中国法人同士の仲裁合意では、中国外の国の仲裁機関は選択不可

今般は、「中国ビジネス法体系 第2版(藤本 豪氏著作)」を読んでみました。

上記書籍を読んで心に留まったことが多々ありましたので、計2回に分けて本ブログに書きとめておこうと思います。
今回は、中国法人間の契約における仲裁合意について書いてみます。

早速ですが、上記書籍のP611を以下に抜粋させて頂きます。

1.中国法人同士の契約の仲裁合意では、海外の仲裁機関は選択出来無い


(c)国内契約に関する国外の仲裁
  中国国内の契約(両当事者とも中国法人である場合)について中国以外の国・地域(香港を含む)における
  仲裁機関での仲裁を選択できるかについては、法律上不明確である。

  この点、中国の裁判所は現在のところ、そのような仲裁の裁決を中国国内で執行することはできないと
  解しているようである122。

  中国国内の契約については、執行可能な相手方の財産が中国国外にある等といった特殊な場合を除き、
  中国以外の国・地域(香港を含む)の仲裁機関を選択しないようにするのが無難である。

(脚注122)
再考人民法院民事審判第四庭「渉外商事海事審判実務問題解答(一)」第83項参照



上記の通り、中国本土内の当事者同士の契約では、中国以外の国・地域における仲裁機関を利用した仲裁合意をした場合、執行不能という問題が発生しますので注意が必要です。



2.中国法人同士の契約の準拠法では、中国法が強制適用される

本書には記載はありませんでしたが、準拠法についても、中国本土内の当事者同士の契約では、準拠法は中国法が強制されるため、例えば、日本法を選択しても無効となります。

なお、中国契約法 第126条により、渉外契約であれば、準拠法を自由に選択出来ます。ただし、外資系企業であっても中国法人間の契約であれば「渉外契約」とはいえず、以下の「民事訴訟法の適用に関する若干問題についての意見」第304条に記載の「渉外契約」に該当しなければ、中国法人間の契約となります。

  [渉外契約の定義]
  (a)当事者の一方又は双方が外国人、無国籍人、外国企業もしくは組織
  (b)当事者間の民事法律関係の設立、変更、終了の法的事実が外国で発生
  (c)訴訟目的物が外国にある民事案件を渉外民事案件とする。



3.以前、遭遇したケース(1)

以前、当社の中国現地法人が、日系の取引先から提示された基本契約書に、「準拠法」は「日本法」、「仲裁合意条項」には仲裁機関を「日本商事仲裁機関」と定めているケースがありました。

中国法人同士の契約で上記内容はいかがなものかということで、変更依頼をしたものの、先方のグループ統一フォーマットで、日本の親会社が変更を認めないとか何とか言って変更してくれませんでした。

上記は、当方が売主の基本契約書で、売主である当社の権利で定められているのは代金の受領債権くらいなもので、品質保証責任等、当社の義務の方が多数定められている中、仲裁判決で当方が敗訴しても執行不能になるからよいかと、最終的には原文通りで締結した記憶があります。



4.以前、遭遇したケース(2)

そういえば、少し話は変わりますが、日本法人の取引先と当社の中国現地法人間の秘密保持契約書で、先方から提示されたフォーマットに、「紛争の解決方法」が「日本での裁判」と定められているケースがありました。

上記ケースでは、当方は秘密情報を受領するだけで、当方から先方に秘密情報を開示することは想定されていなかったので、契約違反するとしたら当方しか無い中、仮に当方の中国現地法人が上記契約に違反して裁判を提起されて敗訴した場合でも、日本の裁判所の判決に基づいて中国では執行されることは無いから、上記日本法人の取引先は泣き寝入りをするしかない、ということで、あえて仲裁条項への変更は提案せずに締結したこともありましたね ( ´,_ゝ`)

実際、上記ケースで訴訟に発展した場合、どうなっていたんでしょうね~。
執行出来るものならしてみろとか言っちゃってたんでしょうかね ( ´,_ゝ`)

