書籍:条文にない債権回収のはなし(2)

前回、『条文にない債権回収のはなし』という本を取り上げましたが、
もう一つ、書き留めておきたい回収テクニックがありましたので、
記事を書くことにしました。

^^^^(以下、抜粋)^^^^^^^^^
窃盗罪にならない商品引き上げ大研究

窃盗罪はどんな罪なのか、窃盗罪が処罰しようとしているのは、
一口でいうと、他人の「占有を奪う」行為である。
占有を奪うとは「相手の意思に反して占有を取得する」ことである。

(中略)

「商品を引き揚げます。いいですか?」という質問はすごく難しい質問だったのだ。
このように、倒産会社で承諾を得ようとこの質問を発すると、明確な拒否か、
拒否に傾いた返事にであう可能性が高い。
したがって、この質問をするのは賢明ではない。

反対されまい型-渡辺産業㈱につく。「松沢商事です。」といって、なかに入る。
当社の納入した商品の前で「これをいただいていきます」と
大きな声でいう。このさいの小さなノウ・ハウは、そこにたっている社員の
眼をみないことだ。

(中略)

こういうふうにやれば、後日警察が調査に乗り出しても、渡辺産業㈱側が
「黙認した」と認定せざるをえない。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

上記の通り、本書では、お堅い法律本には載っていない具体的な債権回収テクニックを
勉強することが出来ますので、本のコンセプトは非常に素晴らしいのですが、いかんせん、
出版されたのが6年も前の為、最近の判例や法改正にも対応しているのか、
常に不安を抱えながら読むことになります。

法律に精通した方であればその辺も取捨選択して読めると思いますが、
私のような「なんちゃって法務担当」の場合、今は有効ではない知識を身に付けてしまう
恐れがありますので、法律や会計の本はなるべく最近出たものを読む、また、
同じテーマの本を複数読むことで、そのリスクを最小化していきたいと思います。

条文にない債権回収のはなし条文にない債権回収のはなし
(2003/08)
古曳 正夫

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書籍:条文にない債権回収のはなし

最近、仕事で債権回収に携わる機会が増えており、
その手の書籍をぽつぽつ読むようになりました。

その中で出会ったのが表題の、古曳 正夫氏著『条文にない債権回収のはなし』です。
本書は一般的な法律書とは違い、弁護士の著者が読者の目線に立って、
会社の先輩がその場で教えてくれているように、非常に実務的な債権回収テクニックを
教えてくれます。

詐害行為取消権を使った回収テクニック等、本書にラインマーカーを引いた箇所は
たくさんありますが、その内、売掛金の譲渡について書かれた箇所を
書き留めておこうと思います。

^^^^^^^(以下、抜粋)^^^^^^^^^^^^^^^
1分間で書く債権譲渡通知書

仕事にかかる前に、胸にたたんでおこう。
法務マンの役目は、債権譲渡通知書を作成することではなく、
「1分間」で作成することである、ということを。
1分間だから、債権譲渡通知書を作成する前に債権譲渡契約書を
作成しようなどという真面目なことを、決して考えてはならない。
この仕事は、社長の気が変わらないうちにやっつけなければならないからだ。
また、モタモタしているうちに他の債権者がきて、おれにもおれにもの
混乱となり、結局だめになってしまった先輩の苦い経験があるからだ。

(中略-有効な債権譲渡通知書を1分間で作る最低限の記載方法の説明)

(通知書に署名・捺印して貰う相手方が)②社長印を任されていない人の場合は、
その人自身の肩書きを記載し、その人の署名を貰う。「経理部長 ○○」というふうに。
こんなときに、その人が売掛債権を譲渡する権限をもっているかどうか、
などと考えるのは無駄というものだ。
そんな権限を与えられている会社なんてあるわけがない。
すべての作業が終わった後に、無権代理の追認をしてもらうほかないのである。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

なお、取引先が倒産したという話を聞いてその取引先に直ぐに駆けつけ、
1分間で債権譲渡通知書を作成し、債務者に確定日付を付けて発送もしくは持参して、
売掛金債権の授受を最短で出来たとしても、譲渡の時期によっては詐害行為取消権や
否認権を行使されて、後々、その譲渡が無効になってしまう可能性があります。
その為、取引先が倒産する前に危ない兆候を掴んだ段階で、なるべく早めに
債権回収を確実化する為の何らかの動きを取りたいものです。

また、逆に、自社の仕入先が倒産し、その仕入先の当社に対する債権の譲渡を受けたとして、
二社以上の会社から確定日付のある譲渡通知を受領する場合もあります。
原則、譲受人となる優先順位は、確定日付の日にちは関係なく、あくまで
通知が債務者に到着した順番で決定されますが、そもそも、その債権譲渡が
無効とされる可能性がありますので、後々、二重払いをしなければならないリスクをなくす為に、
買掛金等の金銭債務は供託所に供託をする等の対応も必要になってきます。

有事の場合、一面的な知識を元に誤った判断をしないように、
もっと多面的な勉強を進めていきたいと思います。

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