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元総務&法務担当の部屋     

これまで、ある企業で約十数年間、法務担当(+α)として仕事に従事していた者です。最近、財務・経理部門に移動しました。このブログは、仕事に関する書籍を読んだ感想や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
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外資系の日本法人の取引先から提示される契約書について

外資系の日本法人の取引先から、当該取引先の外国法人の親会社が定めている、
全グループ会社共通の契約書等の日本語版の提示を受けることがありますが、
結構な確率で、英文書面を無理やり「エキサイト翻訳」で日本語に翻訳したような、
不自然な日本語で記載されていることが多いのですが、これは何なのでしょうか。

しかも、結構な枚数の書類である場合が多いので、不自然な日本語の文章を大量に
読まされることになり、途中で頭がくらくらしてきます。まるで拷問のようです。

上記のような日本法人には、通常、日本人社員がいますので、不自然な日本語に
気付いているはずなのですが、なぜそのまま放置しているのでしょうか。

ということで、彼らが分かりやすい日本語の書面に直さない理由について
色々と考えてみましたが、だいたいこんなところでしょう。


(仮説-1)
日本に短期留学経験がある為に日本語がそこそこ出来る親会社の外国人法務担当
(おそらく弁護士)が、英語版の原典を日本語版に改訂した。

一方、当該日本法人子会社の社員は日本語の不自然さに気付いてはいるものの、
親会社の法務担当の顔を潰すと後々、仕事が遣りにくくなるので、しかたなく
不自然な日本語書式を使っている。

(仮説-2)
日本語がそこそこ出来る法務担当(おそらく弁護士)に対して日本語の不自然さを
説明するのは単純に面倒臭いので、しかたなく不自然な日本語書式を使っている。

(仮説ー3)
契約書の文言は元来、分かりにくいものであると考えているので、
誰も不自然な日本語を気にしていない。


まぁ、いずれにしても、紛争をスムーズに解決する為に契約書を締結したはずが、
曖昧な契約内容の為に、契約文言の解釈を巡って紛争が長期化するのは
本末転倒ですし、また、「作成者不利の原則(contra proferentem rule)」が
適用されるから、相手方から提示された契約文言はむしろ曖昧な方が良い、と
割り切る訳にもいかないので、面倒臭くでもしっかり読み込んで、明確な
内容となるように修正する交渉をしたいものですね。

といっても、相手方から「全グループ会社共通なので一切の修正は出来ません」という
お約束の回答を得て、結局、営業判断で止む無く原文通り締結するか、もしくは、
契約締結の話がお蔵入りになり、基本契約の締結なく取引を進めことが多いのですが・・。

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契約締結権限者の変更に伴う対応について

今年の株主総会の集中日(計894社)は6月28日のようですが、
株主総会運営の担当の方はいかがお過ごしでしょうか。
ちなみに、私の所属会社の株主総会は、今月某日に無事終了しました。

なお、株主総会後に開催される取締役会で議案に上がることが多いと思いますが、
契約締結の権限のある役職者に変更がある場合、契約書管理担当者で
注意が必要なのが、株主総会の開催日の前後で、契約書へのサイナーが変更される、
という点です。

前決裁者が、株主総会後も引退せずに会社に在席していれば、
(バックデートではありますが)サイン・印鑑を受領出来るものの、
前決裁者が株主総会後に完全に引退して会社に出てこない場合、
色々と面倒くさいことになりますので、契約書へのサイン・捺印に限らず、
各種申請書類について、株主総会開催日前の日付で承認印が必要な場合は、
お早めのご対応をオススメします。

また、厄介なのが、取引先から契約書への捺印を依頼されて、
「『契約締結日』は取引先が捺印する際に記入するからブランクにしてくれ」
と指示がある場合、前決裁者と新決裁者のどちらでサイン・捺印するか、
先方に確認しなければならないことですね。

さらに、株主総会開催日の日付でサイン・捺印した場合、後日、
契約締結権限の無効を主張してくる輩がいるかもしれませんので、株主総会当日に
サイン等を受領するのは控えた方がいいかもしれませんね。

「お前に言われなくても分かっているよ。」
「今更言われてももう遅いよ。もっと早く言えよ。」
という声がどこからか聞こえて来てきそうですが・・。

By:経験者

書籍:サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

今般は、先日、いつも拝読しているdtkさんのブログにて紹介されていた
大槻 ケンヂ著作の「サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法」を
読んでみました。

