近々、各種契約書の全社公開に向けて文書管理システム(クラウド版)を導入します。

1.文書管理システム(クラウド版)の導入経緯について
今年の6月に本ブログに掲載した「締結済の契約書を全社で共有する方法(BLJ 2016年7月号)」という記事にも記載しましたが、現在、私の所属している会社では、取引先と締結した各種契約書(基本契約書、品質保証協定書、秘密保持契約書等)は、全てPDF化した上で、法務部門だけが入ることの出来るファイルサーバー内のフォルダにて保管し、営業担当等から内容確認の為に、コピーの送付依頼を受けた都度、メールで送付するよう対応しております。

なお、「取引開始時には基本契約書を営業部門でも良く確認しましょう」と、研修等で呼び掛けているものの、一部の意識の高い営業担当は別にして、自発的に契約書を確認しようという高い志をもった方は少ないと思われます(当社比)

その為、営業担当が、トラブル発生後に初めて契約書を確認した結果、当社に不利な条件で取引を実施していたことが判明した、という事態が発生することも想定されます。幸い、今のところ、上記に関する大きな問題が発生したことはありませんが、これまで発生していなかったからといって、今後も大丈夫とは限りません。

そこで、近々、文書管理システム(クラウド版)を導入し、一定のセキュリティを確保した上で、全社員が、各種契約書のコピーを自由に閲覧・ダウンロード・印刷が可能な環境を作ることになりました。

なお、「契約書を閲覧可能な状態にしたので、確認して下さいね。じゃあ、そういうことで♪」とアナウンスするだけでは、一部の意識の高い営業担当の方を除き、ただでさえ忙しい営業担当はきっと確認してくれないでしょう。

そこで、今後、各営業担当者は、上記システムを介して、新規・既存の取引にかかわらず、自分が担当している顧客・仕入先との「基本契約書(保証条件を記載したその他の契約書を含む)の有無」、基本契約書上の重要ポイント(品質保証期間、不具合発生時の補償方法等)を確認して貰い、当社(商社)が仕入先にて対応可能な範囲を超えて、顧客に対して過度な責任を負担している取引は無いか、確認するルールを設ける予定です。

確認結果は所定のエクセルフォームに入力し、プリントアウトの上、営業担当者・拠点長が印鑑を捺印した上で保管して、随時、更新して貰うように運用予定ですが、この記録を法務部門に送付して貰うことまでは求めず、上記確認記録の有無について内部監査の対象とする旨、アナウンスすることで、実効性を担保しようと考えております。

上記ルール導入当初は、営業担当、(営業部門からの問い合わせ(苦情?)対応に負われる)法務部門共に、業務負荷が大きく増えることが想定されますが、その負荷を超えるメリット(「営業担当がトラブル発生後に初めて契約書を確認した結果、当社に不利な条件で取引を実施していたことが判明した」ことに伴う、問題解決の為の後ろ向きな仕事に費やす時間・人件費・弁護士費用等を削減する効果)があるかと思いますので、ただでさえ忙しい中ではありますが、何とか乗り切ろうかと思います。

現在、今月中にシステム構築を完了させ、来月には導入・アウアンスするべく、本日は、シコシコと、システム会社に週明けに受け渡す大量のPDFデータ(約1万件・・)と契約書一覧のCSVデータの加工作業を、自宅で子供がプラレールで遊んでいる様子をチラ見しながら行っています・・。一応、自宅に持ちかえった会社PC(暗号化済)から、VPN経由で会社のファイルサーバーに入っているので、漏洩のリスクは少ないかと思われます・・。

2.導入予定の文書管理システム(クラウド版)について

今回、文書管理システム(クラウド版)を導入するにあたり、色々なシステムを検討しましたが、その中で、最終検討段階では、下記の3点に絞られました。

 <システム候補>
 1.My QUICK(クラウド) インフォコム社提供
 2.ASTRUX SaaS デジタルマトリックス社提供
 3.法務支援クラウドサービス
   「RICOH Contract Workflow Service」 リコージャパン社提供

当初、上記システムの長短を比較した表を作成して、導入を決めた理由等を本ブログでご紹介しようかと思いましたが、可能性としては非常に低いかと思いますが、(上記システム名をググった結果、本ブログにたどり着いた)上記システム会社の方から、私が特定されてしまうのも難なので、やめました。

