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元総務&法務担当の部屋     

これまで、ある企業で約十数年間、法務担当(+α)として仕事に従事していた者です。最近、財務・経理部門に移動しました。このブログは、仕事に関する書籍を読んだ感想や仕事を通じて感じたことを備忘録として書き留めておく為に立ち上げました。
2019年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2019年09月

(消費税増税)税率等に関する経過措置に注意(請負取引も適用対象となる場合あり)

1.消費税増税の準備は大丈夫ですか?

今般は、今年の10月から消費税増税がスタートする為、当該改正内容について理解を深めるべく、「ポイントで理解する消費税改正(椿 隆氏著作)」を読んでみました。

本書でも解説されていましたが、自社が販売・提供している製品・サービスが軽減税率の対象外の場合でも、接待交際費、福利厚生費等の費用科目には軽減税率の対象となる課税仕入れが含まれているケースが多い為、軽減税率制度はほとんど全ての事業者に影響があるようですね。

10月に向けて基幹システム、経費精算システムの改修を進める必要があるものの、まだ未対応の会社(当社も含む)はそろそろ急いだ方がいいですね・・。ベンダーもこの時期忙しいので、急に依頼しても無理が利かないと思いますし。



2.税率等に関する経過措置に注意(請負取引も適用対象となる場合あり)

本件について今、個人的に気になっているが、税率等について経過措置があることです。

経過措置については本書にも詳しく説明されていますが、国税庁消費税室がネット上で公表している下記Q&Aも参考になりました。


平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【基本的な考え方編】(平成30年10月)(PDF/435KB)
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/02.pdf


経過措置が適用される取引形態はいくつかあり、パっと見、自社のビジネスには関係がなさそうな取引しかなさそうに見えたとしても、よーく見てみると、自社にも関係するケースがあるかもしれませんので注意が必要です。

例えば、専門商社の当社でいうと、上記Q&Aの5ページに記載の「請負工事等」が経過措置の対象取引として当社にも関係がありそうです。


③ 請負工事等
26年指定日(平成25年10月1日)から31年指定日(平成31年4月1日)の前日までの間に締結した工事(製造を含みます。)に係る請負契約(一定の要件に該当する測量、設計及びソフトウェアの開発等に係る請負契約を含みます。)に基づき、31年施行日(令和元年10月1日)以後に課税資産の譲渡等を行う場合における、当該課税資産の譲渡等



上記の通り、製造委託取引に係る請負契約も経過措置の対象となる取引の為、平成31年3月31日前に受注または発注して、令和1年10月1日以降にモノ(金型や顧客向け仕様の特注品)の引き渡しをする場合、上記「請負取引」には、経過措置が適用されることになります。

しかし、上記期間的な要件に合致していた場合でも、単純な汎用品・カタログ品の「売買取引」には経過措置は適用されません。

そこで問題となるのが、非常に多くの品目の製品を取引している当社のような専門商社の場合、「請負取引」と「売買取引」をどのように区別して新旧の税率を適用するのか判断するのが難しいというところです。

「売買取引」と「請負取引」の識別が難しいという点でいえば、下請法の適用対象取引の判定時にも同様の問題が生じますが、当社では、下請法の取引要件は無視して、仕入先の資本金が3億円以下の場合、機械的に下請事業者と見なして支払い条件等の設定をしています。下請法については、当社が資本金のみを基準として下請法適用取引の該当性を判断した結果、本来は下請事業者には該当しない仕入先側も下請法に基づいて対応したとしても、仕入先側には何も支障は生じないため、特に問題が生じることはありませんし、文句を言われることもありません。

しかし、支払い・入金金額に関係してくる消費税率が「旧:8%」と「新:10%」のどちらを適用するのかどうかについては、当社の一存だけでは決められない為、個々の取引毎にしっかりと取引要件を確認する必要があり、仕入先、販売先とやり取りして調整しなければならないケースが多発しそうで面倒ですね・・。

社内で調べたら、上記期間的要件に合致しそうな取引が多数あることが分かったので、近々、どのように対応するのか社内で検討予定です。対応方針が決まり次第、参考までにこちらでその内容を紹介・情報共有させて頂くかもしれもしれませんし、しないかもしれません。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ベーシック税務会計<企業課税編>
中島 茂幸氏 (編集), 櫻田 譲氏 (編集)

