書籍:新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか
今般は、「新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか ― 失敗しないための
採用・面接・育成」という本を読んでみました。
ちなみに、私は採用担当でも人材開発担当でもありませんが、
単純にタイトルに惹かれて本書を手に取ってみました。
著者は、昨今の若者・新入社員は昔と比べてレベルが低下しているから
「使えない」のではなく、採用から育成までの過程で、若者の価値観や働く姿勢、
社会情勢の変化等に対応しきれていない企業側にも問題の一端があるとして、
本書では、採用のミスマッチ、早期離職、若者の低いモチベーション等を
防ぐ為のヒントを提供してくれます。
個人的には、最近の新入社員を見てみますと、若いだけあって飲み込みが非常に
早いものの、根気が足りない人が増えてるような気がしますが、
自分が新入社員の頃を考えてみると、今とそうは変わらないなという気もします。
古代エジプトで、ピラミッドを建てるときに壁画に書かれた落書にも
「最近の若者は・・・」と書いてあったことからも、いつの時代も大人は若者の
行動や考え方に違和感を感じるものなんでしょうね(笑)
ですから、価値観が違う=ダメと決めつけてもしょうがないので、要はどう
価値観の相違に対応、克服するかが大事だなと思います。
さて、本書には、著者の経営している人材コンサル会社の宣伝と思われる表現や、
「面接ではその人物を90%見抜けることが目標であり、ちなみに私自身は、
ここ数年95%ほどの成功率で安定しています」と自慢をするものの、
一体何を持って成功なのかの定義や根拠が不明瞭であるといった、首を傾げる箇所が
度々出てくるものの、それを差し引いても、いくつか参考になる箇所もありました。
以下は、著者がヒューレット・パッカードに勤務していた時に学んだ米国型面接に
言及した箇所です。少し長いですが心に留まりましたので書き留めておこうと思います。
^^(以下、本書抜粋)^^^^
基本的には、「何をやっていたか?」「そのプロジェクトであなたの貢献は何か?」
ということを淡々と聞いていく、という手法です。
応募者も、自分の考え方や意思を表明するというよりは、聞かれたことに淡々と
答えていくのです。
面接官がその回答に納得いかなければ、どんどん深く、シツコク聞きます。
面接官の頭の中に、過去の仕事のイメージができるまで、何度も何度も具体的に
掘り下げていきます。
そして、それがイメージできたところで、その時のコンピテンシーを診断するのです。
日本のように「志望動機」や「将来のキャリアパス」などの意向や意志について
尋ねるのは、合否が決まったあとの面談のみでした。
つまり、過去の行動事実からのみ判断する、ということが徹底されているのです。
^^^^^^^^^^^^^^^
ということで、入社した後の上司の評価は、その人がどんな考え方やキャリアパスを
持って仕事をしているのかで判断されるのではなく、あくまで具体的な行動、
実績で評価されるので、面接の場面でも、その人の考えや意思ではなく行動から
評価するのが妥当というのは確かにその通りです。
言葉だけであれば何とでもカッコイイことを言えますからね。
そこで、中途で法務担当者を採用する面接で、例えば「複数のM&AでDDに携わりました」と
職務経歴書に記載があれば、具体的にどのような貢献をしたのかを詳しく聞くべきですし、
「毎日契約書を50部チェックしていました」と書いてあれば、どのような契約書なのか、
よくある定型契約書なのか、担当者と打ち合わせが必要なカスタマイズ契約書なのかを
確認する必要があります。
大卒の面接であれば、定番の「自己PR」や「学生時代に一番頑張ったこと」、
「自分の長所、短所」を聞くにしても、成果の大きさや表面的には耳触りの良い表現に
注目するのではなく、あくまで「あなたは具体的に何をしたのか?」に注目するべきで、
こうすることで、ルックスがいい人、高学歴な人、ボランティア活動をやっていた人等、
見た目の第一印象やプロフィールが良い人や、就職面接対策で完全武装してきた人が
果たして本当に有望な人なのか、もしくは薄っぺら人なのかがある程度は峻別出来ることでしょう。
少なくとも、面接官が、事前に入手した履歴書等からイメージ像を完成させて、
面接では「自分のイメージがやっぱり正しかったんだ」と確認する作業で
終わるのではなく、可能な限り先入観を排除して、自分のイメージ像が正しかったか、
間違っていたのかを入念に確認する必要があるなと思いました。
しかし、実際のところは、10分そこらの面接を数回位やっただけで人を判断するのは
限界があり、ましてや、まだ人格形成が完成していない、学生気分な20代前半の
若者の将来性やポテンシャルを測ることは困難だと思いますので、