なお、上記システムに限らず、文書管理システムは多数ありますので、導入を検討している会社さんは、システムを導入して何をしたいかを一番に考えて、「費用面」、「機能面」、「システムの提供会社の概要・規模(会社が立派であれば、おそらく、より高い情報セキュリティが構築されていて、漏洩リスクが少なそうということで、社内を説得しやすいという場合あり。経験者は語る。)」等を総合的に考慮して決定するようにしましょう(上から目線ですみません・・)。
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書籍:ハンドブック アメリカ・ビジネス法 U.S.BUSINESS LAW HANDBOOK

先般、「ハンドブック アメリカ・ビジネス法 U.S.BUSINESS LAW HANDBOOK(吉川 達夫氏、飯田 浩司氏著作)」を読みまして、多数、参考とる箇所がありましたが、その一部を、備忘として下記にまとめておきたいと思います。

1.抵当権の対抗要件

米国では、一部の例外を除き、抵当権の設定後、日本と同様(当然のことながら、日本と全く同じ制度ではありませんが)、対抗力を具備する為、抵当物件の内容を州所定の登録所に登録(ファイナンシャル・ステートメント)する必要があるようです。但し、


当初のファイナンシング・ステートメントの登録後、事情の変更でこれを修正したり、あたらしく登録し直す必要が出てくる場合があるので注意が必要である。例えば、債務者が州外に移転した場合は、移転の日から4ヶ月以内に移転先の州で登録をしておけば完全化の効力は維持されるが、その期限内に登録しないと当初から完全化していなかったものとみなされてしまう(U.C.C.第9節9-316(a)(2), 316(b))」


とのことです。

州は一つの国みたいなものであることから、上記のような対応が必要なんでしょうね。私の所属会社が、米国の債務者(=販売先)の資産に対して抵当権を設定したことは無く、今後も当面その必要性は無いかと思いますが、上記事項は留意したいと思います。なお、たぶん制度上、出来無いことになっているのかと思いますが、抵当権を無効する為に、こっそり本社を他州に移転する(但し、カモフラージュの為にオフィスは残す)輩もいるんでしょうね。

2.PL問題発生時の経済的損失に対する責任


一見、厳格責任が原告にとって最も有利であり、製造物責任を追及する際には、訴訟原因として厳格責任だけを主張すればよいようにも思われがちであるが、実際の訴訟においては、上記の過失責任、保証責任、厳格責任など複数の訴訟原因を併記することが一般的である。過失責任が認められた方が損害賠償額の裁定が大きくなること、保証責任は、後述するように経済的損失についての損害賠償請求が認められやすく、また、出訴期間も長いことなど、それぞれに長短があるからである。

(中略)

過失責任や厳格責任に関しては、上記のうちもっぱら経済的損失のみを求める損害賠償は認められないのに対して、保証責任に関しては、もっぱら経済的損失のみを求める損害賠償も認められている。したがって、もっぱら経済的損失の損害賠償のみを求める場合は、保証責任に基づいた請求を行うことになる。なお、この場合は、直接の契約関係の要件を満たすことが必要となる。



契約関係の無い第三者(消費者)から直接、製造物責任に関する訴訟を提起された場合は別として、顧客と取引基本契約書(製造物責任条項あり)を締結していた場合で、顧客にPL事故が発生した場合、

(1)製造物責任法に基づいて当社が責任追及される場合に加えて、
(2)取引基本契約書の製造物責任条項違反に基づいて当社が責任追及される場合

が想定されるかと思いますが、PL事故が発生した場合でも経済的損失までは負担したくない場合には、その旨、契約書に明記しておきたいものですね。

3.特許権に関する日米の相違点


特許権の共有
米国法では、特約がない限り、特許権の共有者は他の共有者の承諾を得ずして自己の持分を譲渡したり、第三者に実施権を許諾できる。

(中略)

一方、侵害訴訟は、共有者全員が共同して提起する必要があり、他の共有者の同意なしに、単独で提起することはできない。


最近、ライセンス契約書の契約交渉に携わる機会が増えていますが、米国に限らず、海外の取引先との締結を検討するケースもありますので、海外の知的財産権に関する法令の内容が、日本法と同じとは限らないという前提で、調査・ドラフト・交渉を進めていきたいと思います。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
融資判断のための会計トレーニング―実践「融資力」(山田ビジネスコンサルティング編集)

<超個人的な備忘メモ(最近、観た映画(飛行機内での機内放送)>
スーサイド・スクワッド(2016年)

