会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準について

私の所属している会社では、月一回、それぞれのグループ・部門でグループ会というのを開催しています。
グループ会の目的は、執行役員会議等の経営会議で討議された内容を部門長が直接伝達することと、
勉強会を開くことにあります。
勉強会の講師は持ち回りで行っており、テーマは講師が自由に決めることが出来ます。
前回、私が講師をしたときは「インサイダー取引規制」の解説をしましたが、
来月また講師の役が回ってきますので、次回は「決算書の読み方」について解説しようと考えています。
しかし、BSとPLとは何の略なのかすら知らない一般職から(←もし知ってたらすみません・・)、
元銀行マンで経営分析も出来る私の上司というバラエティに富んだ受講生がいるグループ会で、
さらに30分位しか時間が無いという制約の中、どんな内容・難易度で「決算書の読み方」を
解説していくのか悩ましい所ですが、とりあえず何かアイデアを得るべく、今般、
「財務会計・入門 第7版 企業活動を描き出す会計情報とその活用法」という本を読んでみました。

結論としては、本書の読書後に勉強会のテーマは特に思い浮かんで来ませんでしたので、
来月の勉強会では以前このブログでも紹介させて頂いた、「決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法」を
参考図書として、BS、PL、CF計算書の基本的な構造とそのつながりを解説することにしました。

さて、「財務会計・入門 ~」は、第7版まで改訂されているだけあって、非常に分かりやすい会計入門書ですので、
これから会計の基礎を勉強しようという方には是非一読をお勧めしますが、勉強会では取り上げませんが、
本書で個人的に勉強になった箇所を備忘の為に、以下に書き留めておこうと思います。

^^^^^(以下、本書抜粋)^^^^^^^^^^^^^^^^

いったん選択した会計方針は、毎期継続して適用されなければならない。
これを継続性の原則という。この原則は、財務諸表の期間比較可能性を確保し、
利益操作を防止することに意義がある。
ただし、正当な理由があれば、例外的に会計方針の変更が認められる。
その場合、これまでは、変更の旨と理由に加えて、変更による当期の利益への影響額を、
当期の財務諸表に注記する必要があった。
しかし企業会計基準第24条号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」は、
2011年4月以後に開始する年度において会計方針を変更した場合には、
変更後の会計方針を適用して過去の財務諸表を作り直す事を規定した。
そのような作り直しを財務諸表の遡及効果という。
これは日本の会計基準を国際的な会計基準と合致させるために行われた改正である。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ということで、今後は例えば、減価償却資産の償却方法を「定額法」から「定率法」に変更した場合、
当期の財務諸表だけでなく、過去の財務諸表も「定率法」を用いて作成し直す必要が出てくることになります。

これは財務諸表を読む人の利便性の確保の他、容易に会計方針を変更出来ない様にする、という意味合いも
あると思いますが、ぱっと考えただけでも非常に手間が掛かりそうなことが分かります。
しかし、私は経理部にも財務グループにも所属していないので、実務にどれ位のインパクトがあるのか
まだ把握していませんので、今度、機会を見つけて経理部長にでもさらっと聞いててみようと思います。

なお、上記改正の詳細については、企業会計基準委員会が平成21年12月4日に公表した
「会計上の変更および誤謬の訂正に関する会計基準」を参照ください。


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商社を介した取引で発生する下請法上の問題点

今月の「Business Law Journal7月号」では、個人的にはこれまで実務上で
遭遇したことはありませんが、取引先が事業再生ADR、企業再生支援機構などの
私的整理手続を開始した場合の対処法が解説されていて、今後の参考となりました。

また、「いじめない、いじめられない!下請法違反の境界線」という連載記事で、
商社を介した取引で発生する下請法上の問題点が取り上げられていて
心に留まりましたので、備忘の為に、書き留めておこうと思います。