※本書は、法人税能力検定試験、消費税法能力検定試験のテキストにもなっており、傾向と対策も解説されている為、いつか、上記試験を受けてみようかなと考えている為、購入して一読してみました。どうせ受けるなら1級をと考えていますが、実際の業務とは関係の無い論点も勉強する必要が有るため、その勉強に時間を割くことに意味・費用対効果があるのかどうか、検討中です。
[本書で参考になった内容等]
・売上高について返品を受けて、値引き、割り戻しをした場合、その売上高は減少する。この場合、返還となる売上高の生じた課税期間に関係なく、減額をした課税期間において、課税される消費税額から対価の返還に係る消費税額を控除することになる。

・売掛債権について、相手方が法的破産をして、その全部または一部を受領することができなくなった場合、上記事態が発生した課税期間に課税される消費税額から、受け取ることが出来なくなった消費税額を控除する。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
イチからはじめる法人税実務の基礎〔第3版〕
菅原 英雄氏(著作)

[本書で参考になった内容等]
・寄付金は実際に支払わないと損金とならない。未払金の計上時点では損金算入不可。

・国外関連者に対する寄付金は全額を損金算入不可となっている。

・「法人は個人の集合体である」という考えがあるため、法人税は個人の所得税の前払い的な性格を持っている。

・内国法人からの剰余金の配当は益金不算入。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
退職給付会計のしくみ(第2版) (【図解でざっくり会計シリーズ】)
(新日本有限責任監査法人)

[本書で参考になった内容等]
・確定給付型年金制度といっても、各人に対する給付額が確定しているわけではなく、決まっているのは、どのように金額を決定するのかという計算方法。

・確定拠出型年金制度では、掛金の拠出時点に費用処理するだけ。

・退職給付引当金は、各種構成要素(年金資産、退職給付債務、未認識項目)を合算した差額として算出される。

・連結上、未認識項目(数理計算上の際の当期発生額と過去勤務費用の当期発生額の内、費用処理されていない部分)は、連結貸借対照表上、純資産(その他の包括利益累計額)で即時に認識される点が個別財務諸表との違い。

・個別財務諸表上、借方残となった場合、「前払年金費用」として計上する。

・年金を支払うことで、退職給付債務が減少し、同時に、年金資産が同額減少する場合、仕訳を起こす必要はない。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
すらすら退職給付会計
(佐藤 雄太氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・会計上、退職給付は賃金の後払いと考える立場をとっている。

・退職給付会計基準の対象となる対象金は、労働の対価といえる部分のみの為、
 リストラに際して支給される「早期割増退職金」は含まれない。

・退職給付引当金に係る費用は損金として認められない。ただし、外部拠出企業年金制度の掛金拠出は損金となる。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
連結会計入門〈第6版〉
(広瀬義州氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ビジネススクールで教えている会計思考77の常識
(西山 茂氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・企業の格付けは、借りた資金を返せるかどうかを評価したもの。

・コスト構造上、固定費の比重が高い方が利益がブレやすくなり、変動費の比重が高い場合は、利益はブレにくくなる。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
連結会計の経理入門(第2版)
(有限責任監査法人トーマツ 著作)

※以前も上記書籍を読みましたが、理解が不十分だったので今回、再読してみました。
  読むたびに新たな気づきがあるので、またそのうち、読み返したいと思います。

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(下請法)割引困難な手形のサイト「120日」=「4か月」と運用が統一に

1. 割引困難な手形のサイトの解釈

2018年12月6日に、本ブログに

(法務担当の方でも勘違いし易い)下請法に関する留意点(計9項目)
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-614.html

という記事をUPしました。

当該記事では、下請法上、親事業者は、割引困難な手形を下請事業者に交付することが禁止されており、現在の公正取引委員会の運用上、繊維業では「90 日」、その他の業種は「120 日」を超えるサイト(期間)の手形が「割引困難な手形」であるとされており、手形サイト「120日」とは、ざっくり「4ヶ月」と解釈するのではなく、厳密に「120日」をカウントする必要があると記載しました。

上記解釈で考えると、「30日=1か月」と計算するのではなく、1か月が31日ある月(7月31日、8月31日等)は、厳密に31日としてカウントする必要がある為、6月末日に4か月後末日の手形を振り出した場合、