ただ、上記訴訟が、日本法人の取引先が当社の中国現地法人に対して賠償請求するような係争案件だった場合、上記日本での判決に基づいて日本での執行は可能なので、当社の中国法人が親会社である当社に対して売掛債権を有していた場合、当該売掛債権が差押されることはありえますね (,,゚д゚)



5.結論
いずれにしても、地理的有利さだけで安易に準拠法、紛争の解決方法を選択することなく、執行可能性、準拠法に関する強行法規を念頭にして契約審査・ドラフトしたいものですね。





[中国契約法 第126条]
渉外契約の当事者は契約紛争に適用する法律を選択することができる。但し、法律に別段の定めがあるときはこの限りではない。渉外契約の当事者が選択しないときは、契約と最も密接な関係のある国の法律を適用する。中華人民共和国で履行する中外合弁経営企業契約、中外合作経営企業契約、中外合作自然資源調査開発契約には中華人民共和国の法律を適用する。




「民事訴訟法の適用に関する若干問題についての意見」
(最高人民法院審判委員会1992 年7 月14 日制定,同日公布,同日施行)

第18 渉外民事訴訟手続の特別規定
第304条 当事者の一方又は双方が外国人、無国籍人、外国企業もしくは組織、あるいは当事者間の民事法律関係の設立、変更、終了の法的事実が外国で発生、あるいは訴訟目的物が外国にある民事案件を渉外民事案件とする。



[その他、本書で参考になった内容等]
・中国では、債権が二重に譲渡された場合、債権譲渡契約の締結時期が早かった
 譲受人が優先される。日本のように対抗力を備えた通知という概念は無い。

・無断録音は、他人のプライバシーや商業秘密、国家機密を侵害しない場合には
 証拠として使用可能と一般的に解されている。
          ↓
 契約交渉をICレコーダーで録音した場合は、証拠に使えそう。

・中国の訴訟は、日本の訴訟と比較して、口頭主義の要素が強い。

・中国の民事訴訟法(第125条2項)上、答弁書の提出は義務ではない。

[以下、中国の民事訴訟法 第125条2項]
2.被告が答弁書を提出しない場合にも、人民法院の審理に影響を及ぼすことはない。



・中国では、リバースエンジニアリングによって得た情報は基本的には
 自由に使用することができる。不正競争防止法における「商業秘密」の
 侵害に該当しないとされている。
 (「不正競争民事案件の審理の法適用についての若干問題に関する解釈」第12条)

・請求権競合
 中国法上も債務不履行責任と不法行為責任の並存(請求権競合)が
 認められているが、訴訟を提起する時点で、いずれかを選択する必要がある。
 民事訴訟の訴えでは、客観的選択的併合は認められていない。

・違約金の金額が実際の損害額の130%より高い場合、違約金の金額が
 実際の損害よりも著しく高いとして無効となる。
 (「契約法の適用の若干問題に関する解釈(二)」第29条2項)

  [個人的メモ]
  個人的な経験上、上記解釈に該当して違約金の定めが無効とされたケースも
  ありますが、130%を超えていても不当とは認定されず、契約書通りの
  遅延損害金の利率が認定されたケースもありましたので、
  ケースバイケースなんでしょうね。

  以前、130%を超えた損害賠償金の利率を裁判で認定されて、また、
  弁護士費用+請求金額を大きく超える実勢価格のある抵当権を当方が
  設定していた中、強制執行・抵当権の実行をさせないように、
  時間稼ぎ作戦をしてきた取引先がいました。

  相手方が時間稼ぎをすればするほど、遅延損害金がどんどん膨らんでいく状態で、
  銀行金利が雀の涙である中、ある意味良い金融商品を手にして
  ウハウハな状態だったことがあります(゚∀゚)
  遅延損害金のことが頭になかったのでしょうか。以上、蛇足でした。



・増値税専用発票は税務局から貸与されたシステムを用いて発行される。
 発行内容は全て税務局によってオンラインで捕捉、把握されている。


  [個人的メモ]
  中国のサプライヤーの中には、モノを出荷後、増値税専用発票を発行すると
  売上を計上しなければならず、支払うべき税金が増加するので、なかなか
  増値税専用発票を発行してくれないサプライヤーもいます。

