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元総務&法務担当の部屋     

これまで、ある企業で約十数年間、法務担当(+α)として仕事に従事していた者です。最近、財務・経理部門に移動しました。このブログは、仕事に関する書籍を読んだ感想や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
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書籍:給与明細は謎だらけ-サラリーマンのための所得税入門

私は世の大多数のサラリーマンの方と同様に(?)、会社から提供される給与明細には
目を通しても、最終的な振込み金額をチェックした後は、高い所得税や保険料を
じっくり見ても気分が悪くなるだけなので、なるべく視界に入れないようにしながら、
給与明細をシュレッダーに放り込んでいます。
また、「控除額を計算間違いしているのではないか」、と給与担当者を(心の中で)
疑ったこともありました。

しかし、このままではいけないよな、とずっと思っていたときに、
先日、本書を本屋で見かけて、書名を見て直ぐ買うことを決意しました。

著者も本書の中で、

^^^(以下、本書抜粋)^^^^^

日本の羊たちは、知らないうちに毛をむしられ(源泉徴収)、その程度やむしられ方
についてもわからないまま、不満や不安はあるが、でも大騒ぎするほどの負担感を
抱かないですむようにされている。
これは幸せなことなのだろうか、それとも不幸なことなのだとうか。
そのことを考えるためにも、羊たちのむしりとられ方を知っておこう。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

と記載しているように、私も含め、これまで給与に掛かる税金について一切無頓着で
生きてきた方にも分かりやすい語り口で、サラリーマンの税金問題を解説してくれます。

本書で勉強になったことはたくさんありますが、最近まで社宅管理を担当していた
私としては、「社宅」に住む事で会社から提供を受ける経済的利益が、給与所得に
含まれて課税されるか否か、に関する箇所が参考になりましたので、備忘録の為に、
書き留めておこうと思います。

^^^(以下、本書抜粋)^^^^^

まず、その社宅の通常の賃料がいくらかを算定しなければならない。
実務上は通常の建物であれば建物及び敷地の固定資産税課税標準額を基準に
相当安い賃料相当額を算定する。具体的には、次の①②③の合計額である。

①<その年の建物の固定資産税の課税標準額>×0.2%
②12円×その建物の総床面積/3.3㎡
③<その年の敷地の固定資産税の課税標準額>×0.22%

これが基準となる。これだけでも実際の賃料相場と比べると相当低くなるはずである。
しかも、この基準額の50%以上を家賃として徴収していれば経済的利益は
なかったものとしてくれるのだ。ありがたいことではないか、ということで、
会社は従業員から徴収する家賃を50%ぎりぎりの金額にして課税を逃れているのである。
だから、税金のかからない利益が欲しいなら社宅に住む事をお勧めする。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

私の所属している会社の社宅制度では、一つの同じ建物に社員がみんなで住む
寮形式ではなく、法人名義で借りた住居に社員を住ませる、借り上げ社宅形式を取っています。

そうしますと、原則としては、全ての大家に住居の課税標準額が分かる資料を
求めることになりますが、そんなのは面倒臭いし大家さんに拒否される
可能性もありますので現実的ではありません。

そこで当社では、賃料の○%(守秘義務もあり詳しい数字は掛けませんが、
上記の要件をクリアできるような割合を設定しています・・)を徴収して、
会社が支払った家賃と社員が会社に支払った家賃の差額について、
給与として所得税が課税されないようにしています。

他の借り上げ社宅制度を導入している会社はどう実務をしているのか気になるところです。

なお、社宅の源泉所得税の詳細な考え方については、下記の国税庁のHPにも掲載されて
いますので、気になる方はご参照ください。
役員に社宅を貸した場合についても解説されています。

国税庁HP タックスアンサー No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2597.htm

国税庁HP タックスアンサー No.2600 役員に社宅などを貸したとき
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2600.htm

