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元総務&法務担当の部屋     

これまで、ある企業で約十数年間、法務担当(+α)として仕事に従事していた者です。最近、財務・経理部門に移動しました。このブログは、仕事に関する書籍を読んだ感想や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
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印紙税の節約方法(違法な方法と合法な方法)

1.印紙税による国家の収入は年間約1兆円

平成31年1月に財務省主税局が発行した「平成31年度 租税及び印紙収入予算の説明 (第198回国会)」によりますと、印紙税による国家の収入は約1兆円で、関税や酒税と同等規模の大きな収入源となっているみたいですね。

電子契約の浸透率が徐々に高まり、この収入源が減少していくのをただ指をくわえてみているわけにもいかない国が、将来、電子契約にも印紙税を課す法改正を行う予定はあるのか、先般、税務当局の方に聞いてみましたが、今のところ、その予定は無いみたいですね。将来もきっと無いでしょう。

[以下、財務省HP(上記資料PDF掲載)]
https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/budget_explanation/index.html

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2.印紙税の節約方法 その1(違法)

1部の契約書に貼付する印紙は少額としても、たくさんの契約書を締結とする場合には決して、馬鹿にならない費用が掛かる印紙税を節約?する方法として、前回の記事で取り上げた書籍「業界で噂の劇薬裏技集 不動産大技林(全宅ツイ著作)」で、スティックのり、ハガロン(間違えて貼った印紙や切手をはがす液体)を使って、契約書に貼付した印紙を再利用する方法が取り上げられていましたが、違法なので止めましょう。詳しい方法は下記HPに掲載されていますが、利用は自己責任でお願いします。

[以下、夜逃屋 マル秘事件簿HP]
https://www.rals.net/yonigeya/insi.htm



3.印紙税の節約方法 その2(適法)

上記2のような方法は論外としても、適法な印紙税の節約方法としては、通常、契約書の原本を当事者分(当事者2名であれば2部)作成して、それぞれに収入印紙を貼付するところ、1部だけ作成して、いずれか一方の当事者が印紙貼付済の原本を保管し、もう一方の当事者がその写し(コピー)を保管する方法があります。当事者間の力関係にもよりますが、貼付する印紙代を折半することが出来れば、契約書の写し(コピー)には収入印紙を貼付する必要はないので、当事者分の契約書原本を作成するよりは印紙を節約出来ます。

ただ、法人の取引先と継続的な取引に関する契約書(取引基本契約書等)を締結する際は、一部の例外(不動産の売買契約書等)を除いて、原本を当事者分、作成することがほとんどですね。

これは、万一、契約相手と取引の紛争が発生して裁判となった場合、裁判所に契約書原本を証拠として提出するわけですが、手元に契約書の写ししかないと、相手方が契約書の成立について争ってきた場合に立証するのが面倒、時間が掛かるので、それぞれが原本を保管する方法を取っていると理解しています。



4.印紙税の節約方法 その3(適法)

今、ふと思いついたその他の節約方法としては、高額の請負契約(スポット的な高額設備の製造委託契約 等)を締結して高額な印紙締結する際に、契約書は1部だけ作成し、公証人から確定日付を取得すれば、確定日付の取得手数料は「700円」とそこそこ安く、高額な印紙を貼付するよりは安い場合もあるので、上記2の節約方法のデメリットを補いつつ、さらに印紙税を節約することが出来ますね。

これまで印紙税の節約目的で確定日付を取得したことはありませんが、今後、高額な印紙を貼付するケースが発生した場合は上記方法を検討してみようと思います。




<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
外国為替の基礎実務―取引から会計処理まで
(蜂須賀 一誠氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
不動産営業マンはつらいよ
(全宅ツイ著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
これだけは知っておきたい内部監査の実務(三訂版)
(川村 眞一氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
海外勤務が決まったらすぐ読む本
(白藤 香氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
異文化ギャップ きれいごとではすまされない?ビジネスシーンでみるコミュニケーションと行動の在り方-日・英語編
(平野 広幸氏)

[本書で参考になった内容等]
日本人: 「便りのないのはよい便り」ではない
米国人: No News is good news

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アメリカの多くの州には「アイムソーリー法(I am sorry 法)」というものがあり、不慮の事故が起きたとき、加害者が悪いと感じ、当事者やその家族に慈悲の思い等を表現した意思表示をした場合でも、法的責任を認めた証拠とはならないというもの。

