの、上記抜粋箇所の「米ドルでの送金」とは、おそらく米国外の人が、米国のコルレス銀行を経由して米国外の人に米ドルを送金した場合を想定しているかと思いますが、上記が正しいとすれば、「当社は、米国以外の国の政府機関とは取引はたくさんあるけど、米国に子会社も無いし、米国との取引も無いから、米国FCPAなんて全く関係ないね」とは一概に言えないことになりますね。


<目次>
第1編 外国公務員への贈賄を処罰する主な法令
(米国FCPAとは―日本企業に適用されるパターン;
英国Bribery Act ほか)
第2編 実効的なコンプライアンス制度の構築(業界別FCPA
違反の執行事例;FCPA違反に対する制裁を回避するには ほか)
第3編 汚職の疑いが生じた場合の対応(司法取引;内部調査)
第4編 アジア諸国の汚職関連法(中国;インド;インドネシア;
フィリピン;タイ;ベトナム;ミャンマー;台湾;マレーシア;
シンガポール)

海外進出企業の贈賄リスク対応の実務海外進出企業の贈賄リスク対応の実務
(2013/05/22)
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研修講師が事前練習をする際のダメ出しの重要性

非常に遅ればせながら、ビジネスロー・ジャーナルの2014年6月号を読み終わりました。

2014年6月号では、「いま必要なのは 伝わる法務研修 受講者の興味を惹き、効果を実感できる法務研修にするために、各社の担当者はどのような工夫をしているのか。 研修の企画・改善に役立つノウハウとテクニックを11の事例を通して紹介する。」という特集が組まれておりました。

私は法務関係の研修、eラーニングの教材作成を担当する機会がある為、今回、他社の法務担当の方の取り組み状況や留意されている点を知ることが出来、非常に参考になりました。

以下に、個人的に心に留まった個所を抜粋させて頂きたいと思います。抜粋箇所は、株式会社アイ・エム・ジェイ 法務ユニットに所属されている片岡さんの記事(=高頻度指名・穴埋め回答×契約基礎知識)の一部抜粋です。


<以下、抜粋>
講義形式では講師の話し方のクオリティがダイレクトに研修のクオリティに結びつくため、同僚相手に練習したり、初回実施時に同席してもらったりすることで、聞き苦しい点や説明が分かりづらかった点などについてのダメ出しを受けるようにしています。
<抜粋終了>


上記ご指摘はまさにその通りですね。講義形式の研修講師の評価は、主に、「講師のセンス」×「事前の練習」×「練習中の第三者からの厳しい指摘」の3つの要素で決まるかと思いますが、上記の中でも、特に「練習中の第三者からの厳しい指摘」を得られるかどうかは、研修の出来を大きく左右するかと思います。

なお、講師を担当する者がまだ若手や中堅である場合は、研修の練習中に、先輩社員、上司から、厳しくも有り難い指摘を受けて、軌道修正を図る機会が多くあるかと思いますが、年齢と役職が徐々に上がっていくに従い、立場的にそのような指摘をしてくれる人・機会は減少してしまうかと思います。

もし、自分の部下に、「○○君。これから私がやる講義形式の研修の練習を見ていて、私の話し方、進め方等について改善点があれば、忌憚のない意見を言ってくれたまえ。」とお願いしたところで、本当に忌憚のない意見を言ってくれる部下なんていないですからね。

そこで、研修の練習時は、自分と同列か上席の方に見て貰うか、それが難しい場合は、場合によっては、外部のコンサルを入れて、客観的な意見を得られるようにして、折角みんなの貴重な時間とお金を掛けて実施する研修が、講師の自己満足に終わることの無いよう、ベクトルのあった練習を積み重ねて本番に臨みたいものですね。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 06月号 [雑誌]BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 06月号 [雑誌]
(2014/04/21)
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主に、週末にブログを更新する予定です。

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