FC2ブログ

総務&法務担当の部屋     

現在、ある企業で法務担当として仕事に従事している者です。このブログは、特に法務に関する書籍や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
2018年12月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2019年02月
TOP ≫ CATEGORY ≫ 法務

(1)有料の自動翻訳サービスを利用してみました、(2)法務担当にとっての自動翻訳サービス

1.有料の自動翻訳サービスを利用してみました。

先般、「医薬・金融・化学・機械・IT・法務などの専門分野を、『最大精度95%=プロ翻訳者に匹敵する正確さ』で翻訳します」という触れ込みでロゼッタ社が宣伝・サービス提供しているクラウド型AI自動翻訳サービス(T-400)を試してみました。

上記サービスは、私の所属している会社の海外事業部門が、海外のサプライヤーが作成した英語の技術文書(仕様書等)を日本のカスタマーに提供する際、日本語に翻訳する必要があることから、その作業を効率化する為、導入したものです。

今回、法務部門でも英文の契約書を検討する機会があるので、もし良かったらどうぞ、ということで、上記ユーザーIDを法務部門にも発行して貰いました。

そこで試しに、上記サービスを利用して、当社の雛形英文NDAを「日本語→英語」、「英語→日本語」に翻訳してみました。その結果、誤訳があり、95%の精度かどうかは分かりませんが、いずれにしても、かなり高い精度であることが分かりました。

「T-400」は、翻訳対象のジャンルを「秘密保持契約書」等と指定した上で翻訳を掛けますので、上記指定が無い翻訳サービスと比較して、より正確に翻訳してくれるそうです。

その為、上記指定が出来無い「Google翻訳」と「T-400」の基本性能を単純比較することは出来ませんが、雛形英文NDAを「Google翻訳」でも同様に翻訳してみた結果を比較検討したかぎりでは、「T-400」の質の高さに軍配が上がりました。

十年前位に、法務未経験(一人法務)として今の会社に入社したとき、数千円で自費購入してみた機械翻訳のソフトを試してみて、その酷さに辟易してから十年が経過した今、自動翻訳の質は一昔に比べるとかなり向上していることが分かりました。

(注)
私はここで「T-400」を宣伝する意図はありません。もっと質の高い自動翻訳サービスはあるかもしれませんので、自動翻訳サービスの導入を検討しているのであれば、数社を試してみることをオススメします。



2.法務担当にとっての自動翻訳サービス

私は、これまで英文契約書を審査する際、自動翻訳サービスは利用せず、英文のままチェック・修正案の作成をしており、私の後輩達も同じように対応していまして、今後も上記スタンスを変える予定はありませんが、自動翻訳の質が更に向上した近い将来、法務部門に配属されたての英語が少し苦手な新人君は、


(1)自動翻訳ソフトを利用して審査対象の英文契約書を日本語に翻訳
(2)日本語訳で審査を行う
(3)問題がある条文について、自動翻訳ソフトを利用して修正案を作成


するようになる、という未来が見えてきましたね。

ただ、心配なのが、英語力がネイティブ並の人や、英文契約書の審査に熟知した人が作業効率の向上の為に上記サービスを利用する場合は良いとして、大量の英文契約書を読み込むことで、英語力全般の向上、英文契約書特有の表現の理解・習得をしなければならない新人の時期に、自動翻訳サービスに手を出してしまったばかりに上記機会が得られない、というのは教育上、どうなのかということです。

翻訳精度は決して100%にはならない中、一つの単語の違いで英語の意味が全く変わってしまい、自社が不利な立場になってしまう怖さがある英文契約書の作成・審査業務において、法務担当が翻訳サービスに信頼しきってしまって良いのか。

自動翻訳の更なる質の向上により、上記は杞憂となるかもしれませんが、自動翻訳の利点と弊害についてはよくよく考えた方が良さそうですね。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)
「経理のしごと」がわかる本〈入門〉
(高下淳子氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・「飲食費用の2分の1損金算入の特例」により、得意先等との飲食費用が1人あたり
 5,000円を超える場合、その50%相当額を損金参入できる。