振出日「6月末日」から4か月後(10月31日)までの日数は、

7月31日
8月31日
9月30日
10月31日

31日+31日+30日+31日=123日

となり、120日を超える手形を振り出したことになる為、下請法違反となります。



2. 運用の統一

従来、「120日=4か月」なのか「120日≠4か月」なのかについては、

公正取引委員会の見解 「120日≠4か月」(厳密に解釈)
中小企業庁の見解    「120日=4か月」(ざっくりでOK)

と見解が分かれていたようですが、昨年未明、中小企業庁のざっくりとした解釈でOKと、両行政機関の間で運用が統一されたようです。

久々に、下請法対応時のバイブルである、公正取引委員会と中小企業庁が共同で発行している「下請取引適正化推進講習会テキスト」(https://www.jftc.go.jp/houdou/panfu_files/H30textbook.pdf)(平成30年11月発行版)のP77を見てみたところ、 「割引を受けることが困難であると認められる手形」について、


現在の運用では繊維業は90 日(3か月),その他の業種は120 日(4か月)を超える手形期間の手形を長期の手形としている。



と解説されており、「120日=4か月」で良いと思わせる書きぶりに変更されていました。

ということで、従来の厳格基準をベースに考えて、手形のサイトを、例えば、振出日が毎月月末として「4か月後の25日」等と余裕を持った設定にしていたとしても、現在の運用では、単純に「4か月後の末日」に変更して良いことになります。上記に変更することにより、数日間は親事業者の資金繰りが改善することになります。

ただし、「4か月」のサイトが下請法上、OKとはいえ、「4か月後の25日」から「4か月後の末日」にサイトを変更する場合、支払条件の変更となりますので、下請事業者の合意を得る必要があります。

取引している下請事業者の数がたくさんある場合、合意を得る手間が生じますが、しょうがないですね・・。

ちなみに、「4か月後の末日」が銀行休業日で、実際に仕入先に代金が着金されるのが翌月の第1営業日となった場合でも、「4か月のサイト」の手形を発行していれば、下請法上、違反とはならないようです。

これは、上記記事でも記載しておりましたが、現在でもこの運用に変更はないようです。

以上、誰かの参考の為に書き留めておきました。

本件に関するご不明点については、公正取引委員会の下請法相談窓口にお問い合わせください。

以下、公正取引委員会HP 相談窓口 URL
https://www.jftc.go.jp/soudan/madoguchi/kouekitsuhou/sitaukemadoguchi.html



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
会計パーソンのための英語学習法
(金子誠一氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ネイティブに笑われない英文ビジネスEメール―Googleで検索するだけ!
(奥田 百子氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・Google検索では、「*(アスタリスク)」にはトランプのジョーカーのような使い道あり、「*(アスタリスク)」の部分には何が入っても良いという条件で検索可能

・「intitle:〇〇」で、〇〇の箇所に語句を入れて検索すれば、〇〇がタイトルに含まれるHPを検索することができる。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
会社のお金を増やす 攻める経理
(町田孝治氏著作)
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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
連結会計の経理入門(第2版)
(有限責任監査法人トーマツ 著作)

※本書は一読したものの、理解出来ていない部分があるので、腹に落ちるまで何度も読み直したいと思います。

[本書で参考になった内容等]
・「開始仕訳」は、前期末までの連結決算で行われた連結消去仕訳を当期に引き継ぐための仕訳で、
 各年度の連結作業の最初に行うもの。その為、

「100年連結決算している会社は、99年分の連結仕訳が開始仕訳となります。」

・開始仕訳は、前期までの連結仕訳の内、当期の連結利益剰余金期首残高に影響を与えるものについて、
 当期の連結利益剰余金期首残高を修正するために行うもの。

・当期首の連結利益剰余金に影響を与える連結消去仕訳を行ったときは、翌年度の開始仕訳で引き継ぐが、
 翌年度以降、個別財務諸表自体で修正を行った場合は、当該開始仕訳を取り消す必要がある。

・開始仕訳として引き継ぐ場合は、損益計算書項目は「利益剰余金期首残高」を使う。

・未実現の消去については、

 1.開始仕訳(前期末に行った未実現利益の消去仕訳に関する当期への引継ぎ)
 2.開始仕訳の実現仕訳
 3.当該期末における未実現利益の消去仕訳

の3つを行う。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ビジネスモデル2.0図鑑
(近藤 哲朗氏著作)

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あえて契約書を締結しなかった経緯をまとめた資料を残すことの重要性

