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金型の製造委託は、当該金型を使った量産品の製造・加工業務を行う外注先に対して委託すべし

表題の件は、製造業、卸売業では一般的な話かと思いますが、念の為、書きとめておきたいと思います。

以下の通り、A社がB社に量産品の製造を委託する際、A社は、B社が量産品を製造する際に必要な金型をB社に発注し、完成した金型はB社の工場内にて使用されるというケースが一般的かと思います。

この場合、金型を製造するのがB社ではなく、金型製造メーカーのC社であっても、A社はB社を介してC社に金型の製造を委託するケースが多いと思います。


 1.量産品と金型の商流が同じケース

   [商流(注文書の流れ)]  ※量産品
   A社 → B社

   [商流(注文書の流れ)]  ※金型
   A社 → B社 → C社
   (金型の製造者=C社)
   (金型の納入指定場所=B社工場)



一方、レアケースとして、以下の通り、A社がB社に量産品の製造を委託する際、B社の製造に必要な金型をA社がC社に発注し、完成したC社製金型はB社に納入されてB社で使用されるというケースもあります。


 2.量産品と金型の商流が異なるケース

   [商流(注文書の流れ)] ※量産品
   A社 → B社

   [商流(注文書の流れ)] ※金型
   A社 → C社
   (金型の製造者=C社)
   (金型の納入指定場所=B社工場)



ただ、上記2の場合、B社の製造工程で量産品の不具合が発生した場合に、B社側に、


 「この不具合はA社から貸与されたC社製造の金型起因によるもので当社(B社)の責任ではない。
 その為、当社(B社)としては責任を負いかねる。
 A社の費用負担で金型が問題無い内容となるよう修理・改造して欲しい」



と主張された際、不具合の原因を特定する手間・費用が発生します。

さらに、原因究明作業を進めたものの、その原因・責任割合が明確にならない場合、金型の修正・改造が進まず、なかなか良品が作れないというケースが発生する場合があります。

そこで、原則通り、金型の製造作業自体は、製品の製造委託先とは異なる金型メーカーで実施されるとしても、金型の製造委託は、商流上、量産品の製造外注先を介して発注することで、不具合=外注先として責任の所在が明確になるよう、商流の決定時には留意したいものですね。(上記ケースに関する被相談者は語る。。)

以上、特にネタが無いので、以前、社内で発生したトラブル事例を備忘と誰かの参考の為に書きとめておきました。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
Q&Aで学ぶGDPRのリスクと対応策(中崎 尚氏著作)

[本書で参考になった内容等]
GDPR上、個人データの処理は原則禁止であるが、処理が許容されるケースとしてGDPR第6条に定められた各種適法化事由の内、「契約の履行」について書かれた箇所が参考となりましたので、以下の通り抜粋させて頂きたいと思います。


P91
3 データ主体が当事者である契約の履行のために当該データ処理が必要な場合、又は契約締結前のデータ主体の求めに応じて手続をとるために当該データ処理が必要な場合(b)

この場合、重要なのは、契約当事者がデータ主体自身であることである。

(中略)

他方、法人との契約の履行において、担当者の個人データの処理が可能かというと、法的な契約当事者は当該担当者個人ではなく、その勤務先であるから、この適法化理由は該当せず、別の適法化事由に依拠する必要がある。



GDPRに関する外部セミナー等に参加した際、B to Bビジネスにおいても、「契約の履行」を根拠として個人データの処理をすればおk、という解説をされている方がいましたが、上記書籍抜粋の内容通り、厳密に考えるのであれば、「契約の履行」では説明が付かないですね。

B to Bビジネスでは、「管理者又は第三者によって追及される正当な利益のために処理が必要な場合(f)」を個人データの「処理」に関する根拠とするケースが多いんでしょうな。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法
(Testosterone(テストステロン) 氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
南の島のたったひとりの会計士
(屋宮 久光氏著作)

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商社は古物営業法の許可を取得する必要があるのか?

先般、社内で古物営業法の許可申請の要否について質問を受けた為、確認した結果を備忘と誰かの参考の為に書き留めておきたいと思います。



1.古物営業法上の「古物」とは?

