書籍:武器としての決断思考

今般は、最近、書店の新書コーナーで平積みされていることの多い
「武器としての決断思考」という本を読んでみました。

本書は、東大・マッキンゼーを経て、現在は京大で教鞭を取っている著者(瀧本哲史氏)が、
京大での講義内容をまとめたもので、ロジカルシンキングの入門編、といった内容です。

著者は、ロジカルシンキングにはディベートの考え方が有効であるとして、
主にディベートのルールや手法を、実例を織り交ぜながら解説することで、
ロジカルシンキングの何たるかを説明されています。

個人的には、本書で気づかされた・再確認させられた事項が多数ありましたので、
その箇所を順次、以下に抜粋して、コメントを書き留めておこうと思います。


「日頃から、知識を判断、判断を行動につなげる意識をもってください。
 『マネジメント』を読んだ。だいたいの人はそこで終わります。
 わざわざ早起きして出社前に勉強会に参加している自分に少し酔って、勉強したつもり、
 仕事したつもりになって、たまに赤線を引いた箇所を読み返すくらい。
 そして、翌週になれば、今後は『戦略志向の教科書』のようなビジネス書を読んで、
 同じ事をくり返します。『はじめに』でも述べたように、武器は持っているだけでは
 意味がありません。使って何ぼ。失敗しても、間違っていてもいいから、自分が得た
 知識・教養を、自分の判断、自分の行動に日常的に役立ててください。」

上記はその通りですね。
勉強することが目的化していないか、という指摘にはドキッとさせられました。
また、勉強しても実際に使う機会が無いと、会得した知識は直ぐに忘却の彼方に行って
しまいますし、趣味の勉強は別として、実際に勉強した知識等を使う機会が無ければ、
そもそも勉強する意味もないですし、時間の無駄ですので、勉強する内容についても、
よく考えて取捨選択する必要があるなと思いました。


「たとえば物流の専門コンサルは物流に特化しているので、どんな問題があったとしても、
すべてを物流の問題として解決しようとします。でも、本当に価値があるのは、
『そもそもこれは物流の問題なのか?』と根本的なところから問うことができることですよね。」

上記は「エキスパート」ではなく「プロフェッショナル」になれ、という著者の主張箇所です。
個人的には、法律バカにはならないように、柔軟なバランス感覚を持った法務担当になりたいなぁと、
と再確認させたれました。
なお、私は「法律バカ」と言えるほど、法律に詳しい訳ではありませんが・・(笑)


「『ディベート』というと『相手を論破する』というイメージが強いと思いますが、
それは大きな誤解です。ルールによって賛成・反対とあらかじめ立場が決まっているので、
そもそも相手を論破することなどできるはずがないのです。大事なのは、見ている第三者を
説得すること。」

ということみたいです。
ディベートは交互に順番に主張していくルールになっているとは知りませんでした。
なお、ディベートと同様、相手を論破することが議論や交渉の成功ではなく、
あくまで相手の主張を良く聞いた上で、効果的に反論するなり、主張するのが良い議論で
あると著者は主張し、悪い議論の典型として、田原総一朗氏が司会の「朝まで生テレビ!」を
挙げています。

私は「朝生」は見たことがありませんが、「テレビタックル」とか政治家等の討論系の
テレビ番組では、時間の都合もあるのかもしれませんが、相手の意見を遮ってでも
自分の意見を言おうとしたり、大きな声を出した者勝ちみたいなところが多くて、
見ていて不愉快ですね。品性を疑いますね。

結局、自分の言いたいことを言うだけの集まりになっていて、議論が全く建設的に
進んでいないことが多いので、テレビ的には良いのかもしれませんが、
見ていて時間の無駄なので、上記のような番組は見ないようにしています。


「根拠を探るだけでなく、推論もしっかり探る。」
「相関関係と因果関係の混合もよくあることなので注意が必要です。」
「あることが同時に起きているからといって、どっちが原因でどっちが結果かというのは、
簡単には証明できないことが多い。証明しづらいから、詭弁もまかり通ります。」

上記もその通りですね。
なお、議論・交渉中に、自分が言いたいことだけに意識が集中していると、
上記の通り対応出来ないので、相手が話しているときはしっかり相手の話を
聞くことが大事ですね。
人の話を聞かない人は、私が所属している会社内で、年を重ねた経験豊富な人にも
散見されまして、議論の流れをぶった切る、関係の無い話・もう終わった話を
突然振ってくる人がいますが、そんな彼らに本書を送りたいですね。