1.契約書の交渉経緯をまとめた資料の重要性

今般、遅ればせながら「Business law Journal 2019年7月号」を読み終わりました。

Business Law Journal(BLJ)は今の会社で購読していまして、今年、財務・経理部門に異動した後も継続的に私にも回覧して貰い、当社の事業に関係ありそうな記事はなるべく読むようにしています。

私はまがりなりにも10数年間、法務担当をしていましたので、(あくまで社内では相対的に)法務に強いという自身の強みを維持したいことと、また、財務・経理部門に異動したとしても、営業部門から相談を受ける内容には、純粋に財務・経理に関する相談(この経費はどの勘定科目で処理すればいいのか等の相談)もありますが、BLJで取り上げているような企業法務に関する内容も多いので、今後も最新の企業法務情報をキャッチアップするべく読み続けていきたいと思います。

さて、BLJ 2019年7月号で個人的に心に留まった箇所を以下の通り抜粋させて頂きます。

下記は、「海外取引における最近のトラブル類型と対応策」という特集の内、「海外取引トラブルにおける法務担当者の役割(中尾智三郎氏 三菱自動車工業 法務部担当部長)」という記事の抜粋です。


契約が締結された後、トラブルが発生するまでに年数単位の時間が空いているのが一般的ですから、たとえ契約に不備があったとしても、それは不注意により記載がもれていたのか、交渉上やむを得ないことだったのか、戦略的にあえて書かなかったのか。
それは最終契約書だけを見てもわかりません。関係者の記憶も薄れています。しかし、複雑な契約書の締結時には引継書・解説書を作るようにしていれば、書き方が悪くて失敗したのか、詰めが甘かったのか、そもそもビジネス事例から再発防止に役立つ教訓を格段に得やすくなります。これは法務にしかできない重要な仕事でしょう。



私の会社では、基本契約等を締結する際、法務部門を介して社内の承認を得る必要がありますが、その際、申請書の添付書類には、最終的に合意した契約書だけでなく、合意に至る経緯等をまとめた資料を添付するよう運用しています。

先般、私が数年前に契約交渉に関与した某外資系企業との契約書について紛争が発生しました。詳しい内容は書けませんが、契約上、某大手外資系企業(サプライヤー)は納期通りに納入する義務について「努力義務」を負うものの、明確な遵守義務は負わないと記載されている中、実際に納期遅延問題が発生したケースで、当初、上記サプライヤーは上記契約条項を元に契約責任を拒否していました。

上記契約の交渉時、某サプライヤーは外資企業ということもあり(?)、一切の修正には応じないというお決まりスタンスだった中、契約書を締結しないと取引口座が開設出来ないということで、やむなく原文通りに締結しました。

しかし、上記条項も含めて懸念のある条項については、「契約書には〇〇と記載されているけども、実際は△△と対応します」という先方担当者の回答、言質を交渉経緯書、議事録にまとめて締結しました。(上記内容を覚書形式して締結することは、親会社の承認がおりないということで拒否されました・・・)

結果として、上記経緯書を盾に交渉した結果、サプライヤー側も譲歩してくれた、という事例がありました。もし最終的な契約書しか残存していなかったら当社が不利な立場に陥っているところでした。
(サプライヤーが契約書を盾に強硬に自身の契約責任を拒否してきて裁判に移行した場合、勝てたのかどうかは分かりませんが・・・)

ワードの校閲機能を使った契約書の交渉履歴はちゃんと残して締結している、という会社も多いかと思いますが、その履歴が担当した法務担当しか分からない内容、体裁、保存の仕方であれば、トラブルが発生した数年後に当時の法務担当がいなくなっていて、誰も経緯が分からないという事態も想定される為、正直面倒くさいですが、重要な契約ポイントだけでも締結の経緯をまとめたペーパーは残すように運用したいところですね。

なお、締結前に経緯書を一から作成するとなると、長い交渉を経て締結に至ったケースであれば尚更、法務担当も細かい経緯を忘れてしまっている場合もあると思うので、交渉の進捗がある都度、交渉の推移を記録していった方がいいですね。その記録があると、交渉の際にも過去の経緯を思い出す際に役に立ちますし。私が法務担当時代も交渉に都度、時系列的に交渉経緯を残すようにしていました。

というか、社内で締結の承認を得るプロセスがある場合、交渉の経緯が記載された資料なしに、決裁者はどうやって締結の可否を判断するのか、というのはありますね。最終ドラフトだけで、内包するリスクが許容範囲かどうか等をしっかりした判断が出来るのかと。

