書籍:中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収Q&A100

今般は、「中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収Q&A100」という本を読んでみました。
ちなみに、本書の存在には出版当初から気付いていましたが、定価が5,040円と結構高いので
購入を先送りにしていました。
しかし、先日、出版社の第一法規社から本書の著者である韓晏元氏のセミナーと本書の紹介の
DMが送付されてきまして、これを機に、上司におねだりして図書費で購入して貰いました(笑)

さて、これまでいくつか中国の法務関係の本を読んできましたが、本書は題名の通り、
中国での債権管理・保全・回収をメインとした本で、内容も実務で使えるレベルの細かい内容にも
触れていますし、Q&A形式で頭に入りやすい構成にもなっています。
その為、中国に現地法人がある、もしくは中国企業との取引がある会社の営業担当、法務担当は、
興味のある章だけでも一読されることをオススメします。

本書には、個人的に参考になって、会社の所有物にもかかわらず思わずラインマーカーを引いてしまった
箇所が多数ありますが(笑)、その一部を、備忘の為に以下に要約して箇条書きしておこうと思います。

<参考になった内容>
1.中国企業からの債権回収を開始する前に、自社が納入した製品に瑕疵がなかったことを
  (さりげなく)書面で確認する必要あり。そうしないと、後々の裁判で、購入した製品に瑕疵が
  あったと抗弁されて、裁判の先延ばしをされる可能性がある。

2.日本企業が中国企業に与信を設定する場合は、支払日が通関日より90日を超える場合は、
  外貨規制を受けて、当該中国企業は外債登記を義務が生じる(L/C取引は除く)。
  これが無いと中国企業は海外送金出来ない。
  また、中国企業が支払い遅延をして支払日が通関日より90日を超える場合にも、
  上記と同様に外債登記が必要。

【備忘メモ】
外債登記はあくまで中国の債務者に登記設定義務があるので、ちゃんと登記手続きをしているのか、
手続書類を後日に提出させたり、信頼できる弁護士事務所等を介して管理する必要があるなと思いました。

3.中国には、「収支両条線(外貨収入と外貨支出を2つのルートでそれぞれ行うこと)」制度があり、
  外貨収入と外貨支出との相殺は原則禁止されている。その為、日本企業と中国企業との相殺は出来ない。

4.外貨規制では、海外への送金の際には何らかの名目が必要となるが、現在、売掛債権の譲渡による
  海外への送金は出来ない。その為、第三債務者が中国企業である債権を授受しても、
  当該第三債務者から送金を受けることが出来ない。但し、第三債務者が日本企業の場合は問題なし。

【備忘メモ】
債権回収の一つの手段として、債務者の売掛金の譲渡を受ける事は有効とずっと考えていましたが、
上記の通りどうやら意味がないようです・・。
裁判所を介した強制執行の場合でも同様なのか、近日中に顧問弁護士に確認してみたいと思います。

5.中国では、債権回収会社・サービサー、(債務者の資産調査等をする)探偵会社の存在は違法であり、
  これらの会社は不当な手段で債権回収、調査を行う場合も多く、アングラな世界と繋がっている
  ケースも多いので、コンプライアンス違反に加担しない為にも上記会社への依頼は避ける必要ある。

<目次>
第1章 債権回収の流れ
第2章 取引き開始前(取引相手の信用調査および与信枠設定;売買契約書作成時の留意点;
    有利な条項を盛り込むには)
第3章 取引き開始後の債権管理(債権回収の内部制度の構築;与信管理;手形管理;時効管理)
第4章 話し合いによる債権回収(所定期間内に売掛金の入金がない場合;強制執行力付き公正証書の作成;
    担保取得時および取得後の留意点;抵当契約の締結;質権設定契約の締結;保証契約の締結;
    対外担保の留意点;担保権の実行)
第5章 強制手段による債権回収(執行目当ての資産の調査;執行目当ての資産の保全;支払催促;
    訴訟提起;仲裁の申立て;強制執行の申立て)

中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収Q&A100 (★中国債権は、事前の予防・診断・発見が全てを制す!★)中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収Q&A100 (★中国債権は、事前の予防・診断・発見が全てを制す!★)
(2010/05/21)
韓 晏元奥北 秀嗣

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