ただし、「相手に申し訳ないという気持ちを伝えること」と「自分の落ち度を認めること」は明確に区別すべき。謝罪の表現を用いる場合は、自分が何に対して謝罪しているのか、何に対して残念と思っているのか、その対象を明確にすべき。

こういう法律があることが自体が、日本と米国の文化の違いを物語っていますね。

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日系自動車メーカーが、海外現地のサプライヤーよりも日系サプライヤーとの取引を選択しがちなのは、日系サプライヤーの商品のコスト競争力、品質が高いということの他、同じ日系同士であればコミュニケ―ション上のギャップが少なく、心地よくビジネスすることが出来るという要因も大きい。

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日本人:ミスは許されるものではない
米国人:全てを完璧に行うことは合理的ではなく、ミスなどコントロール可能な範囲であれば良しとする考えが一般的

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日本人:会議で提示する情報の精度を高めることに注意を払いすぎてしまい、本末転倒となるケースが多い。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ゴールキーパー「超」専門講座(松永 成立氏、澤村 公康氏著作)

私は小学校~大学までサッカーでゴールキーパーをしてきまして、最近でもたまに、会社の達とフットサルをする際にキーパーをすることがあります。
そんな中、元日本代表 松永成立さんが書いた本書が書店で目に留まり、懐かしさのあまり手を取ってみました。

[本書で心に留まった内容等]
・ファインセーブの少ないGKが良いGK。手でボールを触るのは最後の手段。

 一般的に、GKはファインセーブ時に注目が集まり勝ちであるが、そもそも、
 フィールドプレーヤーに的確な指示を出して、シュートコースを限定し、
 さらに、正しいポジションにいれば正面で安全にボールをキャッチ出来た
 可能性もあるわけで、ファインセーブが多いことが必ずしも良いGKとは言えない。

 この辺は、サッカー経験者(特にGK経験者)ではないと気付かない点かと思うので、
 テレビの解説者にはキーパーのポジションの良し悪しにも注目して解説して貰いたいものですね。

 今回、ブログの記事で、「良いGKは、良い法務担当者にも通じる」というような話を書こうと
 思いましたが、ちょっとこじつけ感が強いので止めました・・。

・至近距離のショートストップ

 至近距離の状況では、GKは簡単に倒れないこと。
 相手の足元にボールがある場合は、相手より先に動かないこと。
 ボール保持者と正対した体の向きを取り、体のどこかにボールを当てる姿勢でシュートをブロックする。

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書籍:業界で噂の劇薬裏技集 不動産大技林(全宅ツイ著作)

今般は、「業界で噂の劇薬裏技集 不動産大技林(全宅ツイ著作)」という本を読んでみました。


本書アマゾン紹介文章(抜粋)

─毒入り危険。読んだらアカン─

不動産業界の偉人たちが金儲けや出世のために使っていた刺激的な裏技を、プロフェッショナル集団である「全宅ツイ」が、ブラックなユーモアを混じえながら紹介・解説していく実用書。

口語文体と多くのイラストで読みやすく、リスキーな技には弁護士のコメントも収録。
中堅業界マンのみならず、多くの業界人に気づきと学び、そして夢を与える一冊に。

仲介、売買、デベロッパー、大家、管理会社、地主、ブローカー、建築士…
【『儲けたい』すべての不動産従事者へ】





1.初めに
私は以前、不動産の売買仲介会社で営業担当に従事していたことがあり、また、その経験を評価されて、今の会社で不動産の売却や調査等の業務が発生すると相談されたり主担当となることがあり、「不動産」にはずっと関与してきて興味・関心のある分野の為、この手のトンデモ本が出ると、(決して参考図書にするつもりはないものの)お風呂にでも入りながら力まず読める本のジャンルとしてつい手が出てしまいます。

さて、本書には法律的・社内ルール的に真っ黒な方法、限りなく黒に近いグレーな方法等がたくさん登場してきますが、その中でも比較的マイルドな方法について、懐かしさから心に留まりましたのでこちらで書き留めておきたいと思います。



2.合法的媒介囲い込み法
以下は、本書P100 「ウル技49 合法的媒介囲い込み法(一般でも専任以上の影響力)」に面白おかしく書かれた内容を私が平易な文章にまとめたものです。