・得意先との接待費用について、飲食費用だけを抜き出して損金算入することは出来無い

・支出側で損金となる費用は、受取側でも益金に算入される、というのは
 税法の基本的な考え方

・非課税売上にのみ要する課税仕入に関する消費税は、売上にかかる消費税から
 控除出来無いので、当該消費税相当額は事業者がコスト負担する。

・資産の譲渡の場合、譲渡が行われた際にその資産が所在していた場所が国内であれば、
 国内取引と判断する。

keirinosigoto_convert_20190120104830.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
一夜漬け消費税「できる!」経理担当者入門
(金井 恵美子氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・消費税制度にインボイス方式を採用した場合、インボイスを発行しない免税事業者からの
 仕入は控除対象とはならない為、その結果、免税事業者は取引相手として敬遠されてしまう。


[hitorihoumuメモ]
以前、聞いた話ですが、インボイス(発票)方式を採用している中国において、課税事業者の売主側が色々と理由を付けてインボイスを発行してくれない為、買主側の会社では仕入税額控除の対象にすることが出来ず、何度も催促してやっとインボイス(発票)を発行して貰ったということがあるようです。

売主の発行遅延の言い分としては「経理処理遅延」のようでしたが、売主はインボイス(発票)の発行を基準として売上計上をしていることから、インボイス(発票)を意図的に発行しないことで売上から除外し、税金を低く抑える意図もあったのではないかと話しておりました。インボイス方式の負の側面の一つですね。



・免税事業者は仕入税額控除が出来無いので、仕入時の消費税は免税事業者の負担となることから、
 消費税の負担を考慮した販売価格の設定が必要。

・非課税措置は、事業者に課税しない措置ではなく、税の負担を消費者から事業者に
 付け替えるもの。
 非課税売上の為の課税仕入があっても、事業者はその消費税を税額控除が出来無い。

・資産の交換を行った場合、税法上は、「保有する資産の売却」と「新しい資産の購入」を
 同時に行ったことになる。
 消費税には、法人税のように交換によって譲渡した資産の譲渡益課税を繰り延べる特例は無い。

itiyaduke_convert_20190120104747.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ストーリー形式で楽しく学ぶ 経理部員1年の仕事
(新日本有限責任監査法人 編集)

storyde_convert_20190120104846.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
経理に配属されたら読む本
(村井 直志氏著作)

keirinihaizoku_convert_20190120104810.jpg
スポンサーサイト

行政当局による立ち入り調査時の心得(=聞かれたことにだけ簡潔に回答すべし)

明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いします。

年明け1回目の話題がこれで良いのかということはありますが、「書きたい時が書き時」ということで、表題のテーマについて書いておこうとおもいます。

私が所属している会社に、以前、公取委、中小企業庁による下請法に基づく立ち入り調査や、国税局による定期調査、東京税関による事後調査等が入った際に、管理部門の担当者として対応して感じたことですが、行政当局の調査官との面談時には、聞かれたことにだけ簡潔に回答するよう徹底したいものですね。

上記心得は、調査対応に慣れている管理部門の方であれば当然のように認識されている心得かと思いますが、調査対応に慣れていない営業部門等の方は、持ち前のサービス精神と、緊張から来る多弁が相乗効果を発揮して、聞かれてもいないことを回答してしまう方がいます。

行政の立ち入り調査時に嘘をついた場合、嘘は後で必ずばれますし、嘘がばれたら心証は最悪となりますので、嘘は厳禁ですが、立ち入り調査は面接の自己PRの場ではありませんので、聞かれていないことまで丁寧に長々と回答する義務はありません。

必要最小限の回答をしたとしても、調査官は気になることについて質問してきますので、会話は成立します。そんな中、不用意に余計な発言をしたばっかりに、その内容が呼び水となって、出来れば調査で触れられたくないテーマ・事項に調査官の質問・興味が及ぶリスクがあります。

その為、調査間との面談に先立ち、想定問答を作成することは重要ですが、面談者が調査慣れしていない場合には特に、想定問答の作成以上に、聞かれたことだけ簡潔に回答するよう、上記心得について十分レクチャーしたいものですね。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
元国税調査官が書く 税金に殺されない経営
(垂水毅氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・調査官は、指摘事項があると調査先に修正申告を慫慂(しょうよう)する。
 「慫慂」とは「それとなく促す」という意味。
 調査官の目的は不正の発見であり、発見した不正に調査先がどう対処するかは、
 「自己申告の原則」に則っている。