  「自社が発行した増値税専用発票の額」から「現実に受領した増値税専用発票」の
  差額を納税する必要があるので、サプライヤーから増値税専用発票を貰えないと
  増値税の負担額が増加するので、注意が必要ですね。



・不動産に抵当権を設定する場合、建物とその敷地の土地使用権の両方に抵当権を
 設定する必要があり、片方のみ設定した場合は両方に設定したものとみなされる。
 (「物件法」第182条)

・中国でも売掛金について質権を設定することは出来るが、日本法と異なり、債権者による
 直接取りたてが認められていない為、担保としての実効性は不十分。(流質契約の禁止)

・中国では「事情変更の原則」が明文により認められている。
 (最高人民訪院の司法解釈)

・中国では粗悪な模倣品が出回っていることもあり、中国内でPLのクレームを受けた場合は、
 本当に自社が納入した製品かどうか、事実確認をした方が良い。

change china hou taikei

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込
(オードリー 若林 正恭さん著作)

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量産後、金型を預けっぱなしにすることは下請法違法

1.金型の預けっぱなしは下請法違法

下請法上、量産終了後に、下請事業者に金型を無償で保管委託(要は預けっぱなし)にした場合、「不当な経済上の利益の提供要請」に該当して違法となります。

妥当な保管料を支払えば良いようですが、妥当な保管料をどう算定するのか、と言う問題が残ります。

また、「量産終了後」と「サービスパーツの取引開始」の解釈・境目をどう考えるのかが、これまた難しいところですね。



2.金型の取引類型

商社である当社は、下請事業者(X社)に金型の製造を委託するも、当該金型は他の製造業者(Y社)に預けて、量産品については金型の製造委託先ではないY社に委託する、というパターンもあります。

しかし、多くの場合、顧客向け量産製品の製造を下請事業者に再委託する上で必要となる金型を、当該下請事業者に製造委託し、製造された後の金型は下請事業者に貸与してそのまま製造に使用させる、というパターンがほとんどです。

さらに、上記パターンは、下記の2つのパターンに分類されます。

(1)顧客から金型の製造委託を受け、当該金型を下請事業者に再委託するパターン

  [例:商流(金型に関する注文書の流れ)]
   顧客(A社) → 当社(商社) → 下請事業者(B社)

  ①A社の当社に対する発注単価:120万円/1金型
  ②当社のB社に対する発注単価:100万円/1金型

  [例:商流(金型を使って製造された量産品に関する注文書の流れ)]
   顧客(A社) → 当社(商社) → 下請事業者(B社)

  ①A社の当社に対する発注単価:1,100円/個
  ②当社のB社に対する発注単価:1,000円/個

(2)顧客としては、金型の資産管理をしたく無いが、金型の製造費用は負担する、
  ということで、当社は顧客から金型の製造委託を受けず、以下の通り、金型を使って製造された
  製品の取引単価に、金型代金相当額を上乗せして顧客に販売するパターン


  [商流(金型に関する注文書の流れ)]
  当社(商社) → 下請事業者(B社)

  当社のB社に対する発注単価:100万円/1金型

  [商流(金型を使って製造された量産品に関する注文書の流れ)]
   顧客(A社) → 当社(商社) → 下請事業者(B社)

  ※想定量産取引総数:10,000個
   (金型代)100万円/10,000個=100円/個
   A社に対する量産品の「取引単価/個」に100円を上乗せして販売

  ①A社の当社に対する発注単価:
    1,100円(本来の販売単価)+100円(金型分)=1,200円/個
  ②当社のB社に対する発注単価:1,000円/個



3.留意点

上記ケースでいうと、顧客(A)と下請事業者(B社)が直接、金型の貸し借りをしてくれれば、間に挟まれている商社である当社として管理責任も負わなくて一番良いのですが、通常、上記ケースの場合、当社が顧客(A社)から金型の貸与を受けて、下請事業者(B社)に転貸するケースがほとんどです。