売買仲介会社が、あえて「一般媒介契約」で売主から売却の依頼を受けて、物件をレインズ(不動産流通標準情報システムの略称。不動産業者だけが見ることの出来る物件データベース)に物件情報を載せず、自力で買主を見つけて、売主と買主の両方から仲介手数料を獲得しようとする技。

レインズに物件を掲載した場合、媒介契約を締結していない不動産業者が売主に飛び込んで、(時には現在の売主側仲介業者の悪口を言いつつ)「自分にも売却活動をやらせてください」と依頼し、媒介契約を他社に切り替えられてしまい、売主側の業者として仲介手数料を受領出来る地位を失う恐れがあります。その為、レインズ登録義務のない「一般媒介契約」を締結して、極力、他社に知られないよう水面下で自社にて買主候補を探し、売主、買主の双方から仲介手数料を受領しようとするもの。

レインズに掲載しなくても、ネットや新聞で広告を打てば、売り物件の存在を知った他社が売主に飛び込むリスクは出てくるものの、レインズに掲載しなければその機会・リスクを大幅に減らすことが出来る。



[hitorihoumuからの使用上の注意]
この方法は、原則、法律上は違法ではないものの、技の使い方によっては売主の信頼を裏切り、売主の利益を損なう場合もありますので(この場合は違法となる場合も)、使用の際には注意が必要です。



3.hitorihoumuによる詳細解説

(1)媒介契約のレインズ登録義務について

仕事、プライベートで不動産の売買に関与した方であればご存じかと思いますが、不動産会社が売買、賃貸の仲介を行う場合、宅地建物取引業法上、業者は依頼主と「媒介契約(自身に代わり売却、購入活動を実施することを業者に依頼し、その対価として報酬を支払いますという契約)」を締結する必要がありますが、媒介契約には下記の三種類があります。

以下、話を単純化する為に、売主側の仲介業者のケースだけ記載します。


1.一般媒介契約
複数の仲介業者に重ねて依頼することができる。

2.専任媒介契約
媒介契約した一社にしか依頼出来ない。
※2週間に1回、売主に売却活動を報告する義務あり。

3.専属選任媒介契約
媒介契約した一社にしか依頼出来ない。さらに、専任媒介と異なり、依頼主は、自分で発見した買主と直に売買することが出来ず、仲介会社を介して取引する必要がある。従って、自分で買主を発見したもにかかわらず、業者に仲介手数料を支払う必要がある。
※1週間に1回、売主に売却活動を報告する義務あり。



専任契約、専属選任契約の場合は、媒介契約後、所定の期間内にレインズ上に物件情報を公開する義務が生じますが、一般媒介契約の場合はその義務はありません。上記義務に基づく掲載の結果、レインズには一般消費者向け不動産サイト(HOME’sやat home等)には掲載されていない物件も多数掲載されています。

(利用料を支払った)不動産業者は、他社が掲載した売り物件の情報を見て、自身の顧客(購入物件を探している客)の希望条件にあるものがあれば顧客に紹介することが出来、成約に至れば、自身の顧客(買主)から仲介手数料を受領出来ます。

なお、レインズへの登録期限は以下の通りです。

※専任媒介契約時のレインズ登録期限:媒介契約締結の日から7日以内
  専属専任媒介契約のレインズ登録期限:媒介契約締結の日から5日以内

2種類の専任媒介契約にレインズの登録義務の課しているのは、専任の権利を得た不動産会社が、自社の購入希望顧客との取引を優先して情報を抱え込んでしまう行為を防止し、物件情報をより多くの不動産会社に提供することで、(売主にとって)より好条件の買主・借主を探すことにあります。

(2)注意:専任系媒介契約であれば抱え込みが無くて安心、というわけでもない。

一般的な不動産情報サイトには、下記の2つの理由により、一般媒介契約よりは専任系媒介契約を選択するよう個人の売主に勧めていることがあります。


[理由]
①一般媒介契約を締結して複数の不動産業者に売却を依頼した場合、不動産業者からしたら、せっかく自社の費用で不動産の広告を打っても、他社が先に買主を見つけてきたら全く利益が発生しないため、売却活動に消極的となる可能性がある。その為、専任系媒介契約の方が、業者が真剣に費用と時間を掛けて売却活動を実施してくれることが期待出来ること。

