書籍:英文契約書の書き方と実例

今般は、波田野宣彦氏著作の「英文契約書の書き方と実例」を読んでみました。

本書では、冒頭にて、この手の本で必ず出てくる英文契約書に特有の基本事項
(準拠法やら仲裁)の解説に限らず、「英文の国際契約書で最も多い「知的財産権」の
契約書をまかりやすく解説!」という本書の副題の通り、知財系の契約書に特有の
基本事項についても解説されていました。

また、本書(全243ページ)の約半分は、ライセンス契約書と販売代理店契約書の
英文例とその全訳で占められております。

その為、英文契約書や知的財産権に関する契約書の基本事項については既に抑えているよ、
という(私のような)方は、本書を2,300円で購入すると割高に感じてしまうかも
しれません(偉そう・・)。

ただ、そんな方でも、もし、契約書法務で活用するライセンス契約書のサンプルを
増やしたいなという方は、図書館で借りて該当部分をコピーして活用されてみては
いかがでしょうか。
※図書館の本をコピーする場合は著作権法第31条の範囲内で!!

さて、本書で心に留まった個所を、少し長いですが以下に書き留めておきたいと思います。
※下記は、著作権法の引用要件の範囲内と認識しておりますが、それにしても長い・・。


「明解な、自社の利益に適応した合理的な契約書をドラフトできれば、
 企業人として望ましいことはもちろんであるが、実際にこの域に達する人はまれである。
 中途半端にドラフトして取引相手との交渉に入ってしまうと、「生兵法」さながら
 大損害を引き起こす危険がある。

 実務としては、まず相手方(または職場の同僚)が作成した契約書ドラフトを
 読んで理解する。理解したところで、疑問点を顧問弁護士に質問できるよう準備する。
 といったところまでできれば、一応の条件を満たすことになろう。
 (こう書くと、ハードルとして低いように思われるかもしれないが、実務としては
 ここまでできれば立派なものであり、正確に文章を読み取ったり、第三者に対し
 論理的に自分がなぜ疑問を抱いたかを説明できる能力を身につけている人は
 ごく少数である。)
 英文国際契約書を読んで理解するとなると、
 (1)基礎的な英語力
 (2)法律英語特有の用語や言いまわしの正確な理解と日本語への置き換え能力
 (3)英米法その他準拠法における条項の持つ効力を理解し、説明できる能力
   (前提として、日本法についての理解や知識が必要)
 といった具合に、これも本来は非常な高度な能力がないと、仕事として成り立たない。」


ということで、何事にも言えるかと思いますが、中途半端な能力しかない状態にも拘わらず、
自己の能力を過信して仕事をすることの無いようにしたいものですね。
「無知の知」を知ろう、ということです。
※「無知の知」は、「無知であることを認識している」状態だから、
  正確には「無知を知ろう」かな・・。

なお、例えば、「グロービッシュ」の存在を知って、英語は「グロービッシュ」のレベルまで
勉強すればもう良いんだ、と変に安心してしまうことと同様、上記抜粋箇所を読んで、
変に安心し、開発出来る自分の能力の上限を低く設定して、能力UPを疎かにするのは
良くありません。

なので、相手方から提示された英文契約書の審査にしても、ドラフティングにしても、
全部自分で出来るようになろう、という意気込みはいつまでも保持し続けていきたいものですね。


<目次>
第1章 国際契約とは何か(国際契約の難しさ;「準拠法」について;裁判管轄の諸相;
     知的財産権のライセンス(実施許諾);法律英語道しるべ;守秘義務)
第2章 「実例・英文契約書」(代理店及びコンピュータ・ソフトウェアライセンス契約;
     ソフトウェア・ライセンス契約;インターナショナル販売代理店契約)
第3章 英文契約用語集

英文契約書の書き方と実例英文契約書の書き方と実例
(2002/07)
羽田野 宣彦

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