<目次>
プロローグ
第1章 給与明細の謎
第2章 必要経費の謎
第3章 控除の謎
第4章 年末調整の謎
第5章 出向・解雇・倒産と税金の謎
第6章 退職金・年金と税金の謎
エピローグ


給与明細は謎だらけ (光文社新書)給与明細は謎だらけ (光文社新書)
(2009/04/17)
三木義一

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書籍:中国を知る

私が勤務している会社には中国現地法人がいくつかある為、
中国ビジネス法務の概要位は抑えておいたほうが良いよなということで、最近、
いくつか本を読んでみましたが、今回は、中国全般についての知見を広めるべく
『中国を知る』と言う本を読んでみました。

本書の序盤の方では、過去の改革開放政策や政治体制の推移に関する記載があり、
個人的にあまり興味が無い分野だからか斜め読みをしてしまいましたが、
中盤以降から出てくるビジネス関係の箇所には「なるほど」という記述もあり、
なかなか参考になりました。

本書の中で、中国人の組織と人に対する考え方について、上手くまとめられた
箇所がありましたので以下に書き留めておこうと思います。

^^^^(以下、本書抜粋)^^^^^^^^

(3)組織よりも人
公や制度が信じられないということは、ビジネスの場面でも人にかかるウェイトが自然に高くなります。
よく日本人駐在員は何かにつけ本社にお伺いを立てますが、中国人からみればこれは信頼できない
意思決定の仕組みです。単に時間がかかる、といった問題ではありません。
なぜなら、自分が意思決定をしたのでなければ、後で別の人によって決定が覆される可能性があるからです。
いくら現地の責任者が大丈夫といっても本社がそれを判断するというなら、メッセンジャーにすぎません。
本社とは一体誰なのか、誰が一体最後に意思決定出来るのか、中国人はそこが一番気になります。

(中略)

組織で動く日本では「担当者が誰でも組織の意思決定は不変」ですが、中国ではそれはありえませんし、
そうは考えません。「人が変われば組織も変わる」、それが当たり前の考え方です。
信頼できるのは組織ではなく人なのです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

私が所属している会社の中国現地法人でも、強力なリーダーシップを持った出向者の董事長や総経理が
日本の親会社に帰任したとたんに、市況の悪化だけでは説明出来ないほど業績が悪化したり、
現地スタッフの不満が本社にもぽつぽつ入ってくるようになることがあり、中国ではトップが
変わるだけでここまで組織も変わるんだなぁと感じることが多々あります。

なお、当社では海外現地法人のトップの権限を規程で定めておりますが、親会社決裁が必要な事項は
当然あるものの、割りと大きな権限を現地に委譲している方だと思います。
しかし、いくらトップに大きな権限を委譲したとしても、現地ローカルスタッフからの信頼を
得られなければ、思っていたほどの成果が出ない訳で、それだけトップの能力が物を言う社会なのでしょう。

なお、中国人は一般的に組織に対する帰属意識が薄いと言われている一方で、
自分と血縁関係のある家族に対する帰属意識は非常に強いようです。
日本の本社で勤務中に中国人の女性と結婚して、現在、中国の現地法人で仕事をしている
日本人の同僚は、毎週末、奥さんの親戚一同が会した席で晩御飯を食べなければならない、
と嘆いていました(笑)

今後も、中国や中国人のメンタリティに関する理解を深めて、中国人現地スタッフとの
コミュニケーション(私の場合は主にメールか電話だけですが・・)が上手くいくように、
また、当社の中国ビジネスに対して少しでも貢献出来るように、これからも色々な中国本を
読み進めていきたいと思います。

<目次>
1 改革開放政策の変容
2 中国社会の変化を読み解く
3 中国の政治体制を知る
4 中国経済の諸問題を考える
5 変わらない国の仕組み
6 中国ビジネスを考える
7 中国人の考え方を知る
8 和諧社会に向けて

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遊川 和郎

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