法務担当が「交渉の結果、問題ない内容で妥結しました。」とコメントした契約申請書(最終ドラフトの添付あり)に決裁印を捺印しているだけでは、儀式的に決裁しているだけで、真に決裁している訳では無いので、交渉の経緯書の作成と決裁者への提示はマストと思います。もし経緯が煩雑であれば、決裁者用にサマリーを別途作って社内申請時に提示する心遣いも大切ですね。



2.あえて契約書を締結しなかった経緯をまとめた資料を残すことの重要性

契約書の締結交渉経緯を残している会社は多いかもしれませんが、あえて戦略的に基本契約書等を締結しなかった経緯を残している会社はどの程度いるのでしょうか?

例えば、基本契約書について色々と交渉したものの、話が平行線となり、先方の要望通りに不利な契約書を原文通りに締結するくらいであれば、トラブルが発生したときは法律に任せた方がマシという判断で、あえて基本契約書を締結しないケースがあると思います。

このようなケースの場合、上記経緯を紙に残して、可能であれば、契約締結の承認権限者の了承印を貰っておいた方がいいですね。

上記エビデンスが残っていないと、いざ、みんなが上記経緯を忘れたころに相手先とビジネスのトラブルが発生した場合、「なんでこれまで基本契約書が締結されていなかったんだ?」と、トラブル発生時点の法務部門が責められる可能性があります。

また、寝た子を起こさないように、あえて契約交渉をペンディングに持ち込んでいたのに、数年後、基本契約書の締結が無いことに気づいた(やる気のある法務部門が)締結推進活動を進めた結果、再度、平行線の交渉が開始し、さらに悪いことには、


「現在の方針として、基本契約書の締結が無い先とは取引しない方針としている。御社とはてっきり基本契約書は既に締結されているものと考えていたが、未締結とは気づかなかった。今後、基本契約書の締結が出来なければ、取引の継続は出来ない。


というような強硬なことを言われる余地を与えてしまうことが想定されます。

その為、契約を締結するに至った経緯を残すことも大事ですが、あえて締結しなかった経緯も書面に残して、すぐに参照出来るように保管しておきたいものですね。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
銀行業務検定試験公式テキスト 外国為替3級
(経済法令研究会 (編集))

[本書で参考になった内容等]
為替予約は原則、期日に履行する必要がある。
ただし、銀行との取り決めで取り消しが可能な場合は、原則、取消日の直物相場で反対取り消しを行い、これにより生じた為替差損は、ペナルティとして取り消し手数料と合わせて銀行から請求を受ける(場合がある)。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
いちばんやさしい為替の教本 人気講師が教える実務で使える通貨と経済のしくみ
(いちばんやさしい教本シリーズ)
(神田卓也氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
稲盛和夫の実学―経営と会計(稲盛 和夫氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
一番わかりやすい 連結会計の教科書
(TAC簿記検定講座 著作)

※本書では練習問題も掲載されていましたが、まだ私の力不足で
 取り組めていない問題がたくさんあるので、
 もう少し連結会計の勉強を進めた後、チャレンジしようと思います。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
そのまま使える 経理の英文メール
(新日本有限責任監査法人著作)

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「買掛金、売掛金、在庫の増減」 = 「キャッシュの増減」と言えるか?

ご承知の通り、キャッシュフロー計算書(間接法)では、「税金等調整前当期純利益」を出発点として、非資金損益項目等を加減算して営業キャッシュフローを算出します。

ではここで少し考えてみましょう。

以下の通り、「買掛金、売掛金、在庫の増減」 = 「キャッシュの増減」と言えるのでしょうか?


  [キャッシュフロー]
  XXX百万円の買掛金の増加  = XXX百万円のキャッシュ増加

  XXX百万円の売掛金の増加  = XXX百万円のキャッシュ減少

  XXX百万円の在庫の減少    = XXX百万円のキャッシュ増加



なお、商品売買の会計処理方法としては、主に「三分法」、「分記法」、「売上原価対立法」がありますが、多くの会計本では「三分法」をベースにキャッシュの動きを解説しているケースが多いかと思います。

そんな中、当社では「売上原価対立法」を採用していることもあり、今回は、営業活動でキャッシュがどのように増減していくのかを確認する為に、「売上原価対立法」で処理する場合で、各取引段階での仕訳と現金の流れを以下の通り記載してみました。