最終的には一緒に働いてみないと分からないもんですけどね・・。
採用・面接・育成」という本を読んでみました。
ちなみに、私は採用担当でも人材開発担当でもありませんが、
単純にタイトルに惹かれて本書を手に取ってみました。
著者は、昨今の若者・新入社員は昔と比べてレベルが低下しているから
「使えない」のではなく、採用から育成までの過程で、若者の価値観や働く姿勢、
社会情勢の変化等に対応しきれていない企業側にも問題の一端があるとして、
本書では、採用のミスマッチ、早期離職、若者の低いモチベーション等を
防ぐ為のヒントを提供してくれます。
個人的には、最近の新入社員を見てみますと、若いだけあって飲み込みが非常に
早いものの、根気が足りない人が増えてるような気がしますが、
自分が新入社員の頃を考えてみると、今とそうは変わらないなという気もします。
古代エジプトで、ピラミッドを建てるときに壁画に書かれた落書にも
「最近の若者は・・・」と書いてあったことからも、いつの時代も大人は若者の
行動や考え方に違和感を感じるものなんでしょうね(笑)
ですから、価値観が違う=ダメと決めつけてもしょうがないので、要はどう
価値観の相違に対応、克服するかが大事だなと思います。
さて、本書には、著者の経営している人材コンサル会社の宣伝と思われる表現や、
「面接ではその人物を90%見抜けることが目標であり、ちなみに私自身は、
ここ数年95%ほどの成功率で安定しています」と自慢をするものの、
一体何を持って成功なのかの定義や根拠が不明瞭であるといった、首を傾げる箇所が
度々出てくるものの、それを差し引いても、いくつか参考になる箇所もありました。
以下は、著者がヒューレット・パッカードに勤務していた時に学んだ米国型面接に
言及した箇所です。少し長いですが心に留まりましたので書き留めておこうと思います。
^^(以下、本書抜粋)^^^^
基本的には、「何をやっていたか?」「そのプロジェクトであなたの貢献は何か?」
ということを淡々と聞いていく、という手法です。
応募者も、自分の考え方や意思を表明するというよりは、聞かれたことに淡々と
答えていくのです。
面接官がその回答に納得いかなければ、どんどん深く、シツコク聞きます。
面接官の頭の中に、過去の仕事のイメージができるまで、何度も何度も具体的に
掘り下げていきます。
そして、それがイメージできたところで、その時のコンピテンシーを診断するのです。
日本のように「志望動機」や「将来のキャリアパス」などの意向や意志について
尋ねるのは、合否が決まったあとの面談のみでした。
つまり、過去の行動事実からのみ判断する、ということが徹底されているのです。
^^^^^^^^^^^^^^^
ということで、入社した後の上司の評価は、その人がどんな考え方やキャリアパスを
持って仕事をしているのかで判断されるのではなく、あくまで具体的な行動、
実績で評価されるので、面接の場面でも、その人の考えや意思ではなく行動から
評価するのが妥当というのは確かにその通りです。
言葉だけであれば何とでもカッコイイことを言えますからね。
そこで、中途で法務担当者を採用する面接で、例えば「複数のM&AでDDに携わりました」と
職務経歴書に記載があれば、具体的にどのような貢献をしたのかを詳しく聞くべきですし、
「毎日契約書を50部チェックしていました」と書いてあれば、どのような契約書なのか、
よくある定型契約書なのか、担当者と打ち合わせが必要なカスタマイズ契約書なのかを
確認する必要があります。
大卒の面接であれば、定番の「自己PR」や「学生時代に一番頑張ったこと」、
「自分の長所、短所」を聞くにしても、成果の大きさや表面的には耳触りの良い表現に
注目するのではなく、あくまで「あなたは具体的に何をしたのか?」に注目するべきで、
こうすることで、ルックスがいい人、高学歴な人、ボランティア活動をやっていた人等、
見た目の第一印象やプロフィールが良い人や、就職面接対策で完全武装してきた人が
果たして本当に有望な人なのか、もしくは薄っぺら人なのかがある程度は峻別出来ることでしょう。
少なくとも、面接官が、事前に入手した履歴書等からイメージ像を完成させて、
面接では「自分のイメージがやっぱり正しかったんだ」と確認する作業で
終わるのではなく、可能な限り先入観を排除して、自分のイメージ像が正しかったか、
間違っていたのかを入念に確認する必要があるなと思いました。
しかし、実際のところは、10分そこらの面接を数回位やっただけで人を判断するのは
限界があり、ましてや、まだ人格形成が完成していない、学生気分な20代前半の
若者の将来性やポテンシャルを測ることは困難だと思いますので、
最終的には一緒に働いてみないと分からないもんですけどね・・。
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