なお、上記2.(1)のケースでも、量産が終了した後、顧客(A社)に金型の回収・廃棄を申請しても、「将来、製品を発注するかもしれないから、まだ廃棄出来ない」と言って、引き取ってくれないケースも多々あります。

また、上記2.(2)のケースの場合はなおさら、顧客は、金型を自社の資産として認識していない為、量産が終了したとしても、「金型を回収・廃棄する立場にない」、とか何とか言って回収してくれないケースもあります。

そこで、上記2.(2)のケースの場合は特に、量産が開始する前に、下請事業者から金型を回収して廃棄する費用を見積もり、当該費用相当額を製品の販売単価に上乗せして顧客から回収するなり、量産終了後の回収・廃棄費用負担について事前に合意しておかないと、やむを得ず、上記費用を自社の単独負担で処理せざるを得ない事態となり得るので、留意が必要ですね。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法 単行本(田村耕太郎氏著作)

[本書で心に留まった内容等]
本書P68抜粋
「アホと戦って、たとえ表面的にでも論破し、恥をかかせすっきりしたとしても、それがかえって相手に強烈な反撃に出る動機を与え、返り討ちにあることもある。その結果、気分的にすっきりすることよりもはるかに大事な自分の目的が達成できないという事態に陥る。」

喧嘩して友情が深まるのはドラマや漫画の世界だけ

自分でコントロールできるものに力とエネルギーを集中すべき

他人の気持ちはコントロール出来ない

人生はそもそも理不尽なもの

「腐る」というのは人生の最大の無駄

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「当社 → 当社顧客の外注先 → 当社顧客」の場合で、当社顧客から保証責任を求められました orz

セットメーカーは、自社工場で生産を完結せず、一部の生産工程を外部に委託(外注)するケースがあります。

当社のような、セットメーカー等に対して部材を販売しているサプライヤーは、当社と従来から取引関係のある大手セットメーカーから、以下のように、当該セットメーカーの外注先に対して部材を供給・販売するよう要請されることが多々あります。

  [商流(モノの流れ)]
  当社 → セットメーカーの外注先 → セットメーカー

以前、セットメーカー(A社)から、上記取引が開始する前、当社の営業担当と私がA社を訪問したところ、A社担当から以下のような要請がありました。


A社の外注先は、某国の超大手EMSメーカーであり、代替先は無く、比較的強い立場にあり、なかなか扱い難い。

A社が当該外注先から購入する製品に不具合があった際、当該外注先に補償(修理・代替品の納入等)を
請求するものの、(私の所属する)当社が当該外注先に供給・販売した部材の不具合等を理由にして、
なかなか補償請求に応じないケースが想定される。

その為、当社が、A社に対して直接、部材の保証責任を負担するとの覚書を締結して欲しい。

もし、外注先が、当社が納入した部材の不具合を理由として、A社が外注先から購入した製品の不具合について、
A社の補償要求に応じない事態が発生した場合、当社がA社に補償を行うことについて、書面で合意して欲しい。



なお、A社によると、当社のような、A社の外注先に部材を供給・販売する立場のサプライヤーは多数あり、当社以外はみんな、上記覚書にサインをしているので、当社もサインするようにとのことでした。あるあるな話ですね。

当社としては、直接の販売先ではないA社には保証責任は負いたくないので、締結出来ないスタンスであるものの、強気に突っぱねてA社の機嫌を損ねないよう、当社の仕入先も交えた三者間であれば締結可能なので、別途、相談させて欲しいと伝えた上で、ペンディングに持ち込む予定です。上記話が出たのは半年程前の話ですが、今の所、催促はありません。

A社が大手セットメーカーだった為、覚書の締結圧力に屈してしまったサプライヤーが多数いたのか、または、当社に覚書を締結させるためのブラフだったのか分かりませんが、いずれにしても、自社が供給した部材がその後、外注先でどのように保管・加工・輸送等されて、最終的にセットメーカーに納入されるのか自社では把握・管理出来無い中、安易に直接の販売先ではないセットメーカーに対して品質を保証した結果、契約責任に基づいて、セットメーカーから検証が難しい不具合の責任を取らされる可能性もありますので、上記要請を受けた場合は注意したいものですね。

