「弁護士に確認したところ」という表現は鵜呑みにするべからず

先日、某国の現地法人が、取引先(債務者)とある法的手続きする可能性が出てきた為、
その方法について、当該現地法人の出向社員を介して、現地弁護士に確認して貰いました。

なお、私は当該某国に関する法務本を読んでいて、おおよその答えを自分の中で
持っていたものの、本の内容はあくまで原則論で実務とは異なる可能性があるので、
セカンドオピニオンを求める為に、現地弁護士に質問をして貰いました。

その出向社員の回答メールは、
「弁護士に確認したところ、○○の手続きには当該現地法人(債権者)、債務者、
 第三債務者の三社間の合意書が必要のようです。」
というものでした。

ちなみに、手元にある法務本では、当該手続きは、債務者からの第三債務者に対する
通知で出来ると記載されており、日本で同じ手続きをした場合でも通知で足りることから、
念の為、本当にそうかと突っ込んで質問したところ、

「確かに、法的には「債務者から第三債務者に対する通知」で手続きが出来るようですが、
 第三債務者は、当社(当該現地法人)とも直接取引がある取引先であり、友好的に
 当該手続きを実施する為に、三社間で合意書を取り交わす必要があります。」
との回答でした。

確かに、結論としては、「三社間での合意書を取り交わす」ことになるのかもしれませんが、
こちらが質問したのはあくまで「法的な方法論」であって、営業判断をした場合の
結果ではありません。

しかも、スピードを要求される局面では、三社間で合意書を取り交わしている時間が無く、
「債務者から第三債務者に対する通知」で済ませることになる可能性だってあるわけです。

少し前置きが長くなりましたが、今回の結論・教訓としては、
(1)「弁護士に確認したところ」という表現は鵜呑みにするべからず
(2)自分が弁護士の意見を基にして他者と話すときには、弁護士の意見と
   自分の意見を混合して話すべからず
(3)結論ありきで弁護士に相談して、自分の良いように解釈するべからず
(4)法律用語は正しく理解して話すべし

というところでしょうか。
以上、愚痴でした。

※上記の内容から、当社の現地法人がどのような法的手続きをしようとしているのか
 分かる方もいるかと思いますが、一応、具体的な表現は伏せてみました・・
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何でもかんでも担保を取得すればいいってもんではない(in China)

最近、ある中国法務の論点を確認する為、以前読んで本ブログでも取り上げた
「中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収」という本を、参照してみました。

すると、
「この問題は、最近、中国の弁護士に質問したけど、この本に答えが載っていたなぁ」
「以前、本書を読んだときは、心に留まらずラインマーカーを引かなかったけど、
 こんな重要な論点が書いてあったなんて、気付かなかったなぁ。」
なんていう箇所が結構ありました。
そこで、結局、本書の端から端まで全部読み返すことしました。

これは法律関係の本に限りませんが、本は、一回読んだだけで本の内容を全て
身につけた、と考えるは早計であり、期間を置いて読み返すことが必要だと感じました。

さて、今回の再読の結果、為になった個所を備忘の為に記載しておこうと思います。

<何でもかんでも担保を取得すればいいってもんではない>

中国では、同一債権に複数の担保権が設定されている場合、実行の優先順位が
決まっているようです。その順位は以下の通りです。
(1)債務者の設定した担保権
(2)第三者の設定した物的担保と連帯保証
(3)第三者が設定した一般保証

その為、上記(2)「第三者の設定した物的担保と連帯保証」で、
債権を十分保全出来るにも関わらず、とりあえず取得しておこうや、
ということで、債務者が有する、競売しても二束三文にもならない様な
動産設備に抵当権を設定してしまった場合、上記の優先順位通り、
まずは債務者の動産設備に設定した抵当権をを実行して、それでも完全に
回収出来なかった場合に初めて、上記(2)「第三者の設定した物的担保と連帯保証」を
実行することが出来るようです(物権法第176条)。

従って、上記のリスクを避ける為、複数の担保を取得する場合は、
債務者、担保提供者と、担保権の実行の優先順位について契約書で定めるか、
上記の優先順位に留意して担保を設定する必要があるようです。

債務者がほいほい担保を提供するからと言って、何でもかんでも取得するのは
止めましょう。

中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収Q&A100 (★中国債権は、事前の予防・診断・発見が全てを制す!★)中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収Q&A100 (★中国債権は、事前の予防・診断・発見が全てを制す!★)
(2010/05/21)
韓 晏元、奥北 秀嗣 他

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テーマ : 読書
ジャンル : 小説・文学

カウンターが20000を超えました!