※本作品は、DCコミックスのアメコミ「スーサイド・スクワッド」の実写版映画のようで、
 DCコミックスの悪役がたくさん出てくる映画でした。
 予告編を見て期待していたのですが、私は、アメコミはバットマン位しか知らない
 ということもあり、「あの悪役が一堂に会してスゴイ!」という感覚は無く、
 ハーレイクイーン(マーゴット・ロビー)の
 ビジュアル・立ち振る舞い・後ろ姿以外は、正直、楽しめませんでした・・。

 今後、レンタルが開始されて、私のようなおじさんがDVDを借りてきて
 家で一人こっそり見るにはちょっと抵抗のある、
 今話題の青春映画「君の名は。」の方を機内で見ておけば良かったな・・。

電子情報開示制度(e ディスカバリ)対応を見据えたメールの保存期間について(BLJ 2016年12月号)

遅ればせながら、ビジネスロー・ジャーナル2016年12月号をようやく読み終わりました。

本号では、「改正個人情報保護法 前面施行への準備」と題した特集が組まれておりましたが、私の所属している会社の事業・業界の特性上、上記特集記事の内容は全くの無関係というわけでもなく、勉強になりましたが、個人的には、eディスカバリ、フォレンジック等に関するサービスを提供しているクロール・オントラック社の松本氏がファシリテーターとなった、「企業が抱える文書管理における本当の課題とは? 企業担当者×コンサルタントが現場の実情を語る(座談会:前編)」という記事広告が心に留まりましたので、その内容を書き留めておきたいと思います。

本座談会でのいくつかのテーマの内、「各企業の課題の共通点と相違点」というテーマについて、「グローバルに医薬品関連事業を展開する日本企業の法務部に勤務」しているというAさんの問題意識を持った発言部分を抜粋させて頂きます。


当社の一番の課題は、eメールの保存期間の設定です。業務の効率性という観点からは過去のメールを迅速かつ簡単に閲覧できなければいけませんが、かといって保存期間が長くなりすぎると廃棄に関する判断がしにくくなるとも感じています。
また、日本の本社だけでなく、世界中の子会社での文書管理も大きな課題です。米国のeディスカバリやEUの一般データ保護規則(GDPR)などへの対応や、サーバを設置する国・地域の問題など、今後さらに複雑になっていくと懸念しています。


Aさんのように医薬品関連事業を展開する会社でなくても、上記と同じような問題を抱えている会社は多いかと思います。

ちなみに、当社では、現在、全役職員(海外子会社のナショナルスタッフを含む)のメールを、某期間しか保存出来ていない中(守秘義務の観点から明確な期間は言えませんが。守秘義務の対象なのかは知りませんが)、近々、色々な意図もあり、半永久的にメールのログを残すべく、新たなシステムを入れることを検討しております。

なお、私は、電子情報開示制度(e ディスカバリ)について、ほんのさわり位しか把握していませんので、トンチンカンな疑問かもしれませんが、eディスカバリ対応を考えますと、米国での訴訟が発生して、eメール(添付ファイルを含む)を開示しなければならない事態となった場合、メールが半永久的に保存されていますと、eディスカバリで指定された事項に関するメールだけを抽出して開示するにしても、残存しているメールが膨大な状況の中、開示の要否を判断するだけでも相当な労力が発生するのではないかと、個人的に懸念しております。なお、相手方に対する嫌がらせ&時間稼ぎの為、膨大なメールデータを送付して、相手方の確認作業を増やすという、肉を切らせて骨を断つ的な使用方法もあるのかもしれませんが・・。

また、当社の役職員が、当該訴訟関連で当社に「不利な」メールがやり取りしている場合もあると考えますと、メールの保存期間が短ければ短い程、上記のようなメールを開示しなくても良いので、メールの保存期間は短い方が良い、という考え方もあるかもしれません。

一方、これも諸刃の刃で、当該訴訟関連で当社に「有利な」メールを過去、やり取りしていた場合でも、メールの保存期間を短く設定していた場合、有利な証拠メールが自動削除されてしまい、証拠として提出出来無いことになりますので、メールの保存期間をどうするのか、というのは難しい問題ですね。

なお、電子情報開示制度(e ディスカバリ)上、合理的基準に基づいて設定した保存期間が終了したことにより、メール等を廃棄・消去していた場合には、制裁の対象外となるようですが、メールの合理的な保管期間の基準とは何なのか、気になるところですね。

上述も考慮しつつ、メールの保存期間を決定していきたいと思います。なお、たとえ、半永久的にメールを保存していたとしても、クロールオントラック社の有するデータ解析・検索ソフトを持ってすれば、上記のような膨大なメール問題に悩ませられることもないのかと思いますので、クロールオントラック社に相談してみるのも一つの手ですね(笑)