なお、下記仕訳以外の要素は無視した前提となっています。

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このように、あえて長々と書いてみるまでもなく、「買掛金、売掛金、在庫の増減」 =「キャッシュの増減」とは必ずしも言えず、あくまで、PLの「税金等調整前当期純利益」も含めて考えないと本当のキャッシュの増減要因は表せないことが分かりました。

ただ、業種にもよるかと思いますが、BS上の現金の増減を簡易的に分析するだけであれば、金額的に大きな運転資金に関する上記3項目をベースに検証するのも手っ取り早くてアリなのかもしれないなと思った土曜日でした。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
基礎から学ぶSEの会計知識(改訂版)(金子 智朗氏著作)

[本書で心に留まった内容等]
・正しい意思決定をするには、埋没コストを取り除き、将来発生するコストだけを考えなければならない。

・「もったいない」という感覚で、すでに発生している投資額や売却損をコストに組み入れてしまいたくなるが、「もったいない」という感覚は経済合理的には根拠はない。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
図解&ストーリー「資本コスト」入門
(岡 俊子氏著作)

[本書で参考になった内容等]
M&Aを検討する際、対象会社の価値に見合う買収価格かどうかを検証する上では、対象会社のWACCを使用する意味はあるが、自社の投資の妥当性を検証して第三者の理解を得る上では自社のWACCを使って買収価格を検討する必要あり。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
SEがはじめて学ぶ会計
(広川 敬祐氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
為替リスク対策のすべて(1988年3月出版)
(大塚 順次郎氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・外国為替が暴騰・暴落している場合を除けば、例えば、米ドルの先物相場が直物に比べて安いの要因は金利平価によるものであって、米ドルが先々弱くなることを示すものではない。

・本書には、著者が実需原則撤廃直後に考案したという先物ヘッジ予約(包括ヘッジ予約)の手法が詳しく解説されています。

上記手法について、「円高局面でもこのヘッジ予約で為替益を出せるのですから楽しみです。」という輸出メーカー担当者のコメントが記載されておりました。

為替益を狙いに行くファンドの為替担当であれば分かりますが、輸出メーカーの為替担当の役割は、為替変動リスクを抑えることにあり、どれだけ変動幅を抑えられたを狙いに行くべきであり、為替益を楽しみしちゃダメだろと思いましたが、どうなんでしょうかね。為替益を取りに行く輸出メーカーもあるんでしょうか。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
マンガ 外国為替入門―難しい為替のしくみがよくわかる
(中藤 健治氏、高橋 達央氏著作、住友商事外為部 監修)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
為替オーバーレイ入門―戦略的為替リスク・マネジメント
(中窪 文男氏著作)

以下、本書前書き(本書の特徴)一部抜粋


◆初心者にもわかりやすい
本書をベースに、運用経験のない若手社員数名と「外国為替勉強会」を実施し、彼らのコメントをもとに、初心者にも理解し易い本に仕上げた(ただし、後半は数式も多く、初心者には理解しにくい部分も多少ある)



上記前書きを読んで本書を読み始めましたが、超初心者の私には理解出来ない部分が多々あり、
早々にそっと本を閉じました・・orz

著者と私の考える「初心者」のレベル感が違いすぎましたね。

もっと為替の知識レベルが向上したら本書に再挑戦しようと思いますが、そんな日は来るのだろうか・・。

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棚卸資産に含まれる未実現利益の連結消去仕訳に関する個人的な違和感

1.近況について

最近は、6月の株主総会に向けた開示書類の作成等、PTA活動(本部役員やってます)、色々な私用イベントで忙しく、また、今の担当業務である財務・経理についてはまだまだ経験・知見が乏しくて、今はインプットの時期であり、(あわよくば)読んで頂いた方に少しでも有益な情報を提供したいなと考えて本ブログを運営している中、そのような内容で語れるものが無いので、しばらく更新が滞っていましたが、さすがにそろそろ更新しないとなぁということで、あくまで個人的な備忘録として下記内容を書き留めておこうと思います。



2.連結会計の本を読んでみました

今般、飯塚 幸子氏著作の「図解&設例 連結会計の基本と実務がわかる本」を読んでみました。

今年の2月頃に、飯塚氏が講師を務めた、丸の内税研セミナー主催の「初めて学ぶ 連結会計の基本」というセミナーを受講したことがあり、同セミナーで配布された同氏著作の「初めて学ぶ連結会計の基礎」を読みましたが、非常に分かりやすい内容だったこともあり、上記ステップアップ編として書かれた冒頭の書籍を読んでみました。