・通達は、国税庁が各国税庁・税務署に課税基準等を示したものであり、法律ではない。
 税務調査の結果に同意出来ず、国税不服審判所に不服を申し立てた場合、審判所では
 法律に立ち返って判断することになる為、審判所の判断で国税側が負けるケースがある。

・税務調査の情報源の一つとして、「国外送金等調書制度」がある。
 現在では、100万円超の海外送金について、金融機関が税務署へ届出する義務があり、
 その調書から、脱税目的で海外に送金した件が発見されるケースあり。

・税務調査では、調査を受ける側の事前のストーリーの組み立て方によって結果が変わるケースあり。
 その為、説明の方向性については十分検討すべし。
 同じ話をするにしても、その言い方によって調査官の認識、印象が異なる場合がありますので、
 ストーリーを組み立てる場合には、説明の仕方、持って行き方に注意したいものですね。

・消費税制度上、企業は、消費者から預っている消費税を支払うだけという建付けであるものの、
 実態としては、大きな資金繰りの負担となる。

・会社が傾き始めて経営者を悩ませるのは、黒字の場合に支払義務が生じる法人税よりも、
 黒字・赤字に関係なく支払義務が発生する消費税・源泉徴収税額の方が大きい、というケース多し。

zeikinnikorosa_convert_20190102111056.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
(カレン・フェラン氏、神崎 朗子氏翻訳)
mousiwakenai_convert_20190102115101.jpg


[本書で参考になったフレーズ等]
「マネジメント本」はまじめに読むとばかばかしい
  (中略)
優れたマネジメントスキルとは、よい関係を築くためのスキルだ。ひと言、それに尽きる。あれこれ考えすぎることは無い。テクニックや理屈の問題ではないのだ。どうすればよい人間関係を築けるのかを理解すればよい。




<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
「できる経理マン」と「ダメ経理マン」の習慣
(佐藤 昭一氏著作)
dekiru_keiri_convert_20190102111134.jpg

[本書で参考になったフレーズ等]
「できる経理マンはサービス業のプロを目指し、ダメ経理マンは職人を目指す」

「顧客満足度を高めなければならない」

「いいサービスかどうかは経理スキルが高いかどうかではないのです。
 経理のわからない人からみたらわかりやすさや心地よさが大事」

[hitorihoumuコメント]
上記3点は管理部門全般に言えることですね



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
(cis氏著作)
cis_convert_20190102111114.jpg

[本書で心に留まった箇所、再確認させられた考え方等]
・cis氏の取引の仕方は基本「順張り」

・割安とか割高というのは思い込みに過ぎない。

・一所懸命に財務分析したとしてもその内容は既に株価に織り込み済み。

・株で一番大切なのは迅速な損切り

・株については何勝何敗と考えることには意味は無い。
 重要なのは勝率ではなくトータルでどれだけ損得になっているか。

[hitorihoumuコメント]
最後の考え方は、以前、(大学生の時に)競馬にはまっていた私に教えてあげたいですね。

競馬をしていた頃は、トータルの収支よりも勝率を重視するあまり、鉄板レースに限定して
本命を軸に流す買い方に特化していた為、よく的中して悦に入っており、
結構、的中率が高ったので、競馬場に良くいる競馬の予想屋になれるかもしれないと
半分本気で考えていた時期がありました(笑)

ただ、的中率は高いものの、回収率は高く無かったので、種銭がゆっくり溶けていきました。
今では競馬卒業して、年1回、有馬記念だけは買うようにしています・・。

株もギャンブルみたいなものですので、あくまでトータルの回収率で考えないといけませんね。

ちなみに、競馬をしていた十数年前は、競馬の予想サイト「鉄板競馬の部屋」という
個人HPを運営していまして、「応援しています」というコメントをくれるような、
固定ファンも少数ながら付いていました(笑)

