複数の解釈が出来る法律英単語・表現に出くわした場合

遅ればせながら、Business Law Journalの今月発売号(2011年9月号)を読んでみました。

本誌では、先日、本ブログで記載した通常実施権の当然対抗制度に関する解説がされていました。
参考になった箇所を以下に書き留めておこうと思います。

「ライセンス契約において、ライセンシーに「通常実施権」が許諾されたことが明確であれば、
 当然対抗制度の適用対象となることに争いはなかろう。
 しかし、ライセンス取引の実務においては、渉外的要素の強いライセンス契約であり外国語で
 規定された 契約など、ライセンシーに許諾された権利が日本の特許法上の通常実施権で
 あることが明示されない場合もある。
 さらに、特許の分野の契約実務としては、ライセンス契約と似て非なる契約類型として
 「Non-assertion」(権利不行使)契約があり、例えば、ライセンス契約と区別して、今回は
 「Non-assertion」(権利不行使)の契約にしよう、などという交渉が広く行われている。
 ~中略~
 「このような場合にも当然対抗制度の保護が当然に及ぶのだろうか。」

日本法人であっても、外資系企業の場合は英文の契約書を提示してくる会社がたまにありますが、
特許法に限らず、日本と海外との法制度の相違から、
「この法律英単語は日本語でしっくりくる訳語が見つからないなぁ(もしくは、複数の意味があって、
 先方はどちらの意味を意図しているのか分からないなぁ)」という場面に出くわすことがあります。
ここで勝手にこちらが「きっとこの意味だろう」と解釈して真意を確認しませんと、
後々トラブルになりますので、分からない単語・表現があれば、恥ずかしがらずに質問するなり
誤解の無い表現に修正依頼するなりの対応が必要となります。

上記の場合、例えば「○○○○("Tujou-Jissiken" in Japan)」とでも補足を記載しておけば、
後々、文言の解釈について双方で相違が生じることは少なくなるでしょう。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2011年 09月号 [雑誌]BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2011年 09月号 [雑誌]
(2011/07/21)
不明

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ジョギング中のヒアリング学習は禁物

私ごとで恐縮ですが、先週土曜日から、「脱原発」ならぬ「脱メタボ」ということで
毎週末の土日は家の周りをジョギングすることにしました。
本件は本ブログのテーマから外れますが、どこかで公言した方が長続きしそうなので、
この場を借りて宣言することにしました。

なお、私が大学生の頃は、社会人サッカークラブで活動していたこともあり、
パフォーマンスの維持・向上の為に1日1時間は家の周りをジョギングしていましたが、
今となっては、30分も体力が持ちません。

今でも無理をして1時間を走ることは出来るかもしれませんが、
「1時間走る」→「辛い」→「ジョギングは辛い」→「走りたくない」
という刷り込みによる悪循環に陥りたくないので、しばらくは、
気持ちよく走れる20分間を走ることにしました。

なお、ジョギングをこれからしようかな、と考えている方は、
時間の効率化と称して、ジョギング中に英語の教材をmp3プレイヤー等で聴くのは
やめましょう。

「リスニングしていて聞き取れない個所がある」→「イライラする」→
「ジョギングをするとイライラする」→「走りたくない」
という刷り込みによる悪循環に陥りますので(経験者は語る)、
ジョギング中はテンションの上がる好きな曲等を聴くことをお勧めします。
なお、ジョギングではなくウィーキングであれば、自分の息遣いという雑音もなく、
まだ英語に集中しやすい環境かと思いますので、問題ないかもしれませんが。

とりあえず、3ヶ月間継続することが出来、その内、ジョギングしないと
何だかモヤモヤする軽いジョギング依存症になれればしめたものですので、
適度に頑張りたいと思います・・・。

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特許法改正に伴う通常実施権の第三者対抗要件の変更

既にご承知の方も多いと思いますが、今月発売の雑誌:ビジネス法務(2011年9月号)でも
関連記事がありましたが、「特許法等の一部を改正する法律案」が2011年5月31日に
可決・成立し、同年6月8日に公布されました。
施行日は未定ですが、公布日から1年以内に施行されるようです。