「当事者の意見がマスメディアに載っていたからといって、本当はその人の意見だとは
かぎらないということも、頭の片隅にとどめておくこといいでしょう。
できれば、その当事者に直接あって話を聞くことが有効です。」

上記もその通りです。
なお、私は、今は無きニュース番組「ズームイン!!SUPER」の取材クルーから新橋駅前の
機関車のところでインタビューをされたことがあります。

当時はリーマンショックが発生したときで、取材クルーからの質問は、
「リーマンショックについてどう思いますか?」という漠然としたものでした。
私は「AIGは救済されてなぜ、リーマンは救済されないのかが不明」とか色々
発言してみましたが、最後の方で取材クルーから
「リーマンショックであなたの給与にも影響が出るんじゃないですか?」
と質問されたので、
「そうですね。リーマンショックが私の給料にも影響すると思いますので、
対岸の火事とは思えませんね(ヘラヘラしながら・・)」と発言したところ、
上記の給与のくだりだけが翌朝放送されていました・・。

マスメディアは、一般市民からもコメントを取得しましたと言いたいのかもしれませんが、
結局、自分の持って行きたい結論に合う様なデータ・意見しか採用しないんだな、
誘導尋問してでも意図的に意見を引き出そうとするんだな、ということが再確認されて
がっかりしましたね。

ちなみに、当該インタビューをたまたま見た社長から「本当にお前の給料を下げてやろうか。」と
ニヤニヤしながら言われましたが(笑)

今回は記事がかなり長くなりましたね・・。
パトラッシュ、僕もう腰が疲れたよ。

中国出張先のホテルにて

武器としての決断思考 (星海社新書)武器としての決断思考 (星海社新書)
(2011/09/22)
瀧本 哲史

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検察審査員候補者に選ばれました。

突然ですが、先日、「あなたは、検察審査員候補者に選ばれますた。」という
書面を某検察審査会事務局から受領しました。
まわりに裁判員や検察審査員に選ばれたという人の話を聞いたことがないので、
全く現実味がありませんでしたが、私にとうとう来てしまいましたね。

と言っても現時点では候補者になっただけで、これから100名の候補者の中から
審査会事務局が行うクジによって、検察審査員・補充員(各5名)が選抜されるようです。

あの小沢一郎氏を強制起訴に追いやった検察審査員になれるかもしれないと思うと
非常に興味深いですね。どんな方の強制起訴について判断することになるのでしょうか。

なお、審査員には8,000円以内の日当も支給されるようで、裁判の勉強をしながら
お金を貰えるとは、これはなかなかオイシイですね。
たしか、私の所属会社の就業規則では、裁判員になった場合には、有給以外に
特別休暇が貰えると定めてあったと思いますが、検察審査員については定めていなかったと
思いますので、どのような扱いになるのか確認してみようと思います。

選定結果については来年6月頃に通知があり、選抜された場合の任期は来年8月から
6か月間のようですのでまだまだ先の話ですが、もし選抜された場合は守秘義務の範囲内で
本ブログにて情報開示をしていきたいと思います。

ちなみに、裁判所のHPの検察審査会に関するQ&Aのコーナーによると、検察審査員の
守秘義務の範囲は「会議の模様(評議の経過又は各検察審査員の意見もしくはその多少の数
その他職務上知り得た秘密)が守秘義務の対象」のようですが、本ブログにあまり
余計なことを書いて私が起訴されないように注意したいと思います(笑)

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情報システム・ソフトウエア取引トラブル事例集

先日、このブログでも取り上げましたが、BLJの10月発売号では、
「システム開発契約 成功と失敗の分かれ目」という特集がされており、
遅ればせながら、当該特集で紹介されていた、経済産業省監修の
「情報システム・ソフトウエア取引トラブル事例集」を読んでみました。

この事例集では、トラブルを大きく分けて
 ・契約締結前に開発作業を実施してしまったことによるトラブル
 ・実体と契約書の内容が合致していないことによるトラブル
 ・締結した契約書の不備に起因するトラブル
の三つに分類し、23の裁判例の要点説明と、当該紛争の反省点について
分かりやすく解説されています。