以上、交渉してから半年以上も経った為、私がA社の担当者に特定されて当社が怒られることも無いと思い、備忘の為に、ブログに書き留めておきました。



P.S.
最近、週末はキャンプやら、娘が通う小学校の本部役員の活動で何かと忙しく、なかなか更新する時間・気力が無いのですが、ぼちぼち、更新を続けて行きたいと思います・・。と、更新していない言い訳を書いてみる・・。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・金利「超」入門 あなたの毎日の生活を守るために知っておくべきこと
 (美和 卓氏著作)

[本書で参考となった内容]
インフレ率が高まり日銀が金利を上げても、保有している長期国債の利率は満期が来るまで変わらない。
その為、日銀が大量の国債と当座預金を抱えるということは、
国債から受け取る金利と当座預金に支払う金利に差が生まれた際、
膨大な額の赤字を出すことになる。
その為、マイナス金利政策は容易に止め難い状況となっている。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・為替がわかればビジネスが変わる(尾河眞樹氏著作)

[本書で参考となった内容]
・為替レートには、世界中の出来事、世界中の市場参加者の期待が織り込まれている。
 その為、一部の材料(例えば日銀の金融政策)だけで為替を語る・判断するのはナンセンス

・ストラテジストの予想を読む時は、「いくらと予想しているのか」よりも、
 「何故そう考えるのか」という理由に着目すべし

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・図解入門ビジネス最新為替の基本とカラクリがよ~くわかる本
 (脇田 栄一氏著作)

[本書で参考となった内容]
日本が金利を下げなくても、他国が金利を下げれば金利差が縮小するケースがある。

米国の雇用統計上、就業を諦めた人(求職意思喪失者)が増加することでも失業率は低下する。
失業率の低下には「良い失業率の低下」と「悪い失業率の低下」がある。 

米国統計の良化 → 米国債利回り上昇(国債下落) → 米国政策金利の上昇見通し → ドル高
米国統計の悪化 → 米国債利回り下落(国債上昇) → 米国政策金利の下落(量的緩和拡大)の見通し → ドル安

経済統計の良化 → 債券市場から株式市場へリスク資金がシフト → 国債利回り上昇(国債下落) 

日米の金利差縮小 → 経常黒字国の日本の通貨が買われる

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・やっぱり会計士は見た! 本当に優良な会社を見抜く方法
 (前川 修満氏著作)
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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話
 (さんきゅう倉田氏著作)

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「GDPRに関する覚書」締結依頼を受けた場合は要注意

1.GDPRにどこまで厳格に対応すれば良いのか・・

とうとう2018年5月25日にGDPRが施行されましたね。
当社のGDPRの対応状況については秘密ですが、一応、最低限のところは抑えたと思います。ただ、厳密にどこまで対応すれば欧州委員会から及第点が貰えるのか不明なので、他社の動向を見ながら遵守レベルをUPしていきたいと思います・・。

しかし、GDPRは、制裁金の額が非常に高額であることから注目度が高い中、EUに限らず、世界各国には個人情報保護法があり、また、個人情報保護とはちょっと異なりますが、中国には、施行後も対応すべき内容が良く分からない「サイバーセキュリティ法」もある中、GDPRだけにフォーカスしていて大丈夫か、というのはありますね。とはいえ、全ての国の個人情報保護関連法令を調査してクリアすることは難しいので、これまた、どこまで対応すれば良いのか、他社の動向を見ながら、見定めたいと思います。

2.「GDPRに関する覚書」の締結依頼を受けた場合は注意が必要

以前、「暴力団排除条例」が施行されてから、「反社会的勢力の排除に関する覚書」の取り交し依頼がブームになっていましたが(当社は終始、受身姿勢)、今回のGDPRの施行に伴い、今後、欧州経済領域(EAA)域内の取引先から、GDPRを念頭に置いた個人データの処理・移転に関する覚書の締結依頼を受けることがブーム化しそうですね。