古物営業法上、「古物」は、同法第2条1項に定義されており、


(1)一度使用された物品
(2)使用されない物品で使用のために取引されたもの
(3)上記の物品に幾分の手入れをしたもの



のいずれかの物品を言います。

また、下記のモノは古物に該当しないと定められています。


(1)鑑賞的美術品
(2)商品券
(3)乗車券
(4)郵便切手、その他政令で定めるこれらに類する証票
(5)大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で
  政令で定めるもの



古物というと骨董品だけを意味しそうなイメージがありますが、そんなことはなく、上記例外物品を除く、かなり広範囲のモノが古物に該当し得ることになります。



2.取引先から未使用の材料を購入し、第三者に販売する行為は古物商の許可が必要か

取引先(A社)が、自社の製造の為に部材を調達したものの、やっぱり使わなかったので、商社であるB社がA社の依頼を受けて上記未使用の部材を購入し、C社に転売する場合は、古物商の許可が必要なのか?

上記1.の通り、A社から購入する部材は「(2)使用されない物品で使用のために取引されたもの」であり、除外物品には該当しないので、「古物」に該当することになります。

ただ、某警察署の古物商係の方によると、「古物」の取引を反復継続して行う場合に限り、古物商の許可を得る必要があるようで、スポット的に「古物」の取引をするような場合は、業として、古物の取引をする者ではない為、古物商の許可申請は不要とのことです。

その為、上記ケースでは、複数回にわたり、上記取引が発生するかにより、許可申請の要否を判断することになります。



3.通常のビジネスでは許可申請は必要か

上記ケースと異なり、一般的なビジネス通り、部材メーカーから部材を購入して、そのまま、もしくは一部加工・モジュール化する等して顧客に転売する取引では、当該部材は「古物」には該当しない為、古物商の許可申請は不要となります。

なので、通常のビジネスをしている限りは、古物商の許可申請は必要ないことになりますね。

以上、個人的な備忘と誰かの参考の為に書き留めておきました。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
多動力(堀江 貴文氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・全部自分でやる必要は無い。
 自分の貴重な時間は、自分の強みが一番発揮できる仕事に集中すべき。

・仕事が遅い人、仕事に忙殺されている人は、仕事は全て100点を
 取らなくてはいけない、という自己満足を捨てるべし。

・付き合わない人間を明確にすべき。
 誰とでも無難に付き合い、心にもないお世辞を言ったり、
 愛想を振りまいているうちに、人生は終わってしまう。
 自分の時間を奪う人間と付き合ってはいけない。

・終わらない仕事を、労働時間を増やすことで解決しようとしないこと。

・優先順位を付けず、手近にあるどうでもよい仕事から始めてしまうから、
 カオスになってしまう。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)
3年後に必ず差が出る 20代から知っておきたい経理の教科書
(小島 孝子氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
法律事務職員実務講座応用編Ⅰ民事保全・民事訴訟

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日本国外のグループ会社を被保険者とする単一のグループ保険に加入する際の付保規制に注意

今般は、後で読もう読もうと思って切り抜きしていた、「BLJ2018年6月号」実務解説 上場会社のD&O保険の論点と社内手続(オリックス株式会社 投融資管理本部 ポートフォリオ管理部(担当部長 山越誠司氏、課長代理 大津康子氏))を遅ればせながら読んでみました。

早速ですが、上記記事の一部を抜粋させて頂きます。


Ⅳ グローバル保険プログラムの段取り

(中略)

また、日本の親会社のマスター保険証券で保険適用地域を「全世界」とし、補償範囲に海外子会社も含めておけば、マスター保険証券で全世界をカバーすることになるので、わざわざローカル保険証券は必要ないのではないかという疑問も出てくる。しかし、国によっては、保険契約に関して、当該国に所在するリスクは当該国で免許を取得している保険者から保険を購入する必要があるという付保規制が存在し、海外の子会社が日本の親会社のマスター保険証券でカバーされることを禁じている。よって、マスター保険証券とローカル保険証券の組み合わせは、そのような規制が厳しい国に対応するための苦肉の策ともいえる。