^^^^(以下、本雑抜粋)^^^^^^^^^^^^^^^^^^

商社経由の下請取引と「下請代金の支払い遅延の禁止」

商社等の第三者が、下請法の発注者と受注者の間に入って取引を行うものの、
製造委託等の内容にはまったく関与せず、単なる事務手続の代行のみを
行っているような場合には、その商社等は下請法上の親事業者や
下請け事業者になることはない。

(中略)

親事業者が商社その他の第三者経由で下請け代金を支払うこととしているような場合には、
親事業者は、あらかじめ、支払時期までにその商社等から下請事業者に下請け代金が
支払われるようにあらかじめ約定等しておくとともに、実際にその商社等から
いつ下請代金は支払われるのかを確認しておく必要があることに注意すべきである。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

個人的には、下請法については、資本金が3億円以下の子会社を介して取引を行い、
下請法上の規制を回避しようとする行為を規制する、「トンネル会社規制」が
あることは知っていましたが、全くの第三者である商社をかませた場合にも、
同様の規制が適用されることは知りませんでした。

なお、公正取引委員会のHP内の「よくある質問コーナー(下請法関係)」をチェックした所、
本件と同じ質問と回答が記載されておりました。
このコーナーには他にもたくさんQ&Aが掲載されていますので、興味のある方はご参照ください。

公正取引委員会HP「よくある質問コーナー(下請法関係)
http://www.jftc.go.jp/sitauke/qa/index.html

ちなみに、私の所属している会社(某商社)の規定支払い条件は、
下請法上問題無い内容になっていますので、当社が単純な物流代行業務として間に入った場合でも、
当社の販売先と仕入先との間で、下請法上の支払い遅延問題が発生するケースは想定されませんが、
商社である当社が、他の商社を介して製造委託商品を購入しなければならないケースも
稀にありますので、その場合は、他の商社の仕入先に対する支払い条件にも留意して取引したいと思います。


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株主総会の議決権行使結果の開示義務化について

金融庁は、平成22年3月31日付で「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を
改正する内閣府令」を交付しました。
適用開始時期は、3月決算の上場会社は今年の有価証券報告書、定時株主総会からとなります。

この内閣府例では、報酬が1億円以上の役員がいる場合は、有価証券報告書にて
その役員の個別報酬が開示対象となりましたが、役員報酬の他にも注目を集めているのが、
議決権行使結果について、決議の結果だけでなく賛成反対の票数も法定開示対象となった点です。

上記の議決権行使結果の開示義務化について、今月の「雑誌:ビジネス法務2010年7月号」に
解説がありましたので、少し長いですが、備忘の為に書き留めておこうと思います。

^^^^(以下、本誌抜粋)^^^^^

臨時報告書に記載を要する事項は、以下のとおりである。(開示布令19条2項9号の2)

イ 当該株主総会が開催された日
ロ 当該決議事項の内容
ハ 当該決議事項(役員の選任又は解任に関する決議事項である場合は、当該選任又は
  解任の対象とする者ごとの決議事項)に対する賛成、反対及び棄権の意思の表示に係る
  議決権の数、当該決議事項が可決されるための要件並びに当該決議の結果
ニ ハの議決権の数に株主総会に出席した株主の議決権の数(株主の代理人による
  代理行使に係る議決権の数並びに会社法第三百十一条第二項 及び第三百十二条第三項
  の規定により出席した株主の議決権の数に算入する議決権の数を含む。)の一部を
  加算しなかつた場合には、その理由

(中略)