なお、EAA域内の取引先は、個人データの「受領者」、「輸入者」となる当社グループ会社の情報管理不足に対して、欧州委員会からデータ管理者としての責任を問われ、多額の制裁金(全世界年間売上高の4%等)を課される場合があることを念頭に、「GDPRに関する覚書」では、違約条項に上記制裁金を念頭に置いた内容を定めてくるんでしょうね。

「反社会的勢力の排除に関する覚書」の場合は、よっぽど変な内容でなければ、バンバン取り交していましたが、「GDPRに関する覚書」の場合は契約違反時の多額の補償リスクが怖いのと、GDPR以上の厳しい管理義務を覚書にさらっと盛り込んでくるかもしれないので、安易に応じることなく、自社で対応可能な内容であることを確認してから締結するようにしたいですね。

<関連記事>
反社会的勢力の排除に関する覚書について
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-267.html



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・裁判官! 当職そこが知りたかったのです。 -民事訴訟がはかどる本(岡口 基一氏、中村 真氏著作)

[本書で心に留まった岡口裁判官の考え方]
(1)裁判官は忙しいので、訴状を読んでとりあえずの心証を取る。

(2)訴状はファーストインプレッション。

(3)時間の無い裁判官にいかに見てもらうかが大事。

(4)当事者の陳述書には全く証拠価値は無い。準備書面と同じ。

(5)裁判官の質問に対して異議を出しても良いが、訴訟指揮に対する異議となり
  却下されるだけ。

(6)裁判官が判決書を作成する際、反対証拠をつぶすのが大変なので、
  最終準備書面で相手の反対証拠のつぶし方を全部書いてくれると、
  そちらを勝たせたくなってしまう(笑)

(7)当方側が損害賠償請求を受けている場合で、和解交渉の際、当方側が考える勝訴見込み、
  敗訴の可能性、この金額だったら和解しても良いという金額等について正直ベースで裁判官に提示した場合で、
  結局、和解に至らずに判決となった場合でも、裁判官は、判決書に金額の根拠を記載しないといけないので、
  裁判官が無意識の内に考慮する場合はあるかもしれないものの、基本的には、和解時の当方側のスタンスに
  基づいて損害賠償金額を判断し、判決書を作成することは無い。

(8)裁判官は世間知らずだと批判するのではなく、事件処理に必要な知識を裁判官が
  分かり易い様に説明してあげる、というように、裁判官を育てていく気持ちがあるとありがたい。

(9)分割弁済で裁判上の和解をした時には、支払わせる習慣をつけさせるのが大事。
  1回目を支払うと次回も払う可能性が高くなる。

(10)分割弁済に合意しない債権者側の当事者には、

   ・裁判上で和解した内容に相手が違反した場合、請求金額の全額の債務名義が取れること
   ・控訴、上告を経て判決が確定するよりはも早く債務名義が取れること。

  を説明して債権者に和解した方が徳であることを納得させる。

  [メモ]
  社内で係争案件について打ち合わせしている際、裁判にまで発展した喧嘩相手と和解することについて
  意固地になって反対し、勝訴するまで徹底的に戦うんだという強気な姿勢を崩さない(偉い)方が必ず出てきます。

  この場合は、裁判上の和解であれば、確定判決と同一の効力があること、相手が和解違反をした場合は、
  和解調書の内容を工夫すれば、和解違反に基づいて強制執行可能な債権金額は、(減免した)「和解金額」に限らず、
  裁判時の請求金額全額について強制執行可能、という説明をして説得する場合もあります。

  ただ、人間同士の喧嘩と同じで、なかなか理解は得にくいですが・・・。
  私に、ユニリーバ 代表取締役 北島さんのような発言権があればまた役員達の納得感も違うのでしょうが・・。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・これだけは押さえておこう 国際税務のよくあるケース50(佐和周氏著作)

[本書で参考となった内容]
(1)海外から資金を還流させる方法として「配当」と「利息」があり、
  通常は配当の方が有利であるもののケースバイケース。

(2)国により、株式買収により株主が変更となる場合、買収対象会社の繰越欠損金が
  失効する場合がある。また、租税回避目的で欠損会社を買収する場合、国により、税法上、繰越欠損金の使用が
  制限されたり、 繰越可能期間に制限を設けられる場合がある為、要確認。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
入門外国為替のしくみ (BEST INTRODUCTION TO ECONOMY)
(小口 幸伸氏著作)