例えば、仮に付保規制の厳格なインドの子会社で保険事故が発生した場合、マスター保険証券の締結されている日本からは保険金支払いができない可能性があるので、インドのローカル保険証券の1億円から保険金が支払われることになる。あるいは、米国で保険事故が発生した際は、まず先にローカル保険証券の1億円が適用され、その1億円をすべて費消した後に、マスター保険証券の9億円が適用になる。この保険プログラムでは、マスター保険証券とローカル保険証券の支払限度額が共有されているため、マスター保険証券に記載されている金額の10億円が最大支払限度額となる。



上記記事で、マスター保険証券とローカル保険証券同士で支払限度額を融通し合うグローバル保険商品があるのは初めて知りました。ただ、付保規制を厳格に考えると、融通した保険枠を使うというのはちょっとグレーな感じがしますね・・。また、支払限度額の融通が発生した際の会計・税務処理がどうなるのか気になるところです。

なお、上記抜粋箇所にも記載の通り、国により適用加減は異なりますが、D&O保険に限らず、保険業界には世界の共通ルールとして付保規制というものが存在します。

例えば、日本の親会社が単独で費用負担して、海外現地法人も被保険者と設定した、日本の保険会社が販売している賠償保険に加入し、いざ、海外現地法人が日本の保険会社から保険金を受領しようとしても、付保規制によって、海外現地法人が保険金を受領出来無い(日本の保険会社が海外現地法人に送金出来無い)事態が発生する可能性がある為、注意が必要です。

なお、例えば、下記の商流の取引を実施していた場合で、


  (売買時のモノの流れ)
  サプライヤー(日本法人)
    ↓
  A社(日本法人)
    ↓
  B社(A社子会社。中国法人)
    ↓
  C社(顧客。中国法人)



A社が、A社単独費用負担で、B社を含む自社の海外グループ会社も被保険者とするPL保険に加入していた場合を考えてみましょう。

以前、保険会社に確認したところによると、付保規制があるとしても、B社の先でPL事故が発生したので保険を使いたい場合は、B社が、顧客C社から賠償請求を受けて賠償金を支払い、その賠償金額をA社に求償してA社がB社に支払い、A社(日本法人)が日本の保険会社に保険請求することで、付保規制の制約を受けることなく、保険金を受領することが出来るとのことでした。

ただ、昨今、日本の親会社(材料メーカー)が、日本のセットメーカーと製品の仕様等を決定してビジネスが決まったものの、実際の量産取引は、セットメーカーの海外現地法人(工場)と材料メーカーの海外現地法人(工場)間で行われて、日本の親会社が商流に介在しないケースは多々あります。

このように、日本の親会社が商流に入らない場合、付保規制にモロに引っかかりますので、特に付保規制が厳格と言われている国(中国、ブラジル等)の現地法人では、保険金を受領出来無いリスクを考慮して、独自に費用負担して現地保険会社から保険を購入するか、上記記事の抜粋箇所のように、少しグレーナ感じもしますが、マスター保険証券とローカル保険証券同士で支払限度額を融通し合うグローバル保険商品の加入を検討した方が良さそうですね。

なお、私の所属している保険の加入方法は秘密ということで・・。

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破天荒弁護士クボリ伝(久保利英明氏、磯山友幸氏著作)
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(中国)ライセンス契約上の達成目標を契約上、明確に定めるべし 他

1.中国への技術ライセンス、技術譲渡の場合の売主の保証義務

今般は、前回UPした記事に引き続き、「中国ビジネス法体系 第2版(藤本 豪氏著作)」を読んで心に留まった事項を書きとめておこうと思います。

早速ですが、上記書籍のP89を以下に抜粋させて頂きます。


技術輸入契約における技術の供与者(ライセンサー、譲渡人等)には、以下の事柄が義務づけられている。

1.技術の供与者は、自己が権利者であることを保証しなければならない

2.技術の供与者は、被供与者が第三者から権利侵害の訴訟を提起されて供与者に
  通知した場合、その排除につき協力しなければならない

3.技術の供与者は、被供与者が当該技術を契約に従って使用することで第三者の権利を
  侵害した場合、責任を負う(したがって、免責の定めを置くことは出来無い。)