上記HPは約20年前から更新しておらず、プロバイダから削除されてしまっていますが、
競馬予想サイト専門のリンクサイトに上記HPが紹介されたことがあり、
今でもまだその紹介ページが残っていましたので、以下の通り、記念に貼り付けておこうと思います。
当時、ハンドルネームを(某事情により)「和尚」と名乗っていたみたいです(恥)

osyou_atoo_convert_500.jpg

http://www2.wbs.ne.jp/~syun/link/yoso.htm



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
(シバタナオキ氏著作)

mbayori_convert_20190102111025.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
こうして知財は炎上する―ビジネスに役立つ13の基礎知識
(稲穂 健市氏)
kousite_convert_20190102114102.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
一問一答で学ぶ 会計の基礎 (一問一答シリーズ) 単行本(ソフトカバー) – 2016/8/11
(松浦 剛志氏、 蝦名 卓氏、松浦 圭子氏著作)
ichimon_itou_convert_20190102113920.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
なぜ金利が上がると債券は下がるのか?
(角川 総一氏著作)
kinri_convert_20190102114025.jpg

(法務担当の方でも勘違いし易い)下請法に関する留意点(計9項目)

この記事は「法務系 Advent Calendar 2018」の12月7日のエントリーです。
seko_lawさんからバトンを受け取りましたhitorihoumuです。



1. 初めに

今回、勢いで、昨年までは見て楽しんでいるだけだった本企画に思い切って参加させて頂きました。

ただ、多くの読者の方に刺さる記事となるネタを持ち合わせていなかったことを参加登録後に改めて気付き、本日(12/7)の足音が徐々に聞こえてきた今週月曜頃は、さてどうしたものかと悩んでいました・・。

そこで、ここは開き直り、一部の方には(おそらく)役に立つ、私でも語れるテーマとして、中小企業庁や公取委による下請法に基づく立ち入り検査にメイン担当として対応した経験もベースにして、法務担当の方でも勘違いし易い下請法に関する留意点を以下にまとめてみました。

下記項目の中には、下請法の対応担当者のバイブル的な存在である「下請取引適正化推進講習会テキスト(中小企業庁・公取委発行)にも記載が無い、公取委の相談窓口等に確認して把握した下請法上の細かい運用・解釈についても記載しておりますので、テキストは全て読み込んでいる方にも少しはご参考になるかと。

ただ、下請法には全く関係しない業務をされている方には何の参考にもならない内容で申し訳ありません・・。



2. (法務担当の方でも勘違いし易い)下請法に関する留意点

(1)下請代金の支払遅延の禁止(受領後「60日以内」とは?)
 
下請法上、親事業者は、物品等を受領後「60 日以内」に定められた支払期日までに下請代金を支払う必要があります。

この「60日」とはざっくり「2ヶ月」と解釈して良いのか、厳密に「60日」をカウントすべきなのかという疑問が生じます。

例えば、「毎月末日納品締切、翌月末日支払」という締切制度で支払条件を合意している場合において、親事業者が8月1日に物品等を受領した場合、

①翌月末にあたる9月30日(2ヵ月後)までに下請代金を支払えば良いのか、はたまた、
②8月は「31日」、9月は「30日」あるので、厳密にカウントした「9月29日」に支払えばいいのか

という疑問が出てきます。

上記ポイントについては、下請法上、大の月(31 日)も小の月(30 日)も同じく1か月として考えるよう運用されていますので、上記①と解釈すれば良いようです。



(2)割引困難な手形の交付の禁止(手形サイト「120日以内」とは?

下請法上、親事業者は、割引困難な手形を下請事業者に交付することが禁止されており、現在の運用上、繊維業では「90 日」、その他の業種は「120 日」を超えるサイト(期間)の手形が「割引困難な手形」であるとされています。

では、上記(1)と同じような話で、手形サイト「120日」(その他の業種の場合)とは、ざっくり「4ヶ月」と解釈して良いのか、厳密に「120日」をカウントすべきなのかという疑問が生じます。

例えば、7月末日に手形を振り出す場合、割引困難とはならない手形サイトの満期日の上限は、

①4ヵ月後の月末である「11月30日」なのか
②8月は「31日」、9月は「30日」、10月は「31日」あるので、厳密にカウントした
 「120日」後の「11月28日」なのか

という疑問が出てきます。

上記問題については、上記②と解釈する必要があるようです。
これはあくまで私の主観ですが、便宜上、上記①と解釈して処理している会社もそこそこあるのではないかと思いますが、上記①で解釈して、例えば122日のサイトとなる手形を発行してしまった場合、下請法、違反となります。