また、上記事例集は、同じく経済産業省が監修して作成された
「システム・ソフトウェア開発のモデル契約書」(←これにも解説が付いていて
読んでて参考になります)と関連付けて説明されていますので、システム系の
契約書を審査する方は、上記事例集とモデル契約書を一読されてはいかがでしょうか。

上記事例集の中で、個人的に心に留まった箇所を抜粋してみたいと思います。
以下は、ベンダが、契約成立前に口頭にて契約が締結されていると考え、
開発作業を進めてしまったことによる紛争の反省点を記載した箇所です。
実際の裁判判決では、ベンダの代金支払い請求は棄却されています。


「 正式に契約書を締結すべきである

 ベンダは、ユーザが「キックオフミーティング」と題する会議に出席した
 ことをもって、開発作業の開始に同意したことを示すものであるとして
 契約の成立を主張したが、判決ではそれまでの経緯から当該ミーティングは
 単なる打ち合わせに過ぎず、ユーザの出席に特別な意味はなかったと
 認定された。

 本件に限らず裁判では、契約書がない状況では、たとえ諸般の事情が
 考慮されても契約成立が認められる可能性は低い。キックオフミーティングや
 セレモニーを経ても契約が成立したことにはならず、ベンダはユーザとの
 間で、開発対象物、金額、作業内容、完成時期(納期)等の契約の内容に
 ついて、書面で合意すべきであった。」


ということで、システム開発を請け負うベンダとしては、
契約が締結されてから開発をスタートするべきですね。

  ・
  ・
  ・

と、言葉で言うのは簡単ですが、実際、開発物の納時がタイトに
決定されている場合、ベンダとしては契約書の締結交渉中であっても
見切り発車しなければならないケースも多々あると思います。
そのような場合は、次善の策として、メールや議事録で、契約成立の
証拠を残すしかないですね。

P.S.
システム開発契約が、成果物の納品後に事後的に取り交わされるケースが、
私の所属している会社で結構あります。
案件によっては、3ヶ月以上前にバックデートするケースもあります。

契約書が無いと、ベンダの社内システム上、代金の授受が出来ないことを
ベンダの担当者が気づき、契約書の締結が事後で進められるケースが多いでしょうか。

なお、非常に怖いのは、当該契約書に記載の事項で、当社側が(潜在的に)債務不履行
している事項があり、契約書を締結した瞬間に、当社が債務不履行となってしまう
リスクがある点です。

上記問題については、システム系契約書に限らず、バックデートで契約を
締結する場合に発生するリスクですが、当社を債務不履行にさせる意図を持って
締結を打診してくる輩もいるかもしれませんので、「形式的なものだから」という
担当者の言葉を間に受けずに、事後だということで、契約内容のチェックを
疎かにしないようにしたい所ですね。

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知財検定2級に(たぶん)合格しました。

昨日、知財検定2級の実技試験を受験してきましたが、本日、知的財産教育協会から
解答が公表されましたので、以下の通り答え合わせをしてみました。

なお、前半部分の○×問題では、「適切と考える場合は○、不適切と考える場合は×」を
解答欄に記載して、その理由についても選択肢から選ぶ形式になっていまして、
○×は正解したとしても、理由の選択を間違えた場合は、○×問題自体も採点
されないのかどうかが分かりません。

しかし、仮に、理由の選択を間違えたことが○×問題の採点に影響するとしても、
私は計40問中、5問しか間違えていませんので、8割正解で合格(=8問までは
不正解でも大丈夫)の試験であるので、配点がどうであれ、たぶん合格したでしょう。
あまり自信がない冒頭の応用問題でちゃんと得点出来ていたのが良かったですね。

ちなみに、昨日の記事に取り上げた第17問、第18問についても、昨日のお願いが
聞き入れられたのか(?)、正解していて良かったです。

これから受験される方、特に実技試験を受験される方は、アップロード社の
パーフェクトガイドを何度も読んで頭の中に叩き込むことをお勧めします。
問題集や過去問をひたすら回すのも大切ですが、実技試験では問題集や過去問に
掲載されていない応用問題がちょこちょこ出てきました。
ただ、私は直前でパーフェクトガイドを読み込んでいたので、
何とか対応することが出来ました。