4.技術の供与者は、供与する技術が完全で、瑕疵がなく、有効であり、契約に定められた
  技術目標を達成できることを保証しなければならない。

上記4については、「契約に定められた技術目標を達成」できるものであったか否かを巡って紛争が生じやすい。技術の供与者としては、このような紛争リスクへの対処として、契約において、(i)技術目標を出来るだけ具体的に記載すると共に、(ii)一定の要件を満たした場合(たとえば、技術被供与者が当該技術を用いて試作した製品につき技術の供与者が検品や試験を実施し、合格証を発行した場合等)は契約に定められた技術目標が達成されたものとみなす旨を定めておくことが考えられる。



中国への技術ライセンスに限らず、特許権の譲渡やライセンスとは異なり、目に見えないノウハウや技術のライセンス契約では、「契約に定められた技術目標」、「ライセンス対象物」は何なのかを明確にしないと、後々、もめることになりますので、注意したいものですね。

特に、今後、日本では民法が改正されて、「瑕疵」が「契約不適合」という概念になる中、契約の目的とは何なのかより重要となりますので、取引毎に明確に定めておきたいものです。



2.個別ケースのご紹介+教訓

そういえば、以前、技術輸出入管理条例の上記保証義務規定が争点とはなっただけではありませんが、遭遇したケースとして、こんな事例がありました。


[ケース]
(1)当社が、取引先A社(日本法人)に某設備を販売する売買契約を締結。

(2)上記設備はA社の中国子会社に輸送・設置し、中国国内での製造に使用されることが
   前提となっていた為、当社が、当該設備を用いた某製造方法について、
   A社とA社の中国子会社に技術指導を行う契約を別途締結。

(3)上記契約に基づき設備を中国に輸送・設置後、当初想定した通りの製品が
   製造出来無い事態が発生。

(4)取引先A社側は、当初想定した通りの製品が出来無いのは、某設備に瑕疵があり、
   さらに、技術指導の仕方・内容にも問題があるが原因と主張して、
   設備の売買代金と技術指導料の支払を拒否。

(5)当方及び当方のサプライヤー(設備の製造者+技術指導の提供者)の主張としては、
   設備には瑕疵は無く、当方側としてはしっかり技術指導をしているものの、
   A社の中国子会社側に製造工程の管理者が不在で、また、スタッフのヤル気が
   足りないことが原因であり、現に、上記設備を用いて当方のサプライヤーが
   中国現地で製造した際には良品が出来ることを理由に、
   A社側の主張を拒絶するが、双方で見解の相違は埋まらず。。。



上記ケースの顛末は秘密ですが、上記ケースの教訓としては下記の3点です。


[教訓]
(1)技術指導契約(ライセンス契約)の目標達成基準をもっと明確に定めておけば良かった。

(2)「設備の売買」と「ライセンス契約」が何となく紐付く内容だったばかりに、
   設備代金の支払いを拒否する口実を与えてしまった。

   売主の立場としては、設備の検収条件をより明確に定め、さらに、瑕疵担保条項に
   売主の責任範囲・瑕疵担保期間をもっと制限しておけば良かった。

(3)当社は商社であり、「当社と当社のサプライヤー」、「当社と顧客(A社)」間の
  売買契約、技術指導契約の契約条項を同一内容(back to back)で締結していたので、
  問題無いと安心していたところがあった。

  しかし、販売先・ラインセンス供与先と契約上の問題が発生した場合、
  一義的に責任を問われるのは自社であること、サプライヤーに契約通りに
  権利行使してもスムーズに応じて貰えないリスクがあることを念頭に、極力、
  自社の責任が限定されるよう契約交渉すればよかった。





2.ラインセンス契約上の技術供与者側の責任限定方法

「中国法実務教本―進出から撤退まで(大江橋法律事務所 中国プラクティスグループ 編集」によると、「技術輸出入管理条例は、国務院が制定する行政法規に該当し、技術輸出入管理条例に定める目標達成の保証規定は強行規定の性質を持つので、保証義務を契約に定めつつ、保証の条件を合理的な範囲に限定する等の対応をとることが実務となっている」旨、解説されています。

