書籍:小説で読む民事訴訟法

表題の本は、法律事務所でバイトする法学部の大学生(佐伯君)が、
色々な紛争と出会う内に、民事訴訟法のさまざまな概念を
身に付けていく、という小説です。

読者は、六法を持たずとも、この小説を読み進むに従って、
主人公の佐伯君と一緒に民事訴訟法の重要なテーマを勉強することが出来ます。

(私の想像では)若くてかわいい女性弁護士が登場して色々と丁寧に(佐伯君)に
教えてくれる所が、『女子大生会計士の事件簿』のコンセプトとと同じで男心をくすぐるのか、
法律書で読むと直ぐに眠気が襲ってくるだろう内容でも、最後まで一気に読ませてくれます。
難しい専門書に入る前の入門書としてオススメ一冊です。

なお、以前、会社の上司から「民事訴訟は激しい弁護士のやりとりはなく、ほとんど書類の
やり取りだけで終わるよ。」と聞いて「そんな感じなんだぁ。」と思いましたが、
本書にもそのような話が出てきましたので、以下に書き留めておこうと思います。

^^^(以下、抜粋)^^^^^^^

口論主義
陳述とは、代理人(又は本人)がなす訴訟行為の一つである。請求を基礎づける
主張などを裁判所で提出する行為だ。
原告が裁判を起こす場合、訴訟を裁判所に提出する必要がある。
「仁美先生。陳述しますって一言で済ますんですね。」
法廷の帰り道。裁判所の外に青空が広がっている。
「そうよ。陳述しますっていえば、訴状に書いてあることを全部法廷で
私がしゃべったと同じ効果が生じるの」
「民事訴訟は口頭主義が原則だって教科書に書いてありましたけど、
陳述って随分あっさりですね。」
「そうね。口頭弁論は、文字通り口頭主義が原則。本来の建前ではあるんだけど・・・」
口頭弁論とは、裁判官の前で当事者双方が関与した状態で、口頭で
弁論や証拠調べをする審理方式のことをいう。また、期日における訴訟行為の意味で
用いられることもある。
「実際は書面で済ましているのが実情ね。」
「もっと、ガンガン代理人がやり合うのかと思いましたよ。」

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

小説で読む民事訴訟法―基礎からわかる民事訴訟法の手引き小説で読む民事訴訟法―基礎からわかる民事訴訟法の手引き
(2008/03)
木山 泰嗣

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書籍:条文にない債権回収のはなし(2)

前回、『条文にない債権回収のはなし』という本を取り上げましたが、
もう一つ、書き留めておきたい回収テクニックがありましたので、
記事を書くことにしました。

^^^^(以下、抜粋)^^^^^^^^^
窃盗罪にならない商品引き上げ大研究

窃盗罪はどんな罪なのか、窃盗罪が処罰しようとしているのは、
一口でいうと、他人の「占有を奪う」行為である。
占有を奪うとは「相手の意思に反して占有を取得する」ことである。

(中略)

「商品を引き揚げます。いいですか?」という質問はすごく難しい質問だったのだ。
このように、倒産会社で承諾を得ようとこの質問を発すると、明確な拒否か、
拒否に傾いた返事にであう可能性が高い。
したがって、この質問をするのは賢明ではない。

反対されまい型-渡辺産業㈱につく。「松沢商事です。」といって、なかに入る。
当社の納入した商品の前で「これをいただいていきます」と
大きな声でいう。このさいの小さなノウ・ハウは、そこにたっている社員の
眼をみないことだ。

(中略)

こういうふうにやれば、後日警察が調査に乗り出しても、渡辺産業㈱側が
「黙認した」と認定せざるをえない。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

上記の通り、本書では、お堅い法律本には載っていない具体的な債権回収テクニックを
勉強することが出来ますので、本のコンセプトは非常に素晴らしいのですが、いかんせん、
出版されたのが6年も前の為、最近の判例や法改正にも対応しているのか、
常に不安を抱えながら読むことになります。

法律に精通した方であればその辺も取捨選択して読めると思いますが、
私のような「なんちゃって法務担当」の場合、今は有効ではない知識を身に付けてしまう
恐れがありますので、法律や会計の本はなるべく最近出たものを読む、また、
同じテーマの本を複数読むことで、そのリスクを最小化していきたいと思います。

条文にない債権回収のはなし条文にない債権回収のはなし
(2003/08)
古曳 正夫

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テーマ : ビジネス
ジャンル : ビジネス

書籍:条文にない債権回収のはなし

最近、仕事で債権回収に携わる機会が増えており、
その手の書籍をぽつぽつ読むようになりました。

その中で出会ったのが表題の、古曳 正夫氏著『条文にない債権回収のはなし』です。
本書は一般的な法律書とは違い、弁護士の著者が読者の目線に立って、
会社の先輩がその場で教えてくれているように、非常に実務的な債権回収テクニックを
教えてくれます。

詐害行為取消権を使った回収テクニック等、本書にラインマーカーを引いた箇所は
たくさんありますが、その内、売掛金の譲渡について書かれた箇所を
書き留めておこうと思います。