上記改正の対象は、特許法だけでなく、実用新案法、意匠法、商標法、国際出願法、
産活法、産業技術力強化法、TLO法、中小ものづくり高度法の計9法となっています。

特許法に限っても、色々な改正が行われましたが、個人的に気になるのは、
通常実施権の対抗要件の変更です。

これまで、通常実施権を第三者に対抗する場合は、原則、特許庁に登録する必要が
ありましたが、改正法では、登録要件はなくなり、通常実施権が発生していれば
(発生していることを証明するには当然、契約書があった方が良いのはいうまでもありませんが)、
第三者対抗要件を具備出来るようなります。

 <現行>
 特許法第99条1項
 通常実施権は、その登録をしたときは、その特許権若しくは専用実施権又は
 その特許権についての専用実施権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。

 <改正後>
 特許法第99条
 通常実施権は、その発生後にその特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての
 専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有する。

ということで、もし特許権の譲渡を受ける者にとって、譲渡人が当該特許権に関する
通常実施権を第三者に設定しているか否かについて、客観的に確認する手段が
無くなることになりますが、これは、譲渡人とのライセンス契約書にて、
通常実施権の有無について譲渡人に表明保証させることでリスクをカバーするしかないですね。
譲渡人に賠償能力がなければカバーできませんが・・・。

なお、特許庁が公開している数字によりますと、現在、通常実施権の設定(ライセンス契約の
締結とか)をしていて、通常実施権の登録をしている会社は全体の10%程度のようですので、
今回の改正で法律と実務が合致して良かったです。

ちなみに、私が所属している会社はライセンス契約書を締結することはまずありませんので、
実務への影響はほとんどありませんが、上記改正については、記憶の片隅に置いておこうと思います。

P.S.
最近、知財検定2級の勉強をしたことによって、知的財産権関連ニュースに
対するアンテナが多少は効くようになってきたという良い傾向が出てきました。
今度は何の勉強に取り組もうかなぁ。

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文書作成代理業

先日、当社の営業担当者(Aさん)から以下のような相談を受けました。

Aさん:
「今、営業をかけている顧客から、『当社の調達先(B社)が、安定的に製品を供給する能力が
 あるのか不安なので、もし、B社に何らかの問題があって製品の供給が出来なくなった場合、
 当社はどのような対応が出来るのか、書面で提示して欲しい』との要望を受けています。
 当該書面に記載したい内容を箇条書きにしたので、相手に提出する
 書面案を作成して貰えないでしょうか。」

ということで、3行位の箇条書きが記載されたペーパーを受領しました。

あまり明確な保証文言を記載しなくなかったので、当社としてどこまで書けるのか、
関係役員や上司に相談しならが、色々肉付けして書面を作成しました。

その後、Aさんからメール(CC:社長等)にて、上記の書面を顧客に提示した結果、
当該顧客からの受注に成功したとの報告を受領し、また、お礼の挨拶で席まで来てくれました。

よく考えますと、本来、上記のような書面作成は法務担当者の職務分掌ではないような
気がしますし、また、上記の書面がどの程度、顧客からの受注に効果を発揮したのか未知数ですが、
「あいつに任せれば、そこそこまともな文章を書いてくれるはず」
ということで、依頼を貰えたのは単純に嬉しいものですね。

営業担当等の社内クラウントの期待に応えることで、その後の仕事がやり易くなりますし、
また、法務担当に相談して貰える回数が増えることは、時限爆弾が大爆発する前に、
事前に法的リスクを摘むことができる機会も増えることを意味しますので、
当り前のことですが、どんな仕事でも、依頼された仕事は一生懸命取り組みたいものです。

また、面倒くさい仕事だなと思っても、どうせやらなければならない仕事であれば、
(最低限、表面上だけでも)気持ちよく引き受けた方が、お互いの為ですからね。

まぁ、営業担当者等の個人的・短期的な利益(契約交渉は面倒だから出来ればしなくない等)と、
会社の長期的な利益は相反するケースが多々ありますので、いつでもこちらからの対応に喜んで
貰えるわけではないのがなんですが・・・。