 [メモ]
 本書は、タイトルに「入門」と記載されているものの、私のような為替関連業務の門外漢としては一部、
 理解出来ないところがあったので、もう少しレベルダウンした他書を読んでから、再度、本書に戻ってこようと思います。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
新・株主総会物語 8つのストーリーで学ぶ総会実務
(田路 至弘氏、鈴木 正人氏、伊藤 広樹氏、岩田合同法律事務所山根室著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
折れない新人の育て方 (自分で動ける人材をつくる)
(船戸 孝重氏、徳山 求大氏、リクルートコミュニケーションエンジニアリング著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
「ない仕事」の作り方(みうら じゅん氏著作)

[本書で心に留まった内容]
最終的に面白いことが作れるのであれば、全て自分でやる必要はない

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法務部門の「売り」とは何か?

1.契約審査部門の役割、売りとは何か?

最近、積読していた「Business Law Journal 2018年5月号」をようやく読み終わりました。

早速ですが、本誌で個人的に心に留まった箇所を以下の通り、抜粋しておきたいと思います。

下記は、


法務部門における品質確保・向上の方法論 第6回

[座談会]
安定した品質のアウトプットを出し続けるための方策(上)」

Syn.ホールディングス株式会社 コーポレート本部長 兼 法務室長 雨宮 修氏
シティ法律事務所 弁護士 古谷 誠氏 著作


の一部抜粋です。


法務審査の対象とする契約の範囲をどのように設定するかについては、各社とも試行錯誤しつつ方針を決定していた。契約類型や金額により区別することは多くの会社で行われていると思うが、それを事業部門側に理解して貰うには、基準自体の分かり易さにくわえて、社内イントラネットで判断できる仕組みを設けるなど、ユーザーインターフェースの充実も必要である。

また、座談会では、レビューする対象を限定することについて事業部門やマネジメント層から疑問の声が上がったというコメントもあり、そもそも法務部門が何を自分達の「売り」としているのか、サービス提供部門として常に自問し、定義することが重要であると痛感した。

各法務部門においては、会社のステージによって法務部門に求められる役割が異なることを意識したうえで、提供するサービスの範囲を定義することが求められるといえる。



上記抜粋中の

「法務部門が何を自分達の「売り」としているのか、サービス提供部門として常に自問し、定義することが重要」

というのはその通りですね。



2.法務部門に対する契約書の確認依頼時の申請フォーム制定

当社では、これまで、営業部門から契約書の審査依頼を受ける際、営業部門になるべく手間・負荷を掛けず、また、お役所的になって法務部門に対する敷居が高くならないように、ということで、特に依頼フォームを設けず、メールか電話一本で契約書の確認依頼に応じるようにしていました。

ただ、従来の方法ですと、法務部門(私)の教育・啓蒙活動不足もあり、「営業の方でチェックしてみた結果、○○の箇所が要修正かと思いますが、どうでしょうか?」という感じで法務部門に確認依頼してくれる、意識の高い少数の営業担当は別として、一般的な営業担当は、取引先から提示された契約書を「確認お願いします」という数行の冷たいメッセージと共に法務部門に転送して確認依頼するだけ(言い方は悪いですが「伝書鳩」のような対応)で、事前の契約チェックはしてくれません。

その結果、営業部門の審査能力・取引先との面前での契約交渉能力がなかなかUPしないという副作用が発生していました。

また、営業部門が契約書を事前に確認してくれない場合、契約書を見ただけでは分からない、営業担当しか把握していない、目の前の取引固有のリスクについて、法務部門のチェックだけでは検討漏れが発生するリスクを抱えていました。

さらに、営業部門から契約確認の依頼を受ける都度、法務部門が、取引商品、取引商流、取引規模、取引に至る経緯等、契約審査を行う上で必要な項目を営業担当に(いちいち)確認しに行く手間が生じ、業務が非効率となっておりました。