^^^^^^^(以下、抜粋)^^^^^^^^^^^^^^^
1分間で書く債権譲渡通知書

仕事にかかる前に、胸にたたんでおこう。
法務マンの役目は、債権譲渡通知書を作成することではなく、
「1分間」で作成することである、ということを。
1分間だから、債権譲渡通知書を作成する前に債権譲渡契約書を
作成しようなどという真面目なことを、決して考えてはならない。
この仕事は、社長の気が変わらないうちにやっつけなければならないからだ。
また、モタモタしているうちに他の債権者がきて、おれにもおれにもの
混乱となり、結局だめになってしまった先輩の苦い経験があるからだ。

(中略-有効な債権譲渡通知書を1分間で作る最低限の記載方法の説明)

(通知書に署名・捺印して貰う相手方が)②社長印を任されていない人の場合は、
その人自身の肩書きを記載し、その人の署名を貰う。「経理部長 ○○」というふうに。
こんなときに、その人が売掛債権を譲渡する権限をもっているかどうか、
などと考えるのは無駄というものだ。
そんな権限を与えられている会社なんてあるわけがない。
すべての作業が終わった後に、無権代理の追認をしてもらうほかないのである。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

なお、取引先が倒産したという話を聞いてその取引先に直ぐに駆けつけ、
1分間で債権譲渡通知書を作成し、債務者に確定日付を付けて発送もしくは持参して、
売掛金債権の授受を最短で出来たとしても、譲渡の時期によっては詐害行為取消権や
否認権を行使されて、後々、その譲渡が無効になってしまう可能性があります。
その為、取引先が倒産する前に危ない兆候を掴んだ段階で、なるべく早めに
債権回収を確実化する為の何らかの動きを取りたいものです。

また、逆に、自社の仕入先が倒産し、その仕入先の当社に対する債権の譲渡を受けたとして、
二社以上の会社から確定日付のある譲渡通知を受領する場合もあります。
原則、譲受人となる優先順位は、確定日付の日にちは関係なく、あくまで
通知が債務者に到着した順番で決定されますが、そもそも、その債権譲渡が
無効とされる可能性がありますので、後々、二重払いをしなければならないリスクをなくす為に、
買掛金等の金銭債務は供託所に供託をする等の対応も必要になってきます。

有事の場合、一面的な知識を元に誤った判断をしないように、
もっと多面的な勉強を進めていきたいと思います。

条文にない債権回収のはなし条文にない債権回収のはなし
(2003/08)
古曳 正夫

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テーマ : ビジネス
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書籍:バフェットの株主総会

先日、本屋の投資関係コーナーをふらっと見ていたところ、表題の本を見つけました。
ジェフ・マシューズ著『バフェットの株主総会』には、世界一の投資家で大富豪の
ウォーレン・バフェットが経営する投資会社「バークシャー・ハサウェイ社」の、
2007年と2008年に行われた株主総会に関する模様が、出席した著者の視点で書かれています。

「バークシャー・ハサウェイ社」の株主総会に出席する数万人の株主の主な目的は、
一般的な会社の株主総会に対するそれと違い、議決権の行使でも、お土産のクオカードを
貰うことでもなく、ましてや「バークシャー・ハサウェイ社」の事業内容・近況を聞くことでもなく、
バフェットとの質疑応答セッションに参加することです。

この質疑応答セッションには司会は存在せず、バフェットと副会長のチャーリー・マンガーだけが
壇上の椅子に座り、1日掛けて約50人近い株主の多岐にわたる質問(サブプライムローン問題から
10歳の少女の素朴な疑問等)に対して、事前の準備無く臨機応変に回答していきます。

この質疑応答のやりとりを読むだけでも非常に面白いのですが、
著者はバフェット賛美に終始することなく、客観的な立場で本書を書いており、
普段はなかなか知ることの出来ない「バークシャー・ハサウェイ社」の問題点(バフェット亡き後の
後継者問題、必ずしも成功しているとは限らない多数の子会社達、重役の逮捕等)にも
触れているバランス感覚の良い本ですので、1,800円を投じてでも買う価値はあると思います。

なお、本書に、バフェットの投資基本原則の一つ(投資は得意な分野にしか手を出さない)を
言い表した、個人的に心に留まった文章がありましたので、書き留めておこうと思います。

^^^(以下、抜粋)^^^^^^^^^^^^^^^^
バフェットはみずからの"能力の範囲"には、テクノロジー投資は入っていないと言って
はばからないし、"能力の範囲外"に投資するようなリスクは冒さない。
例えば、約10年前のバークシャーの年次総会では、次のように語った。

 来年1年、すべての時間をテクノロジーの勉強に費やしても、私はその分野における、
 100番めや1000番め、いや1万番めに優秀なアナリストにもなれないでしょう。

国内でトップクラスになれないなら、意味はない。それがバフェットの考えだ。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ちなみに、私には国内トップクラス級に他者に秀でて理解の深い特定の業界や分野は
残念ながらありませんが、少しでも理解のある業界・分野に投資する、若しくは
投資するのであれば、それに値するだけの勉強をして理解を深めてから行う、
ということを頭に入れて投資先を選定していきたいと思います。

バフェットの株主総会バフェットの株主総会
(2009/01/23)
ジェフ・マシューズJeff Matthews

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