②一般媒介契約の場合、業者がレインズに掲載しないケースもある中、専任系媒介契約はレインズへの登録が強制されているので、幅広く買主を募ることが出来ること。

③媒介系契約の方が定期的な活動報告義務があること



なお、仲介業者は、売主側と買主側の両方から仲介手数料を受領することが出来ます。ちなみに、両方から仲介手数料を受領することを業界的に「両手」、どちらか一方からのみ手数料を受領することを「片手」といい、どの業者も、売主と買主の両方から仲介手数料を貰いたいと考えるものです。

その為、業者が専任系媒介契約を締結してレインズに物件が登録、公開して、他社が売主側の仲介業者に

「買主候補者がいるのですが、この物件はまだ紹介可能でしょうか?」

と問い合わせた際、まだ売主側業者では買主候補者を見つけることが出来ていないにもかかわらず、

「すみませんが、今、具体的に購入を検討している人からがいるので紹介出来ません。」

と言って他社からの紹介を断るケースも多々あります。

ただ、これをやりすぎて時間が経過し、なかなか成約に至らない場合、売主が売主側業者の活動に不信・不満を抱く場合もありますので、しばらく経って自分で買主を見つけられない場合はしぶしぶ、他社が見つけて来た買主に紹介して売却し、売主側の仲介手数料の「片手」で済ませるケースもあります。売主にとっては迷惑な話ですが、不動産業界では良くある話です。

その為、専任系媒介契約の方が情報開示されて売りやすくなるとは一概には言えない場合があります。

そこで、あくまで個人的な意見としては、不動産の売却を検討している方には、「専任系媒介契約」ではなく「一般媒介契約」を複数の業者と締結して、不動産業者に抱え込みをさせないようにした方が良いかと思います。

まとまりのない長文となりましたが、推敲するのに疲れたので掲載します。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
私の愛すべき依頼者たち~10のエピソード
(弁護士に弱みを見せるな。弁護士のアタマの中がよくわかる。
弁護士の交渉過程がリアルにわかる。)
(野島梨恵氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
M&Aを成功に導く 法務デューデリジェンスの実務(第3版)
(長島・大野・常松法律事務所)

[本書で参考になった内容等]
1.表明保証条項を頼りすぎてはいけない
DDにおけるインタビューにおいて潜在債務が存在しないという明示的な回答を得ていた場合でも、別途開示された資料においてその存在が明確になっている場合は、結局、潜在債務の存在について明示的に開示されていたという認定をされる可能性がある。

DDの過程において買主が知っていた事実か、当然に知り得るべき事実と判断された場合、表明保証違反に基づく買主の補償請求が同様に認められない可能性がある。
※大阪地判平成23.7.25(金融商事判例1375-34)


[hitorihoumuメモ]
DDの結果、売主が潜在債務を保有している可能性を認識したものの、その内容について(時間的制約もあり)DDの段階で突き詰めることをせず、万一の際は契約書上の表明保証で解決すればいいかとする姿勢には後々、問題が生じるリスクがあることが分かりました。



2.法務DDにおいては、「事実」と「法律」の2つのレベルの問題を意識すべし。
「事実」に関する事項については、時間的制約もあり、その内容の正確性を疑う特段の事情が無ければ、原則、開示された資料、インタビュー結果により現れた事実が正確であることを前提とするケースが多い。

一方、特定の法律問題に関する法律的な解釈についてDDにて売主から見解を得たとしても、当該法律解釈についてはDDを実施する法律事務所にて調査の上、独立した判断を下す必要がある。売主の見解を鵜呑みにしてはいけない。

3.スタンド・アローン問題
買収等の結果、買収対象となる会社が親会社グループから切り離されることになるため、事業を従来通り存続する為に必要な親会社とのグループ間取引(親会社への過度な依存)が無いかどうかを確認すべし。

4.対象会社が第三者の権利(知的財産権等)を侵害するリスクの検討
現実に発生している紛争や、売主、対象会社が既に認識している潜在的な紛争リスクを除き、将来の上記リスクを法務DDの過程で分析・検討することは困難。

5.競業禁止条項に注意
競業禁止条項は色々な契約書に定められるケースがあり、契約終了後も当該効力が残存するものと定めているケースも多い。当該条項の存在により、買収後、当初想定していた事業再編等が実施出来ず、シナジー効果が得られないリスクがある。
その為、法務DDの過程では、契約が既に終了している契約書にも競業禁止条項がある可能性があることを考慮してDDすべし。