本日、本ブログのカウンターが20000を超えました。
前回100000を超えた時よりも早いペースの大台達成です。

と言っても何か貰える訳ではありませんが、たくさんの人に
見て頂いていると考えると、継続するモチベーションも上がりますね。
今後とも細く長く更新を続けていきますのでよろしくお願いします!!

弁護士 会計士たちの憂鬱(エコノミスト臨時増刊12月20号)

大震災とその後の計画停電の影響もあり、電車のダイヤはまだ乱れていますが、
一時期の大混乱状態は脱した様な気がします。

また、大震災や昨今の急激な円高とは直接関係ない株式銘柄も含め、全ての株価は
先日まで軒並み急速に下落していましたが、最近はその反動で上昇しているものもあります。
おかげで、地震後の株式売買で結構なお小遣いを稼ぐ事が出来ました。

この一大事に小金を稼ぐとは不謹慎ではないか、という見方もあるでしょうが、
株式売買を通じて日本経済を応援していると考える事も出来ますし、
また、手にした小金を買い物等に使う事で、日本経済の活性化に貢献することもできます。
決して、私利私欲の為だけにやっているわけではありません!!

※ちなみに、この記事を見た奥さんが、私もおこぼれが欲しいと主張してきましたが、
 とりあえずは聞き流して様子をみたいと思います(笑)

なお、最近の関心は、「原発」銘柄である東芝の株式に手を出すか否かですが、
手を出すにしても、一つのバスケットに全ての卵に入れることのない様、
気をつけたいところです。

さて、話は急に変わりますが、昨今は、会計士や弁護士の資格を持っていても働き口が
少ない様で、だんだんコストパフォーマンスの悪い資格になりつつあります。
私も仕事柄、弁護士(たまに会計士)と付き合うことがあるので、彼らの心情を
察するべく、少し前の出版になりますが、「弁護士 会計士たちの憂鬱」という
特集をしているエコノミスト臨時増刊12月20号を読んでみました。

本誌では、弁護士や会計士の匿名座談会や、「弁護士と会計士の思考の違い」等の
特集がなかなか面白かったです。
また、最近の新聞等にも関連記事が出ていますのでご存知の方も多いと思いますが、
就職出来ない会計士が急増している業界の行く末を考慮して、監査業務は出来ないが
財務のプロである「財務会計士」を、2013年位を目処に創設する動きがあるようです。

「財務会計士」を創設することで、会計事務所ではなく、一般企業への就職を促し、
資格貧乏を減らそういう思惑のようですが、果たして上手くいくのでしょうか。

私見では、「財務会計士」は、財務の勉強をしっかりやった人という証明には
なるでしょうが、「財務会計士は、会計士試験に合格したものの、会計事務所に就職出来ず、
仕方なく一般企業に働き口を求めた人で、その内、公認会計士になるべく会計事務所に
転職してしまうので、採用するには二の足を踏まれてしまう人。」という印象があります。

これは、「準一級」という資格のランクにも同じことが言えます。
例えば、「英検準一級を持っている」といえば、しっかり英語を勉強した人と言えますが、
しかし、特に採用候補者に高い語学力を要求する会社であればあるほど、
「一級を持っていない人」という印象を与えてしまうことにもなり、
むしろ英語系の資格を一切持っていないけど、流暢に英語を話せそうな人の方が
採用官に評価される、なんてこともあるでしょう。

そこで、仮に資格を強力な武器にして、就職や転職を乗り切ろうという方は、
やはり一番上級の資格を取得しないとダメで、「財務会計士」の創設という試みは
失敗すると思われます。