ちなみに、ちょうど120日のサイトで発行した手形の満期日が金融機関の休業日に該当し、実際に決済されるのは翌営業日となった場合でも、「割引困難な手形」=「120日を超えるサイトの手形」を交付したことにはならないようです。あくまで、120日以内の手形を発行しているかという形式を満たしているかどうかが判断基準となるようです。



(3)注文書面の交付義務
  (原材料等を有償支給する場合に記載すべき事項)


親事業者は、下請事業者に物品等の製造を委託するにあたり、有償で原材料等を当該下請事業者に支給(販売)する場合は、製造委託の発注書面に、当該有償支給材の「品名」、「数量」、「対価」、「引渡しの期日」、「決済期日及び決済方法」を明記して提示する必要があります。

なお、毎月のように、「部材の有償支給」と「加工品の買い上げ」が発生する量産取引を継続的に実施している場合、親事業者では「支給部材」と「加工品」を完全には紐付けすることが出来ず、今、現時点で下請事業者が支給部材をどれ位の数量、在庫として保管していて、親事業者が下請事業者に発注する際、下請事業者がどれ位の数量を追加発注する必要があるのか、また、歩留まりがありますので、追加発注した場合にどれ位の残材が残るのかが分からず、下請事業者から支給材の発注を受けて初めて、必要数量を把握するケースもあるかと思います。

上記ケースにおいては、加工品の発注書面の交付時に支給材の各項目を記載出来なくても、下請事業者から支給材の発注を受けて、加工品の製造に必要な有償支給材の数量等を把握した後、直ちに、上記情報を下請事業者に書面で提示すれば運用上、良いようです。

但し、上記方法の場合でも、発注書面に記載した加工品を製造する為に必要な数量と、下請事業者が発注した支給材の数量が、下請事業者の保有する在庫の数量によっては完全には紐付けされない場合もありますが、運用上は上記対応で問題無いようです。

しかし、まあ、下請事業者の立場からしたら、自分が発注した数量等の情報が記載された書面が、親事業者から改めて提示されるだけであり、何の有益性も無い情報を受領することになりますが、公取委によると、上記は形式的な話ではあるものの、下請法上、必要な対応のようです・・。何だかなと言う感じですね。



(4)有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
  (下請事業者からお願いされて部材を有償支給でも上記制限が適用される?)


親事業者が原材料等を下請事業者に有償支給する事情は色々とありますが、例えば、中小企業である加工業者(下請事業者)が原材料を自分で調達するよりも、(規模の大きい)親事業者がバーゲニングパワーを活かして原材料を調達し、下請事業者に有償支給した方が下請事業者としては安く購入出来るので、自身に代わって部材を調達して支給して欲しい旨、下請事業者からお願いされる場合があります。

下請事業者の為に上記対応をしてあげているにもかかわらず、それでも上記制限が発生するのかという疑問がありますが、下請法上、上記事情や下請事業者との合意は一切考慮されず、下請事業者に原材料を支給し、当該原材料を用いた加工品を買い戻しているという条件に合致しただけで、上記制限が適用されます。

中小企業庁、公取委は、杓子定規に下請法のルールを当てはめて攻めて?きます。細かい事情を考慮していたら指導活動がスムーズに進みませんからね。立ち入り調査時に違反行為の指摘を受けたら「事情を説明すれば分かるだろう。人間だもの。」という考えは通用しませんので十分、ご留意下さい・・。

なお、支給する材料の中には、材料を材料メーカーから購入する際のMOQ(Minimum Purchase Quantity:最少発注数量)が非常に大きく、当該MOQで材料を調達して下請事業者に支給後、当該材料を全て使い切るまで1年位の長い期間が掛かるケースもあります。

そんな場合でも、下請事業者の依頼に応えるべく、上記違反とはならないよう、加工リードタイムを考慮して支給材料の入金条件を1年近い長期に長く設定しなければならないのは、キャッシュフロー的には辛く、厳しい話ですね。

さらに、下請法適用となる外注先となるのは中小企業となりますが、上記ケースの場合、当該支給先に対して長期の与信が発生しますので、こんな不都合が生じるなら、代わりに部材を調達して有償支給することなんか止めてしまおう、そもそも、下請法の適用の無い大手競合メーカーに切り替えよう、となる親事業者もいるかもしれません。

仮に、下請事業者の希望で支給してあげたいものの、上記制限の関係で支給を断念したとすれば、この制限規定が果たして下請事業者の保護に繋がっているのか、個人的に疑問が残るところです・・。



(5)有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
  (支給する拠点と買い上げる拠点が異なる場合でも下請法が適用される?)