臨時報告書には、「当該決議の結果」として決議事項が可決されたか否かの根拠となる
賛成または反対の意思の表示に係る議決権数の割合を記載しなければならないため、
少なくとも、集計結果によって当該決議事項が可決されたか否かがわかる範囲
(普通決議事項であれば行使された議決権の過半数が判明する範囲)では集計しなければならない。
したがって、前日までの行使分で可決または否決のいずれかが判明する場合はその範囲で
集計すれば足りるし(もちろん、この範囲を超えて任意に集計範囲を広げることは可能である)、
当日出席株主の全部の集計をしなければ可決されたか否かが判明しない場合は、
当日出席株主の全部を集計しなければならない。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ということで、株主名簿管理人から提供された前日までの議決権行使内容から、株主総会開催前に
既に決議の可決が分かる様な、多数の絶対的な安定株主がいる会社は、当日出席株主分の賛否の数は
集計する必要はないことになりますので、例年と比べてさほど手間は増えない事になります。

しかし、総会当日にならないと決議の可否が判断できない会社は、個々の株主の賛否を
(いちいち)総会の場で確認しなければいけないから大変ですね。
私が所属している会社は前者になりますので、その確認方法までは調べていませんが、
総会の会場で一人一人に確認していくのでしょうか。もしくは、反対・棄権する方だけ挙手して貰って、
みんなで手分けして数えて、そこから賛成数も割り出すのでしょうか。
はたまた、笑っていいとものテレホンショッキングでやってる100分の1を当てるゲームみたいに、
株主の皆さんにボタンを持たせて、賛否を諮る時にボタンを押させるのでしょうか・・

いずれにしても、出席株主が数十人であればまだ良いでしょうが、出席株主が何千人に達する
大会社の場合は、総会担当者の苦労が今から慮れます。


ビジネス法務 2010年 07月号 [雑誌]ビジネス法務 2010年 07月号 [雑誌]
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書籍:元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術

今回、「元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術」という本を読んでみました。

本書は、よく使う法律用語や法律条文の構造の解説、六法の使い方や判例の読み方等、
法律を扱う者が知っておくべき基本的な事項を分かりやすく解説してくれます。

なお、一応法務担当のはしくれの私としては、本書から初めて得るものはそう多くはありませんでしたが、
大学の法学部に入学が決まりこれから法律を一から勉強しようという方、
法務担当への異動が決定した、法律に明るくない他部署からの異動組の方等は、
本書を一読されることをお勧めします。

なお、本書の中で、恥ずかしながらこれまで理解せずに使用していた接続詞の使い方に
関する解説が参考になりましたので、備忘の為に記載しておこうと思います。


^^^^(以下、本書抜粋)^^^^^^

「又は」と「若しくは」

(中略)

「又は」は一番大きなグループわけに使い、その他のグループわけには「若しくは」を使います。
「エビ若しくはカニ又は栗キントンといった正月用品は、・・・・」という具合です。
つまり、「又は」と「若しくは」がでてくる文章があれば、「又は」は、その部分でグループ分けが
あるという合図といえるのです。

「及びと」「並びに」

(中略)

「及び」は一番小さいグループわけのときだけに使い、その他のグループわけのときには
「並びに」を使ってその意味を表します。
「鉛筆及び消しゴム並びにお弁当を忘れずに・・・」という具合です。
「並びに」は、その部分でグループわけがあるという合図といえるのです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

個人的には、「又は」と「若しくは」、「及びと」と「並びに」は同じ意味なので、
これまでずっと、どちらを使うかは、書き手の自由・センスの問題かと思っていましたが、
上記のような使い方分けがあったとは知りませんでした(笑)。

著者が言うように、「ひらがなを漢字に直すだけでも立派な法律改正」になるということで、
特に法律の立案に携わるような法制局の方は、接続詞から句読点の扱い方に至るまで、
非常に神経を使って言葉を用いているようです。
ちなみに、「並びに」という言葉をグーグルで検索した所、上記のルール通りに使われていない
例がけっこう散見されました・・。

少し話は変わりますが、絶対音感があるピアニストは、演奏中ではなくでも生活で聞こえる音が
全て音名(ドレミ~)で認識してしまうので、非常に煩わしいという話を聞いたことがあります。
一方で、例えば、法制局の方が友人の結婚披露宴に参加した場合、乾杯の音頭を取る方が、
「それでは、新郎新婦の末永いお幸せと、ご両家並びにご臨席の皆様方のご多幸と
ご繁栄をお祈りいたしまして、乾杯をしたいと存じます。」
という、誤った「並びに」の使い方をした場合、言葉の誤用に注意が向いてしまって、
他の方と同様に盛り上がれないのでしょうか・・。