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書籍:法律の使い方

先週、知財検定2級の試験が終わりまして、学科試験はたぶん合格で、
実技試験は配点によっては不合格の可能性がある崖っぷち状態ではありますが、
落ちたらまた次回受ければいいやと気持ちを切り替えられた今、
試験のことを全く気にせずに好きな本を読めるというのは幸せなことですね。

今日は、「試験が終わったら読もうと思っていた本リスト」を片手に、
図書館で色々な本を借りてきました。

また、今週は、これまで積読していた本の一冊で、司法試験のカリスマ予備校講師の
一人である柴田孝之氏が書いた「法律の使い方」という本を読んでみました。

同氏の他の著作で、以前、論述形式の試験であるビジネス実務法務検定1級を目指していた時
(その後、直に受験を諦めましたが・・)に役に立つと思って「司法試験合格論文機械的作成法」を
読んだことがあり、同書でも「法律の使い方」と同じ主張がされていましたが、
法律はあくまで事件解決の為の道具であり、法律家の役割は、事件解決において妥当な結論を
導く為に、法律を論理的に構成して関係者を納得させることである、ということです。
従って、法律を論理的に構成していれば、出てきた結論がなんでも良いというわけではありません。

本書では、上記の考え方を基にした事件の解決方法を、練習問題等を交えながら
詳しく解説してくれます。

なお、著者は、暗記に頼って物事の処理方法を勉強する弊害を以下の様に述べています。

「暗記による処理というのは、まさに自分が知っている事件に対しては、完全な処理方法を
暗記してはき出すことで素早く確実な処理が可能だというメリットがあります。
しかし、知らない問題には対処できません。知っている問題と似ている問題については、
微妙にずれた処理をしてしまうという危険性があります。とくに暗記に頼ると、暗記した事を
はき出すことで楽に事件処理らしいものができてしまいます。その結果、思考停止して、
事件中の特別な考慮すべき点をきちんと考えに入れることができなくなってしまうのです。

もう一つの問題は、事件処理では妥当な結論を導かなくてはならないとか、事件の特殊性を
しっかり評価しなければならないという発想がないことです。」

ちなみに、ビジ法1級の通学講座を開設している某資格の学校の担当講師が、
Webで公開していた当該講座のガイダンスで、ビジ法1級の出題範囲は非常に広範囲なものの、
特に基本問題については毎年の出題傾向は一定している為、一定の出題範囲は潔く捨て、
また、ビジ法1級は試験時間が短く、まともに考えていると解答を書く時間が足りなくなることから、
ビジ法1級の問題集の解答をひたすら写経して解法を暗記し、条件反射的に鉛筆が動いて
回答できるようにする勉強方法を勧めていました。
しかし、上記の方法でビジ1級は受かるのかもしれませんが、今後の仕事等で出会う
未知の問題を解決する力は身に付かないでしょう。

色々なケースを勉強することは大事ですが、それはあくまで法律的な処理方法の考え方を
勉強するのが目的であり、同じようなケースが出てきた場合に、同じように処理をする為に
その解決方法を暗記することが目的ではない、ということは、今後、法律の勉強を
する上で常に頭に入れておきたいと思います。

法律の使い方法律の使い方
(2005/06)
柴田 孝之

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<目次>
第1章 法律は何の役に立つか(法律はなぜ必要か;守らなくてもよい法律もある ほか)
第2章 法律による事件解決の基礎(法律の構造はどうなっているか;法律の読み方 ほか)
第3章 法律による事件解決の実践(法律的な論理の組み立て方1:結論から考える;
    法律的な論理の組み立て方2:条文から考える ほか)
第4章 練習問題集
第5章 法学を学ぶ過程ですること:とくに試験合格を目指して(法律はどの程度暗記すべきか;
    その他にどんな知識を覚えるべきか ほか)

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35歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

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