本書の内容としては、普通のサラリーマンのように毎日ギューギューの満員電車に揺られ、
仲良しクラブの一員として、社産になって働くなんて俺 or 私はイヤだね、
という方に(←大槻さんはここまでは言っていませんが:笑)、就職せず好きなこと
(=主にサブカル)だけやって生きていく際のポイントを、自身の(期せずして成功・失敗した)
体験も交えながら解説してくれます。

ちなみに、私は、就職せず好きなこと(=主にサブカル)だけやって生きていこうとは
考えてはいませんが、そんな私でも、本書は読み物として楽しく読むことが出来ました。

なお、本書で個人的に心に留まった箇所を以下に抜粋しておこうと思います。


「プロのお客さんにはなるな

 サブカルな人になりたいと思って自分学校で一生懸命に自習している人が陥りがち
 なんですけど、色々な本や映画、ライブ、お笑い、演劇を見ているうちに、それを
 受容することばかりに心地よさを感じてしまって、観る側のプロみたいになって
 しまうことってよくあるんです。
 (中略)
 色んなライブを見ました。色んな映画を観ました。でも「じゃあその結果、
 君はどうしたの?」と聞かれると「え?いっぱい見たんですけど・・・何か?」で
 終わっちゃう。
 もちろん、そういう生き方もあると思いますけど、自分も表現活動をこれからして
 いこうというサブルなくん、サブルなちゃんは、プロのお客さんになってはいけませんよ。
 (中略)
 表現を目指している人たちに対しては、自分の発信した表現によって、それを受け取った
 人に何らかの影響を与え、新しい表現が生まれてくれたらもっと嬉しいと思っています。」


ブログという形で自分の考え等を発信している私としても、上記抜粋内容は
参考になりましたね。

「契約書審査に役立つこんな本がありました。みなさんもどうぞ。」
「○○セミナーに参加しました。すごい役に立ちました。」

というだけの情報をブログで発信しているだけでは、読み手の方は、
その本やセミナーの存在を知ることが出来るメリットはあるかもしれませんが、
ただそれだけであり、そのブログにそれ以上の存在意義はないでしょう。

ノートに日記を書くのではなく、ブログという形で外部に情報を発信していく以上は、
一人でも、「本ブログにしか無い情報が得られたな」と思って頂けるような
コンテンツを発信していく必要があると思いますので、書評の記事を書くにしても、
稚拙ではあっても、自分の意見を交えて書いていきたいと思います。

最後に、本書を読んでいて、映画の「天使にラブソングを2」にて「ウーピー・ゴールドバーグ」
演じる主人公デロリス(=ラスベガスの元二流スターで後にイケてる尼さんとなる)が、
本当は歌手になりたいけど、親に反対されてツッパル女子高生リタに対して放った名言を
ふと思い出したので、以下に書き留めて起きます。


 " 'Letters To a Young Poet'. Rainer Maria Rilke. "I want to be a writter.
  Please read my staff" and Rilke says to this guy.
  "Don't ask me about being a writter. If, when you wake up in the morning,
  you can think of nothing but writing, then you're a writer".

  I'm gonna say the same thing to you. If you wake up in the morning and
  you can't think of anything but singing first, then you're supposed to
  be a singer, girl."

 「リルケの本で、“若き詩人への手紙”っての。ある時リルケが、
 『詩人になれるかどうか、作品を読んで下さい。』って手紙を受け取った。
  リルケはその人にこう言ったの。『それを決めるのは、私ではありません。
  朝、あなたが目覚めた時、詩を作ることしか頭になかったら、あなたは詩人です。』
  
  同じことがあんたにも言えるわ。いい、朝目がさめて、歌うことしかあんたの頭に浮
  かばなかったら、そりゃ歌手になるべきよ。」


いやー、名言ですね。
自分の子供が進路で迷う時期になったら、上記の言葉を贈りたいですね。

ちなみに私は、朝目がさめて、「あー、契約書早く読みたいな」とは思いませんが、
「あー、契約書読みたくないな。」とも思いませんので、まぁ、引き続き法務マンとして
頑張っていきたいと思います・・。

<目次>
第1章 「サブカル」になりたいくんへ
第2章 自分学校でサブカルを学ぶ
第3章 インディーズブーム~メジャーデビュー
第4章 「人気」というもの
第5章 サブカル仕事四方山話
第6章 サブカル経済事情
第7章 人気が停滞した時は
第8章 筋少復活!それから
第9章 それでもサブカルで食っていきたい
巻末特別対談 オーケン×ライムスター宇多丸

サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法
(2012/04/28)
大槻 ケンヂ

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No provision may be construed against Company A as the drafting party.