また、「図解入門ビジネス中国ビジネス法務の基本がよ~くわかる本(遠藤 誠氏著作、孫 彦氏著作)によると、保証条件の限定の仕方として、下記のような内容を契約に定める方法が実務上、取られている旨、解説されていました。

正直、日中間のライセンス契約にはあまり関与したくはありませんが、ドラフト・審査しなければならない場合には、上記を念頭にして対応したいと思います。


 [限定方法(例)]
 (1)「契約締結時点において」、第三者から権利侵害の請求を受けていないことを保証する。

 (2)ライセンスした技術が、「ライセンサーが製品製造の為に日本国内で使用しているものと
   同一条件で用いられる場合に限定して」
、同様の効果を生じることを保証する。

 (3)ライセンサーが受領したロイヤルティ額の範囲内で保証責任を負う。



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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
弁護士 転ばぬ先の経営失敗談(北 周士氏著作)

[本書で心に留まった考え方等]
私は弁護士でも無く、独立・開業を予定しているわけでもありませんが、
普段の仕事に活かせる箇所もあるかと思い、本書を読んでみました。

(1)案件を引き継ぐ場合は、現時点で取っている選択肢・現時点の争点だけでなく、
  これまで選択しなかった選択肢、選択しなかった理由、過去の争点、
  思考についても引き継ぐべき。思考の連続性を意識して引き続く必要あり。

(2)開業に際して、「弁護士しか出来無いこと」、「弁護士でなくても出来ること」を分類して、
  全部自分がやらなければならないと考えず、事務局に任せられることは任せる。

  [メモ]
  自分がやった方が早い病は早く治したいもんですね。

(3)「何か変だ」と思った場合は受任しない。
   事件が欲しいという一心で受任すると痛い目に合う。

  [メモ]
  人材の採用についても同じことが言えますね。。。

(4)特に感情的になっている個人の依頼人が抱えている訴訟のイメージは、
  訴訟は「正義」を示す場であり、「相手を懲らしめる場」というものが多い。

  一方、弁護士の認識は、「権利が認められるかどうかを判断する場」、
  「一つの解決手段」というものであり、双方の認識に差があることに留意すべき。

(5)ミスを隠さない。ミスをした際の正直な対応で信頼感が増すこともある。

(6)連絡されすぎで怒る依頼者はほとんどいないが、連絡が少なくて怒る依頼者は多い。

  [メモ]
  進捗が無くて連絡しないでいると、さらに連絡し難い感じになってくるので、
  1週間に一回とか期間を決めて、必ず定期的に報告・連絡するようにしたいもんですね。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)
マンガでわかる 知的財産の新常識 (スッキリわかる!)
(佐藤大和氏、松田有加氏、松井貴法氏著作)
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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)
ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい
(正田 圭氏著作)
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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
そのまま使える経理&会計のためのExcel入門(井ノ上 陽一氏著作)
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中国法人同士の仲裁合意では、中国外の国の仲裁機関は選択不可

今般は、「中国ビジネス法体系 第2版(藤本 豪氏著作)」を読んでみました。

上記書籍を読んで心に留まったことが多々ありましたので、計2回に分けて本ブログに書きとめておこうと思います。
今回は、中国法人間の契約における仲裁合意について書いてみます。

早速ですが、上記書籍のP611を以下に抜粋させて頂きます。

1.中国法人同士の契約の仲裁合意では、海外の仲裁機関は選択出来無い


(c)国内契約に関する国外の仲裁
  中国国内の契約(両当事者とも中国法人である場合)について中国以外の国・地域(香港を含む)における
  仲裁機関での仲裁を選択できるかについては、法律上不明確である。

  この点、中国の裁判所は現在のところ、そのような仲裁の裁決を中国国内で執行することはできないと
  解しているようである122。

  中国国内の契約については、執行可能な相手方の財産が中国国外にある等といった特殊な場合を除き、
  中国以外の国・地域(香港を含む)の仲裁機関を選択しないようにするのが無難である。