[hitorihoumuメモ]
「過去〇年以内に契約が終了している契約書」と指定して開示請求する方法の他、「競業禁止条項を含む契約書(契約終了しているものを含む)」と指定して開示請求する方法がありますね。さらに、競業禁止条項を含む契約書が無いことを表明保証させた方が良いですね。



6.独占的権利の付与に関する契約書にも注意
競業禁止条項と同様、上記条項の存在により、買収後、当初想定していた事業再編等が実施出来ず、シナジー効果が得られないリスクがある為、独占的権利の付与に関する契約書、契約条項の有無を確認すべし。

7.規程と異なる実務慣行の有無を確認すべし
DDの過程で各種規程の開示を受けたとしても、(どの会社も同じように?)実務が完全に規程通りに実施されていないケースがあるため、特に規程との乖離が大きいことが想定される労務関係(サビ残の状況等)についてはインタビューの段階で実施状況を確認すべし。

8.開示されない紛争の発見方法
対象会社が弁護士等に支払った報酬の内容についてヒアリングすると、DDの過程で開示されていない対象会社が抱えている法律問題、潜在的な紛争を発見出来る場合がある。

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「食品添加物」も消費税の軽減税率の対象物品となる(購入用途は関係無し)

2019年10月1日に消費税の税率が改正されましたが、皆様の会社での対応状況はいかがでしょうか?

私の所属会社は、当初、軽減税率の対象となる物品の取引をビジネスの生業にしていないので、通常の取引についてはシステムの設定上、経過措置を考慮しつつも、基本的には税率を8%から10%に一律変更するくらいで、軽減税率については、菓子折りや会議の弁当・お茶を購入した際に軽減税率(8%)で処理する程度と考えていました。

ただ、色々と確認した結果、当社が極少量、取引している「食品添加物」が軽減税率の対象となる「飲食料品」に該当するということが判明し、当該物品の取引については軽減税率の税コードで取引するよう、システムの変更を直したケースがありました。

普段、食品とは関係の無い工業用として取引しているものでも、実は食品添加物に該当する場合もありますので注意しましょう。

なお、軽減税率が適用されるかどうかを判断する際のポイントとしては、事業者が物品等を販売する際に、飲食料品(食品添加物を含む)として提供したかどうか、ということです。購入者側の購入用途は関係無いようですね。

例えば、「重曹」と呼ばれる炭酸水素ナトリウムは、ふくらし粉やベーキングパウダーとして「食品添加物」ということで販売されていますが、一方で、洗剤としても販売されています。この場合、「食品添加物」として販売されている場合は、購入者の購入意図にかかわらず、軽減税率(8%)が適用されることになります。

この辺も含めた軽減税率全般については、農林水産省 食料産業局がネットで公表している「消費税 軽減税率Q&A早わかりガイド」に詳しく解説されていますので、気になる方はご参照ください。

http://www.maff.go.jp/j/shokusan/keigen20191001.html#a2

軽減税率のような新しい法令に関する疑問が生じた場合は、真偽が不明な、(本ブログも含めた)個人が提供しているネット情報を参考にすることなく、官公庁が公表している情報を参照するか、官公庁の相談窓口に問い合わせて確認するようにしたいものですね。


[軽減通達2]
販売する事業者が、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した場合には、顧客がそれ以外の目的で購入し、又はそれ以外の目的で使用したとしても、当該取引は「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となる。





<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
最新 知りたいことがパッとわかる 給与計算の事務手続き・届け出ができる本
(多田 智子氏 著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
最新 知りたいことがパッとわかる 社会保険と労働保険の届け出・手続きができる本
(吉田 秀子氏 著作)

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[hitorihoumuメモ]
経理業務をする上で、給与・社会保険周りの法令・ルール等についての知識不足を感じ、先般、上記2冊を読んでみました。

上記書籍を購入する際に、給与計算の本をアマゾンで探していたら、「給与計算実務能力検定」なる検定があることを知りました。どうせなら、具体的な目標がある方が勉強のやる気が出るというものなので、この際、11月に行われる「給与計算実務能力検定」の2級でも取ってしまおうかと、9月末申し込み期限にギリギリ飛び込みセーフして、勢いで受験申請してまおうかとも考えましたが、一応、問題集のサンプルを見てみたら、当然のことながら細かい計算を問う問題が出て来て嫌気がさしたので、受験は早速、断念しました・・。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
内部監査実務ハンドブック(第2版)
(有限責任監査法人トーマツ (編集))