そこで、


 (1)営業担当者の契約審査スキル向上(→当社の契約交渉力UP)
 (2)取引固有のリスクを考慮した契約審査の実施(審査の質の向上)



を目的として、先般より、営業部門が法務部門に契約審査を依頼する場合、営業部門は、所定のチェックシート(※)に基づいて契約内容をチェックし、そのチェック結果、取引内容の概要(取引商品、取引規模、商流等)、営業部門の所見欄を入力したシートと契約書を合わせて法務部門に送付し、契約審査の依頼をする運用に変更しました。

  ※品質保証期間・補償方法等、せめてこれだけは最低限、営業担当にも
    確認・把握して欲しい6項目程度に絞った重要条項に関するチェックシート
    (営業部門の所見欄付)

上記試みは始めたばかりですが、運用開始後の状況、思わぬメリット・デメリット・営業担当の反応については、個人的な備忘録と誰かの参考の為に、今後、本ブログにて継続的に掲載していきたいと思います。

  ※この手の申請書・チェックシートの営業担当の所見欄・自由記入欄は、
   たいがいブランクとなるか、あまり意味の無いコメントが記載されるだけと
   相場と決まっていますので、どうすれば、営業担当だけが把握している情報を
   ヒアリングによらず、申請書上に書かせて引き出すことが出来るのかが、
   今度の申請書フォームの課題と考えています。  

  ※営業部門の混乱・反発を抑えるため、全社にオープンにしてませんが、
   この運用が上手くいって営業部門の契約書審査レベルが上がってきたら、
   将来的には、営業部門がチェックシートを用いてチェックした結果、
   リスクがないと判断した契約書は、法務部門の審査無しで
   締結可能なフロー変更し、法務部門はリスクの高い契約書の
   審査に専念出来る体制とすることを構想していまして、
   上記も上記運用の隠れた第3の目的と考えています。

   ただ、現在のレベル感を考えますと、上記構想が実現出来るのは
   1、2年掛かりそうですが。。。

   また、後述するように、営業部門が考える法務部門の売り、
   効率論を考えますと、上記構想は実現しない可能性もありますが。。。



3.営業部門と法務部門の役割分担

上記試みを始めてみて、従来の方法と比較して営業部門の負荷は増えるものの、上記目的について理解を得られたのか、心の中と営業部門内の会話の中では、面倒くさいな~と言いながらも、表立った不平不満は表に出さずに対応してくれているのか分かりませんが、一応、運用は進んでいます。

なお、運用期間はまだ短いながらも、これまで営業部門の方から指摘を受けた内容をいくつかご紹介すると、


「営業部門と法務部門には役割分担があるはずで、営業部門は営業活動に専念すべき。
 契約書のチェックをしている時間・余裕は無い。
 契約書の交渉窓口は対応するが、契約審査自体は、専門の法務部門が対応した方が良いのでは?

 「法務部門がダブルチェックするのであれば、営業部門の一次チェックは不要では?」



という、効率論を掲げたご指摘です。

上記指摘にも一理あるとは思うものの、営業部門に過度な負荷をかけず、かつ、上記目的も達成可能な絶妙なバランスを目指して、試行錯誤しながら、この運用・啓蒙活動を進めていこうと思います。


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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
会計参謀-会計を戦略に活用する(谷口 学氏著作)

[本書にて参考になった、個人的に思い当たる節のある問題]
トップ主導の直感頼みの投資計画・M&A
     ↓
投資の入り口が甘く、投資リスク・達成目標の検討が不十分
     ↓
投資後のモニタリングが不十分

------------------------------------------

不採算事業の現場から撤退の提案が出ることは期待薄
社内のしがらみ等が邪魔をして不採算事業にメスを入れることは難しい
     ↓
明確な撤退基準・事業評価指標を設けて、例外なく不採算事業に対処すべし

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ドクター・プレジデント 開業医の戦略的事業拡大ストーリー
(田畑 陽一郎氏著作)

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主に、週末にブログを更新する予定です。

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