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・アメリカの法廷で闘うとしたら―日本とどれほど違うか(國生 一彦氏著作)
・ハンドブック アメリカ・ビジネス法 U.S.BUSINESS LAW HANDBOOK
 (吉川 達夫氏、飯田 浩司氏著作)
 ※上記書籍で気付かされた点について、近日中に記事を書こうと思います。
・入門商・民訴・刑訴判例まんが本(立花 千尋氏、岡坂 浩樹氏著作)
・法律入門 判例まんが本〈1〉憲法・民法・刑法(同上)
・資本論 (まんがで読破) 文庫
・続・資本論 (まんがで読破) 文庫
・きみは知らないほうがいい(岩瀬 成子氏著作)

(某勉強会の場での)「英文契約書レビューに役立つ アメリカ契約実務の基礎」(レクシスネクシス・ジャパン社)の出版記念無料セミナー・懇親会開催に関する告知!

早速ですが、私が度々参加している、都内某所の某法務勉強会の場にて、今般、「英文契約書レビューに役立つ アメリカ契約実務の基礎」(レクシスネクシス・ジャパン株式会社)を出版された、アンダーソン毛利友常法律事務所の石原坦弁護士、島田充生弁護士のご厚意により、下記の通り、12月2日(金)19:00~20:00に「出版記念無料セミナー」を開催して頂くことになりました。

(アンダーソン毛利友常法律事務所セミナー事務局からの案内メールを受領して既にご存知の方も多いかと思いますが)11月28日、12月1日には、アンダーソン毛利友常法律事務所自身が、上記書籍に関するセミナー(定員各180名)を同事務所内で開催されるようです。

しかし、上記勉強会でのセミナーでは、参加者が計40名と少人数の為、質疑応答がし易く・インタラクティブ・先生方との懇親会付きということで、より深く学ぶことが出来るかと思います。

もし、アンダーソン毛利友常法律事務所が開催する上記セミナーに出席されるという方も、復習&発展学習の機会としてご参加されてはいかがでしょうか。

つきましては、上記セミナーに参加をご希望の方がいましたら、本ブログのメールフォームにて、ご参加される方の氏名・所属先(社名等)・連絡先(メールアドレス)をご連絡下さい。上記勉強会の主催者に代理で申し込みをさせて頂きます。お申し込みを受領後、私から受領確認のメールをさせて頂き、その後、参加の可否が確定した段階で、改めて結果を回答致します。参加希望者の方から受領した個人情報は、上記申し込み対応に限り、使用させて頂きます。

上記法務勉強会の存在や、本セミナー開催の件は、あえて大々的な告知をしていないこともあり、上記方法での申し込みとなる件、ご理解をお願い致します。今のところ、従来、上記勉強会に参加されている方々と、本ブログにのみ、上記セミナーの件を告知させて頂いています。

なお、先着順であることと、会場の都合上、定員が50名と制限がありますので、折角お申し込み頂いても、ご参加出来無い場合がございます。予めご了承下さい。

ちなみに、当初、私は上記勉強会(セミナー)への参加を予定していて、非常に楽しみにしていたのですが、急遽、上記セミナー日程にて出張が入ってしまい、告知をしておきながら大変恐縮ですが、私はセミナーには参加出来なくなりました。。

といっても、本告知は、決して、アンダーソン毛利友常法律事務所決の名前を語って、参加希望者の個人情報を収集しようとすることを意図した記事ではありませんので、ご安心下さい。

「自分で自分を怪しい者ではない、というヤツが一番怪しい」という説もありますが、私は決して怪しい者ではありませんので(笑)


日  時:2016年12月2日(金)19:00~20:00(開場18:30)
会  場:東京都港区新橋にある某社の会議室
     ※参加が確定された方のみ、詳細な場所・連絡先等をお伝えします。
懇親会:上記勉強会後、20:30~22:30まで、場所を移して、
      講師の方を交えて懇親会を行います。
      懇親会場の定員(40名)の都合上、懇親会・交流会への欠席の有無も
      申し込み時に合わせて教えて下さい。
      セミナーのみ参加されることでも結構です。
定  員:50名
参加費:セミナーは無料ですが、その後の懇親会に参加される方は、
      その場で参加費(4,000円。飲食代)を主催者にお支払下さい。
書籍配布:当日、書籍の無料配布はありません。
       なお、事前に書籍を読み込んでセミナーに参加することで、もし、
       疑問点等があれば、当日、著者に直接、質問することが出来ますし、
       本書籍の内容の吸収率をUPさせることが出来るかと思いますので、
       本書籍をご自身で事前に入手して、ご一読後、セミナーに
       参加されることを強くオススメします。
   