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(下請法)割引困難な手形のサイト「120日」=「4か月」と運用が統一に

1. 割引困難な手形のサイトの解釈

2018年12月6日に、本ブログに

(法務担当の方でも勘違いし易い)下請法に関する留意点(計9項目)
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-614.html

という記事をUPしました。

当該記事では、下請法上、親事業者は、割引困難な手形を下請事業者に交付することが禁止されており、現在の公正取引委員会の運用上、繊維業では「90 日」、その他の業種は「120 日」を超えるサイト(期間)の手形が「割引困難な手形」であるとされており、手形サイト「120日」とは、ざっくり「4ヶ月」と解釈するのではなく、厳密に「120日」をカウントする必要があると記載しました。

上記解釈で考えると、「30日=1か月」と計算するのではなく、1か月が31日ある月(7月31日、8月31日等)は、厳密に31日としてカウントする必要がある為、6月末日に4か月後末日の手形を振り出した場合、

振出日「6月末日」から4か月後(10月31日)までの日数は、

7月31日
8月31日
9月30日
10月31日

31日+31日+30日+31日=123日

となり、120日を超える手形を振り出したことになる為、下請法違反となります。



2. 運用の統一

従来、「120日=4か月」なのか「120日≠4か月」なのかについては、

公正取引委員会の見解 「120日≠4か月」(厳密に解釈)
中小企業庁の見解    「120日=4か月」(ざっくりでOK)

と見解が分かれていたようですが、昨年未明、中小企業庁のざっくりとした解釈でOKと、両行政機関の間で運用が統一されたようです。

久々に、下請法対応時のバイブルである、公正取引委員会と中小企業庁が共同で発行している「下請取引適正化推進講習会テキスト」(https://www.jftc.go.jp/houdou/panfu_files/H30textbook.pdf)(平成30年11月発行版)のP77を見てみたところ、 「割引を受けることが困難であると認められる手形」について、


現在の運用では繊維業は90 日(3か月),その他の業種は120 日(4か月)を超える手形期間の手形を長期の手形としている。



と解説されており、「120日=4か月」で良いと思わせる書きぶりに変更されていました。

ということで、従来の厳格基準をベースに考えて、手形のサイトを、例えば、振出日が毎月月末として「4か月後の25日」等と余裕を持った設定にしていたとしても、現在の運用では、単純に「4か月後の末日」に変更して良いことになります。上記に変更することにより、数日間は親事業者の資金繰りが改善することになります。

ただし、「4か月」のサイトが下請法上、OKとはいえ、「4か月後の25日」から「4か月後の末日」にサイトを変更する場合、支払条件の変更となりますので、下請事業者の合意を得る必要があります。

取引している下請事業者の数がたくさんある場合、合意を得る手間が生じますが、しょうがないですね・・。

ちなみに、「4か月後の末日」が銀行休業日で、実際に仕入先に代金が着金されるのが翌月の第1営業日となった場合でも、「4か月のサイト」の手形を発行していれば、下請法上、違反とはならないようです。

これは、上記記事でも記載しておりましたが、現在でもこの運用に変更はないようです。

以上、誰かの参考の為に書き留めておきました。

本件に関するご不明点については、公正取引委員会の下請法相談窓口にお問い合わせください。

以下、公正取引委員会HP 相談窓口 URL
https://www.jftc.go.jp/soudan/madoguchi/kouekitsuhou/sitaukemadoguchi.html



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
会計パーソンのための英語学習法
(金子誠一氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ネイティブに笑われない英文ビジネスEメール―Googleで検索するだけ!
(奥田 百子氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・Google検索では、「*(アスタリスク)」にはトランプのジョーカーのような使い道あり、「*(アスタリスク)」の部分には何が入っても良いという条件で検索可能

・「intitle:〇〇」で、〇〇の箇所に語句を入れて検索すれば、〇〇がタイトルに含まれるHPを検索することができる。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
会社のお金を増やす 攻める経理
(町田孝治氏著作)
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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
連結会計の経理入門(第2版)
(有限責任監査法人トーマツ 著作)

※本書は一読したものの、理解出来ていない部分があるので、腹に落ちるまで何度も読み直したいと思います。

[本書で参考になった内容等]
・「開始仕訳」は、前期末までの連結決算で行われた連結消去仕訳を当期に引き継ぐための仕訳で、
 各年度の連結作業の最初に行うもの。その為、