私も契約書又は覚書等若しくは対外文書を作成する場合には、上記抜粋のルールを踏まえて対応したいと思います。

元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[第2版]元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[第2版]
(2007/04/06)
吉田 利宏

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テーマ : ビジネス
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書籍:クビ!論。

今般、「クビ!論。」という本を読んでみました。

著者は、外資系メーカー・金融機関でクビキラーとして活躍(?)されていた方で、
日本系と外資系の企業文化等の違いにもふれながら「クビ論」を説いています。
本書は2003年に出版された為、出版当時と現在の社会状況等が異なりますので
その辺を割り引いて読む必要がありますが、何しろブックオフにて300円で買えたので、
何か一行でも参考になる文章があれば儲けものかなと思って読んでみました。

著者は、正しいクビ切りの本質は「人材の流動化」と「実務の効率化」にあるとし、
(本書出版当時の)日本企業で行われているクビ切りは実に悲惨で、「目的も戦略もなく、
ただコスト削減のために社員のクビを切っているだけにしか見えない」といいます。

外資系の企業文化・社員の思考を紹介している文章を少し長いですが引用します。


^^^^(以下、本書)^^^^^^^^^^^^^

外資系企業の世界では、基本的に社員は専門職です。そのため、自分が専門としている
仕事がなくなった時は、その会社にいる用はないし、会社から必要とされません。
「中途採用や転職は当たり前」という前提がある社会なので、一般的には終身雇用制や
定年制とは無縁です。社員たちも、しょっちゅう辞めたり辞めさせられたりしているので、
自分から辞めようとクビにされようと、後の転職に関係ありません。
会社にクビにされたからといって、日本企業のように「能力が低い」と決めつけられたり、
転職で差別されたりすることはないのです。

(中略)

「過程も評価しろ」という議論を聞く度に、私は興ざめします。
外資系企業の世界では「結果がすべて」だからです。つまり結果とは、具体的・客観的な
数字の良し悪しのことを指しているのです。だから、パフォーマンスの悪い社員や
業績の低い社員は切られます。
いくら人柄が良くても、評価の対象にはなりません。「がんばっている」からといって、
評価される事もありません。「仕事」と「仕事ぶり」は違うからです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ちなみに、「外資系」といっても会社の資本が外資なだけですので、
日本との合弁もあれば完全外資系の会社などあり、また、社員全体に占める日本人の
比率等によっても企業文化は違うでしょうから、いっしょくたに「外資系とは」と
語ることは難しいと思いますが、上記の抜粋箇所を見る限りは、外資系企業というのは
企業も社員も合理性を重視していることが分かります。
そんな合理性はもちろんマイナス部分もありますが、見習うべき点も多々あると思います。

日本でも最近は能力主義・成果主義が浸透してきましたが、まだまだ「がんばっている」が
評価される社会だと思います。
仕事が速くて上司の自分よりも早く帰宅しまう社員よりは、遅くまで残っている社員
(実は半分はネットサーフィンや雑談をしている能率が悪い社員)を評価しようという向きがまだあります。

また、社員としても、ものによっては80パーセントの完成度でOKな仕事でも、
100パーセントの完成度を求める職人気質さゆえに、全体的な仕事のスピードがダウンしている
ケースも多々あると思います。

しかし、当たり前のことではありますが、仕事はあくまで成果を出す為にしているので、
常に費用対効果とメリハリを考えて仕事に従事したいと思います。


「クビ!」論。 (朝日文庫)「クビ!」論。 (朝日文庫)
(2004/10/15)
梅森 浩一

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35歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

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