(脚注122)
再考人民法院民事審判第四庭「渉外商事海事審判実務問題解答(一)」第83項参照



上記の通り、中国本土内の当事者同士の契約では、中国以外の国・地域における仲裁機関を利用した仲裁合意をした場合、執行不能という問題が発生しますので注意が必要です。



2.中国法人同士の契約の準拠法では、中国法が強制適用される

本書には記載はありませんでしたが、準拠法についても、中国本土内の当事者同士の契約では、準拠法は中国法が強制されるため、例えば、日本法を選択しても無効となります。

なお、中国契約法 第126条により、渉外契約であれば、準拠法を自由に選択出来ます。ただし、外資系企業であっても中国法人間の契約であれば「渉外契約」とはいえず、以下の「民事訴訟法の適用に関する若干問題についての意見」第304条に記載の「渉外契約」に該当しなければ、中国法人間の契約となります。

  [渉外契約の定義]
  (a)当事者の一方又は双方が外国人、無国籍人、外国企業もしくは組織
  (b)当事者間の民事法律関係の設立、変更、終了の法的事実が外国で発生
  (c)訴訟目的物が外国にある民事案件を渉外民事案件とする。



3.以前、遭遇したケース(1)

以前、当社の中国現地法人が、日系の取引先から提示された基本契約書に、「準拠法」は「日本法」、「仲裁合意条項」には仲裁機関を「日本商事仲裁機関」と定めているケースがありました。

中国法人同士の契約で上記内容はいかがなものかということで、変更依頼をしたものの、先方のグループ統一フォーマットで、日本の親会社が変更を認めないとか何とか言って変更してくれませんでした。

上記は、当方が売主の基本契約書で、売主である当社の権利で定められているのは代金の受領債権くらいなもので、大手日系の顧客の為、債権回収リスクは少ない中、品質保証責任等、当社の義務の方が多数定められていた為、仲裁判決で当方が敗訴しても執行不能になるからよいかと、最終的には原文通りで締結した記憶があります。



4.以前、遭遇したケース(2)

そういえば、少し話は変わりますが、日本法人の取引先と当社の中国現地法人間の秘密保持契約書で、先方から提示されたフォーマットに、「紛争の解決方法」が「日本での裁判」と定められているケースがありました。

上記ケースでは、当方は秘密情報を受領するだけで、当方から先方に秘密情報を開示することは想定されていなかったので、契約違反するとしたら当方しか無い中、仮に当方の中国現地法人が上記契約に違反して裁判を提起されて敗訴した場合でも、日本の裁判所の判決に基づいて中国では執行されることは無いから、上記日本法人の取引先は泣き寝入りをするしかない、ということで、あえて仲裁条項への変更は提案せずに締結したこともありましたね ( ´,_ゝ`)

実際、上記ケースで訴訟に発展した場合、どうなっていたんでしょうね~。
執行出来るものならしてみろとか言っちゃってたんでしょうかね ( ´,_ゝ`)

ただ、上記訴訟が、日本法人の取引先が当社の中国現地法人に対して賠償請求するような係争案件だった場合、上記日本での判決に基づいて日本での執行は可能なので、当社の中国法人が親会社である当社に対して売掛債権を有していた場合、当該売掛債権が差押されることはありえますね (,,゚д゚)



5.結論
いずれにしても、地理的有利さだけで安易に準拠法、紛争の解決方法を選択することなく、執行可能性、準拠法に関する強行法規を念頭にして契約審査・ドラフトしたいものですね。





[中国契約法 第126条]
渉外契約の当事者は契約紛争に適用する法律を選択することができる。但し、法律に別段の定めがあるときはこの限りではない。渉外契約の当事者が選択しないときは、契約と最も密接な関係のある国の法律を適用する。中華人民共和国で履行する中外合弁経営企業契約、中外合作経営企業契約、中外合作自然資源調査開発契約には中華人民共和国の法律を適用する。




「民事訴訟法の適用に関する若干問題についての意見」
(最高人民法院審判委員会1992 年7 月14 日制定,同日公布,同日施行)