「100年連結決算している会社は、99年分の連結仕訳が開始仕訳となります。」

・開始仕訳は、前期までの連結仕訳の内、当期の連結利益剰余金期首残高に影響を与えるものについて、
 当期の連結利益剰余金期首残高を修正するために行うもの。

・当期首の連結利益剰余金に影響を与える連結消去仕訳を行ったときは、翌年度の開始仕訳で引き継ぐが、
 翌年度以降、個別財務諸表自体で修正を行った場合は、当該開始仕訳を取り消す必要がある。

・開始仕訳として引き継ぐ場合は、損益計算書項目は「利益剰余金期首残高」を使う。

・未実現の消去については、

 1.開始仕訳(前期末に行った未実現利益の消去仕訳に関する当期への引継ぎ)
 2.開始仕訳の実現仕訳
 3.当該期末における未実現利益の消去仕訳

の3つを行う。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ビジネスモデル2.0図鑑
(近藤 哲朗氏著作)

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あえて契約書を締結しなかった経緯をまとめた資料を残すことの重要性

1.契約書の交渉経緯をまとめた資料の重要性

今般、遅ればせながら「Business law Journal 2019年7月号」を読み終わりました。

Business Law Journal(BLJ)は今の会社で購読していまして、今年、財務・経理部門に異動した後も継続的に私にも回覧して貰い、当社の事業に関係ありそうな記事はなるべく読むようにしています。

私はまがりなりにも10数年間、法務担当をしていましたので、(あくまで社内では相対的に)法務に強いという自身の強みを維持したいことと、また、財務・経理部門に異動したとしても、営業部門から相談を受ける内容には、純粋に財務・経理に関する相談(この経費はどの勘定科目で処理すればいいのか等の相談)もありますが、BLJで取り上げているような企業法務に関する内容も多いので、今後も最新の企業法務情報をキャッチアップするべく読み続けていきたいと思います。

さて、BLJ 2019年7月号で個人的に心に留まった箇所を以下の通り抜粋させて頂きます。

下記は、「海外取引における最近のトラブル類型と対応策」という特集の内、「海外取引トラブルにおける法務担当者の役割(中尾智三郎氏 三菱自動車工業 法務部担当部長)」という記事の抜粋です。


契約が締結された後、トラブルが発生するまでに年数単位の時間が空いているのが一般的ですから、たとえ契約に不備があったとしても、それは不注意により記載がもれていたのか、交渉上やむを得ないことだったのか、戦略的にあえて書かなかったのか。
それは最終契約書だけを見てもわかりません。関係者の記憶も薄れています。しかし、複雑な契約書の締結時には引継書・解説書を作るようにしていれば、書き方が悪くて失敗したのか、詰めが甘かったのか、そもそもビジネス事例から再発防止に役立つ教訓を格段に得やすくなります。これは法務にしかできない重要な仕事でしょう。



私の会社では、基本契約等を締結する際、法務部門を介して社内の承認を得る必要がありますが、その際、申請書の添付書類には、最終的に合意した契約書だけでなく、合意に至る経緯等をまとめた資料を添付するよう運用しています。

先般、私が数年前に契約交渉に関与した某外資系企業との契約書について紛争が発生しました。詳しい内容は書けませんが、契約上、某大手外資系企業(サプライヤー)は納期通りに納入する義務について「努力義務」を負うものの、明確な遵守義務は負わないと記載されている中、実際に納期遅延問題が発生したケースで、当初、上記サプライヤーは上記契約条項を元に契約責任を拒否していました。

上記契約の交渉時、某サプライヤーは外資企業ということもあり(?)、一切の修正には応じないというお決まりスタンスだった中、契約書を締結しないと取引口座が開設出来ないということで、やむなく原文通りに締結しました。

しかし、上記条項も含めて懸念のある条項については、「契約書には〇〇と記載されているけども、実際は△△と対応します」という先方担当者の回答、言質を交渉経緯書、議事録にまとめて締結しました。(上記内容を覚書形式して締結することは、親会社の承認がおりないということで拒否されました・・・)

結果として、上記経緯書を盾に交渉した結果、サプライヤー側も譲歩してくれた、という事例がありました。もし最終的な契約書しか残存していなかったら当社が不利な立場に陥っているところでした。
(サプライヤーが契約書を盾に強硬に自身の契約責任を拒否してきて裁判に移行した場合、勝てたのかどうかは分かりませんが・・・)