親事業者のA支店が下請事業者(X社)に部材を有償支給して、その後、当該親事業者のB支店が下請事業者(X社)から加工品を買い戻している場合でも、事業者単位ではなく、あくまで会社全体で判断されて下請法の上記制限が適用されますので、早期決済とならないよう、有償支給材の入金条件にはご留意下さい。。



(6)金型の製造委託時の下請代金の支払い起算日となる「金型を受領した日」とは?

親事業者が下請事業者に対して、下請事業者が量産品を製造する際に使用する金型の製造を委託した場合、当該金型は親事業者には納入されずに下請事業者の手元に残りますので、金型の製造委託時の下請代金の支払い起算日となる「金型を受領した日」とはいつなのか、という疑問が生じます。

上記については、例えば、金型を用いて製造された試打ち品(サンプル品)を親事業者が受領した日を金型の受領日と見なすと合意して支払うことは、下請法上、合法となります。

その為、試打ち品(サンプル品)が受入検査に合格した日を起算日として、当該起算日から60日以内に下請代金(金型代)支払うことは下請法上、違反となります。

私は某商社に勤めておりますが、サプライヤーから受領したサンプル品の出来は、明らかに問題がある場合は別として、顧客に納付して検査・判断して貰う必要があり、(下請法について考慮する必要のない)当社の顧客が検査をのんびり実施した結果、問題の無いサンプル品かどうか判明する前に当社の支払期日が到来してしまい、下請法上、とりあえず支払わなければならないというケースとなる場合があります・・。顧客に早く検査してくれるように、金型の契約時に検査期限を取り決めるしかないですね。



(7)不当な経済上の利益の提供要請の禁止
  (量産終了後の金型無償保管委託に厳しい取締りが


親事業者が下請事業者に貸与していた金型について、量産終了後も、いつかサービスパーツの製造委託で使用するかもしれないということで、保管料を支払わず預けっぱなしにする行為は、「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」に該当して、下請法上、違反となります。

最近、上記違反行為について、中小企業庁、公取委は厳しく取り締まっているようですね。
ただ、上記行為が違反に該当することは分かっちゃいるけども、下請事業者に預けている金型の管理(誰にどの金型を預けているかの把握)が100%出来ておらず、実は上記ルールに違反しているけど是正がなかなか難しい、という会社は結構、多いのではないでしょうか。

上記対応漏れの無い様、金型台帳を作成する等して回収・廃棄の管理を徹底したいものですね。



(8)支払日が金融機関の休業日に該当した場合

下請代金を金融機関にて振込等で支払う場合において、支払期日が金融機関の休業日に当たる場合に、当該金融機関の翌営業日に支払う旨、下請事業者と書面で合意していれば、順延後の支払期日が受領日から60 日を超える場合でも、順延期間が2日以内である場合に限り、支払い遅延にはあたりません。上記はご存知の方も多いかと思います。

なお、順延日は「2日以内」という制限があるので、例えば、12月末に支払期日が到来する下請代金を1月の翌銀行営業日に振り込む場合、場合によっては、順延日が2日を超えてしまう場合もあります。そこで、ゴールデンウィーク前後の月末支払い分や12月末の支払日分は、休業日前に支払う一手間が必要となる場合がありますので、留意が必要です。



(9)下請代金の減額の禁止(振込手数料の実費額を超える控除はダメ)

親事業者が下請代金を振込で支払う場合の振込手数料は下請事業者が負担する旨の書面合意があり、親事業者が金融機関に支払う実費の範囲内で当該手数料を差し引いて下請代金を支払うことについては、下請法上、禁止されている下請代金の減額には該当しません。

ただし、インターネットバンキング等を利用することによって振込手数料が安く済んでいるにもかかわらず、実費額よりも高い正規の銀行手数料を下請代金から控除していることが立ち入り調査で見つかり、差額を下請事業者に返還することとなった違反事例が多数あるようです。

上記が発覚した場合、一般的には、過去1年間に遡って、過剰に受領している手数料分を返還するよう改善指導が出るケースが多いみたいですね。金融機関との交渉成果を享受して何が悪いとか何とか言っても公取委には通用しませんので、上記違反行為を実施している会社は、立ち入り検査が入る前に速やかに是正しましょう。



3. 最後に

上記に限らず、下請法には下請事業者を保護する為の細かい制約が多数ありますので、知らない内に下請法に違反していた、と言うこと無い様に十分、留意したいものですね。



P.S.