<レクシスネクシス・ジャパンによる上記書籍の内容紹介>
英文契約のレビューを業務としている法務担当者において、レビューのベースとなる米国法について学びたいという声はよく聞く。しかし学術的観点で学べる「米国契約法」の書籍はあれど、なかなか実務的観点から書かれた良書がない。本書はまさにそこでこういったニーズにこたえるものであり、契約書レビューに今日から役立つヒントが満載である。契約法のルールや判例が契約条項のどの項目に結びつくのか、すぐにわかるように工夫しており、他部署から「なぜそのような条項に変更しなければならないんですか?」という質問に、根拠をもって的確に回答できるようになる。渉外実務を多く手掛けている著者陣による論理と経験のノウハウを伝授。契約文言サンプルや陥りやすい間違いをわかりやすく指摘するコラムなども合わせて読むことで、英文契約初心者も、経験のある人も満足できる内容となっている。

<講師紹介>
石原坦(イシハラヒロシ)アンダーソン・毛利・友常法律事務所/パートナー
日本国弁護士・ニューヨーク州弁護士・カリフォルニア州弁護士
クロスボーダーM&A、国際商取引、渉外企業法務全般を専門とする。M&Aでは、日本企業による海外企業の買収等の豊富な実務経験を有する。国際商取引では、日本企業と海外企業とのライセンス契約、製造委託契約等の交渉、現地法人の設立等に関するアドバイスを多数行う。また、日本銀行及び総合商社への出向経験を有し、クライアントのビジネス・ニーズを踏まえた迅速かつ的確なアドバイスに定評がある。
2015年4月~アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。
https://www.amt-law.com/professional/profile/HSI

島田充生(シマダミツオ)アンダーソン・毛利・友常法律事務所/アソシエイト
倒産・事業再生案件を専門とし、債務者、債権者、スポンサー候補等の多様なステークホルダーを代理するほか、M&A/企業再編業務に関しても豊富な経験を有する。また、外国投資信託の日本国内での公募・私募に際し、法的問題点についての助言や開示書類の作成・検討を継続的に行っている。
2015年4月~アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。
https://www.amt-law.com/professional/profile/MOS


機密情報の例外規定に関する留意点について

秘密保持契約書では、通常、以下のような「秘密情報」の例外規定が定められているかと思います。


1. 前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当することを乙が
  証明する情報について、乙は本契約における秘密情報として
  取り扱わないものとする。

  (1)甲が開示した時点で、既に公知・公用であった情報
  (2)甲が開示した時点で、既に乙が保有していた情報
  (3)甲が開示後、乙の責によらず公知・公用となった情報
  (4)乙が、正当な権限を有する第三者から適法に入手した情報
  (5)乙が独自に開発した情報

甲:当社の取引先(A社)
乙:当社



先般、ある会社から提示された秘密保持契約書では、上記のような例外規定に加えて、以下の情報についても秘密情報には該当しないと定められておりました。


(6)甲が第三者に対する開示を承認した情報



おそらく、上記契約書をドラフトした方は、「乙が第三者に対して甲の秘密情報を開示する場合には、甲の承認を得なければならない」というような内容にしたかったのかと思いますが、上記の通り例外規定に定められていますと、上記例外規定(6)に該当して、当社が、甲(A社)の秘密情報を当社の取引先(B社)に開示することについて甲(A社)から承認された場合、当該秘密情報は秘密情報とは見なされないことになります。そうなりますと、当該情報には「目的外の使用禁止」規定も適用されないし、当該情報の複製もやりたい放題となります。

上記契約書は、当社だけが秘密保持義務を負う片務的な内容となっておりましたので、上記例外規定の問題点にはあえて触れずに締結を進めましたが、自社の雛形秘密保持契約書に上記のような例外規定(6)を設けられている会社さんは、上記問題が発生しないように修正された方が良いのではないでしょうか。この場を借りてお伝えさせて頂きました。

もし、上記解釈に誤りがあればご指摘下さい・・。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ビジネス貿易英語の基本と実務がよ~くわかる本(橋本 かおる氏著作)
週刊ダイヤモンド 2016年 10/8 号(雑誌) (国税は見ている 税務署は知っている)

<超個人的な備忘メモ(最近、観た映画(DVD))>
マネーボール 2015 主演: ブラッド・ピット
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Author:hitorihoumu
35歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

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