ワードの校閲機能を使った契約書の交渉履歴はちゃんと残して締結している、という会社も多いかと思いますが、その履歴が担当した法務担当しか分からない内容、体裁、保存の仕方であれば、トラブルが発生した数年後に当時の法務担当がいなくなっていて、誰も経緯が分からないという事態も想定される為、正直面倒くさいですが、重要な契約ポイントだけでも締結の経緯をまとめたペーパーは残すように運用したいところですね。

なお、締結前に経緯書を一から作成するとなると、長い交渉を経て締結に至ったケースであれば尚更、法務担当も細かい経緯を忘れてしまっている場合もあると思うので、交渉の進捗がある都度、交渉の推移を記録していった方がいいですね。その記録があると、交渉の際にも過去の経緯を思い出す際に役に立ちますし。私が法務担当時代も交渉に都度、時系列的に交渉経緯を残すようにしていました。

というか、社内で締結の承認を得るプロセスがある場合、交渉の経緯が記載された資料なしに、決裁者はどうやって締結の可否を判断するのか、というのはありますね。最終ドラフトだけで、内包するリスクが許容範囲かどうか等をしっかりした判断が出来るのかと。

法務担当が「交渉の結果、問題ない内容で妥結しました。」とコメントした契約申請書(最終ドラフトの添付あり)に決裁印を捺印しているだけでは、儀式的に決裁しているだけで、真に決裁している訳では無いので、交渉の経緯書の作成と決裁者への提示はマストと思います。もし経緯が煩雑であれば、決裁者用にサマリーを別途作って社内申請時に提示する心遣いも大切ですね。



2.あえて契約書を締結しなかった経緯をまとめた資料を残すことの重要性

契約書の締結交渉経緯を残している会社は多いかもしれませんが、あえて戦略的に基本契約書等を締結しなかった経緯を残している会社はどの程度いるのでしょうか?

例えば、基本契約書について色々と交渉したものの、話が平行線となり、先方の要望通りに不利な契約書を原文通りに締結するくらいであれば、トラブルが発生したときは法律に任せた方がマシという判断で、あえて基本契約書を締結しないケースがあると思います。

このようなケースの場合、上記経緯を紙に残して、可能であれば、契約締結の承認権限者の了承印を貰っておいた方がいいですね。

上記エビデンスが残っていないと、いざ、みんなが上記経緯を忘れたころに相手先とビジネスのトラブルが発生した場合、「なんでこれまで基本契約書が締結されていなかったんだ?」と、トラブル発生時点の法務部門が責められる可能性があります。

また、寝た子を起こさないように、あえて契約交渉をペンディングに持ち込んでいたのに、数年後、基本契約書の締結が無いことに気づいた(やる気のある法務部門が)締結推進活動を進めた結果、再度、平行線の交渉が開始し、さらに悪いことには、


「現在の方針として、基本契約書の締結が無い先とは取引しない方針としている。御社とはてっきり基本契約書は既に締結されているものと考えていたが、未締結とは気づかなかった。今後、基本契約書の締結が出来なければ、取引の継続は出来ない。


というような強硬なことを言われる余地を与えてしまうことが想定されます。

その為、契約を締結するに至った経緯を残すことも大事ですが、あえて締結しなかった経緯も書面に残して、すぐに参照出来るように保管しておきたいものですね。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
銀行業務検定試験公式テキスト 外国為替3級
(経済法令研究会 (編集))

[本書で参考になった内容等]
為替予約は原則、期日に履行する必要がある。
ただし、銀行との取り決めで取り消しが可能な場合は、原則、取消日の直物相場で反対取り消しを行い、これにより生じた為替差損は、ペナルティとして取り消し手数料と合わせて銀行から請求を受ける(場合がある)。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
いちばんやさしい為替の教本 人気講師が教える実務で使える通貨と経済のしくみ
(いちばんやさしい教本シリーズ)
(神田卓也氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
稲盛和夫の実学―経営と会計(稲盛 和夫氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
一番わかりやすい 連結会計の教科書
(TAC簿記検定講座 著作)

※本書では練習問題も掲載されていましたが、まだ私の力不足で
 取り組めていない問題がたくさんあるので、
 もう少し連結会計の勉強を進めた後、チャレンジしようと思います。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
そのまま使える 経理の英文メール
(新日本有限責任監査法人著作)

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