「じゃあ、会計士業界の活性化にはどうすればいいんだ」
「批判するだけではなく代替案を出せ」
という人もいるでしょうが、個人的には、
(1)監査業務経験がなくても公認会計士の資格を付与するように制度を変更するか
(2)合格率を以前の様に減らす
位しか思いつきません。
これは「暗記重視教育」と「ゆとり教育」の関係にも言えると思いますが、
長い期間を経過して、自然とまともな感じに収斂していくことでしょう。


エコノミスト増刊 弁護士・会計士たちの憂鬱 2010年 12/20号 [雑誌]エコノミスト増刊 弁護士・会計士たちの憂鬱 2010年 12/20号 [雑誌]
(2010/12/06)
不明

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大震災時の報道のあり方について

今回の大地震で被害に合われた方には心よりお見舞い申し上げます。
今後、募金等、自分にも出来ることを探して対応したいと思います。

さて、昨日、今日と、テレビ局各社は今回の大地震のことを終日取り上げていますが、
テレビを見ていて感じたことをいくつか書いて見たいと思います。

1.どこのテレビ局も同じような情報、映像を繰り返し提供していますが、
  これでちゃんと必要な情報が必要な人に提供されているのでしょうか。
  例えば、テレビ局毎に担当地域を割り振るなどして、視聴者が知りたい安否情報や
  救援情報等を効率的に提供出来るようにするべきではないでしょうか。
  これはラジオ局も同じですが、低俗な娯楽番組は自粛するべきではないでしょうか。

2.地震や原子力の専門家がコメンテーターとして登場しますが、自分の知識を披露する
  絶好の機会としか考えていないような専門家はむしろ有害ではないでしょうか。
  一般の視聴者が分からないような難しい表現を使って、不必要に視聴者の混乱や
  恐怖を煽るのは止めて欲しいものです。
  また、上記はアナウンサーにも言えることですが、言葉とプロとして、
  言葉選びには慎重になって欲しいですね。

3.政府の記者会見の質疑応答で、報道機関の人がつまらない質問をする人が多くて
  非常に残念です。例えば、某新聞社が、首相や官房長官の情報掌握能力不足、
  責任問題となるような答えを引き出そうと必死な人がいましたが、国民はそんな
  情報は求めていません。

  ちょっと、話が違うかもしれませんが、例えば、新卒の採用の会社説明会で、
  自分をアピールする為に、自分の大学名と名前を告げてまで、誰も興味が無い
  (人の貴重な時間を奪う)質問をするヤツが必ずいますが、あれと同じで、
  自分のアピールしか考えていない言動は、人の時間を奪う行為となり、
  時間の無駄ですし、自分の品位を下げますので、自粛して頂きたいですね。

4.被災された方、特に、いままさに救助された方にモザイク無しでインタビューしたり、
  ドキュメンタリー風に撮影する映像が多いのですが、被災者の心情やプライバシーは
  無視なのでしょうか。

  一番憤慨したのが、どこのテレビ局か忘れましたが、津波で保育園の孫を亡くしてしまった
  という、お爺さんへの取材で、そのお爺さんに、めちゃくちゃになった家の中から
  そのお孫さんの写真アルバムを取りに行かせて、涙を流すお爺さんを撮影するという、
  映像がありましたが、これはもう、報道のあり方以前に、人としてどうなのかと思いますね。

  そのカメラクルーの上司はこの取材で「でかしたぞ!いい絵が取れた!」と
  褒めてくれたのでしょうか。
  また、カメラクルーの人に子供・家族がいれば、「お父さん、いい仕事したね!」と
  賞賛してくれるのでしょうか、ということです。  

  被写体の親類の方が、その映像を見ることで被写体の方の安全を確認出来たなんて
  メリットもあるでしょうが、「見世物じゃねーんだよ」と感じている被災者の方は
  多いのではないでしょうか。

5.本日、テレビ東京は通常の番組をCMを交えて放送しています。
  さすがテレビ東京というところですが、スポンサーは何も言わないのでしょうか。

他にも色々思うところはありますが、報道各社は、視聴率だけではなくて
もっと報道のあり方を考えた対応をして頂きたいものです。
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Author:hitorihoumu
35歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

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