第18 渉外民事訴訟手続の特別規定
第304条 当事者の一方又は双方が外国人、無国籍人、外国企業もしくは組織、あるいは当事者間の民事法律関係の設立、変更、終了の法的事実が外国で発生、あるいは訴訟目的物が外国にある民事案件を渉外民事案件とする。



[その他、本書で参考になった内容等]
・中国では、債権が二重に譲渡された場合、債権譲渡契約の締結時期が早かった
 譲受人が優先される。日本のように対抗力を備えた通知という概念は無い。

・無断録音は、他人のプライバシーや商業秘密、国家機密を侵害しない場合には
 証拠として使用可能と一般的に解されている。
          ↓
 契約交渉をICレコーダーで録音した場合は、証拠に使えそう。

・中国の訴訟は、日本の訴訟と比較して、口頭主義の要素が強い。

・中国の民事訴訟法(第125条2項)上、答弁書の提出は義務ではない。

[以下、中国の民事訴訟法 第125条2項]
2.被告が答弁書を提出しない場合にも、人民法院の審理に影響を及ぼすことはない。



・中国では、リバースエンジニアリングによって得た情報は基本的には
 自由に使用することができる。不正競争防止法における「商業秘密」の
 侵害に該当しないとされている。
 (「不正競争民事案件の審理の法適用についての若干問題に関する解釈」第12条)

・請求権競合
 中国法上も債務不履行責任と不法行為責任の並存(請求権競合)が
 認められているが、訴訟を提起する時点で、いずれかを選択する必要がある。
 民事訴訟の訴えでは、客観的選択的併合は認められていない。

・違約金の金額が実際の損害額の130%より高い場合、違約金の金額が
 実際の損害よりも著しく高いとして無効となる。
 (「契約法の適用の若干問題に関する解釈(二)」第29条2項)

  [個人的メモ]
  個人的な経験上、上記解釈に該当して違約金の定めが無効とされたケースも
  ありますが、130%を超えていても不当とは認定されず、契約書通りの
  遅延損害金の利率が認定されたケースもありましたので、
  ケースバイケースなんでしょうね。

  以前、130%を超えた損害賠償金の利率を裁判で認定されて、また、
  弁護士費用+請求金額を大きく超える実勢価格のある抵当権を当方が
  設定していた中、強制執行・抵当権の実行をさせないように、
  時間稼ぎ作戦をしてきた取引先がいました。

  相手方が時間稼ぎをすればするほど、遅延損害金がどんどん膨らんでいく状態で、
  銀行金利が雀の涙である中、ある意味良い金融商品を手にして
  ウハウハな状態だったことがあります(゚∀゚)
  遅延損害金のことが頭になかったのでしょうか。以上、蛇足でした。



・増値税専用発票は税務局から貸与されたシステムを用いて発行される。
 発行内容は全て税務局によってオンラインで捕捉、把握されている。


  [個人的メモ]
  中国のサプライヤーの中には、モノを出荷後、増値税専用発票を発行すると
  売上を計上しなければならず、支払うべき税金が増加するので、なかなか
  増値税専用発票を発行してくれないサプライヤーもいます。

  「自社が発行した増値税専用発票の額」から「現実に受領した増値税専用発票」の
  差額を納税する必要があるので、サプライヤーから増値税専用発票を貰えないと
  増値税の負担額が増加するので、注意が必要ですね。



・不動産に抵当権を設定する場合、建物とその敷地の土地使用権の両方に抵当権を
 設定する必要があり、片方のみ設定した場合は両方に設定したものとみなされる。
 (「物件法」第182条)

・中国でも売掛金について質権を設定することは出来るが、日本法と異なり、債権者による
 直接取りたてが認められていない為、担保としての実効性は不十分。(流質契約の禁止)

・中国では「事情変更の原則」が明文により認められている。
 (最高人民訪院の司法解釈)

・中国では粗悪な模倣品が出回っていることもあり、中国内でPLのクレームを受けた場合は、
 本当に自社が納入した製品かどうか、事実確認をした方が良い。

change china hou taikei

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込
(オードリー 若林 正恭さん著作)

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Author:hitorihoumu
36歳 男 二児の父
主に、週末にブログを更新する予定です。

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