3.棚卸資産に含まれる未実現利益の消去の仕訳に関する個人的な違和感

棚卸資産に含まれる未実現利益の消去を行う際の仕訳は、本書でも解説されていますが、以下の通りとなります。

下記仕訳では、親会社が子会社に商品(原価::80)を100で販売したものの、子会社では未だ外部には販売しておらず、上記商品が子会社の在庫として残存しているケースを想定しています。

  (連結消去・修正仕訳)
  ・損益取引の消去     売上高   100  /  売上原価  100
  ・未実現利益の消去    売上原価  20   /   商品  20

私が所属している会社では「売上原価対立法」に基づいて売買取引を記帳しております。

その為、連結会計を学び始めた当初は(今でも?)、グループ外に対する販売が実施されていない段階なのに、子会社に発生している「売上原価」と親会社の「売上」を消去することに違和感を覚えていました。「売上原価対立法」上、子会社で「売上原価」が計上されるのは、「仕入時」ではなく、「売上計上時」ですからね。

上記仕訳が、商品売買に認められている複数の記帳方法(三分法、分記法、売上原価対立法 等)の内、どの方法を念頭に置いた処理なのか、しばらく悩んだ時期もありました。

ただ、以前、他の書籍やネット検索の結果、学んだ通り、連結財務諸表上、「売上原価」は以下の通り分類することが可能であり、

  売上原価(期首商品)
  売上原価(当期仕入高) 
  売上原価(期末商品)
  売上原価(PL表示科目)

未実現利益消去時の取引消去では、子会社の「売上原価(当期仕入高)」を消去していること。

また、上記消去の仕訳は、親子のBS、PLを合算した後の連結修正仕訳なので、財務諸表の表示科目名(売上原価)で仕訳処理することが分かり、ようやく何となく腹に落ちたことをふと思い出しました。

ただ、「売上原価対立法」では、商品の期首残、期中仕入高、商品の期末高の加減で売上原価を求める訳ではなく、取引の都度、売上原価を算出する方法なので、上記説明だけではしっくりこず、まだふわふわした状態なので、もう少しもっと良い説明方法はないのか探ってみたいと思います。

簿記、会計は、深く考えずにこういうもんなんだということで暗記するしかない項目、仕訳もあるかと思いますが、直ぐに忘れないように、また、他の関連するテーマや応用論点で躓かないように、疑問点、違和感はそのままにしないで腹落ちするまで掘り下げていくようにしたいと思います。

以上、チラ裏でした。。



4.編集後記

個人的な話ですが、最近、連結会計に関する実務について、徐々に携わる機会が増えてきましたが、まだまだ分からないテーマ、論点が多く、OJTだけでは早期のキャッチアップには限界があるので、今後とも継続的に勉強を進めていきたいと思います。



<本書目次>
第1章 基本編(連結会計の目的;連結財務諸表の作成の全体像;連結決算業務の流れ ほか)
第2章 応用編(支配獲得時の処理;支配獲得後の持分変動の処理;間接所有がある場合の資本連結 ほか)
第3章 開示編(連結包括利益計算書の作成;連結株主資本等変動計算書の作成;連結キャッシュ・フロー計算書の作成 ほか)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
税務調査官の着眼力
(薄井逸走氏著作)

[本書で参考になった内容等]
課税所得金額を操作出来ないようにする為、寄付金は、「未払金の計上時」には計上出来ず、「支払い時」に計上出来る。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
会計人のための楽しく学ぶビジネス英語
(ダニエル ドーラン氏、橋本 尚氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
新・IFRSのしくみ (すらすら図解)
(あずさ監査法人IFRSアドバイザリー室 編集)

[本書で参考になった内容等]
会計方針を変更した場合、各基準書において別途定めのない限り、変更後の会計方針を遡及的に適用する必要がある。遡及的に適用することが実務上、不可能な場合は、実務上可能な時点まで遡って適用する必要あるようです。かなり面倒くさいですね((((;゚Д゚))))

ただ、日本の会計基準では減価償却方法は会計方針とされていますが、IFRSでは「見積りの変更」として、「会計方針」とは認識されておらず、減価償却方法を変更した場合は、変更した期から将来に向けて適用され、遡及適用はする必要はないようです。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養
(エリン・メイヤー氏著作)

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