多数の制約のある下請法の適用を回避する為、下請事業者には該当しない資本金のある商社を商流の間にかまして、中小メーカーから部材を購入したいという需要?や、中小メーカーよりは補償能力の高い会社規模の商社を介して取引することで、購入したモノに不具合が発見された場合は商社に補償を請求出来るようにしたいという需要?があり、大手製造メーカーが商社を取引に介在させているケースが少なからずあるのではないかと、某分野の商社に所属している私は考えています。

ただ、上記商社の立場としては、取引に介在して売上・利益を上げることが出来ますので、大手メーカーの上記姿勢はけしからんと言うつもりはありませんが、商社の法務担当である私としては、上記事情で取引に介在した結果、取引で得られる利益を大きく超えるリスクを抱えることないよう、契約書等でしっかりリスクヘッジ可能なように営業部門のサポートするよう心がけています。

上記に関連した記事を以前、本ブログに記載したことがあるので、当該記事のURLを以下に貼り付けておきたいと思います。商社不要論が昔から唱えられていますが、未だに無くならないのは、下記記事に記載した機能も大きな理由かもしれません・・。


[本ブログ:関連記事]
商社の隠れた「品質保証機能」について
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-441.html

VMI契約の「瑕疵担保期間の起算日」、「取引終了時の在庫の取り扱い」に注意
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-447.html



以上で本記事は終わりです。
ここまでダラダラとした長文にお付き合い頂きありがとうございました・・。

次はdtk1970さんにバトンをお渡しします!

「法務系アドベントカレンダー」に参加します(12月7日担当)

これまで見て楽しむだけだった「法務系アドベントカレンダー」に先日、勢いで登録してみました。
私は12月7日のパートを担当します。

上記企画についてご存知ない方はこちらをどうぞ↓

「法務系 Advent Calendar 2018 」
http://adventar.org/calendars/3117

といっても、とりあえず登録してみたものの、今のところ、これを書きたい!というネタが無く、これから考える予定です(笑)
なんちゃって法務担当の私としては、高度・高尚なことは書けませんが、私にしか書けなそうな法務に関する実体験等でも書ければと考えています。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
マンガ 今日からFXデビュー
24時間チャンスが生まれる外国為替
(山口 祐介氏、佐々木 慧氏著作)

fx_convert_20181110132115.jpg

[hitorihoumumeメモ]
これまでも今後も個人的にFX取引をする予定はありませんが、仕事でも関係してくる為替の考え方を深めるに為に何か一つでも参考になることがあるかと思い、上記本(というか漫画)を読んでみました。

上記漫画では、漫画:アウターゾーン(光原伸氏著作 1991年~94年 ※知っている人いるかな?・・)に出てきそうな、少し影のある&何かたくらんでいる風貌のFXに詳しい先輩社員が、FXに興味のある後輩社員(2名、男性・女性)にFXの仕組み等をレクチャーする形で話が進んで行きます。どんな風貌なのかを示す為に、本書の一部を以下の通り抜粋させて頂きます。

上記風貌なので、本書を読み始めた当初は、本書の最後には、上記後輩社員がFXで大損をこいて多額の追証(追加証拠金)の支払を迫られ、ウシジマくんの顧客のように人生が狂わされているエンディングを期待?していたのですが、最後までそのような展開が無かったのは残念でした・・(笑)

なお、個人的に株式取引はしたことがありますが、FXも株式取引と同様、重要なことは、しっかり損きりルールを事前に決め、一度ルールを決めた以上は、自分の想定外の相場になっても変な理屈を付けてルールを曲げないで、ルール通り損切りして次の繋げることでしょうね。

aa_convert_20181110133028.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
大学4年間の経営学がマンガでざっと学べる
(高橋 伸夫氏、うだ ひろえ氏著作)