パーフェクトガイドは分厚い上にAA版と持ち運びにくいサイズではありますが、
読みやすい(=中身が薄い)他社のテキストに比べますと、パーフェクトと
自称しているだけあって網羅性が高いので、4,800円とややお値段は張りますが、
受験後の業務でも参照出来る内容・分量であることを考えると、お勧めしたいですね。

<答え合わせ結果>
1:× 正解
2:イ 正解
3:× 正解
4:ウ 正解
5:○ 正解
6:ア 正解
7:× 正解
8:イ 正解
9:× 正解
10:ウ 正解
11:○ 正解
12:ア 不正解(イ)
13:× 正解
14:イ 正解
15:○ 正解
16:ウ 不正解(ア)
17:○ 正解
18:ウ 正解
19:エ 正解
20:ウ 正解
21:エ 正解
22:イ 正解
23:ウ 正解
24:ウ 正解
25:エ 正解
26:エ 正解
27:エ 正解
28:ウ 正解
29:イ 正解
30:イ 正解
31:イ 正解
32:エ 正解
33:イ 正解
34:3500円 不正解(10,500円)
35:パリ条約 正解
36:特許独立の原則 正解
37:特許協力条約 正解
38:あり映画の著作物にあたる 正解
39:頒布 正解
40:譲渡する 正解

P.S.
次は簿記2級かビジネス会計検定2級でも目指そうかなぁ。

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本日、知財検定2級を受験してきました。

本日、知財検定2級を受験してきました。

私は前回の試験で学科試験には合格しているので、今回は実技試験のみの受験でしたが、
冒頭の応用問題等で何問か自信の無い問題もあったものの、ボーダーライン感のあった
前回受験後に比べれば感触は良いようです。

とりあえず、私の解答を以下に記載します。
明日の午後に解答が運営元の知的財産教育協会のHPに掲載されるようですので、
お昼休みにでも答合わせをしたいと思います。


<実技試験>
1:×、2:イ、3:×、4:ウ、5:○、6:ア、7:×、8:イ、9:×、10:ウ
11:○、12:ア、13:×、14:イ、15:○、16:ウ、17:○、18:ウ、19:エ、20:ウ
21:エ、22:イ、23:ウ、24:ウ、25:エ、26:エ、27:エ、28:ウ、29:イ、30:イ
31:イ、32:エ、33:イ、34:3500円、35:パリ条約、36:特許独立の原則
37:特許協力条約、38:あり映画の著作物にあたる、39:頒布、40:譲渡する

(注1)問題1から18までの応用問題はあやしい・・。19以降はそこそこ自信あり。
(注2)問題34は3年分なので「3,500円×3年=10,500円」の間違いだと気づきました orz


一応、自信の無い問題のみ、テキスト「パーフェクトガイド(アップロード社)」を
使って自分なりに答合わせをしてみましたが、問題17と18が未だによく分からないですね。


問題17:以下の発言が適切な場合は○、不適切な場合は×。
問題18:その理由を「理由群ア~ウ」から選びなさい。
    ア 著作権法の保護対象とはならない
    イ 著作物であり、著作権を侵害する
    ウ 著作物であるが、著作権が制限される場合にあたるため

「社員旅行にて、社員が宴会芸として最近流行りの曲を演奏する。
 演奏する社員に演奏料は支払わないので、宴会で曲を演奏しても著作権の
 侵害にはならない(上記は要約です)」


皆さんのご意見はいかがでしょうか。
個人的には、著作権が制限されるケース(①非営利、観客から料金を受領しない(無料)、
出演者に報酬が支払われない(無報酬)※著作権法第38条第1項)の3条件に該当していると
考えて「○のウ」にしましたが、社員旅行での演奏が非営利と言えるのかが不明瞭ですね。

演奏する社員には報酬は支払っていないので、狭義の営利性は無いと言えますが、
社員旅行自体が営利企業が企画したものですので、広義の営利性は有りそうですし。

作詞家・作曲家が侵害だと主張しないだけで、本来は社員旅行での演奏が著作権上OUTの場合、
かなりの数の潜在的な違法行為が蔓延していることになるので、それはちょっとおかしいと
思いますし、まあ、とにかく知的財産教育協会さん、「○のウ」で何とかお願いします(笑)

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35歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

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