今般、某取引先(A社)から提示された契約書に、下記のような条文が
記載されていました。

No provision may be construed against Company A as the drafting party.

条文の内容としては、

「いかなる条文も、本契約書の起案者であるA社に不利なように解釈されない。」

という内容かと考え、「ずいぶん自分勝手な条文だなぁ」ということで、
削除依頼を出しましたが、本当にこの理解で良かったのか自信がありません。

まぁ、上記条文は少なくとも当社に有利な条文ではなさそうなので、
「疑わしきは削除する」という(個人的な)審査方針により削除依頼を
したことは、当社に不利には働かないかと思いますが、そもそも、
上記条文についての私の理解が間違えているようであれば、どなたか
ご指摘を頂ければ幸いです・・。

書籍:ブラック会社で出会ったモンスター社員たち

今般は、「ブラック会社で出会ったモンスター社員たち」を読んでみました。

本書は、ブラック会社(仮称:SKD不動産)に勤務する一人法務担当が、
自社のブラックな社員達の悪行を紹介するという内容で、下記の目次を
見るだけでも、ブラック度100%な会社であることが分かります。

まぁ、横領したり、暴力行為を働く等のブラック社員は、どの会社にも
割合の差こそすれいるかと思いますが、本書に登場するSKD不動産会社で言えば
ブラック行為をした社員であっても、「社員は家族」であるとして、
なかなか首にしない社長の存在が、SKD不動産をブラック社員の巣窟にしている
根源かと思いましたね。
金八には反対されるかと思いますが、「腐ったみかん」は速やかに
排除しないといけません。

ちなみに、私は前職が不動産仲介業に従事していたこともあり、本書の内容は
より興味深く読むことが出来たのですが、前職は銀行系の不動産会社で、
コンプライアンスに煩かったので、本書に登場するようなブラック行為を
働く社員は(ほとんど)いなかったですね。

とは言うものの、本書にも記述がありますが、不動産業界では、司法書士、
内装業者等を顧客に紹介した際に、当該業者から個人的にリベートを
受領する悪習があるのですが、前職でもこっそり受領している人はいました。
現金を貰わないまでも、不動産買取り業者から夜の接待を受けている人もいました。

ちなみに私は一切金銭の受領も接待も受けていませんでした!!当たり前ですが。

会社も、おそらくリベートの存在は認知しているのかと思いますが、
確かな証拠が無いこともあり、また、自発的に調査するわけでもなく、
ただ黙認している感じでした。

特に違法性が高いのが、不動産の買取り業者に、不動産を売却する仲介取引をした際、
当該業者から、正規の仲介手数料を受領する他、個人的にリベートを受領するケースです。
正規の仲介手数料とリベートを合算すると、宅建業法で受領出来る仲介手数料の
上限を超えることになりますし、そもそも、一般顧客と会社に対する背信行為となります。

不動産買取り業者からしたら、数万から数十万円をリベートで渡しても、
数百万円安く、優先的に購入出来れば安いもんだ、というところでしょう。

そういえば、前職に勤務中、某大手不動産投資運用会社に就職した、
就職活動中に知り合った友人(A君)から、「リベートを渡すから、銀行から出る
任意売却物件の情報を優先的に提供して欲しい」と相談を受けたことがありました。

上記の相談を受けて以来、彼とは関係を絶ちましたが、A君は今頃どうしているかなぁ。

<目次>
借金を踏み倒して、給料を差押えられた社員
客から預かった申込金を自分の懐に入れる社員
突然、「契約社員になれ」と正社員に言う社長
「ふふふふ」と笑いながら粉飾決算を行う社員
耐震性の不足を計算で誤魔化す社員
業務上横領が横行している会社
360万円もの損害を出しても悪びれない社員
「借りただけだ!」と使い込みを誤魔化す社員
銀行を騙して出入り禁止になった社員
社員の逮捕を顧みず、違法行為を強要する会社
社内融資を騙し取ろうとする社員
「仕事無くなれ!」と机に書類を隠す社員
客の奥さんと寝て契約を取る社員
嫌がらせの責任を転嫁し、逆切れしてくる客
理不尽な理由をつけて金を取り戻そうとする客
架空口座で4千万円を騙し取ろうとする取引先
懐が深すぎるブラック会社の社長
しぶとく生き残るブラック会社
おわりに(ブラック会社の法務部心得帳)

ブラック会社で出会ったモンスター社員たちブラック会社で出会ったモンスター社員たち
(2012/05/25)
高橋 咲太郎

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