4nenkan_convert_20181110132058.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
引きやすい! 必ず見つかる! 勘定科目と仕訳の事典
(駒井 伸俊氏著作)

siwake_convert_20181110132214.jpg

使える無料英語学習サイト「BBC Learning English」(アプリもあり)

1.使っている英語学習サイト「BBC Learning English」

私は、英国の公共放送局(日本のNHKみたいなもの?)である英国放送協会(BBC)がネットで提供している「BBC Learning English」というコンテンツを利用して英語の勉強をしています。

こんなに良質なコンテンツを無料で配信しちゃうなんて、さすがはBBC、気前がいいですね。上記コンテンツには日本語の解説は当然、ありませんが、音声教材についてダウンロード可能で、基本的には、全文スクリプトがついているのが他の英語学習サイトには無い特徴でしょうか。

類似のサイトとしては、米国の国営放送「VOA(Voice of America)」が提供している「Special English 」という英語学習コンテンツがありますが、「BBC Learning English」と比較すると、「VOA」の方が初心者向けコンテンツといえるかと思います。たぶん。

ちなみに、「VOA Special English」については、2009年9月に本ブログで取り上げたことがありましたが、当時と今のサービス内容とが大きく異なり、記載している内容が現在の内容と異なるかもしれません。
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-33.html

さて、「BBC Learning English」では、以下の通り、色々なプログラムがありますが、


[プログラム]
1.English at University
2.English at Work
3.News Report
4.The English We Speak
5.Lingo Hack
6.6 Minute English
7.Pronunciation
8.Drama
9.Words in the News



個人的には、「The English We Speak」と「6 Minute English」を利用しています。

「The English We Speak」については約3分程度、「6 Minute English」は名前の通り、ちょうど6分間、あるテーマや特別な言い回しについて、二人がトークを繰り広げるというものです。

1日にあまり英語の学習に時間を取れない私としては、1日に学習する量としては上記の長さがちょうど良く、毎回、同じ尺の為、以下の通り、毎日、同じペースで続けられることから、学習の習慣化に役立っています。

また、上記コンテンツは、毎週、1回、プログラムが更新されて、過去のバックナンバーも自由に閲覧・ダウンロード可能なので、飽きずに続けられています。


[学習スケジュール]
1.朝の犬の散歩時 ※所要時間:30分
  スクリプトを見ないで音声を良く聴く(毎日、新しいプログラムを聴く)

2.通勤の電車内 ※所要時間:5分
  散歩時に聞き取れなかった箇所について、スクリプト・音声で確認
  ※電車内では本を読みたいので、電車内では上記確認のみ。
  ※散歩から帰宅後、家で上記確認をする場合もあり。

3.通勤時に歩いている時 ※行き・帰り各20分
  上記音声を繰り返し聴く





2.上記コンテンツの英語アプリ

現在、「BBC Learning English」の非公式、無料スマホアプリである「LEB ENGLISH」を利用しています。

ちなみに、「LEB」とは「Learn English for BBC with Conversation, Listening」の略称です。
私は上記アプリをiPhoneに入れて使用していますが、アンドロイド版でも配信されています。

WS000000_convert_20181104161354.jpg

https://itunes.apple.com/us/app/learn-english-for-bbc-with-conversation-listening/id917318984?mt=8

なお、今年の9月から、「BBC Learning English」の公式アプリが出たようです。

その為、今後、非公式アプリである「LEB ENGLISH」の存続がどうなるのか、BBCから圧力を掛けられて配信停止になってしまうのかどうかは分りませんが、今のところ、「LEB ENGLISH」では、公式アプリには無い、プログラムのダウンロード機能があるので、今後とも同様のサービスが提供されている限り、私は上記アプリ(LEB ENGLISH)を使用していきたいと思います。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
英語で発想できる本 会話がこなれる感じ方、考え方
(牧野 高吉氏著作)

[本書で参考になった内容等]
「go」は、話している相手から離れて行くイメージ。
出発点に重きが置かれている。
「come」、は話している相手の方向へ近づいていくイメージ。
到達点に重きが置かれている。

「Ms.」を好まない女性もかなりいる。

日常の会話では、フル・ネイムに「Mr.」「Miss」等の敬称は通常、付けない。

eigode_convert_20181104160936.jpg